顔のむくみが気になる朝こそ要注意!美容皮膚科が伝えたい「摩擦レス」スキンケア
朝、鏡を見たら顔がむくんでいる!
「昨日の夜に食べたラーメンのせいかな……」
そんなふうに思ったことはありませんか?
ちなみに私は大いにあります。後悔するとわかっていても、夜のラーメンの魅力に勝てない日があるんですよね。
顔がむくんでいると、少しでもすっきりした印象にしたくて、フェイスラインをマッサージしたり、美顔ローラーを使ったりしたくなるもの。
今でこそ、多少むくんでいてもあまり気にせず過ごせるようになりましたが、若いころは私も、なんとか早くむくみを取ろうと必死になっていた時期がありました。
ただ、今振り返ると、少し気をつけたい習慣だったなと思います。
それは、むくみを解消しようとして、知らず知らずのうちに肌をこすってしまうこと。
実は、毎日の何気ないスキンケアにも、肌に負担をかけてしまう動作が隠れています。
クレンジングや洗顔で顔をゴシゴシこする。洗顔後にタオルで水分を拭き取る際、上下に動かす。化粧水を肌に押し込もうとして、何度も強くパッティングする。
ひとつひとつは小さな動作でも、毎日繰り返すことで肌への刺激が積み重なってしまうことがあります。
最近は「肌をこすらないことが大切」という話を耳にする機会も増えましたが、なぜ摩擦を避けたほうがよいのでしょうか。
今回は、美容皮膚科の視点から、摩擦が肌に与える影響と、今日からできる摩擦レスなスキンケアについてお話しします。

なぜ肌をこすってはいけないの?
私たちの肌の表面には、外部からの刺激を防ぎ、肌内部の水分が失われるのを防ぐ「皮膚バリア機能」が備わっています。
その働きを担う重要な部分のひとつが、肌の一番外側にある角層です。
角層は、角層細胞と、その間を満たす細胞間脂質などによって構成されています。肌のうるおいを保ち、乾燥や外部刺激から肌を守るために、とても大切な役割を果たしています。
ところが、洗顔時に強くこすったり、マッサージで繰り返し摩擦を加えたりすると、角層に負担がかかり、肌のバリア機能が乱れる原因になることがあります。
バリア機能が低下すると、肌の水分が失われやすくなり、乾燥やつっぱり、ごわつきなどが気になりやすくなることも。
さらに、刺激に敏感な状態になり、普段は問題なく使えていた化粧品がしみたり、赤みが出たりする場合もあります。
肌をきれいにしたい、少しでも若々しい印象を保ちたいと思って丁寧にお手入れしているのに、強くこすることで、かえって肌に負担をかけてしまっているかもしれません。
大切なのは、必要以上に肌を触らないこと。そして、肌に触れるときには、できるだけ刺激を与えないように意識することです。
摩擦がシミやくすみ、肝斑に関係することも
摩擦による肌への影響は、乾燥や肌荒れだけではありません。
繰り返し刺激を受けることで、肌に色素沈着が生じることもあります。
例えば、ニキビや湿疹などの炎症が起きた後に、その部分が茶色っぽく残ってしまうことがあります。これは「炎症後色素沈着」と呼ばれるもので、炎症に伴ってメラニンが増えることなどが関係しています。
肌を繰り返しこすることも、刺激や炎症を引き起こす要因のひとつ。特に、もともと肌が敏感な方や、赤み・かゆみが出やすい方は注意したいところです。
また、肝斑が気になっている方も、摩擦には気をつけていただきたいと思います。
肝斑は、女性ホルモンの影響や紫外線など、複数の要因が関係すると考えられているシミの一種です。肌への刺激も悪化に関係する可能性があるため、洗顔やスキンケアで強くこする習慣は見直したいところです。
ただし、摩擦があるから必ず肝斑になる、というわけではありません。肝斑は原因がひとつではなく、肌をこすらなければ必ず防げるというものでもありません。
すでに肝斑やシミが気になっている方は、自己流のマッサージで対処しようとするのではなく、まずは医師に相談して肌の状態を確認してもらうことをおすすめします。
シミを防ぐためには、紫外線対策に加えて、肌に余計な刺激を与えないことも大切です。
美顔ローラーやかっさは使ってもいい?
