YAGレーザーとは|仕組みと効果、波長の選び方

「シミに効くレーザーって、結局どれがいいの?」そんな疑問にお答えする、仙台の美容皮膚科によるYAGレーザー徹底解説ページです。

院長より

「ピコ秒レーザーさえあれば何でも治る」そう思われている患者さんと、診察室でお会いすることがあります。

ピコ秒は確かに優れた技術ですが、肝斑にはトーニングが必要で、ニキビ跡の瘢痕の改善にはEr:YAGフラクショナルが、赤ら顔にはロングパルスが向いています。
「どのレーザーが良いか」ではなく「どの症状に何が必要か」この問いから治療は始まります。

このページがその理解の一助になれば幸いです。

ソララクリニック 院長 佐藤 雅樹

このページで分かること

  • YAGレーザーが「なぜ狙った場所だけに効くのか」その物理的な理由
  • シミ・肝斑・ニキビ・赤ら顔・たるみ・ニキビ跡、それぞれに適した波長とパルス幅の考え方
  • ピコ秒とQスイッチの違い、アジア人肌でのPIHリスクと対策の最新エビデンス

※前半が「基礎編」、後半が「深掘り編」です。お悩みを検討中の方は基礎編だけでも十分な概要が掴めます。深掘り編は「仕組みをもっと知りたい」方向けに書いてみました。

この記事の目次

  1. YAGヤグレーザーとは
    1. 1064nm(近赤外) ── 深部まで届く
    2. 532nm(緑色光) ── 表在性色素に強い
    3. 2940nm(中赤外) ── 表層を精密に制御する
  2. 選択的光熱分解:狙った場所だけに効く理由
    1. 「標的だけに効く」仕組みを3ステップで
    2. この原理があるから「選択的」な治療が成立する
  3. YAGレーザーで対応できる主な悩み
    1. シミ・そばかす
    2. 肝斑
    3. ニキビ
    4. 赤ら顔・酒さ・毛細血管拡張
    5. たるみ・皮膚引き締め
    6. ニキビ跡・毛穴・肌質改善
  4. 波長・モード別の治療適応表
  5. レーザー別比較早見表
  6. パルス幅が「1秒」と「300ピコ秒」では、何が根本的に違うのか
    1. 「熱で焼く」と「音波で砕く」:2つの効果
    2. なぜパルス幅でメカニズムの比率が変わるのか
    3. 逆に「長くする」と何が起きるか:バルク加熱という発想
  7. なぜ1064nmはメラニン吸収が弱いのに、肝斑トーニングに使われるのか
    1. 肝斑はなぜ「強い刺激」で悪化するのか
    2. 「継続的な管理」が必要な理由:再燃データが示すこと
    3. 785nmという第3の選択肢
  8. レーザーを当てた後、コラーゲンはいつまで増え続けるのか
    1. 照射後の肌の中で起きていること:4つのフェーズ
    2. コラーゲン再生は「6ヶ月」続く
    3. 1064nmと532nmは、分子経路が異なる
    4. 「効果が見えない」時期こそ、肌は変わっている
  9. Er:YAGはなぜ、表面だけをこれほど精密に制御できるのか
    1. 「閉じ込め沸騰」:爆発的な蒸散のメカニズム
    2. パルス幅で「削る深さ」を設計する
    3. 表皮を削らずに真皮を若返らせる:SMOOTH modeの発想
  10. アジア人肌でPIHが起きやすい理由と、ピコ秒が選ばれる根拠
    1. 2025年メタ解析(971人)が示した数字
    2. なぜピコ秒でPIHが減るのか
    3. 「ピコ秒が何でも最強」ではない
    4. 785nmが「中間解」として注目される理由
  11. 波長とパルス幅の多様性が、なぜ1台では賄えないのか
    1. シミひとつとっても、「正体」で最適な波長が変わる
    2. たるみ・ニキビ跡は「作用する層と深さ」で考える
    3. 機器の取り揃えは「科学的論理の帰結」
  12. よくある質問 FAQ
  13. 参考文献・エビデンス

YAGヤグレーザーとは

YAGレーザー(Yttrium-Aluminum-Garnet Laser)は、イットリウム・アルミニウム・ガーネットという結晶を光の媒質に使う固体レーザーの総称です。1964年に米国ベル研究所で発振に成功して以来、半世紀以上にわたって医療の第一線で使われ続けてきた、実績のある技術です。

YAGレーザーの最大の特長は、添加する元素(ドーピング)を変えることで異なる波長の光を作り出せること。代表的なのはネオジムを添加したNd:YAGネオジウムヤグ(1064nmナノメートルと、エルビウムを添加したEr:YAGエルビウムヤグ(2940nm)の2系統です。さらに1064nmの光を変換した532nm(KTPも使われます。

同じYAGでも波長が違えば届く深さが変わり、標的とする組織も変わります。これが、YAGレーザーが幅広い悩みに対応できる理由です。

1064nm(近赤外) ── 深部まで届く

皮膚の深さ3〜5mmまで到達します。

メラニンへの吸収は低めですが、血管やコラーゲン、皮脂腺へのアプローチが得意です。パルス幅(照射時間)の幅がピコ秒から60秒まで設定できるため、用途が最も広い波長です。

