高濃度ビタミンC点滴療法

コラーゲン生成促進・抗酸化作用・免疫力向上
全身の細胞の活性化で身体の中から若く美しく

がん治療の新たな補助療法として有効性が確認され 国内でも普及しつつある高濃度ビタミンC点滴療法。更に高濃度のビタミンCが短時間に全身に行き渡ることで、全身の細胞の活性化による若返り、体の中から若く・美しくなることへとつながります。風邪やウイルス性疾患の予防や、疲労回復にも有効的です。

このような方におすすめです。

  • 健康維持・増進
  • 疲労回復 ストレス対策
  • 老化防止 エイジングケア
  • 免疫力の向上 感染症対策
  • アレルギーの改善 アトピー性皮膚炎
  • 肌質改善 シミの抑制 色素沈着
  • ニキビの改善
  • 髪質の改善
  • 歯周病対策
  • がんの予防・治療

高濃度ビタミンC点滴療法とは

高濃度ビタミンC点滴療法は、内服薬やサプリメントではとても摂取することができないほどの 大量のビタミンCを点滴で短時間に体に取り込むことで得られる 様々な効果を利用する治療法です。

血中にビタミンCを大量に投与し、血中ビタミンC濃度を急激に上昇させることで、癌だけでなく 様々な感染症に対する免疫力を高め 美白・美肌・アンチエイジング等の美容皮膚科的効果 疲労回復 身体機能の改善 様々な疾病の予防・改善等 幅広い効果を得ることが可能です。

ビタミンCは病気やストレスなどで大量に消費される。癌だけでなく 健康増進・若返りに

1960年代、ノーベル化学賞を受賞したライナス・ポーリング博士は、大量のビタミンCが風邪やがんの治療に有効であると発表しました。「メガビタミン主義」と言われます。ポーリング博士は1954年にノーベル化学賞、 1963年にノーベル平和賞を受賞しました。

人間などの霊長類と一部のネズミは、自らの体内でビタミンCを合成することができません。一方、その他の動物は必要に応じて体内でビタミンCを合成することができます。したがって人間は外からビタミンCを積極的に摂り入れる必要があるということを強調し、動物と人間の体重比から考えると、その量は一日あたりグラム単位とすべきというのが博士の主張です。

長い間(約半世紀)この大量のビタミンCを使用した治療は、医学会では注目を受けることはありませんでした。それは、われわれの常識となっている「ビタミンCを大量に摂取しても、すぐに排泄される」という常識があるためでした。

ポーリング博士は、生前1日当たり20gものビタミンCを摂取していたといわれています。

状況が変わるのは、2005年、ビタミンCの強い抗酸化作用により発生する過酸化水素が、健常な細胞には無害だが癌細胞には有害であることが報告された時からです。副作用のない抗がん剤となる可能性の高い治療法として、再注目されるようになってきました。現在、NIH(米国国立衛生研究所)の認可を受けた臨床試験が実行されています。

高濃度ビタミンC 点滴療法の効果

1.コラーゲンの生成促進作用

ビタミンCは繊維芽細胞の働きを高めコラーゲンの生成を促進させる働きがあります。コラーゲンは丈夫な皮膚や粘膜、血管や筋肉、骨などを作るのに欠かせない成分です。コラーゲンが増加することで肌のハリや弾力を保つことができます。

2.抗酸化作用

細胞の老化を促進し、やがては心臓病や脳卒中、がんなどの生活習慣病を誘発する活性酸素(攻撃力の強い酸素)を、強い抗酸化作用で無毒化し、ニキビやシワ、シミなど老化から肌を守ります。

全身の倦怠感や疲労の回復を早めます。

3.免疫力向上

ビタミンCは、ウイルスを撃退する白血 球の働きを助けつつビタミンC自体も白血球と同じような働きをしてウイルスを攻撃し、さらにリンパ球の働きを助けることで体の免疫力を強化、し風邪やウイルスによる感染症を予防して全身の健康から美肌をつくります。

4.抗アレルギー作用

ビタミンCの抗ヒスタミン作用によりアレルギー疾患のかゆみを緩和します。

5.がんの抑制作用

ビタミンCには、胃がんや肝臓がんの原因となるニトロソアミンという発ガン物質が体内で生成されるのを抑制するとともに、発生したニトロソアミンを無毒化する作用があります。さらに、抗 がん活性を持つ免疫物質のインターフェロンの生成も促進するので、がんになりにくい体質づくりができます。