美顔ローラーやかっさを愛用している方もいらっしゃるのではないでしょうか。
顔のむくみが気になるときや、リラックスタイムに使うのが好きという方も多いと思います。
製品によっては、使用時にクリームなどで肌の滑りをよくするよう案内されています。
これは、肌と器具の間に強い摩擦が生じないようにするためです。
ただし、クリームをたっぷり塗れば、どれだけ強くこすっても大丈夫というわけではありません。肌にかかる圧力や動かす回数、肌の状態によっては、十分に保湿していても刺激になることがあります。
特に、肌荒れしているときや、赤み・かゆみがあるとき、治療の影響で肌が敏感になっているときには、使用を控えたほうがよい場合もあります。
また、顔のむくみが気になるからといって、強い力で流すようにマッサージする必要はありません。
朝のむくみは、塩分の多い食事や飲酒、睡眠、体内の水分バランスなど、さまざまな要因によって起こります。ラーメンなど塩分の多い食事の翌朝にむくみが気になることはありますが、原因をひとつに決めつけることはできません。
むくみを早く取ろうとして肌を強くこするよりも、まずは普段どおりの生活リズムを整え、肌に余計な刺激を与えないことを意識してみましょう。
なお、むくみが長く続く場合や、急に強く腫れた場合、痛みなどを伴う場合には、単なる寝起きのむくみと考えず、医療機関に相談してください。
今日からできる!摩擦レスなスキンケアのポイント
では、毎日のスキンケアでは、具体的にどのようなことに気をつければよいのでしょうか。
特別なアイテムを用意する必要はありません。いつものお手入れを少し見直すだけでも、肌への負担を減らすことにつながります。
1.クレンジングは、こすらずになじませる
メイクをしっかり落とそうとして、クレンジングを長時間肌になじませたり、指先でゴシゴシこすったりしていませんか?
クレンジングは、メイクや皮脂汚れなどを落とすための大切なステップですが、強くこすればよく落ちるというものではありません。
使用量が少ないと、指と肌の間に摩擦が生じやすくなることがあります。製品に記載された適量を守り、指先に余計な力を入れず、やさしくなじませましょう。
また、目元や口元など、皮膚が薄くデリケートな部分は特に注意が必要です。
落ちにくいメイクを落とすために何度もこするのではなく、必要に応じて専用のリムーバーを使用するなど、肌への負担を減らす方法を選んでみてください。
2.洗顔は、たっぷりの泡でやさしく
洗顔するときは、洗顔料を十分に泡立て、泡をクッションにするようにやさしく洗いましょう。
手のひらで肌をゴシゴシ動かすのではなく、泡を肌の上でそっと転がすようなイメージです。
ただし、泡がたっぷりあれば絶対に摩擦が起きないというわけではありません。肌を強く押したり、何度もこすったりしないことも大切です。
すすぎの際も、シャワーを強い水圧で直接顔に当てたり、熱いお湯を使ったりするのは避け、ぬるま湯で丁寧に洗い流しましょう。
洗顔後に肌がつっぱる場合は、洗浄力や洗顔方法が肌に合っているか見直してみるのもよいですね。
3.タオルは、こすらずに押さえて水分を取る
洗顔後、タオルで顔を拭くときにも注意が必要です。
タオルを顔に当てて、上下にゴシゴシ動かしていませんか?