532nm(緑色光) ── 表在性色素に強い

1064nmを波長変換( SHGKTP 変換)して生み出します。

メラニンとヘモグロビンの両方への吸収が高く、表皮に近いシミや毛細血管への作用が得意です。

2940nm(中赤外) ── 表層を精密に制御する

水への吸収係数がCO₂レーザーの約10倍。

エネルギーが表層の超薄い層に集中するため、ニキビ跡や毛穴の精密なリサーフェシング(肌表面の再構築)を得意とします。

選択的光熱分解:狙った場所だけに効く理由

選択的光熱分解のメカニズム

レーザーが「なぜ狙った色素だけに効いて、周りの皮膚を傷めないのか」――その答えが選択的光熱分解(Selective Photothermolysis)という原理です。

1983年にハーバード大学のAnderson & Parrishが提唱した、現代レーザー皮膚科学の土台となる理論です。

「標的だけに効く」仕組みを3ステップで

考え方はシンプルです。

  1. まず標的(メラニン・ヘモグロビンなど)が特に強く吸収する波長を選びます。
  2. 次に、標的が熱を周囲に逃がすのに必要な時間(熱緩和時間:TRT)より短いパルスで照射します。
  3. すると熱が標的の内部だけに閉じ込められ、周囲の組織を傷つけずに標的だけを選択的に壊すことができます。

この原理があるから「選択的」な治療が成立する

この原理があるからこそ、「シミのメラニンだけを壊す」「血管のヘモグロビンだけを加熱する」という精密な治療が成立します。

詳しいメカニズムは深掘り編でも解説しています。

YAGレーザーで対応できる主な悩み

皮膚断面図と各レーザーの到達深度

波長とパルス幅の組み合わせで、一台のレーザーがこれほど幅広い悩みに対応できます。それぞれに「なぜ効くのか」の理由があります。

シミ・そばかす

シミの色素(メラニン)は、532nmや694nmといった短波長の光を強く吸収します。

ピコ秒の超短パルスで照射すると、熱よりも衝撃波(光機械的効果)でメラニン顆粒を粉砕できるため、周囲組織への熱ダメージが少なく、色素沈着(PIH)のリスクを抑えながら治療できます。

肝斑

肝斑は通常のシミと異なり、強い刺激でかえって悪化することがあります。

1064nmはメラニン吸収が低いため、メラノサイト(色素を作る細胞)を過剰に刺激せず、低フルエンスで繰り返し照射してゆっくりと色素を薄める「トーニング」アプローチが有効です。

ニキビ

1064nmはメラニン吸収が低い代わりに深達性が高く、皮脂腺周囲の微小毛細血管に熱を加えて皮脂分泌を抑制できます。

さらにニキビ菌(Cutibacterium acnes)が産生するポルフィリンへの光作用も期待されており、薬剤を使わない治療の選択肢として注目されています。

赤ら顔・酒さ・毛細血管拡張

ヘモグロビンはミリ秒単位のロングパルスで加熱されると凝固します。

1064nmのロングパルスは真皮深層の血管まで届くため、表面から見えにくい血管にもアプローチでき、抗血管新生効果も期待されています。

たるみ・皮膚引き締め

パルス幅を数秒〜60秒という超長パルスに設定すると、表皮を傷めずに皮下組織を均一に加温(バルク加熱)できます。

この加温がコラーゲン線維の即時収縮と長期的な新生を促し、引き締め効果につながります。

ニキビ跡・毛穴・肌質改善

Er:YAG 2940nmは水への吸収が極めて高く、表層のごく薄い層だけを精密に蒸散(削除)できます。

また蒸散させずに熱だけを加える特殊なモードでは、表皮のストレス信号を介して真皮のコラーゲン合成を引き出すこともできます。

波長・モード別の治療適応表

波長 / モード パルス幅の目安 主な標的 代表的な適応症
── Nd:YAG 1064nm / 532nm ── ※1
ピコ秒
1064nm / 532nm
〜300ps メラニン顆粒(光機械的) シミ肝斑トーニング・くすみ・ADM・タトゥー
532nm(KTP変換)
スポット照射
300ps(ピコ秒専用) メラニン(表皮) 老人性色素斑・そばかすのスポット照射
── Nd:YAG 1064nm ── ※2
1064nm FRAC3®モード 300〜1600μs(VSPで可変) 皮膚の微小な不均一部・皮脂腺 ニキビ・毛穴縮小・肌質改善
1064nm
ロングパルス
1〜50ms ヘモグロビン・コラーゲン 赤ら顔・酒さ・毛細血管拡張・たるみ
1064nm
PIANOモード
0.3〜60s 皮下組織・脂肪細胞(バルク加熱) たるみ・皮膚引き締め・ボディコンタリング
── Er:YAG 2940nm ── ※2
Er:YAG
アブレーティブ
50μs〜3ms(VSPで可変) 水(表層蒸散) ニキビ跡・毛穴・小じわ・脂漏性角化症
Er:YAG
SMOOTH mode
サブパルス 0.3〜0.6ms
×連続照射(計 0.1〜1s)
水(非蒸散熱刺激) コラーゲン再生・肌質改善・法令線・たるみ

