抜け毛の 原因Hair Shedding |仙台
たくさん抜けることと、
排水口にたまった毛、枕についた毛、指に絡んだ毛。ある日それが急に多く見えて、薄毛が始まったのではないかと思う。抜け毛のご相談は、たいていこの順番で始まります。
けれども、抜ける量と髪が薄くなることは、いつも同じ方向を向いているわけではありません。このページでは、本数をどう受け止めればよいか、周期のどこが乱れると抜けるのか、受診を考えたほうがよい抜け方はどれかを、順にご説明します。
このページの要点
- 髪は生え変わりをくり返しています。抜けること自体は、異常ではありません。
- 1日に抜ける本数はおおよそ50〜100本とされますが、個人差がとても大きく、本数だけでは薄毛かどうかは決まりません。
- 手がかりになるのは本数ではなく、頭のどこが薄くなっているかと、抜けた毛の太さです。分け目や頭頂部が薄く、抜けた毛に細く短いものが混じるときは、早めにご相談ください(男性では、生え際の後退も手がかりになります)。
まず、どちらに近いでしょうか
- ここ数週間で、急にはっきり増えた ── 急に増えるときをご覧ください。出産のあとの抜け毛もここに入ります
- いつからか分からないが、だんだん/抜け毛より先に、分け目や頭頂部の地肌が気になった(男性では、生え際の後退も) ── じわじわ進むときを考えます
- 丸く、境界のはっきりした形で抜けた ── 原因の異なる脱毛症です
これは入口の目安です。急に始まって長く続くものもありますので、確かめ方は見分け方の章でご説明します。
1日に何本抜けたら多いのでしょうか
おおよそ1日50本から100本、と言われています。この数字は広く使われていて、当院でも目安としてお伝えすることがあります。
ただし、そのまま受け取るには但し書きが要ります。先に結論を申し上げると、抜けた本数は、ご自身の状態を判断する材料としては、思われているほど役に立ちません。理由を3つに分けてご説明します。

同じ量の水でも、器が違えば水面の高さは違って見えます。抜け毛の本数も、測り方によって出てくる数字が変わります。
この数字は、どこから来たのか
抜け毛を数えた研究は、実際にあります。抜け毛を気にして受診した女性234名に、1日分の抜け毛をすべて数えてもらった報告では、ちょうどまんなかの方で60.5本でした(参考文献3)。50本から100本という目安は、この実測とよく合っています。
ただしこの研究の対象は、健康な人ではなく抜け毛を気にして受診した方です。著者自身も、この分野では「正常とは何か」がまだ定まっておらず、測り方の標準化が急がれると書いています。
そして、よく言われる「100本を超えたら異常」という線引きについては、根拠になる研究を見つけられていません。数字が独り歩きしている部分があります。
同じ人でも、数え方で変わります
抜け毛の量を測る方法は、ひとつではありません。先ほどの研究では、同じ234名に3つの方法を試しています。
1日分を数える方法で60.5本、5日ぶんためてから洗髪して数える方法で122本、髪を軽く引いて抜ける本数を見る方法で0.6本。測り方が変われば、出てくる数字も変わります。
ばらつきの大きさも相当なものです。脱毛のない男性60名を対象に、洗髪前に60秒間髪をとかして落ちた毛を数えた研究では、平均は約10本でしたが、範囲は0本から78本でした(参考文献4)。薄毛のない方だけを集めても、これだけ開きます。
ご自身の中では、あまり変わりません
ですから、本数を誰かと比べても、ほとんど意味がありません。ただ、この研究には続きがあります。
同じ方の中では、日によっても、半年後に測り直しても、本数はあまり変わりませんでした。他の方と比べる数字としては使えないけれど、ご自身の中での変化としてなら手がかりになります。
季節によっても変わります。夏の終わりから秋にかけて増えることが知られていますので、詳しくは抜け毛が多い時期のページにまとめました。
同じ方を測っても、方法が違えば数字は変わります。抜け毛の量は、ひとつの決まった値として存在しているわけではありません。
たくさん抜ける方ほど薄い、ではありません
ここがいちばん意外に思われるところです。先ほどの234名の研究では、毛量が正常に見える方のほうが、実際に薄毛が進んでいる方よりも、はっきり多く抜けていました(参考文献3)。
「たくさん抜ける人ほど薄い」ではなく、むしろ逆だったわけです。抜け毛が気になって受診される方は、髪が十分にある段階でいらっしゃることが多く、そして実際によく抜けている。一方で、薄毛がかなり進んだ段階では、抜ける毛そのものが減っていきます。進むほど、抜け毛の量では気づけなくなっていくということです。
同じ研究では、頭皮の毛のうち休止期にある毛の割合も調べていますが、こちらは抜け毛の量と相関しませんでした。「よく抜ける」ことと「頭皮の状態が悪い」ことは、別々に動いています。
この章の結論
抜けた本数は、他の方と比べる数字としてはほとんど意味を持ちません。意味があるのは、ご自身の中で変わったかどうかです。そして本数が増えたことと、髪が薄くなることは、同じではありません。続いて、そもそもなぜ髪が抜けるのかをご説明します。
髪は、抜けるようにできています