濡れた肌は、拭き方によって摩擦が生じやすくなります。
おすすめは、清潔で柔らかなタオルを顔にそっと当て、軽く押さえるように水分を取る方法です。
最近は、顔を拭くための使い捨てタオルも販売されています。こうした製品を活用するのもひとつの方法です。
ただし、使い捨てであれば必ず肌にやさしいというわけではありません。素材や肌触りにも気を配り、どのようなタオルでも強くこすらずに使うことを意識しましょう。
4.化粧水や乳液は、肌を包み込むようになじませる
スキンケアの際にも、摩擦を減らす工夫ができます。
化粧水を肌に浸透させようとして、何度も強くパッティングする必要はありません。
手のひらで顔をやさしく包み込むようにして、肌になじませていきましょう。乳液やクリームも同様に、指先に力を入れず、肌の上を必要以上に何度も滑らせないように意識します。
乾燥が気になる方は、化粧水だけで終わらせず、乳液やクリームなどを使って肌のうるおいを保つことも大切です。
肌のバリア機能を健やかに保つためには、刺激を減らすことと、適切な保湿を続けることの両方を心がけたいですね。
5.日焼け止めを塗るときも、肌をこすりすぎない
忘れずに意識したいのが、毎朝の日焼け止めです。
紫外線はシミや光老化などに関係するため、摩擦対策とあわせて紫外線対策も続けていきましょう。
日焼け止めを塗るときは、製品に記載された適量を使い、肌の上で何度も強くこすらず、やさしく広げるように塗布します。
また、日焼け止めは一度塗れば一日中十分というわけではありません。汗や皮脂、摩擦などによって落ちることがあるため、製品の使用方法に従って塗り直すことも大切です。
美白美容液などを取り入れていても、紫外線対策が不十分では、シミを防ぐケアとして十分とはいえません。
毎日の保湿、摩擦を減らす習慣、紫外線対策。この3つを基本として、無理なく続けていきましょう。
肌をきれいにしたいなら、まずは「触りすぎない」ことから
美容のために何かをプラスすることも大切ですが、肌への負担を減らすことも、同じくらい大切です。
高価な化粧品を使ったり、特別な美容機器を取り入れたりする前に、毎日のクレンジングや洗顔、タオルの使い方を見直してみるのもよいかもしれません。
肌をきれいにしようと一生懸命になるほど、つい手をかけすぎてしまうことがあります。
でも、肌に必要なのは、強い刺激ではありません。
余計な摩擦を避け、うるおいを保ち、紫外線から守る。そんな基本的なケアを丁寧に続けていくことが、健やかな肌を保つための土台になります。
ご自身の肌を、必要以上にこすっていないか。ぜひ一度、普段のお手入れを振り返ってみてくださいね。
ちなみに、私の愛用品は……
ここまで、肌をこすらないことの大切さについてお話ししてきましたが、実は私、かっさが大好きなんです。
今でも、ときどき愛用のかっさを使っています。
ただし、使用するときは肌の状態を確認し、クリームなどで滑りをよくして、力を入れすぎないようにしています。強くこすったり、何度も繰り返し刺激を与えたりしないことも意識しています。
上の写真は、私が20年ほど愛用しているかっさ。長く使っている、お気に入りのアイテムです。
もちろん、クリームをたっぷり使えば摩擦による肌への負担を完全に防げるわけではありません。肌が敏感なときや、赤み・かゆみがあるときは無理に使用せず、お休みすることも大切です。
皆さんも、マッサージや美容機器を使うときには、肌への刺激をできるだけ少なくすることを意識してみてくださいね。
毎日のお手入れを少し見直して、肌をいたわるスキンケアを続けていきましょう。
監修者情報(医師紹介)

監修医師:佐藤 雅樹
ソララクリニック 院長
専門分野:美容皮膚科
2000年 順天堂大学医学部卒。順天堂大学医学部形成外科入局。 大学医学部付属病院等を経て、都内美容皮膚科クリニックにてレーザー治療の研鑽を積む。2011年3月 ソララクリニック開院 院長就任。2022年 医療法人 松柴会 理事長就任。日本美容皮膚科学会 日本形成外科学会 日本抗加齢医学会 日本レーザー医学会 点滴療法研究会 日本医療毛髪再生研究会他所属。
様々な医療レーザー機器に精通し、2011年3月にルビーフラクショナル搭載機器を導入し、15年以上この治療を続けている。各種エネルギーベースの医療機器を併用する複合治療に積極的に取り組む。
※当院の治療はすべて自由診療(保険適用外)です。標準的な費用は各ページの料金表または料金表ページをご覧ください。治療に伴うリスク・副作用は診察時にもご説明します。