さらにコラーゲンの生成促進作用、抗酸化作用、免疫力向上といった様々な作用が相乗的に働くことで、正常細胞を守りがん化を抑制します。

癌治療においては、現在臨床試験が行われており、研究中の治療であるため、現在行われている「放射線療法」「化学療法」などの治療の代替となるものでは今のところなっていません。しかし、副作用がなく、他の癌治療の副作用を軽減させる効果,癌細胞のみを選択的に攻撃できることから、他の治療法と相乗効果が十分期待できます。

詳細については 以下のリンクを参照ください。

癌治療のための超高濃度ビタミンC点滴療法

高濃度ビタミンC+H2(水素)併用点滴療法

このように 高濃度ビタミンC点滴療法は、肌質改善-体質改善だけでなく がん治療など様々な分野で使用されてきています。副作用がなく,安全にエイジングケアを行う上で 大変良い方法の一つといえます。「水素」を併用することで、更に高濃度ビタミンC点滴療法の効果を高める事が可能です。

水素点滴

ガン治療でも使用される高濃度ビタミンC点滴療法。

血中ビタミンC 濃度を高める事で強力な抗酸化作用となるだけでなく 過酸化水素H2O2を発生させ、ガン細胞を死滅させる効果があります。

一方で 過酸化水素水素が血中に多く存在する鉄分と反応し 悪玉活性酸素「ヒドロキシラジカル」を発生させる側面があります(フェントン反応)。そこで水素と併用することで その作用を中和し 更に相乗効果を得ることができます。

水素で高濃度ビタミンC点滴療法の効果を更に高めます。

高濃度ビタミンC点滴で発生する ヒドロキシラジカルを水素で抑制し 水素の強力な抗酸化作用を併用することで 相乗効果を得ることができます。高濃度ビタミンC点滴療法は、謂わば 抗酸化力の爆弾として強力に働いてくれます。その際に発生する余波を 水素は上手に除去し 効果を更に高めてくれます。

高濃度ビタミンCと飽和水素水との併用は、ガン治療だけでなく 体調管理 肌質向上 様々な面で 非常に良い相性を発揮してくれるのです。

水素点滴療法

自己血オゾン療法との相乗効果

血液クレンジング(オゾンセラピー)

血液クレンジング療法は、大量自家血オゾン療法と呼ばれる治療法です。100mL程採取した血液にオゾンガスを反応させることで 強力な酸化物質であるオゾンに対抗するように 血液は 大量の抗酸化物質を産生します。

このシグナルは オゾン化した血液を戻すことで体中をめぐり 抗酸化力を飛躍的に高めてくれるのです。 免疫力を高め 末梢への血流を改善させるため、慢性疲労や冷え性の改善から がんの予防・補助療法としても注目されています。

血液クレンジングと高濃度ビタミンC点滴療法は、相乗効果が期待できることで 同時に行うことが多い点滴療法です。共に活性酸素を除去し 免疫力を高め 血流を改善し 自然治癒能力を高める作用があります。

エイジングケア 慢性疲労 がん予防・治療 アトピー性皮膚炎等 また 更なる健康増進 パフォーマンス増強のために 高濃度ビタミンC点滴と血液クレンジング療法の併用は 大変有効な方法と言えます。

血液クレンジング療法

料金表 高濃度ビタミンC点滴療法

高濃度ビタミンC点滴療法 料金
12.5g (12,500mg) 7,700
25g (25,000mg) 13,200
37.5g 18,700
50g 24,200
プラセンタ追加 1アンプル あたり 1,100
高濃度ビタミンC
+水素点滴
12.5g(100ml) 13,200
25g(250ml) 24,200
G6PD検査※ (初回のみ) 3,300
血中ビタミンC濃度測定   5,500

50g以上をご希望の際には、担当医とご相談ください。

※G6PD検査は 院内で迅速検査を行ないます。当日の点滴が可能です。

当院で使用する注射用ビタミンC製剤について

高濃度ビタミンC点滴に使用する超高濃度ビタミンC製剤当院は点滴療法研究会マスターズクラブに所属し 高濃度ビタミン点滴療法認定医が 研究会のプロトコルに基づいた治療を行なっております。