髪の毛は、一度生えたら一生伸び続けるものではありません。伸びる時期、成長を終える時期、休む時期をくり返していて、抜けるのはその周期のいちばん最後です。抜けること自体は、髪が壊れているサインではありません。
成長期・退行期・休止期
髪の周期は3つに分けて説明されます(参考文献1)。伸び続ける成長期、成長を終えて根元が縮んでいく退行期、そして抜け落ちる準備に入る休止期です。一般に成長期は2年から6年、退行期は2〜3週間、休止期は3か月前後とされています。
期間には個人差があり、同じ人でも部位によって違います。ただ、ひとつはっきりしていることがあります。ほとんどの毛は、いつでも成長期にあるということです。
薄毛のない方の頭皮を調べた研究では、成長期の毛が93.5%、休止期の毛が6.5%でした(参考文献2)。
つまり、抜ける準備に入っている毛は、いつでも全体のごく一部です。そしてその一部は、毎日入れ替わっています。
いっせいには生え変わりません
動物の毛には、季節ごとに全身がいっせいに生え変わるものがあります。人の髪はそうではありません。一本ずつが、それぞれ別のタイミングで周期を回しています。
だからこそ、毎日少しずつ抜けるかわりに、ある日突然すべてが抜けるということが起こりません。抜け毛が目に見えて増えたとき、それは「多くの毛が同じ時期に休止期へ入った」ことを意味します。
ただし、抜け毛が増えたといっても、頭皮で起きていることはいつも同じではありません。このあと、3つに分けて見ていきます。
左は通常の状態で、一本ずつが別々の時期にあります。右は多くの毛が同じ時期に休止期へ入った状態で、数か月後にまとまって抜けます。
抜けた毛の根元を見てください
抜けた毛の根元に、白っぽい小さなふくらみが付いていることがあります。これを見て「毛根から抜けてしまった」と心配される方がいらっしゃいますが、これは休止期を終えた毛の正常な姿です。
髪をつくる装置(毛包)そのものは頭皮の中に残っていて、抜けたあとにまた新しい毛をつくり始めます。白いふくらみが付いていること自体は、心配の材料にはなりません。
抜けた毛の根元の形は細かく分類して調べられていますが、脱毛のある方とない方で大きな差は出ていません(参考文献6)。
むしろ気にしていただきたいのは太さのほうです。抜けた毛に細く短いものが混じって増えている場合は、成長期を十分に過ごせないまま抜けている毛がある、という手がかりになります。この見方は、あとでもう一度使います。
この章の結論
髪は一本ずつ別のタイミングで生え変わっていて、抜けることは周期の一部です。抜け毛が増えたと感じるとき、その中身はひとつではありません。続いて、何が起きているのかを3つに分けて見ていきます。
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抜け毛が増えるとき、何が起きているか
ひとくちに抜け毛が増えたといっても、頭皮で起きていることは同じではありません。大きく3つに分かれます。
急に増えるとき、じわじわ進むとき、丸く抜けるとき。経過も、その後の考え方も違います。ここでは順に何が起きているのかをご説明し、ご自身がどれに近いかは、そのあとで確かめます。
なお、薄毛のご相談として最も多いのは、2つ目のじわじわ進むタイプです。男性のAGA(男性型脱毛症)が最も多く、次いで女性型脱毛症が続きます。
じわじわ進むタイプは、抜け毛の量ではほとんど気づけません。だからこそ、量より抜け方を見ていただきたいのです。
急に増えるとき ── 休止期脱毛
高い熱を出した、手術を受けた、短期間で体重を落とした、出産した。こうしたことがあったあと、しばらく経ってから抜け毛が増えることがあります。休止期脱毛と呼ばれる状態です。
特徴は時間差です。きっかけから2〜3か月ほど遅れて始まります(参考文献7)。抜け始めた時期に何かがあったわけではないので、原因を今日の生活の中に探しても見つかりません。ふり返る先は、2〜3か月前です。
出産のあとの抜け毛
休止期脱毛のいちばん分かりやすい例が、産後の抜け毛です。妊娠中は抜けにくい状態が続き、出産を境に、抜けずにいた毛がまとまって休止期へ入ります。
日本で出産した女性331名に、産後10〜18か月の時点でうかがった調査があります。91.8%が産後の抜け毛を経験していました(参考文献12)。ほとんどの方に起きている、ということです。
同じ調査では、抜け毛が始まった時期が平均2.9か月、いちばん多かった時期が5.1か月、落ち着いた時期が8.1か月でした。山があって、そのあと収まっていくという経過をたどります。
きっかけの時点では、まだ抜けません。多くの毛が休止期に入り、その周期を終える2〜3か月後に、まとまって抜ける時期が来ます。
量が多く前ぶれもないため驚かれますが、これは前の章でご説明した「多くの毛が同じ時期に休止期へ入った」状態そのものです。髪をつくる装置が失われたわけではありません。
同じ研究班による別の調査では、抜け毛が多かった方ほど産後の不安が強い傾向も報告されています(参考文献13)。見通しが分かっているだけでも、受け止め方は変わります。ここで時期の目安をお示ししているのは、そのためです。
産後の抜け毛は、いつまで続くか
