ADM後天性真皮メラノサイトーシス

頬の左右に出る
青みがかったシミ
深さに合わせたレーザー治療

Acquired dermal melanocytosis

ADM(後天性真皮メラノサイトーシスは、両頬の外側などに左右対称に出やすい、灰色〜青褐色のシミです。皮膚の深い層(真皮)に色素があるタイプで、一般的なシミとは治療の考え方が変わります。

「皮膚科や他院で“ADMかもしれない”と言われた」という方も多い症状です。当院は仙台で、ADMの深さに合わせたレーザー治療を行っています。

まずは要点だけ知りたい方へ

ADMは真皮にできるシミで、「肝斑との見分け」と「深さに合わせた治療」が要になります。当院は深さに応じてレーザーを使い分け、照射は医師が行います

  • 出発点は、肝斑かADMかの見分け ── 治療方針が逆向きで、合併も約2割あります
  • 深さに合わせて3機種を使い分け ── ルビーフラクショナルを主役に、深い色はヘリオス785 PICO・PQXへ
  • テープ保護がいらず、総治療期間を短く ── 回復が早く治療間隔を詰められます(効果・期間には個人差があります)
  • 診断からレーザー照射まで医師が担当 ── 肌画像診断にもとづき、照射の設定まで医師が行います

気になるところから読むなら:

ADMか肝斑か ── まず見分ける

治療法 ── 深さに合わせたレーザーの使い分け

よくあるご質問

ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)とは

後天性真皮メラノサイトーシス(ADM):両頬の外側に出る斑点状のグレイッシュなアザの典型像

ADMは、両頬の外側・頬骨の上・こめかみ・小鼻のわきなどに、左右対称に出る灰色〜青褐色のシミです。直径1〜3mmほどの斑点がいくつか集まって見えます。

一般的なシミ(表面の表皮にできるシミ)より深い「真皮」に色素があるため、茶色というより青みを帯びて見えるのが特徴です(青く見える仕組みは、後半の「真皮のシミ」ADMの正体でご説明します)。

20代以降に気づく方が多く、「皮膚科でADMかもと言われた」と来院される方もいらっしゃいます。

まず確認 ── ADMか肝斑か(治療方針が違うから)

この章の要点

  • 見た目 ── ADMは青灰色・斑状/肝斑は淡褐色・もやっと面状
  • 合併 ── 肝斑を合併することもある(報告では約2割)。必ず混在するわけではありません
  • 順序 ── 治療方針が違うので、診断してから。肝斑があれば先に整える
ADM(後天性真皮メラノサイトーシス):両頬の外側に出る斑点状のグレイッシュなアザの典型像
ADM(青灰色・斑状)
肝斑:両頬や額に左右対称に広がる薄い茶色のシミの典型像
肝斑(淡褐色・面状)

ADMは肝斑と出る場所が重なりやすく、見た目が似ているため迷いやすいシミです。ある報告では肝斑を合併する方は約2割で、必ずしも混在するわけではありません。

見分けには肌画像診断が役立ちます。ADMは青灰色で斑が均一に見え、肝斑は淡褐色で網目状の色素が見られる、といった違いがあります。

項目 ADM 肝斑
見え方 粒状の斑点が集まる もやっと面状に広がる
色み 灰色〜青褐色(青みを帯びる) 淡い茶色
出やすい場所 頬骨の上・こめかみ・小鼻のわき 頬骨の中央〜目の下
濃さの変化 大きく変わりにくい 紫外線・体調で濃淡が出やすい

大切なのは、ADMと肝斑では治療の方向性が違うこと。肝斑は刺激を避けて整える治療が向くため、肝斑があるときはまず肝斑を落ち着かせてからADMの治療に進みます。

 くわしくは 肝斑治療ページ肌診断ページ

当院のADM治療 ── ダウンタイムを抑え、総治療期間を短く

この章の要点

  • 治療後のケア ── 細かく分散させるフラクショナル照射なので回復が早く、治療部位をテープで保護する必要が基本的にありません
  • ダウンタイム ── 赤みは1日ほど/当日からメイクもしやすい
  • 治療期間 ── 回復を長く待たずに進められ、従来より総治療期間を短くしやすい