※1 PQXピコレーザー(StarWalker PQX)を使用。ピコ秒専用機(300ps固定)。
※2 Fotona SP Dynamisを使用。Nd:YAG(1064nm)とEr:YAG(2940nm)の両波長に対応。

レーザー別比較早見表

YAGレーザーとその他の主要レーザーを並べて比較します。「なぜ複数の波長が必要なのか」を理解するための早見表です。

波長別メラニン吸収係数の比較(相対値)

※メラニン吸収係数の文献値を相対値(532nm=100)で表示。波長が短いほど吸収が高く、シミの色素に直接作用しやすい。1064nmは吸収が低い代わりに深達性が高い。

レーザー 波長 メラニン吸収 代表的適応 ダウンタイム目安
Nd:YAG 532nm(KTP変換) 532nm 強(+ヘモグロビンも強) 表在性シミ・そばかす・毛細血管 ほぼなし〜1日
ルビー 694nm シミ・そばかす・ADM フルビーム1〜2週間
フラクショナル1〜3日
Helios785
(785nmピコ秒)
785nm 強(ルビーに近い) シミ・ADM・肝斑・テープ不要 ほぼなし〜半日
Nd:YAG 1064nm 1064nm 弱(深達性が高い) 赤ら顔たるみニキビ・肝斑トーニング ほぼなし〜1日
Er:YAG 2940nm ―(水が標的) 肌質改善・ニキビ跡・小じわ 1〜5日
CO₂ 10,600nm ―(水が標的) 深いしわ・瘢痕・ほくろ除去 7〜14日

※メラニン吸収係数は波長が短いほど高く、532nm > 694nm > 785nm > 1064nmの順。1064nmは吸収が低い代わりに深達性が高く、深部の血管・真皮コラーゲンへのアプローチが得意です。
※Helios785は世界初の高出力785nmピコ秒レーザー(日本初導入)。ルビーに近いメラニン吸収を持ちながらテープ保護が不要な点が特長です。詳しくはHelios785専用ページをご参照ください。

シミ治療におけるルビーレーザーとYAGレーザーの使い分けについては別ページで詳しく解説しています。

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── 基礎編はここまでです ──

ここから下は「なぜ効くのか」の仕組みを深く知りたい方向けの読み物です。

パルス幅が「1秒」と「300ピコ秒」では、何が根本的に違うのか


レーザーのパルス幅の比較(長いパルスほど右へ)

※右に行くほどパルスが長い。1ピコ秒=1秒の1兆分の1。同じ1064nmでも設定によって10桁以上の幅がある。

1秒の1兆分の1が1ピコ秒です。この途方もない差が、組織への作用を根本から変えます。

「熱で焼く」と「音波で砕く」:2つの効果

ピコ秒 vs ナノ秒の作用比較

まず2つの効果を整理します。

光熱効果とは、レーザーエネルギーが標的に吸収されて熱に変わり、その熱で標的を変性・破壊するメカニズムです。いわば「熱で焼く」です。

一方、光機械的効果とは、エネルギーが極めて急激に加わることで標的内部に圧力波(音波)が発生し、その衝撃で標的を粉砕するメカニズムです。
「音波の力で砕く」と言い換えられます。光音響効果とも呼ばれます。

Qスイッチ(ナノ秒)レーザーでは光熱効果が主体です。

ピコ秒レーザーでは光熱効果も残りつつ、光機械的効果が大きく加わります。

なぜそうなるのか。

なぜパルス幅でメカニズムの比率が変わるのか

 

ここで重要な概念が2つあります。物体には、種類や大きさによって「熱の逃げやすさ=熱緩和時間TRT)」と「圧力波の伝わりやすさ=応力緩和時間SRT)」がそれぞれ固有の時間として決まっています。

  • 熱緩和時間TRT(Thermal Relaxation Time)
    標的が吸収した熱が、周囲に逃げ出すまでの時間。メラニン顆粒の場合、ナノ秒(ns)オーダーです。
  • 応力緩和時間SRT(Stress Relaxation Time)
    標的内部で発生した圧力波が、外に伝わるまでの時間。メラニン顆粒の場合、TRTよりさらに短い数十ピコ秒(ps)オーダーです。

これが分かると、パルス幅との関係が見えてきます。

  • パルスがTRTより長いと→ 熱が照射中に外へ逃げてしまう(周囲にもダメージ)
  • パルスがTRTより短いと→ 熱が標的内部に閉じ込められる(選択的光熱分解)
  • パルスがSRTに近づくと→ 圧力波まで閉じ込められ、光機械的効果が加わる