この時期は、強い対策を急がないことをお勧めしています。授乳中は使える薬に制限がありますし、そもそも時間の経過で戻っていく性質のものだからです。
目安になるのは、その後の変化です。調査でも平均8.1か月で落ち着いており、これは休止期脱毛の一般的な見通し(抜け始めてから3〜6か月)の範囲に収まる長さです。ですから、1年近く経っても抜け毛が減らない、あるいは分け目の地肌が目立ってきた場合は、産後の変化とは別のことが重なっている可能性があります。
そのほかのきっかけ
出産以外にも、体に大きな負荷がかかった出来事が引き金になります。高熱をともなう感染症、手術や大きなけが、短期間の急激な減量、強い負荷が続いた時期、新しく始めた薬。いずれも、きっかけと抜け毛のあいだに数か月の間があきます。
新型コロナウイルス感染症の流行以降、この形の抜け毛が増えたことが報告されています。感染後の抜け毛は、治療を行わなくても改善していくと見込まれています(参考文献11)。
鉄や甲状腺が背景にあることも
体の中の状態が背景にあることもあります。鉄が不足している場合や、甲状腺のはたらきに変化がある場合です。どちらも見た目では分からないことが多く、原因のはっきりしない抜け毛では確認しておくことがすすめられています(参考文献7)。
これらの評価が必要と考えられる場合は、内科や内分泌の外来をお勧めしています。血液の検査で分かることは、そちらで調べていただくのが確実です。
長く続くタイプもあります
ここまでは、きっかけから2〜3か月後に始まり、抜け始めてから3〜6か月ほどで落ち着いていく形をご説明してきました(参考文献7)。きっかけから数えると、5〜9か月ほどという見当です。ただ、これに当てはまらないものがあります。
慢性休止期脱毛と呼ばれる状態です。30代から60代の女性に多く(参考文献8)、毛量は十分にある普通の頭から、思い当たる原因もなく、驚くほど抜けるのが特徴とされています(参考文献7)。始まり方は突然で、初期は手に一杯抜けるほど激しいこともあります。
心当たりが見つからないことは、めずらしくありません
355例を調べた報告では、きっかけが分かる場合も分からない場合もあり、抜け方は頭全体に広がっていました(参考文献2)。心当たりが見つからないこと自体は、めずらしいことではありません。
経過は長く、数年にわたって強くなったり弱まったりを繰り返すことがあります。ただ、髪が完全になくなるものではないとされています(参考文献8)。
同じ報告は、これが「髪を失っているのではなく、抜けているのだ」と繰り返し説明することの大切さにも触れています。抜けている最中は、そう思えないものだからです。
じわじわ進むとき ── AGA・女性型脱毛症
こちらは、急に増えるという形をとらないことがあります。抜け毛が増えた自覚より先に、分け目が広がった、頭頂部の地肌が見えるようになった、というかたちで気づかれることも少なくありません。男性では、これに生え際の後退が加わります。
起きていることが違うためです。休止期脱毛が「一時的に多くの毛が休んでいる」状態なのに対して、こちらでは周期そのものが少しずつ変わっていきます。毛が太く育ちきる前に成長期を終えてしまうため、生え変わるたびに毛が細くなっていきます。どこまで細く、どこから目立ってくるかは男女で違いますので、次の項でご説明します。
ですから、本数はさほど変わらないまま、髪の量だけが減って見えることが起こります。抜けた毛に細く短いものが混じって増えていたら、この形を考えます。
どこまで進むか、どこから目立つかは、男女で違います
抜け方が偏るのにも理由があります。毛包が男性ホルモンをどう受け取るかは、体の部位によって違うことが確かめられています(参考文献15)。ひげのように伸びる方向にはたらく部位もあれば、まつげのように影響を受けない部位もあります。
同じ頭の中でも、場所によって違います。薄毛のある男女それぞれ12名について、前頭部と後頭部の頭皮を小さく採って比べた研究があります。男女いずれも、前頭部の毛包のほうが男性ホルモンの受け皿とそれを活性化する酵素が多く、後頭部でははたらきを打ち消す側の酵素が多いという差がありました(参考文献17)。
ただし、その量は男女で大きく違います。同じ研究で、女性の前頭部は男性に比べて受け皿がおよそ4割少なく、打ち消す側の酵素は6倍でした。共通する部分はありますが、同じことが同じ強さで起きているわけではありません。
男性の場合。生え際と頭頂部の毛は影響を受けやすく、後頭部や側頭部の毛は受けにくいとされています。だから全体が薄くなるのではなく、決まった場所から目立ってきます。生え変わりをくり返すうちに、毛は産毛のように細く短いものにまで縮んでいきます。
男性型の場合、同じ毛穴から生えてくる毛が、生え変わるたびに細く短くなります。抜けた本数が変わらないまま進むのは、このためです。
女性の場合。同じしくみがはたらいても、現れ方が違います。生え際の線は、多くの場合そのまま保たれます。細くなるのは頭皮の一部ではなく全体ですが、分け目は地肌が見えやすいので、まずそこで気づかれます。日本人女性159名を調べた研究でも、脱毛のある方に産毛のような毛はほとんど見られず、変化の主体は毛の密度と太い毛の割合の低下でした(参考文献16)。男性のように産毛まで縮むわけではありません。