従来のレーザー治療の「壁」

通常のルビーやNd:YAGレーザーの照射(分割しないフルビーム照射)は、1回あたりのダメージが強いため、肌が回復するまで治療部位をテープやガーゼで保護しておく必要がありました。その期間は2〜3週間ほどに及び、さらに炎症後の色素沈着が落ち着くまで数ヶ月かかることもありました。

そのため次の治療まで数ヶ月〜半年あける必要があり、全体では数年がかりになりがちでした。これが治療を続けるうえで大きな負担だったのです。

テープで保護せずに過ごせる

当院のルビーフラクショナルなどのフラクショナル照射は、レーザーを剣山のように細かく分散させて照射するため、肌の回復が早くダウンタイムが短いのが特長です。そのため基本的にテープで保護する必要がなく、赤みも1日ほどで引いてきます。

回復を長く待たずに次の治療へ進めるので、間隔をあけずに続けられます(短い間隔での治療も可能です)。通うペースは状態とご希望に合わせて相談して決めるもので、決まった頻度で必ず通う必要はありません

結果として、総治療期間を短く

回復待ちで治療の間隔が大きくあいていた従来に比べ、必要なときに治療を重ねられるぶん、終わるまでの総治療期間を短く抑えやすくなります(効果や期間には個人差があります)。

「長くつらい治療」というADMの印象を、続けやすい形に変えられるのが当院の考え方です。回数ごとの効果の見え方の目安は、1回目で効果を感じにくい理由と回数ごとの経過でも解説しています。

シミの深さに合わせて、レーザーを使い分け

この章の要点

  • 主役は ── ルビーフラクショナル。ADMの多くはこれで治療できます
  • より深い色には ── ヘリオス785・PQXフラクショナルに切り替え
  • ねらい ── 深い色も取り残さず、治療が長引かないようにする

多くはルビーフラクショナルで治療できる

ADMの色は真皮にありますが、その中では比較的浅い位置にあることが多く、多くの場合はルビーフラクショナルで治療できます。「もっと強いレーザーでないと無理」と言われることもありますが、必ずしもそうではありません。

深い色には「ヘリオス785 PICO・PQX」へ切り替え

ただし、ルビーフラクショナルの効果が届く範囲より深いところに色素がある場合は、効果が十分でなくなります。そのときは、より深くまで届くヘリオス785 PICO(ピコレーザー)やPQXフラクショナルに切り替えていきます。

光は波長が長いほどメラニンに吸収されにくく、その分、表面で吸収されずに深くまで届きます。だから色素の深さに合わせてレーザーを選びます。

こうして浅い色はルビー、より深い色はヘリオス785・PQXと段階的に切り替えることで、深い色も取り残さず、治療が長引かないようにできます(個人差があります)。各レーザーの違いはレーザーの使い分け比較ページでご紹介しています。

テープ保護のいらないフラクショナル照射を軸に、3機種を深さに応じて使い分ける。これによりダウンタイムを最小限に抑えながら、ADMの長い治療をできるだけ短い総期間で進められるのが、当院の治療の特長です。

皮膚の断面図にレーザーの到達深度を示した図 ルビー ヘリオス PQX 表皮 真皮
= ADMの色素(真皮にあるメラニン)
ルビー(694nm)── 浅めに届く(主役)
ヘリオス(785nm)── 中ほどへ
PQX(1064nm)── 深くまで
メラニンへの吸収度(短い波長ほど高い = よく効く)
ルビー694
ヘリオス785
PQX1064
※ 相対的な目安です。波長が長いほどメラニンに吸収されにくく(1064nmはルビーの1/4ほど)、その分表面で吸収されず深くまで届きます
→ だからルビーから始め、深い色は波長の長いレーザー(ヘリオス785 PICO・PQX)へ切り替えていきます。

治療効果を高める下準備 ── 表皮のメラニンを減らしておく

ADMの目標は真皮の色素ですが、表面(表皮)にメラニンが多いと、その分レーザーのエネルギーが表面で使われ、深部の色素に届きにくくなります。あらかじめ表皮のメラニンを減らしておくと、ADMの治療効果が高まることがわかっています。

そのため当院では、トラネキサム酸の内服・外用や日焼け対策の徹底で、表皮のメラニンを増やさないことを大切にしています。レーザーと並行したこの下準備が、仕上がりを左右します。

