ルビーフラクショナルを 1回受けたがシミが減らないのはなぜ?
フラクショナル照射の仕組みを知ると、
Q.ルビーフラクショナルを1回受けましたが、シミが減った気がしません。本当に効いているのでしょうか?
A.ご安心ください。1回目の施術後に効果を実感しにくいのは、ルビーフラクショナルの正常な経過です。治療が上手くいっていないのではなく、この治療法の特性によるものです。順を追って説明します。
初めてシミ取りを検討されている方は、シミ治療総合ページも参照ください。
この記事の目次
1回目の照射で効果を感じにくい 2つの理由
理由①:初回はカバー率が約30%

「フラクショナル(fractional)」とは「分割する」という意味です。
ルビーフラクショナルは、肌の全面に照射するのではなく、7×7mmの正方形の照射エリア内に格子状に並んだ49個の点状レーザーを照射する方法です。この49点が照射エリア全体の面積の約30%をカバーします。
照射された点の周囲には、あえて照射していない正常な皮膚が残ります。この「照射されていない正常組織」が放熱板の役割を果たし、熱のダメージが広がるのを防ぐことで、ダウンタイムを最小限に抑えられるのです。
1回目は肌全体の約30%にしか照射していないため、当然ながら1回で全てのシミに届くわけではありません。回数を重ねることで徐々に照射範囲がカバーされ、シミが少しずつ薄くなっていきます。
では、回数を重ねると何%まで届くのか?
「2回目は残りの70%を照射してくれるの?」と思われるかもしれませんが、そうではありません。毎回の照射はどこに当たるか正確には制御できないため、前回と同じ場所に当たることも避けられません。
これは確率の問題です。1回の照射で「当たらない確率」は70%(0.7)です。N回照射を重ねたとき、一度も当たらない確率は 0.7 の N乗になります。
つまり累積カバー率は次の式で表されます。
累積カバー率 = 1 − 0.7 ^ N
実際に計算すると、以下のようになります。
| 照射回数 | 計算式 | 累積カバー率 |
|---|---|---|
| 1回 | 1 − 0.7¹ | 約30% |
| 2回 | 1 − 0.7² | 約51% |
| 3回 | 1 − 0.7³ | 約66% |
| 4回 | 1 − 0.7⁴ | 約76% |
| 5回 | 1 − 0.7⁵ | 約83% |
「3回受ければ3×30%=90%届く」というわけではなく、回を重ねるごとに未照射部位が減り、増え方はゆっくりになっていきます。これはプールに水を足すようなイメージで、最初は一気に増えますが、いっぱいに近づくほど残りを埋めるのに時間がかかります。
それでも回数を重ねることでシミはしっかり薄くなっていきます。焦らず治療を継続することが大切です。
理由②:初回は出力を抑えめに設定する
初回の施術では、その方の肌がレーザーにどう反応するかを確認するため、出力を抑えめに設定して照射します。
肌質・シミの濃さ・肌の状態は個人差が大きく、同じ出力でも反応が強く出る方とそうでない方がいます。安全な治療を提供するために、初回は慎重にスタートし、2回目以降に肌の反応を見ながら徐々に最適な出力に調整していきます。
つまり初回は「肌状態の診断と慣らし」という意味合いも持っており、シミへの効果が最大化されるのは2回目以降になります。
「やられた感」がないのは 安全の証拠
ルビーフラクショナルの大きな特長のひとつが、施術後にほとんどかさぶたができないことです。
従来のシミ取りレーザー(スポット照射)では、照射後にシミが黒く浮き上がりかさぶたになります。「シミが反応した!」という視覚的な変化があるため、患者さんが「やってもらった実感」を得やすいのが特徴です。
一方ルビーフラクショナルでは、照射後翌日には赤みが引き、肌表面に目立つ変化がほとんど残りません。これはフラクショナル照射によって周囲の正常組織がすぐに回復を助けるためです。
「何もされていないみたいで不安」と感じる方もいらっしゃいますが、これはむしろ肌への負担が最小限に抑えられている証拠です。かさぶたにならないからこそ、毎月コンスタントに治療を続けることができ、結果的に治療期間の短縮につながります。
効果を実感できるのは 何回目から?
個人差はありますが、当院での経験から多くの方が3〜4回目頃からシミが薄くなってきたと実感されます。
ただしルビーフラクショナルはかさぶたが生じない分、シミが「パッと消える」という変化ではなく、気がついたら薄くなっていたという変化の仕方をします。
「人知れず薄くなる」特性を理解する
ルビーフラクショナルでシミが薄くなる過程は、とても静かです。施術のたびに少しずつメラニンが排出されていくため、日々の変化は肉眼では気づきにくく、振り返ったときに「あ、薄くなってた」と気づくことが多いのです。
この「人知れず薄くなっていく」特性は、日常生活に支障が出ないという点では大変優れています。しかし一方で、患者さん自身が効果を実感できないまま治療を中断してしまうというケースも起きやすい側面があります。
そのため当院では、治療開始前と各回施術前に記録写真を撮影し、変化を数値で比較確認できる仕組みを取っています。写真で見ると「確かに薄くなっている」と実感していただけることが多く、治療継続の大きなモチベーションになっています。
治療回数の目安
シミの種類・濃さ・範囲によって異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。
- 日光性色素斑(老人性色素斑):4〜6回程度で大きく改善されることが多い
- そばかす(雀卵斑):範囲が広い場合、4〜8回程度
- ADM(後天性真皮メラノサイトーシス):真皮の深い部分への照射となるため、より多くの回数が必要になることがある
いずれも1〜3ヶ月に1回のペースで通院いただくのが標準的です。初回カウンセリング時に、症状に応じた治療計画を詳しくご説明します。
それでもルビーフラクショナルを 第一選択とする理由
「複数回必要ならスポットレーザーで一気に取ればよいのでは?」と思われる方もいるかもしれません。確かに従来のスポット照射は1〜2回で濃いシミを除去できる即効性があります。しかし、以下のようなデメリットがあります。
- 照射後2週間は被覆材(テープ)で保護が必要
- 炎症後色素沈着(戻りジミ)のリスクが比較的高い
- 顔全体にシミが多い場合、一気に治療するのが現実的でない
- 肝斑が混在している場合、スポット照射が使えないケースがある
対してルビーフラクショナルは、当院実績でフラクショナル照射による炎症後色素沈着の発生率を2,000分の1以下に抑えており(当院シミ治療総合ページ参照)、顔全体のシミを安全に、生活への支障なく治療できます。
「急がば回れ」で、結果的に一番きれいに仕上がる方法として、当院ではルビーフラクショナルをシミ治療の第一選択としています。
監修者情報(医師紹介)

監修医師:佐藤 雅樹 (さとう まさき)
ソララクリニック 院長
専門分野:美容皮膚科
2000年 順天堂大学医学部卒。順天堂大学医学部形成外科入局。 大学医学部付属病院等を経て、都内美容皮膚科クリニックにてレーザー治療の研鑽を積む。2011年3月 ソララクリニック開院 院長就任。2022年 医療法人 松柴会 理事長就任。日本美容皮膚科学会 日本形成外科学会 日本抗加齢医学会 日本レーザー医学会 点滴療法研究会 日本医療毛髪再生研究会他所属。
様々な医療レーザー機器に精通し、2011年ルビーフラクショナル搭載機器を日本初導入。各種エネルギーベースの医療機器を併用する複合治療に積極的に取り組む.
最終更新日