なお女性型脱毛症は、血液中の男性ホルモンが正常でも起こります。ホルモンの異常を前提に考えるものではありません(詳しくは女性型脱毛症のページ)。
女性型の場合、毛穴あたりの本数が減り、太い毛の割合が下がります。頭皮に残る毛は、男性型のような産毛の長さまでは縮みにくいと報告されています(参考文献16)。抜けた毛に短いものが混じるかどうかは、女性でも手がかりになります。見え方には個人差があり、治療の前後を比べたものではありません。
ですから女性では、生え際が下がってきたかどうかよりも、分け目の広がりと毛の細さを見ていただくほうが確かです。生え際そのものが下がってくる場合は、女性型脱毛症とは別のことを考えます(詳しくは女性型脱毛症のページでご説明しています)。
そして、男女いずれも、待っても元には戻りません。細くなった毛が自然に太さを取り戻すことは、あまり期待できません。
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丸く抜けるとき
丸く、輪郭のはっきりした形で地肌が出ている場合は、ここまでの2つとは原因の異なる脱毛症です。周期の乱れではなく、免疫のはたらきが関わるとされています。
自然に生えてくることもありますが、範囲や経過によって見通しは変わります。円形脱毛症は保険診療の対象となる場合があり、当院では保険診療を行っておりません。保険での治療をご希望の場合は皮膚科(保険診療)の受診をお勧めしています。
この章の結論
- 急に増えるときは休止期脱毛のことが多く、ふり返る先は2〜3か月前です。産後もここに入ります
- 心当たりが見つからなくても、進行する薄毛とは限りません。急に始まって長く続くタイプがあります
- じわじわ進むときは、抜ける量より、毛が細く短くなることが起きています。時間では戻りません
- 丸く抜けるときは原因が異なります。自然に生えてくることもありますが、範囲や経過によって見通しは変わります
その抜け方は、どれに近いでしょうか
3つのパターンを見てきました。では、ご自身のものがどれに近いのかは、何を見れば分かるのでしょうか。
本数ではありません。はじめにご説明したとおり、本数は個人差が大きすぎて手がかりになりません。見ていただきたいのは、抜け方の広がりと、2〜3か月前の心当たりの2つです。なお、丸く抜けるタイプはこの2つとは別の見方になりますので、最後に分けてご説明します。
男性と女性で、考える順番が変わります
同じ「抜け毛が増えた」でも、まず疑うものが違います。ここを取り違えると、見るべきところを見落とします。
男性では、進行するタイプの薄毛を最初に考えます。時間の経過では戻らないため、ここを見落とすと差が出ます。
女性では、きっかけと広がりの両方を見ます。出産や体調の変化をきっかけとした休止期脱毛が多い一方で、女性にも進行するタイプ(女性型脱毛症)があり、両方が重なっていることもあります。
そのうえで、次の2つを順に確認していきます。
ひとつ目 ── 抜け方が偏っているか、頭全体か
鏡の前で、分け目を中心に見てください。見ていただきたいのは2点です。薄くなっている場所が分け目や頭頂部に偏っているか、それとも頭全体に広がっているか(男性では、生え際が後退していないか)。そして、抜けた毛に細く短いものが増えていないか。
進行するタイプの薄毛では、毛が細くなりながら、分け目や頭頂部から目立ってきます(男性では、これに生え際の後退が加わります)。休止期脱毛では、抜けるのは成長を終えた毛なので、太さは保たれ、頭全体から抜けます。この違いが、いちばん役に立つ手がかりです。
なお女性では、広がり方の差がはっきりしないことがあります。その場合は、抜けた毛の細さと長さのほうが頼りになります。
実際、5日ぶんためた抜け毛を長さで分けた研究でも、短い毛が10%を超えるかどうかで、この2つがよく分かれています(参考文献9)。
ふたつ目 ── 2〜3か月前に、心当たりがあるか
抜け始めた時期ではなく、その2〜3か月前をふり返ってください。高熱、手術、急な減量、出産、薬の変更。思い当たることがあれば、休止期脱毛の可能性が高くなります。
ただし、心当たりがあることと、進行するタイプでないことは別です。両方が重なっていることもあります。広がり方のほうも、あわせて見てください。
抜け方の広がりと、2〜3か月前の心当たり。この2つの組み合わせで見ていきます。
組み合わせると、4つに分かれます
見落としたくないものから順にご説明します。
分け目や頭頂部が薄く、細い毛が増えている
じわじわ進むタイプです。男性ではAGA(男性型脱毛症)、女性では女性型脱毛症(FPHL)と呼ばれます。男性では、これに生え際の後退が加わります。4つのうち、自然に戻ることが期待できないのは、これです。
この形のときは、早い段階のほうが打てる手が多くなります。残っている毛が細いだけでまだ生きているのか、それとも生えてこなくなっているのかで、考える内容が変わります。治療の選択肢は薄毛治療のページにまとめています。
きっかけがあり、頭全体から抜けている
休止期脱毛が考えられます。抜け始めてから3〜6か月ほどで落ち着いていくことが多く、まずは経過を見ていただいて構いません。産後の抜け毛もここに入ります(産後は抜け始めるまでに2〜3か月かかりますので、出産から数えると8か月ほどになります)。
