FAQ Qスイッチレーザー

シミ、刺青の治療に使用する Qスイッチレーザーについてのよくある質問集です。
*クリックすると回答が出ます。

「Qスイッチ」とは何でしょう

Qスイッチレーザーの「Q」とは
「Quality」品質 の意味です。

発信を制御しジャイアントパルス(高出力パルス)を得る方法です。
Qスイッチルビーレーザーの場合 40 ns
QスイッチYAGレーザーの場合 8 ns

この非常に短い時間(光が数メートル進む時間)に集約して放出することができるようにするのが、Qスイッチ。

Qスイッチの「Q」は品質Qualityから来ていますが、品質の良いレーザーだからということから来ている・・・というわけではありません。

レーザーは、共振器の中で共振させることで、増幅されレーザーとして出るわけですが、増幅する際にはロスが出ます。
この共振の際の品質を Q値といいます。Q値を低くして発振を抑え、反転分布の大きくなったところでQ値を高くすれば、大きな出力を得ることができるということになります。これを使用しているのが、Qスイッチです。

もう少し知りたい方は、成書を参照ください。

レーザーの原理(wikipeda)

レーザー光は光(電磁波)を増幅し、コヒーレントな光を発生させるレーザー発振器を用いて人工的に作られる光である。

レーザー発振器は、キャビティ(光共振器)と、その中に設置された媒質、および媒質をポンピング(電子をより高いエネルギー準位に持ち上げること)するための装置から構成される。キャビティは典型的には、2枚の鏡が向かい合った構造を持っている。波長がキャビティ長さの整数分の一となるような光は、キャビティ内をくり返し往復し、定常波を形成する。媒質はポンピングにより、吸収よりも誘導放出の方が優勢な、いわゆる反転分布状態を形成する。すると、キャビティ内の光は媒質を通過するたびに誘導放出により増幅され、特に光がキャビティに共振し定常波を形成している場合には再帰的に増幅が行われる。

キャビティを形成する鏡のうち一枚を半透鏡にしておけば、そこから一部の光を外部に取り出すことができ、レーザー光が得られる。外部に取り出したり、キャビティ内での吸収・散乱等によりキャビティ内から失われる光量と、誘導放出により増加する光量とが釣り合っていれば、レーザー光はキャビティから継続的に発振される。

レーザーを受けたことで癌になりませんか?

レーザー治療を受けてガンとかになりませんか?

レーザー治療は放射線治療とは異なり、
照射を受けたことによる副作用は報告されていません。

他院でシミ取りをしたのですが、また出てきました。

> 他院でフォトフェイシャルやレーザーで、シミ取りの治療を何度か行なったのですが、
> 一か月程でシミが再発してしまいます。
> 気になるシミが数個あって、再発しないシミ治療を希望したいのですが、

推測ですが、フォトフェイシャル(光治療)や、ロングパルスレーザーでの治療を受けられていたのだと思います。
照射を行った後、しばらくすると、シミの部分が反応して、場合によってかさぶた状になってきます。
それが取れると、しみがとれたように見えます・・・・。しかし、その後しみが再発したように出てきます。

これは、通常の反応です。特に問題ありません。これを繰り返して徐々に薄くなっていきます。

シミ取りの治療と一言にいっても、そのシミの種類によって治療法は様々です。
フォトフェイシャルや,レーザートーニングは、「日光性色素斑」などの皮膚表層のシミを少しずつ取り除く治療と考えてください。
これに対して、「通常の」Qスイッチレーザーによる治療では、メラニンを作る細胞ごと破壊することで、数回の(最短1回)治療によってとることができる治療ということができます。
以前は、Qスイッチレーザーがシミ取り治療の第一選択でした。しかしながら、この治療は、照射後絆創膏などの被覆材が必要で、さらに、われわれアジア人ではある程度の割合で炎症後色素沈着が出てきます。この炎症後色素沈着がとれるまでに数カ月かかりますが、メラニンを生成する細胞が破壊されていますので、通常のシミは取れていくことになります。(残るようならば再度照射していきます。)
照射後の被覆,色素沈着が当然ながら問題となってきますので、月々少しずつの治療法が必要となってきました。そこに出てきたのが、フォトフェイシャルです。
フォトフェイシャルは、強い光をシミの部位に照射することで、メラニンの排出を促進させます。これによって少しずつ少なくなっていきます。この方法であれば、色素沈着の可能性を少なくし、被覆材を使用する必要もありません。