当院での進め方

ADM治療は長くお付き合いする治療です。当院では初診当日にそのまま治療を行うことは基本的にしていません。説明を聞いて十分に検討いただき、納得したうえで始められます。仙台でADM・シミのお悩みがある方は、まずは診断・ご相談からお気軽にどうぞ。

ルビーフラクショナル(ADMの主治療)の詳細を見る

大人になって現れる「真皮のシミ」、ADMの正体

ADMは、思春期を過ぎた20〜40代になってから、それまで何ともなかった頬に左右対称にあらわれます。「後天性」という名前は、この“大人になってから出てくる”性質を表しています。実は、なぜ大人になって真皮に色素細胞が増えるのか——その原因は、報告されて以来いまも完全には解明されていません。

顕微鏡で見るADM ── 真皮に散らばる色素細胞

本来、メラニンを作るメラノサイトは皮膚の表面(表皮)にいます。ところがADMでは、真皮の浅い層に、細長い形をしたメラノサイトが散らばって存在しています。表皮にいるはずの細胞が、なぜか深い場所に——これがADMの本質であり、自然に薄くなりにくい理由でもあります。

真皮は表皮のように短期間で入れ替わらないため、いちどできた色素はとどまり続けます。市販の美白やセルフケアだけで改善が難しいのは、この「深さ」が理由です。

なぜ大人になってあらわれるのか

原因は一つではないと考えられています。紫外線や、妊娠などにともなう女性ホルモンの変化が関わるとされるほか、近年は慢性的な皮膚の炎症が引き金になるという見方も注目されています。

長く湿疹が続いた部位にADMが出た例も報告されており、炎症のときに働く肥満細胞(マスト細胞)が、眠っていた真皮の色素細胞を“目覚めさせる”のではないか、という仮説です。肌荒れや摩擦をためこまないことが、予防の観点からも意味を持つかもしれません。

なぜ「青く」見えるのか ── チンダル現象

チンダル現象の説明:浅い色素は茶色く、深い色素は青く見える仕組みのイメージ図

ADMの色は、よく見ると茶色というより青みがかったグレーです。これは色素が深い場所にある証拠です。光は深いところの色素に当たると、青い波長が散乱して表面に返ってきます(チンダル現象)。澄んだ湖や空が青く見えるのと同じ理屈です。

同じメラニンでも、浅ければ茶色、深ければ青——ADM独特の色みは、色素の“深さ”がそのまま見た目になっているのです。だからこそ、深さに届く治療が必要になります。

太田母斑との違い

ADMは「太田母斑色素斑」とも呼ばれます。名前は似ていますが、生まれつき片側に出る太田母斑とは別物で、ADMは大人になって左右対称に出るのが特徴です。色素の位置も太田母斑より比較的浅いことが多く、これが治療法の選択にも関わってきます。

診断も治療も進歩している

かつてADMは「診断も治療も難しいシミ」とされてきました。しかし近年は、VISIAなどの肌画像診断装置やダーモスコピー(拡大鏡)で肝斑と見分ける手がかりが整理され、レーザー治療も照射方法の工夫で安全性と通いやすさが大きく向上しています。

原因の解明は道半ばですが、薄くしていくための手立ては着実に増えています。

ダウンタイム・リスク・副作用

ADMのレーザー治療で知っておきたいダウンタイムとリスクをまとめます。気になる点は診察時にご確認ください。

ダウンタイムの目安

当院のフラクショナル照射では、照射後の赤みは1日ほどで引いてくることが多く、基本的にテープでの保護は必要ありません。当日からメイクもしやすく、日常生活への影響を抑えやすい治療です(感じ方には個人差があります)。

炎症後色素沈着(PIH)などのリスク

レーザー治療では、肌のタイプや照射の強さによって炎症後色素沈着(PIH)が起こることがあります。年齢が高い方や色の濃い病変では起こりやすい傾向が報告されており、肝斑が混在する場合は出力を抑えて慎重に進めます。

もしPIHが出ても、多くは時間の経過とともに落ち着いていきます。照射後の紫外線対策と保湿が回復を後押しします。

治療を避けたほうがよい場合

妊娠中・授乳中の方、光線過敏症の方、治療部位に活動性の皮膚炎がある場合などは、治療を控える・時期を調整することがあります。服用中のお薬を含め、診察時にご相談ください。