ただし、抜け始めて半年たっても減らないとき、細く短い毛が増えてきたときは、別のことが重なっていないかを見ます。
きっかけがなく、頭全体から長く抜け続けている
慢性休止期脱毛の可能性があります。数年にわたって波がありますが、髪が完全になくなるものではないとされています。鉄や甲状腺のはたらきが背景にあることもありますので、その評価は内科・内分泌の外来をお勧めしています。
境界のはっきりした円形に抜けている
これだけは、広がりと心当たりの2つとは別の見方になります。原因の異なる脱毛症です。自然に生えてくることもありますが、範囲や経過によって見通しは変わりますので、待つかどうかも含めて皮膚科(保険診療)でご相談ください。
ひとつに決まらないこともあります
この4つは、きれいに分かれるとは限りません。進行するタイプの薄毛に、休止期脱毛が重なっていることもあります(参考文献14)。頭全体に広がる抜け毛を訴えた女性180名の調査でも、14名で複数の原因が重なっていました(参考文献10)。
ですから実際の診察では、どれか1つを選ぶというより、いま何が主に起きているかを見ていきます。
ご自身で判断がつかないときは、決めずにお越しいただいて構いません。頭皮の状態と、毛の太さのばらつきを診たうえで、これからの進め方をご相談します。
この章の結論
見るのは本数ではなく、抜け方の広がりと、2〜3か月前の心当たりです。分け目や頭頂部が薄く、細い毛が増えている場合(男性では、生え際の後退を伴う場合)は、時間では戻りません。早い段階でご相談いただくほうが、選べる手が多くなります。
頭全体から抜けていて、2〜3か月前に心当たりがあるなら、多くは経過とともに落ち着いていきます。判断がつかないときは、決めずにお越しください。
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よくある質問(FAQ)
診察のなかで、実際によくいただくご質問をまとめました。ここに載っていないことも、どうぞ遠慮なくお尋ねください。
本数と数え方について
1日に何本くらいまでなら普通ですか?
おおよそ50本から100本、という数字が目安として使われています。抜け毛を気にして受診した女性234名に1日分を数えてもらった調査でも、中央値は60.5本でした。
ただし、この幅に入っているかどうかで薄毛かどうかは決まりません。同じ調査では、毛量が正常に見える方のほうが、薄毛のある方より多く抜けていました。本数は、他の方と比べる数字としてはほとんど役に立ちません。
抜け毛は数えたほうがよいですか?
毎日数えることは、お勧めしていません。数えること自体が負担になりますし、洗髪の間隔や季節でも変わるため、日ごとの数字を追っても判断の材料になりにくいためです。
見ていただきたいのは本数ではなく、抜け方の広がりと毛の太さです。分け目や頭頂部が薄くなっていないか、抜けた毛に細く短いものが増えていないか(男性では、生え際の後退も)。こちらのほうが、はるかに手がかりになります。
診察では、髪の束を軽く引いて抜ける本数を見る方法を使うことがあります。181名で基準を調べ直した研究では、2本以下が正常とされています(参考文献5)。ご自宅で強く引くと毛を傷めますので、気になるときは診察でお確かめください。
抜けた毛に白い塊が付いています。毛根ごと抜けたのでしょうか?
白っぽい小さなふくらみは、休止期を終えた毛の正常な姿です。髪をつくる装置そのものは頭皮の中に残っていますので、抜けたあとにまた新しい毛をつくり始めます。
気にしていただきたいのは、ふくらみの有無ではなく毛の太さのほうです。細く短い毛が増えている場合は、成長期を十分に過ごせないまま抜けている可能性があります。
洗髪した日は抜け毛が多いのですが、洗いすぎでしょうか?
洗髪でまとめて落ちるのは、すでに抜ける準備を終えていた毛です。前日に洗っていなければ、その分がまとまって落ちます。洗ったことが抜け毛を増やしているわけではありません。
洗い方や頻度については、頭皮のフケ・かゆみのページで詳しくご説明しています。
原因と経過について
生え際が下がってきた気がします。抜け毛は多くないのですが、関係ありますか?
男性か女性かで、答えが変わります。ただし共通していえるのは、抜け毛が少ないことは安心の材料にならないということです。じわじわ進むタイプの薄毛では、抜け毛の量はあまり変わらないためです。生え変わるたびに毛が細くなっていくため、本数はそのままでも髪の量が減って見えます。
男性の場合、生え際の後退は進行するタイプの薄毛でよくみられる変化です。分け目や頭頂部が薄くなっていないか、抜けた毛に細いものが増えていないかも、あわせて見てください。
女性の場合は、少し考え方が変わります。女性型脱毛症では生え際の線は多くの場合保たれますので、生え際そのものが下がってくるときは、別のことを考えます。とくに眉毛や体毛も薄くなってきた場合は、一度ご相談ください。詳しくは女性型脱毛症のページでご説明しています。
いずれも時間の経過では戻らないことがありますので、気になる場合は早めにご相談ください。治療の選択肢は薄毛治療のページにまとめています。
産後の抜け毛はいつまで続きますか?
