日焼け止めの選び方|SPF・PAの正しい理解と使い方

「SPFが高いほど良い」は誤解です。シミ治療の効果を守るために知っておきたい、日焼け止め選びの本質をお伝えします。

まず知っておきたい3つのポイント

  • SPFはUVB(赤くなる日焼け)の指標
    SPF30と50の差は遮断率わずか約1%。極端に高い数値にこだわる必要はない
  • PAはUVA(シミ・老化の主因)の指標
    UVAは年間を通じて曇天でも室内でも届く。PA値こそ最高ランク(PA++++)を選ぶ
  • 塗り直しが最も効果に直結
    量・頻度が不十分ではどれだけ高性能な製品でも意味が薄れる

UVBとUVA:2種類の紫外線

紫外線には主にUVB(波長280〜320nm)UVA(波長320〜400nm)の2種類があります。それぞれ肌への影響が異なるため、対策も分けて考える必要があります。

UVB:赤くなる急性の日焼け

UVBは皮膚の表層(表皮)に作用し、赤みや炎症(サンバーン)を引き起こします。晴れた夏の日中に強く、季節・時間帯・天候による変動が大きいのが特徴です。

日焼け止めのSPF値がこのUVBへの防御能を示します。

UVA:シミ・光老化の主因

UVAはUVBより波長が長く、皮膚の奥(真皮層)まで到達します。コラーゲン・エラスチンを変性させ、シミ・しわ・くすみといった光老化の主な原因となります。

地表に届く量はUVBの約20倍ともいわれ、季節や天候による変動が少ないのが特徴です。窓ガラスを透過するため室内にいても対策が必要で、曇りの日でも約70%が地上に届きます。

日焼け止めのPA値がUVAへの防御指標です。

SPF値の意味と限界

SPF(Sun Protection Factor)は、何も塗らない場合に比べてUVBによる赤みが出るまでの時間を何倍に延長できるかを示す倍率です。

SPF30なら理論上30倍の時間、赤くなりにくいことを意味します。

SPF値とUVB遮断率の関係

下のグラフが示すように、SPFと遮断率の関係は線形ではなく対数的です。SPF30ではすでに約97%のUVBを遮断しており、SPF50でも約98%と差は約1%しかありません。

 

※理論値(実験室条件)。実際の使用状況(塗りムラ・汗・摩擦など)では効果が低下します。

日常生活においてはSPF30〜50程度で十分です。それ以上の数値は防御率の向上がごくわずかな一方、肌への負担やクレンジングの手間が増すことがあります。

毎日継続して使えることの方が、数値より重要といえます。

PA値の意味と重要性

PA(Protection grade of UVA)は日本独自のUVA防御指標で、「+」の数が多いほど防御力が高く、最高ランクはPA++++(2013年導入)です。

PA値のランクはPPD(Persistent Pigment Darkening)値を基準としています。

  • PA+:PPD 2〜4
  • PA++:PPD 4〜8
  • PA+++:PPD 8〜16
  • PA++++:PPD 16以上

PA等級別の相対的なUVA防御力

 

グラフが示すように、+が1段階増えるごとに防御力はおよそ倍増します。UVAは光老化・シミの主因であり年間を通じて降り注ぐことを考えると、できる限りPA++++の製品を選ぶことをお勧めします。

場面別の選び方

シーン 推奨SPF 推奨PA 選び方のポイント
日常(通勤・買い物) SPF30〜50 PA+++以上 低刺激・保湿成分入りで毎日使いやすいものを
屋外レジャー・炎天下 SPF50+ PA++++ ウォータープルーフ+こまめな塗り直しが必須
室内・曇りの日 SPF30前後 PA+++以上 UVAは室内・曇天でも届く。軽めのものでも年中継続を
レーザー治療後 SPF50+ PA++++ 低刺激のミネラル(ノンケミカル)系を選ぶと安心

日焼け止めの正しい使い方

塗る量:500円硬貨大が目安

顔全体の場合、目安は500円硬貨大(約2mg/cm²)です。少量では表示のSPF・PA通りの効果が発揮されません。数ヶ所に置いてから丁寧に伸ばし、首・耳・手の甲も忘れずに。

塗り直し:2〜3時間ごとが目安

日焼け止めは汗・皮脂・摩擦で落ちます。2〜3時間ごとの塗り直しが推奨されており、屋外活動中や発汗時はより短い間隔で対応を。

「厚塗りすれば塗り直しは不要」という考えは誤りです。

ミネラル系とケミカル系の違い

ミネラル(ノンケミカル)系は酸化チタン・酸化亜鉛が主成分で、紫外線を反射・散乱させます。肌への刺激が少ないため、敏感肌やレーザー治療後の方に向いています。

ケミカル系は紫外線吸収剤で化学的に紫外線を吸収・変換します。テクスチャーが軽く伸びが良いものが多いですが、成分によって刺激を感じることがあります。

肌質や用途に合わせて選んでください。

仙台・宮城で特に気をつけたいこと

仙台エリアは沖縄と比べると年間紫外線量は少ないものの、夏の8月にはUVインデックスがWHO基準で「強い」レベル(UVI 6前後)に達します。地域の生活環境も踏まえた対策が必要です。

  • 車内でのUVA
    仙台は車移動が多い地域です。自動車の窓ガラスはUVBをほぼカットしますが、UVAは透過します。
    「車の中だから大丈夫」という認識が光老化の蓄積につながります。通勤・移動中もPA対策を日常化してください
  • 曇り・雨の日のUVA
    曇天でも紫外線(特にUVA)の約70%は地上に届きます。東北は曇天が多い季節もありますが「曇りだから不要」という油断が積み重なることで、シミの再発・悪化につながります
  • 冬も継続が重要
    UVAは冬でも年間を通じて降り注いでいます。量はUVBほど季節差がなく、積雪による反射で増幅されることもあります

レーザー治療後の日焼け止め

ルビーフラクショナルなどのレーザー照射後は、肌のバリア機能が一時的に低下し通常より紫外線ダメージを受けやすい状態になっています。

治療効果を守り炎症後色素沈着(戻りジミ)を防ぐために、以下を守ってください。

  • 照射後からSPF50+・PA++++の日焼け止めを使用する
  • 刺激の少ないミネラル(ノンケミカル)系が安心
  • 外出時は日傘・帽子との併用を推奨
  • 複数回の治療期間中も継続的なUV対策が効果の維持に直結します

シミができた根本原因は紫外線であるため、治療後も年間を通じた日焼け止めの継続使用が大切です。

当院でも毎回の診療でUVケアの確認を行っています。

監修者情報(医師紹介)

監修医師 佐藤雅樹(仙台 ソララクリニック院長)

監修医師:佐藤 雅樹 (さとう まさき)

ソララクリニック 院長

専門分野:美容皮膚科

2000年 順天堂大学医学部卒。順天堂大学医学部形成外科入局。 大学医学部付属病院等を経て、都内美容皮膚科クリニックにてレーザー治療の研鑽を積む。2011年3月 ソララクリニック開院 院長就任。2022年 医療法人 松柴会 理事長就任。日本美容皮膚科学会 日本形成外科学会 日本抗加齢医学会 日本レーザー医学会 点滴療法研究会 日本医療毛髪再生研究会他所属。 
様々な医療レーザー機器に精通し、2011年ルビーフラクショナル搭載機器を日本初導入。各種エネルギーベースの医療機器を併用する複合治療に積極的に取り組む.

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