Qスイッチ(ナノ秒)はTRTをクリアしているため熱の閉じ込めはできます。ピコ秒はさらにSRTにも近づくため、圧力波(衝撃波)も内部に閉じ込められ、光機械的効果が急激に増します。

結果として、ピコ秒レーザーは少ないエネルギーで同等以上の色素破砕効果が得られ、周囲組織への熱損傷も少なくなります。

臨床的にも、ピコ秒群(550ps)はナノ秒群(50ns)との比較で太田母斑治療を平均4.2回 vs 5.4回で完了し、使用エネルギーは40〜50%低値だったことが報告されています(Imagawa et al., 2023)。

逆に「長くする」と何が起きるか:バルク加熱という発想

では超長パルス(PIANOモード・0.3〜60s)はどうでしょうか。

今度はTRTをはるかに超えた時間をかけてゆっくり加温します。短時間の高エネルギーとは逆に、表皮を傷めず皮下組織全体を均一に温める「バルク加熱」が実現します。

同じ1064nmのレーザーでも、パルス幅が変わると組織への効き方がまったく変わる。それがこの一連の例から分かることです。

なぜ1064nmはメラニン吸収が弱いのに、肝斑トーニングに使われるのか

シミ治療にレーザーを使うとき、基本的な考え方は「メラニンをよく吸収する波長を当てて、色素を破壊する」です。メラニン吸収が高いほど効率よく色素に作用できるため、532nmやルビー(694nm)が表在性のシミに使われます。

ところが肝斑の治療では、メラニン吸収の低い1064nmが使われます

一見すると矛盾しているように思えます。

なぜ吸収の低い波長を、あえて選ぶのか。

肝斑はなぜ「強い刺激」で悪化するのか

答えは「肝斑の病態」にあります。

肝斑は単なるメラニンの蓄積ではなく、メラノサイト(色素を作る細胞)が過剰に活性化した状態です。この活性化したメラノサイトに強い刺激を与えると、かえって色素産生が促進されてしまいます。

1064nmは表皮メラニンへの吸収が低いため、メラノサイトを過度に刺激しにくい特徴を利用します。。

低いフルエンス(エネルギー密度)で繰り返し照射することで、メラニン顆粒を少しずつ破砕しながら、細胞への刺激を最小限に抑える「トーニング」が可能になります。

「継続的な管理」が必要な理由:再燃データが示すこと

肝斑治療後のMASIスコアの推移(模式図)

※MASIスコア(Melasma Area and Severity Index)は肝斑の重症度指標。スコアが低いほど改善を示す。低フルエンスQスイッチNd:YAGトーニング後、1〜3ヶ月で有意に低下するが、6〜12ヶ月で再燃傾向が確認されている(split-face試験, 2025)。継続的な管理と日常ケアの組み合わせが重要な理由を示している。

2025年に発表されたsplit-face試験では、低フルエンスQスイッチNd:YAGトーニング後1〜3ヶ月でMASIスコア(肝斑の重症度)が有意に低下した一方、6〜12ヶ月では再燃傾向が確認されています。

これは肝斑治療が「完治」ではなく「継続的な管理」を必要とする性質を持つことを示しています。日常ケアとレーザー治療の組み合わせが重要な理由でもあります。

785nmという第3の選択肢

一方、785nmというルビーに近いメラニン吸収を持ちながら、ピコ秒パルスによって光機械的効果を主体とする新しい波長も登場しています。

熱よりも衝撃波で粉砕するため、メラノサイトへの熱刺激を抑えながら高いクリアランスが期待できます。これは「高い効果」と「低い刺激」というトレードオフを解消しようとするアプローチです。

レーザーを当てた後、コラーゲンはいつまで増え続けるのか

「レーザーは照射したその日だけ効く」と思っている方は多いかもしれません。

しかし実際には、照射の翌日からではなく、数週間〜数ヶ月後にかけて効果が積み上がる仕組みがあります。

レーザー照射後のコラーゲン再生カスケード(模式図)

※文献値を基にした模式的なグラフ。横軸は照射後の時間経過。HSP47(コラーゲン合成に特化したシャペロン)の発現は照射後6ヶ月間持続することが確認されている(Xu et al., 2023)。

照射後の肌の中で起きていること:4つのフェーズ

照射直後は炎症シグナル(IL-1β・TNF-α)が上昇します。これは「傷を治せ」という指令です。

1〜7日以内にHSP70/72(熱ショックタンパク質)が急増し、TGF-βという成長因子が動き始めます。そして1〜4週間かけて、コラーゲン合成に特化したシャペロンタンパク質HSP47が徐々に増えていきます。

コラーゲン再生は「6ヶ月」続く

ここが重要な点です。2023年の研究では、HSP47の発現が照射後6ヶ月間持続することが確認されています。コラーゲンの再生は照射後も長期にわたって続いているのです。