日本で出産した女性331名の調査では、抜け毛が始まった時期が平均2.9か月、いちばん多かった時期が5.1か月、落ち着いた時期が8.1か月でした。9割以上の方が経験していて、平均では8か月ほどで落ち着いたと報告されています。
授乳中は使える薬にも制限がありますので、この時期に強い対策を急ぐ必要はないと考えています。1年近く経っても減らない場合や、分け目の地肌が目立ってきた場合は、一度ご相談ください。
急なダイエットや強いストレスでも抜けますか?
どちらも休止期脱毛のきっかけになります。特徴は時間差で、そのことがあった直後ではなく、2〜3か月ほど経ってから抜け始めます。
ですから、抜け始めた時期の生活を見直しても、原因は見つかりません。ふり返るのは2〜3か月前です。抜け始めてから3〜6か月ほどで落ち着いていくことが多く、きっかけから数えると5〜9か月ほどになります。
抜け毛が気になるとき、何科を受診すればよいですか?
抜け方によって変わります。分け目や頭頂部が薄く、細い毛が増えている場合(男性では、生え際の後退を伴う場合)は、進行するタイプの薄毛を扱っている医療機関へご相談ください。当院でもお受けしています(自由診療)。
丸く境界のはっきりした形で抜けている場合は、保険診療の対象となることがあります。当院では保険診療を行っておりませんので、その場合は皮膚科(保険診療)の受診をお勧めしています。
鉄や甲状腺のはたらきを調べる必要が考えられる場合は、内科・内分泌の外来が確実です。
参考文献
このページの説明は、私の経験だけでなく、国内外の研究をもとにしています。根拠にした文献を下にまとめました。タイトルをタップすると、どんな研究なのか、このページのどこを支えているのかをご覧いただけます。
髪の生え変わりについて
1毛包の生物学
要約:
毛包がどのような構造を持ち、どのように生え変わりを繰り返すのかを扱った総説です。ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに掲載され、この分野で広く参照されています。
本ページでは、髪が成長期・退行期・休止期をくり返すという枠組みの根拠として参照しています。
2慢性休止期脱毛 ── 中年女性における抜け毛の増加
要約:
原因のはっきりしないびまん性の抜け毛を訴えた355名(女性346名・男性9名)について、頭皮の組織を調べた研究です。比較のために、脱毛のない22名の頭皮も同じ方法で調べています。
脱毛のない方では、毛のうち93.5%が成長期、6.5%が休止期でした。慢性休止期脱毛では89%と11%、男性型・女性型の脱毛では83.2%と16.8%でした。慢性休止期脱毛は突然始まり、きっかけが分かる場合も分からない場合もあり、抜け方は頭全体に広がっていたと報告されています。
本ページでは、ほとんどの毛がいつでも成長期にあることと、心当たりがなくても慢性休止期脱毛でありうることの根拠として参照しています。
抜け毛の数え方について
3女性の抜け毛を数える ── 批判的な検討
要約:
抜け毛を訴えた女性234名に、3つの方法をすべて試した研究です。中央値は、髪を引いて抜ける本数を見る方法で0.6本、1日分を数える方法で60.5本、5日ぶんためてから洗髪して数える方法で122本でした。数値のばらつきは非常に大きかったと報告されています。
休止期の毛の割合は16%でした。いずれも抜け毛を訴えて受診した方での値で、本ページ本文の6.5%(脱毛のない方)とは母集団が違います。
注目されるのは、毛量が正常に見える群のほうが、実際に薄毛が進んでいる群より、有意に多く抜けていたことです。また休止期の毛の割合は、抜け毛の量とは相関しませんでした。秋には洗髪テストの値と休止期の割合がともに上昇し、休止期の割合のほうが1か月先行していました。
著者らは、この分野では「正常とは何か」がまだ定まっておらず、測り方の標準化が急務であると結論しています。
本ページでは、本数の目安、測り方で数字が変わること、そして抜ける量と薄毛が比例しないことの根拠として参照しています。
460秒ヘアカウントの標準化
要約:
脱毛のない男性60名(20〜60歳)に、洗髪前に60秒間髪をとかしてもらい、落ちた毛を数えた研究です。20〜40歳の群では平均10.2本で範囲は0〜78本、41〜60歳の群では平均10.3本で範囲は0〜43本でした。
一方で、同じ方の中での変動は小さく、連日の測定でも、6か月後に測り直しても、値はほとんど変わりませんでした。
本ページでは、脱毛のない方でも本数の個人差が非常に大きいこと、しかし同じ方の中での変化なら手がかりになることの根拠として参照しています。
5ヘアプルテスト ── エビデンスにもとづく改訂
要約:
髪の束を軽く引いて抜ける本数を見る検査について、181名で基準値を調べ直した研究です。1回あたりの平均は0.44本で、97.2%が2本以下でした。
洗髪やブラッシングをいつ行ったかによる差は認められず、白人・アジア人・アフリカ系の毛質のあいだでも値に差はありませんでした。著者らは、正常値を2本以下に引き下げ、検査前5日間の洗髪制限は緩めてよいと提案しています。