両者の違いは、Qスイッチレーザーでの治療が、「回数は少ないが、色素沈着の期間や被覆材を張る必要がある。」
フォトフェイシャル,レーザートーニングは、「回数はかかるが、色素沈着の可能性が少なく、被覆材を使用しないで済む」

このような違いが大きくあります。このような差があるので、現在多くのクリニックでは、フォトフェイシャル(光治療)をメインとして治療を行っています。
一部のエステ・クリニックで「1回でシミ取り」のような過大広告を行っているために、そのように思われている方も多いのですが、シミの治療は一筋縄ではいかない点も多くあります。

少々厳しくても、少ない治療回数のほうがよいとQスイッチレーザーを希望される方も多いのですが、術後の色素沈着の発生の確率は比較的高めであることを説明させていただいても、実際になるまでは想像しづらいものですので、たまにトラブルになるため、現在では、初回でのQスイッチレーザーによる治療は、十分理解していただける方にのみ行なっています。
さらに、シミにはさまざまな種類があるのですが、「通常の」Qスイッチレーザー照射ができないシミがあります。
「肝斑(かんぱん)」です。
このシミに「通常の」Qスイッチレーザー照射を行うとメラニンを作る細胞が活性化してしまい、より濃くなってしまいます。そこで内服治療をベースに、フォトフェイシャル,レーザートーニングで少しずつ薄くしていきます。
また、フォトフェイシャル,レーザートーニングでは、取れないシミもあります。
「真皮メラノサイトーシス」です。このシミは、もっぱらQスイッチレーザーを使用してとるしかありません。

このように、シミには様々なものがあるために、必ずしも一概に言うことができませんので、当院では、Qスイッチレーザーと、フォトフェイシャル(光治療)を併用した,「混合シミ改善プラン」を行っています。

YAGレーザーとは何ですか?

> にきびにヤグレーザーが良いと聞きました。ヤグレーザーありますか?
>ヤグレーザーのヤグは何ですか?

ヤグレーザー(YAG LASER)は、レーザーの種類の一つです。
工業用のレーザーとして発展し、医療用として広く使用されている代表的レーザーです。

YAGは、イットリウムアルミニウムガーネット(Y3Al5O12) 金属イットリウムとアルミニウムがガーネット構造をしているという意味で、人工の宝石(人工ガーネット)です。これに ネオジム(ネオジウム,Nd),ホルミウム(Ho)、イッテルビウム(Yb)、エルビウム(Er)等を添加(doping)することで、様々な波長のレーザーを出力させることができます。

YAGレーザーといっても、大変多くの種類があります。

一番多いレーザーが、Nd:YAGレーザーです。YAGにネオジムを添加したものです。一般的にYAGレーザーといえば、このレーザーを指します。
しかしながら、当院だけでも Nd:YAGレーザーは、3機種 Er:YAGレーザー1機種の計4機種あります。

さらにNd-YAGレーザー だけでも 1064nm 1320nm 1440nm の3波長があり、
その上 1064nmのレーザーを半波長 532nm 3分の1波長 355nm 4分の1波長 266nmのように出力すると、
それぞれ、生体に及ぼす効果は異なりますから、治療における選択肢はそれだけ広がります。

ニキビの治療には、Nd-YAGレーザーの 1064nm, 1320nmの波長帯を使用することが多いと思います。
どちらの波長のレーザーも用意していますが、940nmの波長のダイオードレーザーも効果的です。

ニキビの治療には、YAGレーザーだけでなく、それ以外にも良い選択肢があります。

シミ・アザのレーザー治療は 保険で出来ますか?