研究会のプロトコルに基づき 当院の高濃度ビタミンC点滴療法では、防腐剤不使用の  高濃度ビタミンC製剤(米国Mylan(マイラン)社製等)を使用しています。

マイラン社の高濃度ビタミンC製剤は、アメリカやカナダで実施している高濃度ビタミンC点滴療法の臨床試験に採用されています。

Mylan社製超高濃度ビタミンC製剤は、米国USP基準に準拠した輸送方法により、新鮮で最高品質の状態で工場から厳重な保冷コンテナ(5度冷蔵・恒温空輸)で日本の医療機関に空輸しています。

注意 副作用 禁忌

点滴穿刺部位の痛み、嘔気(吐き気)が出ることがありますが、点滴速度を調整することで症状を改善させることが可能です。

アメリカのカンザス州ウイチタ市にある国際人間機能改善センター(The Center for the Improvement of Human Functioning International)は 高濃度ビタミンC点滴療法で有名です。これまでの15年間に3万件以上の高濃度ビタミンC点滴療法を実施してきました。このクリニックでは副作用によって死亡に至った例はありません。実際には殆ど副作用のない安全な治療だと言えます。1例ですが 点滴初日に腫瘍から出血を起こした事例の報告があります。しかし大事には至っていません。このような腫瘍出血はこれまでの抗ガン剤の投与でも見られる副作用です。

これを防ぐために 初回はビタミンC12.5gから開始し、徐々に投与量を増加させます。高濃度ビタミンC点滴療法終了後の数時間は、簡易血糖測定器で測ると 見かけ上血糖値が高値になります。これは見かけ上高いだけで、実際の血糖値はもっと低い値になります。したがって自己血糖測定をしてインシュリンの注射量を決めている糖尿病患者ではインシュリンの量に注意しなければなりません。

G6PD欠損症という赤血球膜の遺伝性酵素異常がある方はこの治療を受けることができません。高濃度ビタミンC点滴療法を受ける場合には、必ずG6PDの検査を実施します。透析中の腎不全の方はこの治療を受けることはできません。心不全、大量の腹水、強い浮腫のある方は、点滴で水分を血管内に入れることで病状の悪化を来す恐れがあるためにこの治療ができない場合があります。

ビタミンCの血中濃度を上げるために「禁煙」することが必要です。この治療の効果はガン組織の種類、進行度、患者さまの年齢・体力・免疫力によって異なります。この治療でガンの縮小・消失・延命を確約することはできません。
健康保険が適応されません。治療・検査・処方の全てが自費診療となります。

ビタミンCの基礎知識

ビタミンCは、水溶性ビタミンの一種。アスコルビン酸と呼ばれます。

人間はビタミンCを体の中で作ることはできません。しかし殆どの動物は 体の中でビタミンCを作っています。そのため食事からビタミンCを摂取しなければいけないのです。

人間はビタミンCを作れない

ビタミンCを作れない動物は

  • サル
  • モルモット
  • 魚の一種

ビタミンC生成経路の最後にある L-グロノ-γ-ラクトン酸化酵素(GLO)が ヒトには無いため 作れなくなっているのです。これは、GLOを作る遺伝子の活性を失っているためです。遺伝子はあるが、使えていない状態です。

その昔ビタミンCを作ることができたが、ある時から作らなくなった様です。

何故作ることを捨てたのか?

約2500万年前ごろにビタミンCを作る能力が失われたようです。

何故ヒトはビタミンCが体で作れなくなったのか(作ることを捨てたのか)
諸説あります。

  • 食べ物から十分に摂取できた。
  • 突然変異
  • 自ら遺伝子を破壊した。

何らかの理由で ビタミンCを作らなくなったのです。

ビタミンCと壊血病

ビタミンCは体中のコラーゲンを作る際に必要な重要なビタミンです。

このビタミンCが摂取できないと、体を構成するコラーゲンを十分に作ることができなくなっていきます。

十分に作れなくなってくると 皮膚や血管 各種臓器等の構造を保つことができなくなっていき 様々な部位から出血しやすくなってしまいます。

最終的には死に至ることになります。

この病気を「壊血病(scurvy)」と呼びます。

壊血病の歴史

壊血病が記録に出てくるのが「大航海時代」(15~17世紀)