本ページでは、抜け毛の量を見るときの基準として参照しています。
6抜け毛のある女性とない女性における脱落期の毛
要約:
抜けた毛の根元の形を、休止期の初期・休止期・脱落期の3つに分けて調べた研究です。女性25名から洗髪テストで抜け毛を集めています。
脱落期の毛の割合は、脱毛のない方で2.6%、男性型・女性型の脱毛で5.2%、休止期脱毛で6.6%と、いずれの群でも有意な差はありませんでした。
本ページでは、抜けた毛の根元の見方について参照しています。
休止期脱毛について
7成人女性のびまん性脱毛 ── 診断と対応の進め方
要約:
成人女性のびまん性の抜け毛について、休止期脱毛・慢性休止期脱毛・女性型脱毛症をどう見分けるかを整理した総説です。
休止期脱毛は、出産・高熱・大きな手術などのきっかけから2〜3か月後に始まり、きっかけが取り除かれれば3〜6か月で回復するとされています。慢性休止期脱毛の特徴は「毛量は十分にある普通の頭から、思い当たる原因もなく、驚くほど抜ける」ことだと述べられています。
また、原因のはっきりしないびまん性の抜け毛では、血清フェリチンと甲状腺機能を確認すべきであるとしています。鉄欠乏と甲状腺の異常は、見た目の症状に現れないことが多いためです。
本ページでは、きっかけと抜け毛のあいだの時間差、経過の見通し、そして鉄・甲状腺の評価をお勧めする根拠として参照しています。なお原文は「きっかけが取り除かれれば3〜6か月で回復する」という書き方です。本ページでは分かりやすさのため、抜け始めてからの月数に置き換えてご説明しています。
8慢性休止期脱毛
要約:
慢性休止期脱毛についての総説です。30歳から60歳の女性に多く、それまで毛量が十分にあった方に突然始まること、初期は手に一杯抜けるほど激しいこと、数年にわたって強くなったり弱まったりを繰り返すことが述べられています。
一方で、完全な脱毛には至らず、長い目で見れば自然に落ち着いていくものとされています。著者は、これが「髪を失っているのではなく、抜けているのだ」と繰り返し説明することが対応の中心になると述べています。
本ページでは、長く続くタイプの経過と見通しの根拠として参照しています。
9洗髪テストによる慢性休止期脱毛と軽症の女性型脱毛症の鑑別
要約:
5日間洗髪せずにためてから洗い、抜けた毛をすべて数えて長さで分ける方法を、18か月にわたって検証した研究です。慢性休止期脱毛の20名と女性型脱毛症の17名が対象です。
慢性休止期脱毛では平均438本で、いずれの例でも3cm以下の短い毛は10%未満でした。女性型脱毛症では平均215本で、短い毛の割合が10%を超える例が大半でした。抜けた毛の長さの内訳が、両者を分ける手がかりになると報告されています。
本ページでは、抜けた毛に細く短いものが増えているかどうかを見る根拠として参照しています。
10女性のびまん性脱毛の原因を調べた病院ベースの研究
要約:
びまん性の抜け毛を訴えた女性180名について、原因の内訳を調べた研究です。休止期脱毛が64.4%、慢性休止期脱毛が15.6%、女性型脱毛症が11.7%でした。
休止期脱毛は21〜30歳に、慢性休止期脱毛は30〜40歳に多く見られました。14名では複数の原因が重なっていました。慢性休止期脱毛の多くは原因が特定できなかったと報告されています。
本ページでは、びまん性に抜けるときの原因の内訳と、複数が重なりうることの根拠として参照しています。
11新型コロナウイルス感染後の休止期脱毛
要約:
新型コロナウイルス感染症の流行以降、急性の休止期脱毛が増えたことについての総説です。感染にともなう炎症性の反応が毛をつくる細胞に影響し、休止期脱毛の引き金になると考えられています。回復期の心理的な負担も関与するとされています。
これまでに集まったデータからは、感染後の休止期脱毛は治療を行わなくても改善していくと見込まれています。特別な治療法はなく、経過を説明することが回復を助けると述べられています。
本ページでは、発熱をともなう感染症が休止期脱毛のきっかけになることの根拠として参照しています。
産後の抜け毛について
12産後の抜け毛を悪化させる要因の検討
要約:
日本の2施設で出産した女性331名に、産後10〜18か月の時点で回答をお願いした調査です。91.8%が産後の抜け毛を経験していました。
抜け毛が始まった時期は平均2.9か月、いちばん多かった時期は5.1か月、落ち着いた時期は8.1か月でした。長期の授乳と早産が、産後の抜け毛と独立して関連する要因として挙げられています。
本ページでは、産後の抜け毛がほとんどの方に起こること、および始まりから収まるまでの時期の根拠として参照しています。
13産後の抜け毛と不安との関連
要約:
同じ331名を対象に、産後の抜け毛と心理的な症状との関係を調べた研究です。抜け毛が「とても多い」と答えた方は、まったくなかった方に比べて、不安の指標が高くなる傾向が認められました。
本ページでは、産後の抜け毛が量の問題にとどまらないという理解のもとに参照しています。
見分けについて
14限局性の無毛部 ── 女性型脱毛症の診断の手がかり
