トラネキサム酸の内服は2ヶ月を超えても大丈夫?
トラネキサム酸は、肝斑には無くてはならない薬剤です。
アミノ酸の一種で、大きな副作用の心配もないため、長期間の内服もでき、様々な疾患に使用されています。
肝斑の治療は、美容皮膚科で行うことが多いと思いますが、レーザートーニングや、光治療の肝斑用の照射方法が出てくるまでは、レーザーは禁忌とされていたため、トラネキサム酸とビタミンCの内服以外の方法はありませんでした。内服期間も1年以上続けることは珍しくなく、治療後の再発防止目的で、定期的に内服を続けている方も多いものです。
トラネキサム酸は、抗プラスミン薬とも言われ、炎症を起こす生体内の酵素「プラスミン」の反応を抑える作用があります。炎症を抑えたり、止血効果があるため、様々な疾患に使用されます。例えば、風邪を引いた時にノドが腫れて痛い時に処方されたりします。
トラネキサム酸は、ビタミンCと同じように腎臓から排出されるので、持病として腎不全を持っている方や、血栓ができやすい方は、主治医と相談して使用するかどうか判断が必要です。
普通であれば、特に問題なく長期にわたって使用することができます。
ここでちょっとした問題があります。
肝斑用の内服薬として ドラッグストアで購入することができる 「トラ〇シーノ」 の存在です。
実は、このトラ〇シーノには、2ヶ月内服したら、2ヶ月休んでください という注意書きがあります。
ネット上には、この点を強調する書き込みも多く、治療過程で トラネキサム酸の内服を中断してしまう方が、チョクチョク出てきます。
肝斑治療のベースとして使用することで、効果的に治療を進めていくことができるはずですが、この注意書きによって、それまで問題なく進めていくことができていたはずなのに、2ヶ月でやめてしまう状況が生まれてしまいました。
何故トランシー〇は、2ヶ月内服したら中止するように書いてあるのでしょう。
これは、「トラン〇ーノ」という商品の臨床試験期間で、8週間の臨床試験で効果を確認したということから来ているそうです。何より OTCで販売するということで、制限が必要だったということではないかと思います。
ドラッグストアで、簡便に販売するわけですから、医療機関の診察とは違うため、万人向けにするためには、このような制限が必要だったのだと思います。
医療機関では、診察を行った上で処方するわけですから、このような制限はありません。
肝斑の治療中の方は、自己判断で中止する前に 確認していただければ幸いです。
肝斑治療には 以下ページも参照ください。