よくある質問 FAQ

ADMに関するよくある質問をまとめました。ご参考になれば幸いです。

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一般的なシミ(老人性色素斑など)は、皮膚の表面に近い「表皮」にメラニンが蓄積したものです。

一方、後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)は、本来メラニンをつくる細胞(メラノサイト)が存在しないはずの真皮層(皮膚の深い部位)に、何らかの原因でメラノサイトが出現し、メラニンをつくってしまうことで生じます。

両頬・こめかみ・額の端・小鼻まわりなどに、灰褐色〜青みがかった斑点が散在して現れるのが典型的な見た目です。「アザ」の一種に分類されます。

表皮は「ターンオーバー」と呼ばれる肌の入れ替わりが約28〜40日周期で起こるため、表皮にあるシミは時間とともに薄くなることもあります。

しかしADMのメラニンは真皮層に存在しています。真皮はターンオーバーのサイクルが非常に遅く、表皮のように自然な入れ替わりが期待できません。そのため、何もしなければ自然に薄くなるものではなく、適切な治療が必要になります。

ADMの好発部位(両頬・こめかみなど)は肝斑の好発部位とも重なるため、見た目だけでの鑑別が難しいことがあります。

当院では、肌画像診断装置(VISIA等)を用いて皮膚の深部の状態を解析し、ADMと肝斑を丁寧に鑑別した上で治療計画を立てています。自己判断は難しいため、まずはご相談ください。

ADMと肝斑では治療方針が大きく異なります。ADMには深部までレーザーを届かせる強力な照射が必要ですが、強いレーザーは肝斑を悪化させるリスクがあります。

そのため当院では、まず肝斑の治療・コントロールを優先し、肝斑が落ち着いた段階でADM治療に移行する方針を基本としています。診察でお肌の状態を確認した上で、最適な順序でご提案します。

美白成分を含む外用薬(トレチノイン・ハイドロキノン等)や内服薬(トラネキサム酸等)は、主に表皮のメラニンに対して作用します。

ADMのメラニンは真皮という深い部位に存在するため、外用薬・内服薬だけでは十分に届かず、効果が限定的です。真皮まで到達できるレーザー治療が中心的な選択肢となります。

従来のレーザー(ルビーレーザー・YAGレーザーなど)でも深部のメラニンを破壊することは可能ですが、高出力照射のため皮膚へのダメージが大きく、以下の問題がありました。

  • 照射後に2〜3週間の被覆材(テープ・ガーゼ)が必要
  • 炎症後色素沈着(PIH)が一定確率で出現
  • PIHが落ち着くまで次の照射が3〜6か月後に

ルビーフラクショナルは、ルビーレーザーを「フラクショナル(分割)照射」することで皮膚への負荷を大幅に軽減。被覆材が基本不要・色素沈着リスクの大幅低減・照射翌日からのメイクが可能で、日常生活への影響を最小限に抑えながら治療を進められるため、当院では第一選択としています。

ルビーフラクショナルの場合:炎症後色素沈着のリスクが軽減されているため、1〜2か月に1回のペースで治療を進めることができます。

従来のレーザー照射の場合:照射後に色素沈着が生じることが多く、その回復を待つ必要があるため、一般的に3〜6か月の間隔が必要とされます。

ルビーフラクショナルは治療1回あたりの照射量は分割されますが、月1回ペースで継続できるため、結果として通常のレーザー治療より短い期間で改善が進むことが期待できます。

ADMは真皮層に病巣があるため、1回で完了することはなく、複数回の治療が必要です。

ルビーフラクショナルで月1回ペースで照射を続けた場合、多くの方が数回の照射で徐々に薄くなる変化を実感されています。ただし、色素の深さ・量・お肌の状態によって個人差があります。診察時に現在の状態を確認した上で、目安の回数をお伝えします。

ルビーフラクショナルの照射後は、当日〜翌日にかけて軽度の赤みが生じることがありますが、おおむね1日程度でほぼ落ち着きます

被覆材(テープ・ガーゼ)は基本的に不要で、照射後早期からメイクが可能です。日常生活やお仕事への影響を最小限に抑えられるため、多忙な方でも治療を続けやすい点が特長です。