要約:
抜け毛を訴えて受診した女性250名を対象に、頭皮に毛のない小さな部分が見られるかどうかを調べた研究です。女性型脱毛症の方の44%に認められた一方、それ以外の脱毛では2%にとどまりました。
また、女性型脱毛症の方に慢性休止期脱毛が重なっている場合があることにも触れられています。
本ページでは、見分けの4つが排他ではなく、重なることがあるという記述の根拠として参照しています。
毛包と男性ホルモン
15ヒト毛包由来の毛乳頭細胞における男性ホルモンのはたらき
要約:
男性ホルモンが毛に与える影響は、体の部位によって正反対になります。ひげなどでは太く長く育つ方向にはたらき、まつげには影響せず、頭皮では素因のある方で薄毛の方向にはたらきます。この違いがなぜ起こるのかを、毛乳頭の細胞を培養して調べた研究です。
男性ホルモンに反応する部位の毛乳頭細胞は、反応しにくい頭皮の細胞よりも、男性ホルモンの受け皿を多く持っていました。テストステロンをどう代謝するかにも部位による違いがありました。培養したあとも部位ごとの性質が保たれることを示しています。
本ページでは、体の部位によって男性ホルモンへの反応が違うことの根拠として参照しています。同じ頭の中での前頭部と後頭部の差については、参考文献17を参照しています。
日本人女性のデータ
16加齢および脱毛の進行にともなう日本人女性の毛髪の特徴
要約:
14〜68歳の日本人女性159名(脱毛のある方46名、ない方または軽い方113名)を対象に、毛髪の密度・伸びる速さ・太さをフォトトリコグラムで、毛穴あたりの本数を頭皮画像の解析で調べた研究です。日本人女性を対象にした毛髪の研究は数が少なく、その中で基礎的なデータを示したものにあたります。
40代以降に毛髪密度が下がり、その内訳は1本しか生えていない毛穴が増え、3本以上の毛穴が減るという形でした。毛の太さと太い毛の割合も、脱毛の進行とともに低下していました。
とりわけ重要なのは、脱毛のある女性に産毛様の毛がほとんど見られなかったという点です。著者らは、これは男性型脱毛症で知られている変化とは異なるとしたうえで、女性の薄毛の主な原因は毛髪密度と太い毛の割合の低下であって、産毛様の毛の増加ではないのではないかと述べています。男性はこの研究の対象に含まれていませんので、同一研究内で男女を比べたものではありません。
本ページでは、「じわじわ進むとき」の女性の説明と、女性型の図の根拠として参照しています。
17前頭部と後頭部で違う、毛包の男性ホルモンの受け皿と酵素の量
要約:
18〜33歳で薄毛のある女性12名・男性12名から、前頭部と後頭部の2か所の頭皮を採り、毛包に含まれる男性ホルモンの受け皿(アンドロゲン受容体)と、関連する3つの酵素の量を測って比べた研究です。
男女いずれも、前頭部の毛包のほうが受け皿と5α-還元酵素(I型・II型)が多く、後頭部では男性ホルモンを女性ホルモンに変える酵素(アロマターゼ)が多いという差がありました。同じ頭の中でも、場所によって条件が違うことになります。
一方で、その量は男女で大きく違いました。女性の前頭部は男性の前頭部に比べて、受け皿がおよそ40%少なく、アロマターゼは6倍、5α-還元酵素はI型で3分の1、II型で3.5分の1です。著者らは、この差が男女で現れ方の違う理由かもしれないと述べています。
本ページでは、同じ頭の中でも場所によって条件が違うこと、およびその量が男女で違うことの根拠として参照しています。女性12名・男性12名の研究で、対象は18〜33歳です。受け皿と酵素の量を測ったもので、治療の経過を見た研究ではありません。
なお当院の治療はすべて自由診療(保険適用外)で、保険診療は行っておりません。円形脱毛症のように保険適用となる脱毛症もありますので、保険での治療をご希望の場合は皮膚科(保険診療)の受診をお勧めしています。
薄毛治療の内容・費用・リスク・副作用・禁忌については、薄毛治療のページにまとめています。
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監修者情報(医師紹介)

監修医師:佐藤 雅樹 (さとう まさき)
ソララクリニック 院長
専門分野:美容皮膚科
2000年 順天堂大学医学部卒。順天堂大学医学部形成外科入局。 大学医学部付属病院等を経て、都内美容皮膚科クリニックにてレーザー治療の研鑽を積む。2011年3月 ソララクリニック開院 院長就任。2022年 医療法人 松柴会 理事長就任。日本美容皮膚科学会 日本形成外科学会 日本抗加齢医学会 日本レーザー医学会 点滴療法研究会 日本医療毛髪再生研究会他所属。
様々な医療レーザー機器に精通し、2011年ルビーフラクショナル搭載機器を日本初導入。各種エネルギーベースの医療機器を併用する複合治療に積極的に取り組む.
※当院の治療はすべて自由診療(保険適用外)です。標準的な費用は各ページの料金表または料金表ページをご覧ください。治療に伴うリスク・副作用は診察時にもご説明します。
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