1064nmと532nmは、分子経路が異なる

また、1064nm Nd:YAGはTGF-βを特異的に誘導し、Ⅰ型・Ⅲ型プロコラーゲンを増加させながらMMP(コラーゲン分解酵素)を抑制します。

532nmとは分子経路が異なるこの働きが、Nd:YAGによるリモデリング治療の分子的根拠です(Dang et al., 2010)。

「効果が見えない」時期こそ、肌は変わっている

「なかなか効果が見えない」と感じる時期があっても、肌の中では着実に変化が起きています。治療間隔が最短でも3〜4週間必要な理由は、この分子カスケードに基づいています。

Er:YAGはなぜ、表面だけをこれほど精密に制御できるのか

Er:YAG 2940nmの水への吸収係数は約12,000 cm⁻¹。光学的侵入深度は約1μm(1000分の1mm)で、CO₂レーザーの約10倍の水吸収を示します。つまり、エネルギーがほぼ表層だけに集中します。

「閉じ込め沸騰」:爆発的な蒸散のメカニズム

蒸散のメカニズムは単純な「水の蒸発」ではありません。Vogel & Venugopalan(2003)が確立した「閉じ込め沸騰(confined boiling)」と呼ばれる現象です。

組織マトリクスに拘束された水が急激に過熱され、組織の機械的強度を超えた瞬間に爆発的な物質射出が起きます。

この複合的なプロセスにより、他のレーザーでは難しい精密な深達度制御が実現します。

パルス幅で「削る深さ」を設計する

Er:YAGレーザー:パルス幅と蒸散深度・熱損傷の関係

※パルス幅が短いほど蒸散深度は浅く・残存熱損傷も小さい「冷たい蒸散」。長パルスでは蒸散深度が増加し、周囲への熱影響も拡大する。深達度と熱損傷のバランスをパルス幅で設計できることがEr:YAGの精密制御の根拠(Vogel & Venugopalan, 2003)。

深達度はパルス幅で制御します。短いパルス(<300μs)では残存熱損傷が5〜25μmに抑えられる「冷たい蒸散」になり、長いパルスでは最大80〜100μmまで拡大できます。

表皮を削らずに真皮を若返らせる:SMOOTH modeの発想

さらに興味深いのが、蒸散させないモードです。

サブパルスを高速連続照射することで、組織表面温度を一瞬だけ85〜250°Cという超高温スパイクにしながら蒸散を起こさないという制御が可能です。この短時間の熱ショックが表皮細胞にストレスシグナルを発生させ、HSPを介して真皮のコラーゲン合成を促します。

「表皮を削らずに真皮を若返らせる」というアプローチです。

アジア人肌でPIHが起きやすい理由と、ピコ秒が選ばれる根拠

PIH(炎症後色素沈着)とは、レーザー照射後に一時的にシミが濃くなる現象です。日本人を含むアジア人肌では、メラノサイトの反応性が欧米人より高いため、同じ刺激でもPIHが起きやすくなります。

2025年メタ解析(971人)が示した数字

2025年に発表されたメタ解析(20件のRCT・971人)では、ピコ秒はナノ秒と比べてシミなどの内因性色素に対する有効性は同等でありながら(RR 1.06, P=0.60)、PIH発生率は有意に低いことが示されています(P=0.02)。

特にアジア人集団でこの差が顕著でした。

なぜピコ秒でPIHが減るのか

光機械的効果が主体のピコ秒では、光熱効果が主体のナノ秒と比べてメラノサイトへの熱刺激が少なくなります。これがPIHリスク低減の主な理由と考えられています。

「ピコ秒が何でも最強」ではない

ただしトレードオフもあります。

疼痛はピコ秒の方が強い傾向があり(P<0.01)、タトゥーなど外因性色素ではピコ秒が優越傾向(RR 1.39, P=0.05)ですが、シミでは有効性が明確に勝るわけではありません。

「ピコ秒が何でも最強」ではなく、安全性プロファイルの違いが選択の根拠になります。

785nmが「中間解」として注目される理由

波長の観点でも、785nmはルビー(694nm)に近いメラニン吸収を持ちながら、ピコ秒パルスによる光機械的効果でメラノサイトへの熱刺激を抑えられるという特性があります。

532nmのような高いメラニン吸収と、1064nmのような低いPIHリスクの中間的なポジションに位置する波長として、アジア人肌での注目度が高まっています。

仙台・宮城では、春から夏にかけて紫外線量が増加し、PIHが悪化しやすい環境が続きます。また冬の乾燥期もバリア機能が低下してPIHが長引きやすくなります。仙台の気候特性を踏まえた治療スケジュールの組み方についても、初診時にご相談ください。

夏でもレーザー治療が受けられる理由もあわせてご参照ください。

波長とパルス幅の多様性が、なぜ1台では賄えないのか

ここまで読んでいただくと、なぜ複数の波長・パルス幅が必要なのか、自然と見えてくるはずです。

シミひとつとっても、「正体」で最適な波長が変わる

悩み別・レーザー適応マトリックス

 