なお、照射後は紫外線を受けやすい状態になっているため、日焼け止めの使用と紫外線対策を徹底していただくことが重要です。

ルビーフラクショナルは従来のレーザーと比較して炎症後色素沈着(PIH)のリスクが大幅に低減されており、実際に問題になることはほとんどない印象です。ただし、皮膚の反応には個人差があります。

万が一色素沈着が出た場合でも、適切なスキンケアと紫外線対策により多くは自然に改善します。気になる場合はご相談ください。

当院での治療はすべて保険適用外の自由診療(全額自己負担)となります。

料金の詳細は料金表ページをご確認いただくか、診察時にご案内いたします。


参考文献・エビデンス

本ページの内容は、以下の学術文献を参考にしています。ご興味があれば概要をご覧いただけます。

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原題: Acquired bilateral nevus of Ota-like macules (Hori nevus): etiologic and therapeutic considerations.

出典: J Am Acad Dermatol. 61(1):88-93 (2009)

DOI: 10.1016/j.jaad.2008.10.054

要約:

本研究は、ADM(Hori母斑)の成因と治療をめぐる論点を整理した総説です。アジア人女性に多い後天性の真皮メラノサイトーシスを対象としています。

組織学的には、真皮の浅い層(乳頭層から中層)に細長い(両極性の)メラノサイトが散在することが示されています。1984年の報告以降も発症の仕組みは完全には解明されていないと述べられています。

本ページでは、ADMが真皮に色素細胞をもつシミであること、原因がいまも研究途上であることの根拠として参照しています。

原題: Acquired symmetrical dermal melanocytosis (naevus of Hori) developing after aggravated atopic dermatitis.

出典: Br J Dermatol. 152(5):903-908 (2005)

DOI: 10.1111/j.1365-2133.2005.06381.x

要約:

本研究は、アトピー性皮膚炎に関連して生じた後天性対称性真皮メラノサイトーシス16名を、特発性の症例69名と比較した臨床・組織学的研究です。

難治性の湿疹が長く続いた部位に色素斑が出現した例が多く、紫外線・性ホルモンの変化に加え、持続的な皮膚の炎症が関与する可能性が示されました。肥満細胞が出すヒスタミンや幹細胞因子の関与も示唆されています。

本ページでは、ADMが慢性的な皮膚の炎症をきっかけに生じうるという説明の根拠として参照しています。

原題: Clinical profile and triggering factors for acquired, bilateral nevus of Ota-like macules.

出典: Cutan Ocul Toxicol. 36(4):327-330 (2017)

DOI: 10.1080/15569527.2017.1287191

要約:

本研究は、外来患者3,212名を対象にADM(ABNOM)の有病率と特徴を調べた観察研究で、102名のADM症例を解析しています。

外来での有病率は3.18%、平均発症年齢は27.2歳でした。肝斑の合併は20.6%にみられ、誘因として日光曝露(47.1%)、妊娠(32.0%)、家族歴(21.6%)などが関連していました。

本ページでは、ADMの好発年齢・誘因、および肝斑の合併が一定割合(必ずしも多数ではない)でみられることの根拠として参照しています。

原題: Disorders of hyperpigmentation. Part I. Pathogenesis and clinical features of common pigmentary disorders.

出典: J Am Acad Dermatol. 88(2):271-288 (2022)

DOI: 10.1016/j.jaad.2022.01.051

要約:

本研究は、よく見られる色素異常症を、色素の存在する深さ(表皮型・真皮型・混合型)で分類して整理した総説です。

病変の深さを見極めることが診断と治療方針の決定に重要であること、似た見た目の疾患が多く鑑別が難しいことが論じられています。

本ページでは、ADMが真皮型の色素異常であり、表皮のシミや肝斑とは治療の考え方が異なるという説明の根拠として参照しています。

原題: A Comparative Study of Dermatoscopic Features of Melasma and Hori's Nevus in Asian Patients.

出典: J Clin Aesthet Dermatol. 15(3):16-20 (2022)

出典確認: PubMed (PMID: 35342501 / PMC8944292)

要約:

本研究は、肝斑50名とHori母斑(ADM)46名を対象に、ダーモスコピー所見の違いを2名の専門医が評価した比較研究です。

肝斑では淡褐色や色素網が多くみられ、Hori母斑では青褐色〜灰色や均一な斑状パターンが特徴的でした。両者が合併する場合の診断にもダーモスコピーが役立つとされています。

本ページでは、ADMと肝斑を肌画像で見分けられること、合併例の診断に有用であることの根拠として参照しています。

原題: Therapeutic options for management of Hori's nevus: A systematic review.