> フラクショナルQスイッチレーザーは、ガーゼを貼らなくても良いと知りました。保険は利きますか?自己負担はどのくらいですか?

>> 太田母斑の治療を受けたい レーザーは保険適応か

> 保険が効くレーザーと 保険が効かないレーザーがあるそうですが、何が違うのですか?

 

当院のQスイッチレーザーは、保険適応外です。

ADM 真皮メラノサイトーシス,の治療に フラクショナルQスイッチルビーレーザーは、日常生活にあまり大きな影響を与えずに治療を進めていくことができるという点で、大変よい適応の治療法ということができると思います。残念ながら、この治療器は、保険適応の範囲外です。

また、当院で用意してある太田母斑に使用するQスイッチレーザーは、保険適応の範囲外です。 日本では 医療機器の保険の承認が得られるまでに 場合によって10年ほどかかることがあります。承認が得られる頃には古くなってしまうという 問題があります。このため 世代が新しい機種ほど保険適応の範囲外になってしまっています。

また、保険適応の機種を使用したとしても、美容を目的とした場合は算定できない と決められています。

 

 

 

 

ルビーレーザーとYAGレーザーの違いについて

> 初めて質問させて頂きます。
> ルビーレーザーはYAGレーザーよりも性能が悪いので、ルビーレーザーがYAGレーザーよりもシミが取れるわけはないと書いているブログを読みました。心配になって調べてたらそちらでは両方使っているので、どのように考えているのか教えて下さい。

QスイッチルビーレーザーとQスイッチNdYAGレーザーの違いについて 調べられていらっしゃるのですね。(以下Nd-YAG=YAG)
どちらも工業用から医療機器に転用されてきたものであるということを ご理解ください。

単純に言えば、3準位系のレーザーであるQスイッチルビーレーザー と 4準位系のQスイッチYAGレーザーでは、出力では、4準位の方が高くなります。効率も良いです。以上から、出力の取り出しやすさ、より高出力のレーザーを取りだせるのは、当然YAGレーザーです。

レーザーとしては、当然YAGの方が 効率が良く高出力で出せるものですから、こちらが、高性能です。間違い無いです。

事実 工業,研究機関では、YAGレーザーが多く使用され、ルビーレーザーは、もはや医療系それもシミ(ほくろ)の治療のみでしか 使用されていないものとなっているようです。

では、何故 Qスイッチルビーレーザーが、現在でも使用されているのでしょう。
別に 技術が進んでいるのにも関わらず 古い先生方が固執しているから、と言うことではありません。

対象が 「肌のシミ」 となった場合に、話が変わってきます。
現実問題として、使用感からすると、通常のシミの治療では、YAGよりも ルビーレーザーの方が 効果が高い印象です。調度良いといったほうが良いのでしょうか。

皮膚のシミを相手にしていますから、かなりの高出力を要求されることはありませんので、出力として、YAGレーザーの方が高出力を出すことは可能でしょうが、シミの場合には、一般的な医療用Qスイッチルビーレーザーでも 遜色なく出せる程度の出力で治療が行われます。問題となるとすれば、YAGレーザーでは、1秒間に10発程照射*(10Hz) することができたりしますが、ルビーレーザーでは、速く打てる機種でも 1秒間に2発程(2Hz)しか出ませんので、時間はかかるように感じるでしょうが、シミを照射するわけですから、マシンガンのように照射することもありません。*(医療用の場合 工業用では100Hz等もあるようですが、医療用では手に余ります。)

ルビーレーザーが、YAGレーザーよりも 都合が良いと考えられる点は、パルス幅です(性能が高いという意味では必ずしもありません)。レーザーが照射されている時間です。Qスイッチという機能で非常に短い時間(光が数メートル進むほどの時間)で、大きなエネルギー量を照射し、治療効果を得るのですが、このレーザーが照射されている時間「非常に短い時間」がパルス幅です。(雑な説明ですいません。)