「シミを取る」という一言でも、その正体が表皮の老人性色素斑なのか、真皮深層のADMなのか、ホルモン依存の肝斑なのかによって、最適な波長と作用機序が変わります。

532nmは表皮メラニンへの吸収が高いがPIHリスクも考慮が必要で、1064nmは深達性があるがトーニングに向く、785nmはその中間的な特性でダウンタイムを最小化できる。694nm(ルビー)は最も強いメラニン選択性を持つが、テープ保護が必要になる場合がある。

これらはそれぞれが異なる「答え」を持つ別の道具です。

たるみ・ニキビ跡は「作用する層と深さ」で考える

たるみの改善を例にとると、使う機器によって「どの層に・どうアプローチするか」がまったく異なります。

  • PIANOモード(超長パルスNd:YAG):パルス幅0.3〜60秒という超長い照射で、皮下組織全体をゆっくり均一に加温します。表皮を傷めずに深部に熱を届ける、バルク加熱のアプローチです。
  • Er:YAG SMOOTH mode:表皮側から短い熱ショックをくり返し与えることで、真皮のコラーゲン合成を誘導します。削らずに引き締める、表層からのアプローチです。
  • Sofwave:超音波(SUPERB™)を使い、真皮層(約1.5mm)に熱を集中させてコラーゲン産生を促します。
  • XERF:高周波(RF)で真皮から皮下にかけた多層を加熱し、引き締め効果を引き出します。

同じ「たるみ」という悩みでも、どの層に・どんな物理的作用でアプローチするかは、機器によってまったく違います。

ニキビ跡治療はダウンタイムによって選択する。

ニキビ跡の治療では、大きく「削って再生させる」アプローチと「削らずに内側から再生を促す」アプローチがあります。

Er:YAGアブレーティブフラクショナルは前者で、レーザーで皮膚表層を蒸散(気化・削除)させ、新しい皮膚への置き換えを促します。パルス幅の設定で削る深さを精密に調整できるため、クレーターの深さに合わせた治療が可能です。ダウンタイムはありますが、その分しっかりとした改善が期待できます。

一方、ピコ秒フラクショナル(PQX FracTAT)は後者です。表皮を削らずに、超短パルスの衝撃波で真皮内に微小な空洞を作り、それが修復される過程でコラーゲンが産生されます。表面への影響が少ないためダウンタイムを抑えられます。

「しっかり改善したい・ダウンタイムを受け入れられる」か、「ダウンタイムは最小にしたい」かによって、選択が変わります。

機器の取り揃えは「科学的論理の帰結」

「多くの機器を導入すること」は目的ではありません。それぞれの悩みの根本にある病態と、それに最適な物理的作用を一致させるために、自然と複数の波長・パルス幅が必要になる。そういう必然から、当院の機器の取り揃えが決まっています。

初診時はVISIA・VECTRA・DermaLabによる肌診断を実施し、色素の分布・深さ・血管状態・真皮の状態を客観的に評価したうえで治療プランをご提案しています。「カウンセリング当日の即日施術は原則行わない」というポリシーも、この診断と設計を丁寧に行うためです。

院長より

初診でよく聞かれるのが「私のシミにはどれが一番いいですか?」という質問です。

正直なところ、診察室で肌を見るまでは答えられません。同じ「シミ」でも、日光性色素斑・ADM・肝斑・炎症後色素沈着では、最適な波長も照射法もまるで違います。誤った選択をすると、思うような効果が得られないことがあります。

当院でVISIA・VECTRA・DermaLabによる肌診断を重視している理由は、ここにあります。「なんとなく合いそう」ではなく、「この肌の状態だから、この波長を選ぶ」という根拠を持って治療を設計したいと考えています。

ソララクリニック 院長 佐藤 雅樹

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※「HPの記事を見た」とお伝えいただけるとスムーズです

よくある質問 FAQ

YAGレーザーについてのよくある質問をまとめました。
ご参考になれば幸いです。

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表在性の一般的なシミ(老人性色素斑・そばかす)には、694nmというメラニン吸収率の高いルビーレーザーが第一選択です。

Nd:YAG(1064nm)はメラニン吸収率が低い代わりに深達性が高く、深部の色素病変(ADM)や肝斑トーニング、赤ら顔・たるみといったルビーでは届かない悩みに適しています。

詳しくはルビーレーザーとYAGレーザーの違いページをご参照ください。

「どちらが上か」ではなく「何に対して使うか」で選択が変わります。

2025年のメタ解析では、シミなどの内因性色素では有効性に差はなく、タトゥーではピコ秒が優越傾向です。

重要な違いは安全性で、ピコ秒はアジア人肌で問題になりやすいPIHの発生率が有意に低いことが示されています。

一方、疼痛はピコ秒の方が強い場合があります。お悩みの種類と生活スタイルを踏まえてご提案します。

照射モードによって大きく異なります。

SMOOTH mode(蒸散なし)では赤みが1〜2日程度で引くことが多く、ほぼダウンタイムなしで受けられます。

フラクショナルアブレーティブ(蒸散)モードでは治療密度・深さに応じて1〜5日の赤み・乾燥感が生じる場合があります。

初診時に詳しくご説明します。

1064nm Nd:YAGは表皮メラニンへの吸収が低い一方で真皮深層まで届くため、皮脂腺周囲の微小毛細血管を熱凝固させて皮脂分泌を抑制するとともに、ポルフィリンを介してニキビ菌(Cutibacterium acnes)に直接作用することが期待されています。