出典: Dermatol Ther. 33(1):e13167 (2019)

DOI: 10.1111/dth.13167

要約:

本研究は、ADM(Hori母斑)の治療を扱った19の研究を統合したシステマティックレビューです。

各種レーザー(アレキサンドライト・Nd:YAG・ルビー等)やその組み合わせが有用であること、機器や設定により色素沈着のリスクや必要な治療回数が変わることが示されています。

本ページでは、ADMの治療がレーザーを中心に複数回で行われること、設定により安全性が左右されることの根拠として参照しています。

原題: A retrospective study of 1064-nm Q-switched Nd:YAG laser therapy for acquired bilateral nevus of Ota-like macules.

出典: Skin Res Technol. 29(3):e13298 (2023)

DOI: 10.1111/srt.13298

要約:

本研究は、ADM患者110名にQスイッチNd:YAGレーザーを2〜9回施行し、治療成績に影響する因子を調べた後ろ向き研究です。

治療回数が多いほど効果が高い一方、開始年齢が高い・肝斑を合併する場合は効果が劣る傾向が示されました。色素沈着(PIH)は約10%に生じ、肝斑合併例では低出力での照射が推奨されています。

本ページでは、ADMが複数回の治療を要すること、肝斑合併例では出力を抑えて慎重に進める必要があることの根拠として参照しています。

原題: Effectiveness of an epidermal growth factor-containing cream on postinflammatory hyperpigmentation after 1064-nm Q-switched Nd:YAG laser treatment of acquired bilateral nevus of Ota-like macules (Hori's nevus) in Asians: a randomized controlled study.

出典: J Cosmet Dermatol. 21(5):2031-2037 (2022)

DOI: 10.1111/jocd.14765

要約:

本研究は、Hori母斑にQスイッチNd:YAGレーザーを行った30名を対象に、EGF配合クリームの色素沈着(PIH)予防効果を調べた左右比較の無作為化比較試験です。

PIHの発生率・程度は両群で有意差がなく、レーザー後にPIHが一定の割合で起こりうることが示されました。

本ページでは、ADMのレーザー治療で炎症後色素沈着(PIH)が起こりうること、照射後のスキンケアが大切であることの根拠として参照しています。

原題: S2k guideline: Laser therapy of the skin.

出典: J Dtsch Dermatol Ges. 20(9):1248-1267 (2022)

DOI: 10.1111/ddg.14879

要約:

本研究は、皮膚レーザー治療の有効性と安全性に関するドイツの診療ガイドライン(S2k)です。各種の色素病変に対する治療推奨をまとめています。

メラノサイトが増加した色素病変へのレーザー治療は慎重に行うべきこと、太田母斑・Hori母斑・肝斑などの治療に関する推奨が示されています。

本ページでは、ADM治療を診断にもとづいて慎重に進めるという当院の方針の根拠として参照しています。


関連する治療・ページ

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ルビーフラクショナル(ADMの主治療)

レーザーの使い分け比較

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肝斑改善集中プラン

シミ治療・シミ取り総合ガイド

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監修者情報(医師紹介)

監修医師 佐藤雅樹(仙台 ソララクリニック院長)

監修医師:佐藤 雅樹 (さとう まさき)

ソララクリニック 院長

専門分野:美容皮膚科

2000年 順天堂大学医学部卒。順天堂大学医学部形成外科入局。 大学医学部付属病院等を経て、都内美容皮膚科クリニックにてレーザー治療の研鑽を積む。2011年3月 ソララクリニック開院 院長就任。2022年 医療法人 松柴会 理事長就任。日本美容皮膚科学会 日本形成外科学会 日本抗加齢医学会 日本レーザー医学会 点滴療法研究会 日本医療毛髪再生研究会他所属。 
様々な医療レーザー機器に精通し、2011年ルビーフラクショナル搭載機器を日本初導入。各種エネルギーベースの医療機器を併用する複合治療に積極的に取り組む.

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