ポルトガルのヴァスコ・ダ・ガマが船員の壊血病の症状について詳細を残しています。

1497年7月8日 ヴァスコ・ダ・ガマが ポルトガル リスボン港を出発し 喜望峰を経て

1498年5月20日 インド カリカットに到着

1499年9月9日 リスボンへ帰国 大量の香辛料を持ち帰りました。

しかしあまり寄港せず 出発時140人の船員がいたが、その半数以上が壊血病で死んだとの記述があります。

大航海時代に最も恐れられたのは、「海賊」よりも、「壊血病」だったのです。

壊血病との闘い

その後長い間 壊血病は船員に恐れられ続けていました。

1747年 ジェームス・リンドが 医学史上初の臨床実験を行い、壊血病患者に オレンジ2個とレモンを与えることで、壊血病から完治した事から 柑橘系の果物が有効であることを発見。

このことから イギリスでは長期航海の際には 柑橘類を濃縮したジュース(ロブ) ザワークラウト(キャベツの漬物)を摂取するようになった。

しかし ロブは加熱処理がされたことで、ビタミンCの含有はかなり少なくなっていたため、ザワークラフトのほうが効果が高かったと言われています。

このため、壊血病の根絶には時間がかかりました。

柑橘類に壊血病を治療する成分があることは、経験則的に分かってきたことで、船員たちは生鮮食料を航海中に取るようになっていきました。その間も壊血病の原因は長い間不明でした。

この成分がビタミンCとわかるのは、20世紀に入ってからになります。

1927年ハンガリーのアルベルト・セント・ジェルジが 牛の副腎から強い還元力のある物質を単離し 「ヘキスロ酸」として発表しました。

1932年グレン・キングが大量のレモン汁から ビタミンCを分離結晶化に成功。

その後世界各国で ビタミンCの新たな発見・解明が続き

1933年タデウシュ・ライヒスタインがビタミンCの人工合成に成功。

1934年ウォルター・ノーマン・ハースによってビタミンCの構造式が決定され「アスコルビン酸」と命名されました。

アスコルビン酸という名称は、「a(否定)+ scorbutic(壊血病に罹った)」に由来します。

このようにして 壊血病に対する長い戦いに終止符が打たれたのでした。

 

後に セント・ジェルジが「ヘキスロ酸」を再実験し ヘキスロ酸=ビタミンC であることが証明され

1937年セント・ジェルジはノーベル生理学・医学賞を受賞しました。

癌治療に対する超高濃度ビタミンC点滴療法

癌治療を目的とした高濃度ビタミンC点滴の際 通常50~100gのビタミンCが使用されます。50g以上を「超高濃度ビタミンC点滴療法」と呼ばれる場合があります。

血中ビタミンC濃度を点滴によって一定以上上昇させ、過酸化水素を生成、正常細胞に影響を与えずに癌細胞の核濃縮・細胞死を誘導することを目的とします。

高濃度ビタミンC点滴と超高濃度ビタミンC点滴の違いをなんですか?

癌治療に対する高濃度ビタミンC点滴療法の歴史

1976年 ライナスポーリング博士は高濃度ビタミンC点滴療法における最も有名な論文を発表しました。

Supplemental Ascorbate in the Supportive Treatment of Cancer: Prolongation of Survival Times in Terminal Human Cancer.
Proc Natl Acad Sci USA 1976:73:3685-3689.

治療手段の無い進行がんの患者100人に ビタミンC10gを10日間点滴、以後毎日10gのビタミンCを経口投与した。対照群1000人の癌患者と比較した結果、生存期間が4.2倍延長した。

1978年 Supplemental Ascorbate in the Supportive Treatment of Cancer: Reevaluation of Prolongation of Survival Times in Terminal Human Cancer.
Proc Natl Acad Sci U S A, 1978:75 (9) : 4538-4542.