当院ではFRAC3®モード(300〜1600μs可変)を使用し、皮脂腺の深さや炎症の程度に合わせたパルス幅でアプローチしています。1064nmは表皮メラニンへの吸収が低いため、日本人を含む有色人種でもPIHや熱傷のリスクが少ない点が特長です。

治療部位・照射モードによりますが、共通してSPF50+・PA++++の日焼け止めを年間を通じて継続することが再発・PIH予防の基本です。

照射翌日からメイク可能な場合がほとんどですが、強いピーリングや摩擦は避けてください。SPF・PAの選び方ページも参考にしてください。

照射モードや個人の肌質によって異なりますが、主なものとして以下が挙げられます。

  • PIH(炎症後色素沈着):照射後に一時的にシミが濃くなる場合があります。特にアジア人肌で起こりやすく、適切な日焼け止めと経過観察で多くは改善します。ピコ秒レーザーはPIHリスクが低い傾向があります。
  • 赤み・腫れ:照射直後に生じることがありますが、通常数時間〜数日で落ち着きます。
  • かさぶた(痂皮形成):スポット照射後に生じることがあります。無理に剥がさず自然に剥がれるのを待ってください。
  • 色素脱失(白斑):まれに照射部位が白くなることがあります。過剰な照射を避け、適切な間隔で治療することが予防につながります。

いずれも初診時に詳しくご説明します。気になる症状が出た場合はお気軽にご相談ください。

照射の感覚は「輪ゴムではじかれるような刺激」と表現されることが多いです。

照射モードによって異なり、一般的にピコ秒レーザーはナノ秒より強い刺激を感じる場合があります。Er:YAGフラクショナル(蒸散モード)では表面麻酔クリームを使用します。

痛みへの不安がある方は遠慮なくお申し出ください。

美容医療で使用するYAGレーザーは「非電離放射線」と呼ばれる種類の光で、X線や紫外線のようにDNAを直接損傷する性質を持ちません。

がん化のリスクは医学的に認められていません。

1064nm・532nm・2940nmという波長はいずれも可視光〜近赤外域であり、安全性は長年の臨床使用で確認されています。

照射する波長・モード・範囲によって異なります。トーニング・スポット照射・フラクショナルなど治療の種類ごとに料金が設定されています。

詳しくは料金表ページをご覧ください。初診のカウンセリング時に症状に合わせてご説明します。

症状の種類・深さ・程度によって大きく異なります。

一般的に、表在性のシミのスポット照射は1〜数回、肝斑トーニングや肌質改善は複数回の継続が必要なことが多いです。

また前述の通り、コラーゲン再生は照射後6ヶ月にわたって続くため、治療間隔は最短でも3〜4週間を推奨しています。

具体的な回数は初診時に肌の状態を診たうえでご提案します。

参考文献・エビデンス

以下の文献は本ページの記述の根拠となる査読済み論文です。DOIリンクより原文をご確認いただけます。

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原題:Selective photothermolysis: precise microsurgery by selective absorption of pulsed radiation

出典:Science, 1983; 220(4596): 524–527

DOI:https://doi.org/10.1126/science.6836297

要約:選択的光熱分解の概念を世界で初めて提唱した画期的論文。パルス幅が熱緩和時間(TRT)より短ければ周囲組織を損傷せず選択的破壊が可能であることを理論的・実験的に証明した。現代レーザー皮膚科学の礎。

原題:Extended theory of selective photothermolysis

出典:Lasers in Surgery and Medicine, 2001; 29(5): 416–432

DOI:https://doi.org/10.1002/lsm.1136

要約:色素体と破壊標的が空間的に分離した系における選択的損傷の理論的枠組みを構築。最適パルス幅がTRTより著しく長くなりうることを示した。レーザー脱毛・血管治療のパラメータ最適化の理論的基盤。

原題:Laser-tattoo removal—a study of the mechanism and the optimal treatment strategy via computer simulations

出典:Lasers in Surgery and Medicine, 2002; 30(5): 389–397

DOI:https://doi.org/10.1002/lsm.10065

要約:最適パルス幅が10〜100ピコ秒であることを定量的に算出し、ピコ秒域での光音響効果優位を理論的に予測した先駆的論文。

原題:A Systematic Review of Picosecond Laser in Dermatology: Evidence and Recommendations

出典:Lasers in Surgery and Medicine, 2021; 53(1): 9–49

DOI:https://doi.org/10.1002/lsm.23244

要約:77研究を包括的にレビューし、ピコ秒レーザーの作用メカニズムを選択的光熱分解から光機械的効果・LIOBへのシフトとして整理。各適応症のエビデンスレベルを整理した参照文献。

原題:Prospective comparison study of a 550 picosecond 755 nm laser vs a 50 ns 755 nm laser in the treatment of nevus of Ota