YAGレーザーは、性能も高いので、照射の際に 6~8ns(ナノ秒) という非常に短い時間で照射されます。

それに対して、ルビーレーザーは、 20~40ns という時間で照射されます。ちなみに 同様のQスイッチレーザーでは、アレキサンドライトレーザーも有り、コレは50~100ns です。

上記3種類のレーザーで、同一量のエネルギーを使用した場合には、単位時間あたりに使用されるエネルギー量は、当然YAGレーザーが一番強くなるのですが、「シミの治療」と考えた場合 短すぎて 肌への影響が強すぎることが出てきます。皮膚表面のシミの場合には、半波長532nmを使用しますが、色素沈着のリスクは、ほかの2種と比較すると大きくなってきます。ルビーレーザーの694nmぐらい少し長めのほうが 少々マイルドに効いてくれているのだと思います。

ルビーレーザーでは、20~40nsであることが、シミの反応には、調度良い ということなのだと思います。因みにQスイッチアレキサンドライトレーザーは、以前は、100ns以上時間がかかるので、切れが悪いと言われていましたが、現在出てきている機種は、50nsと短くなってきたことで、評価が上昇してきています。波長の差によって 治療効果も変わりますが、Qスイッチレーザーとして、より大きな要素はパルス幅による差なのだと思います。パルス幅が短すぎても長すぎても良くないのでしょう。

回答として良いかどうかわかりませんが、 Qスイッチルビーレーザーは、レーザーとしての性能はYAGレーザーよりも劣るが、シミの治療には調度良かった。」から使用されている。ということになります。

うちのクリニックでは、少々贅沢をさせていただいており、QスイッチYAGレーザーとQスイッチルビーレーザーを使用させていただいてます。これは もっぱら2種類のパルス幅のQスイッチレーザーを使用したいからです。 QスイッチYAGレーザーは別名タトゥーレーザーというぐらい 刺青除去には欠かせない機種です。半波長の532nmでは、赤の治療もできます。ルビーもあるので、緑の治療には欠かせません。色によってレーザーを使い分けると、より取りやすくなります。1秒間に10発出るYAGレーザーは タトゥー除去で、ルビーレーザーとは比べ物にならないぐらい 高速で治療ができます。

後天性真皮メラノサイトーシスのレーザーを受ける間隔(期間)を教えて下さい。

> ADMの治療でレーザーを受けています。半年に1度レーザーを受けています。
> フラクショナルQスイッチルビーレーザーも治療間隔としては、半年ぐらい必要なのでしょうか?
> もう少し速く治療をしたいと思い問い合わせしました。

後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)の治療では、通常Qスイッチルビーレーザー,YAGレーザーを使用することが多く、レーザー照射を行う間隔は、施設によって異なりますが おおよそ3ヶ月~6ヶ月に1度のペースで行うことが多いと思います。

これは、ADMのターゲットとなる色素が 真皮層という皮膚の深部に存在するため 強い出力で治療を行う必要があるということ、更に皮膚表面へ与えるダメージが Qスイッチレーザーを使用しているとしても強くなるため、その分炎症後色素沈着(PIH)が出てくることが多く、炎症後色素沈着が軽減するまでの期間が必要となります。この回復期間が3ヶ月~6ヶ月となるため、これだけの間隔が必要となるのです。

フラクショナルQスイッチレーザーでは、炎症後色素沈着のリスクが軽減され、実質ほとんど困ることがない印象です。フラクショナル(分割)して照射していますので、リスクが軽減されている代わりに治療回数は増えますが、1~2ヶ月に1度のペースで治療を進めて行けますので、治療のスピードは結果的にかなり早くなっています。ケースによって異なりますが、毎月照射ができたとすれば、半年の段階でも、かなり薄くなったことを実感していただけると思います。

フラクショナルQスイッチルビーレーザーによるADM治療は、日常生活への影響を最小限度にとどめながら、確実に改善を進めていくことが可能となって来ましたので、大変よい選択肢だと考えています。

後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)