治療手段のないがん患者100人にビタミンC10gを10日間点滴、以後毎日10gのビタミンCを経口投与、1000人の標準治療をした癌患者と比較した。結果はビタミンC投与グループの生存期間が6倍に延長していた。

2004年 Vitamin C pharmacokinetics: implications for oral and intravenous use.
Ann Intern Med. 2004 Apr 6;140(7):533-7

経口投与の場合には様々な量を投与しても血中ビタミンC濃度は一定以上上がらない。静脈内投与のみが抗腫瘍活性を有する可能性のある血中ビタミンC濃度まで高めることができる。

2005年 Pharmacologic ascorbic acid concentrations selectively kill cancer cells: action as a pro-drug to deliver hydrogen peroxide to tissues.
Proc Natl Acad Sci USA.2005;102(38):13604-9

米国国立衛生研究所(NIH), 米国国立がん研究所(NCI), 食品薬品局(FDA)の研究者が共同で 高濃度ビタミンC点滴療法が癌の化学療法剤として有用である可能性があるという論文を、米国科学アカデミー紀要(PNAS)に発表

2006年 Intravenously administered vitamin C as cancer therapy: three cases.
CMAJ. 2006: 28; 174(7): 937-942

米国国立衛生研究所(NIH), 米国国立がん研究所(NCI)や大学の研究者らが過去に高濃度ビタミンC療法が明らかに有効であったという症例を、NIHの基準で見直し、カナダ医師会雑誌に発表。

2007年 Ascorbate in pharmacologic concentrations selectively generates ascorbate radical and hydrogen peroxide in extracellular fluid in vivo.
Proc Natl Acad Sci USA 2007:104 (21): 8749-8754.

高濃度ビタミンC療法による抗ガン作用は、がん細胞周囲に生成される過酸化水素によるアポトーシス(細胞の自殺死)誘導であることを NIH研究グループが米国科学アカデミー紀要(PNAS)に発表。

2008年 Pharmacologic doses of ascorbate act as a prooxidant and decrease growth of aggressive tumor xenografts in mice.
PNAS:2008:105(32):11105-11109.

前述の米国立衛生研究所(NIH)の研究チームの発表。マウスにがんを移植しビタミンCを大量投与したところ、がんの成長が抑制されたと発表。

2010年 High dose of ascorbic acid induces cell death in mesothelioma cells.
Biochem Biophys Res Commun. 2010;394(2):249-53. 

培養細胞実験で高濃度のビタミンCが人間の中皮腫培養細胞に細胞死を誘導することを東京大学、愛媛大学、愛知がんセンター研究所の共同研究グループが発表。

 

現在 高濃度ビタミンC点滴療法について 更なる研究と臨床試験が行われています。

血中ビタミンC濃度を抗がん作用まで上げる

高濃度ビタミンC点滴療法による癌治療を行なう場合 一定濃度まで血中ビタミンC濃度を引き上げなければいけません。

血中ビタミンC濃度を高めることで得られる効果は 以下の如くとされています。

正常値 0.6~1.5㎎/dl
抗ウイルス効果 10~15㎎/dl
ヒスタミン分解(抗アレルギー) 88mg/dl
抗がん作用 350㎎~400mg/dl以上

抗がん作用を得るためには 350mg/dl 以上が必要とされています。

通常25gの点滴で140~150㎎/dlまで上昇するとされていますが、喫煙されている方は100以下になりやすく 効果が不十分と感じる可能性があります。この場合増量又は頻度を上げる必要があります。

血中ビタミンC濃度が目的の濃度まで高まっていることを確認するため 定期的に検査を行ないます。

経口投与と静脈投与

ある栄養素を静脈から直接入れた量と同量を口から取り込む場合には 5倍必要とされています。これを5:1ルールと呼びます。

口から大量にビタミンCを摂取すれば (5倍摂取すれば) 高濃度ビタミンC点滴療法と同じ効果が得られるのではないか? と疑問に思われる方も多いのではないかと思います。

しかし、残念ながらビタミンCの場合には 5:1ルールは当てはまりません。

血中ビタミンC濃度 経口投与と静脈投与の比較

Vitamin C pharmacokinetics: implications for oral and intravenous use.
Ann Intern Med. 2004 Apr 6;140(7):533-7

上図にあるように 経口(〇)の場合 口から取り込む量をどんなに増やしたとしても 血中ビタミンC濃度はそれほど上がりません。吸収する際にビタミンCの濃度は 体によって厳密にコントロールされてしまいます。

(3gのアスコルビン酸を4時間ごとに経口投与したとしても、最高血漿中濃度は220μmol/Lに過ぎないとされています。)

一方で 静脈投与(△)の場合 投与したビタミンCの量に応じて スパイク上に血中ビタミンC濃度が跳ね上がります。

抗がん作用を目的にビタミンCを摂取する方法は 経静脈投与(点滴)が必要になることがわかります。