出典:Lasers in Medical Science, 2023; 38(1): 55

DOI:https://doi.org/10.1007/s10103-023-03721-5

要約:ピコ秒群(平均4.2回完了)はナノ秒群(5.4回)よりも少ない回数・低エネルギーで同等以上の効果を達成し、合併症ゼロ。

光機械的効果優位の治療の臨床的実証。

原題:Mechanisms of pulsed laser ablation of biological tissues

出典:Chemical Reviews, 2003; 103(2): 577–644

DOI:https://doi.org/10.1021/cr010379n

要約:Er:YAGの主要メカニズムが「閉じ込め沸騰」であることを確立し、熱閉じ込め・応力閉じ込めの概念を体系化した包括的レビュー。

原題:Effects of the 532-nm and 1,064-nm Q-switched Nd:YAG lasers on collagen turnover of cultured human skin fibroblasts

出典:Lasers in Medical Science, 2010; 25(5): 719–726

DOI:https://doi.org/10.1007/s10103-009-0657-4

要約:1064nmがTGF-β経路を特異的に誘導し(532nmはHSP70/IL-6経路)、コラーゲン蓄積を促すことを示した。Nd:YAGリモデリング治療の分子的根拠。

原題:Characteristics of Non-Ablative Resurfacing of Soft Tissues by Repetitive Er:YAG Laser Pulse Irradiation

出典:Lasers in Surgery and Medicine, 2021; 53(9): 1266–1278

DOI:https://doi.org/10.1002/lsm.23402

要約:SMOOTH modeの物理学的根拠を確立。表面を蒸散させずに熱ショック応答を最大化できる理論的枠組みを構築した決定的メカニズム論文。

原題:Comparison of 1064-nm Nd:YAG picosecond laser using fractional micro-lens array vs. ablative fractional 2940-nm Er:YAG laser for the treatment of atrophic acne scar in Asians

出典:Frontiers in Medicine, 2023; 10: 1248831

DOI:https://doi.org/10.3389/fmed.2023.1248831

要約:アジア人31例split-face試験。改善率は同等(39.1% vs 43.7%)でも患者満足度・副反応プロファイルが異なることを示した。

原題:Comparative appraisal with meta-analysis of picosecond versus nanosecond lasers for hyperpigmented disorders and tattoos

出典:Lasers in Medical Science, 2025; 40: 465

DOI:https://doi.org/10.1007/s10103-025-04721-3

要約:20件のRCT・971人を統合。内因性色素では有効性同等、PIH発生率はピコ秒で有意に低い(P=0.02)。

現時点で最も包括的なエビデンス。

原題:Novel melasma therapy using combined low fluence and microsecond pulse Q switched 1064 nm neodymium doped yttrium aluminium garnet laser

出典:Scientific Reports, 2025; 15: 24596

DOI:https://doi.org/10.1038/s41598-025-10129-4

要約:1年フォローのsplit-face試験。6〜12ヶ月で再燃傾向を確認。マイクロ秒PW併用側でMI再上昇が有意に抑制。

肝斑の長期管理における再燃という現実を定量化。

原題:Treatment of Mild to Severe Acne Vulgaris With a 650-microsecond 1064-nm Nd:YAG Laser
出典:Journal of Drugs in Dermatology, 2024; 23(11): 957–964
DOI:https://doi.org/10.36849/JDD.8171
要約:Fitzpatrick I〜VI型対象の前向き試験。炎症性皮疹が3回目で83.72%減少、90日後も86.67%のクリアランスを維持。1064nmの皮脂腺への作用メカニズムを裏付ける臨床データ(使用機器は当院と異なる)。

原題:Molecular insights into the effects of laser-induced optical breakdown (LIOB) after 1064 nm picosecond laser irradiation using a novel melanocyte-containing 3D skin model

出典:Lasers in Medical Science, 2025; 40(1): 223

DOI:https://doi.org/10.1007/s10103-025-04474-z

要約:3D皮膚モデルでLIOBを解析。周囲組織を損傷せず創傷治癒カスケードを起動するメカニズムを分子レベルで実証した最新研究。

監修者情報(医師紹介)

監修医師 佐藤雅樹(仙台 ソララクリニック院長)

監修医師:佐藤 雅樹 (さとう まさき)

ソララクリニック 院長

専門分野:美容皮膚科

2000年 順天堂大学医学部卒。順天堂大学医学部形成外科入局。 大学医学部付属病院等を経て、都内美容皮膚科クリニックにてレーザー治療の研鑽を積む。2011年3月 ソララクリニック開院 院長就任。2022年 医療法人 松柴会 理事長就任。日本美容皮膚科学会 日本形成外科学会 日本抗加齢医学会 日本レーザー医学会 点滴療法研究会 日本医療毛髪再生研究会他所属。 
様々な医療レーザー機器に精通し、2011年ルビーフラクショナル搭載機器を日本初導入。各種エネルギーベースの医療機器を併用する複合治療に積極的に取り組む.

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