光線性花弁状色素斑(日焼け後のシミ)背中・肩のシミ|仙台
強い紫外線が引き金となり、花びら状・星状に多発する褐色のシミです。
背中や肩、二の腕の外側に、星のかたちや金平糖のような茶色いシミが、いつの間にか増えていた——。
そんなお悩みはありませんか。これは「光線性花弁状色素斑(こうせんせいかべんじょうしきそはん)」と呼ばれるシミです。「日光性花弁状色素斑」「日焼け後のシミ」とも呼ばれます。
顔のシミと違って、ご自身では見えにくいのが特徴です。ご家族や周囲の方に指摘されて、はじめて気づく方も少なくありません。
言いかえれば、若い頃に浴びた強い日差しが、長い時間を経て肌に浮かび上がってきた、いわば「日焼けの記録」のようなシミです。
このページでは、原因や見分け方、当院での治療、そして予防について解説します。

この記事の目次
光線性花弁状色素斑とは?
この章の要点
- 強い日焼け(水ぶくれを伴うような日焼け)の後にできるシミです。
- 背中・肩・二の腕の外側などに、花びら状・星状・金平糖状で多発します。
- 日焼けから数ヶ月〜数年たって出てくることがあります。
- 色白の方(日焼けで赤くなりやすい方)ほどできやすい傾向があります。
光線性花弁状色素斑は、過去に浴びた強い紫外線が引き金となってあらわれるシミの一種です。
一般的な「日光性色素斑(老人性色素斑)」は、顔や手の甲など、長年日光に当たる部位に少しずつできます。
これに対して花弁状色素斑は、背中・肩甲骨のまわり・二の腕の外側など、レジャーで強く焼けやすい部位にできます。形は花びら状・星状・金平糖状で、境界のはっきりした濃淡のある褐色斑として多発するのが特徴です。
強い日焼けをしてから数ヶ月〜数年たって出てくることがあります。「昔は無かったのに、背中にシミが増えた」と感じやすいのはこのためです。
なぜ「花びら」の形に見えるのか
このシミの大きな特徴は、その形にあります。一般的な日光性色素斑(老人性色素斑)は、ひとつのまとまった円形のシミとして現れます。これに対して花弁状色素斑は、小さな色素斑がいくつも集まり、ひとひらずつ散った花びらや、星、金平糖のような見た目になります。
これは、強い紫外線を受けた範囲のメラニンがまだら(地図状)に濃く残るために起こると考えられています。境界のはっきりした小さな褐色斑が群れて並ぶ——この見た目から「花弁状」「星状」という呼び名がつきました。
原因 ―― 過去の強い日焼け
最大の原因は、過去の強い日焼け(サンバーン)です。
とくに、皮膚が赤くなって痛む、あるいは水ぶくれになるような急性の日焼けが関係すると考えられています。子どもの頃や若い頃に強く焼けた経験が、年月をへてシミとなってあらわれてくることがあります。
そのため、シミというと中高年のお悩みと思われがちですが、20〜40代の方にもめずらしくありません。若い頃にレジャーやスポーツで背中・肩を強く焼いた経験のある方に、よくみられます。サーフィンや海水浴、ゴルフ、登山、学生時代の部活動などが、その代表です。「まだ若いのに背中にシミが」と感じる場合も、このタイプであることが少なくありません。
背中・肩に多発するこのタイプのシミは、過去に強い日焼けを繰り返したことを示すサインとして知られています。1) 2)
だからこそ、すでにあるシミの治療と並行して、これからの紫外線対策がとても大切になります。
背中のシミの種類と見分け方
じつは、背中や肩にできる茶色いシミが、すべて花弁状色素斑というわけではありません。よく見られるものだけでも数種類あり、それぞれ成り立ちも、適した対処も異なります。
※ 表は横にスライドしてご覧いただけます。
| シミの種類 | 見た目の特徴 | 手がかり |
|---|---|---|
| 光線性花弁状色素斑 (このページ) |
花びら状・星状の小さな斑が多発する。平らで、さわっても凹凸がない | 背中・肩・二の腕の外側。過去の強い日焼け |
| 日光性色素斑 (老人性色素斑) |
ひとつのまとまった丸い褐色斑。境界がはっきりしている | 顔や手の甲にも。長年の紫外線の積み重ね |
| 脂漏性角化症 | さわるとザラつきや盛り上がりがある、いぼ状のできもの | 年齢とともに増える。シミから変化することも |
| 炎症後色素沈着 | 炎症のあった場所に一致して残る茶色み | 背中ニキビ・あせも・こすれなどのあと |
| 癜風(でんぷう) | 細かい斑がまだらに広がる。かゆみや、白っぽく色が抜けることも | 汗をかきやすい部位・季節。皮膚の常在菌(マラセチア)が関与 |
たとえば背中ニキビのあとに残る茶色みは、花弁状色素斑とは成り立ちが異なり、対処も変わります(背中・デコルテのニキビ治療)。
顔のシミも含めた種類ごとの見分け方と治療方針の全体像は、シミ取り・シミ治療総合ガイドにまとめています。
まずは3問セルフチェック
次の3つの質問で、ご自身のシミがどのタイプに近いか、おおまかな見当をつけることができます。あくまで目安であり、診断ではありません。どのタイプにみえる場合も、治療の前には医師の診察で確認します。
花弁状色素斑そのものは、形(花びら状・星状)、部位(背中・肩・二の腕の外側)、強い日焼けの既往という手がかりから、ある程度見分けることができます。ただし、見た目だけでは紛らわしいものや、ほくろなど別の病変が混じっていることもあります。
安全に治療を進めるため、当院では治療の前に、医師がシミの状態を診察します。気になる病変や見分けにくいものは、拡大鏡(ダーモスコピー)なども用いて確認したうえで、治療方針を決めます。3)

形が不規則、色むらが強い、短い期間で変化している。こうした場合には、念のため、より詳しい確認をおすすめすることがあります。市販薬などで自己判断に無理に消そうとせず、まずは一度ご相談ください。
コラム:なぜ自然には消えにくいのか
花弁状色素斑をふくむ日光性色素斑のしくみは、研究によって少しずつ明らかになってきました。近年の有力な考え方では、シミの本体は「メラニン(色)そのもの」ではなく、紫外線をくり返し浴びて傷んだ表皮の角化細胞(ケラチノサイト)の働きの乱れにあるとされます。色素沈着は、その乱れの「結果」として現れると考えられています。7)
乱れた角化細胞は、周囲のメラノサイト(色素細胞)にメラニンを作り続けるよう促す物質(KGFなど)を放出し、色が居すわります。8) さらにこうした病変では、脂漏性角化症(年齢とともにできる良性のできもの)とも共通する遺伝子の変化(FGFR3など)が関わることも報告されています。9)
つまり花弁状色素斑は、単なる「色」ではなく、表皮細胞レベルの変化をともなうシミです。だからこそ自然には薄くなりにくく、メラニンだけでなく土台の細胞ごとアプローチするレーザー治療に意味があります。
治療法 ―― ピコレーザーを中心に
この章の要点
- 個々のシミには ピコレーザーのスポット照射(PQXピコ・ヘリオス785 PICO)を中心に行います。
- 広範囲・多発の場合は、ルビーフラクショナル(RubyFX)やヘリオス785 PICOでの照射を検討します。
- 炎症後色素沈着(PIH)などのリスクに配慮し、出力や回数を調整します。


個々のシミ:ピコレーザーのスポット照射
境界のはっきりした個々のシミには、PQXピコやヘリオス785 PICOによるスポット照射で、メラニンをピンポイントに狙います。
ピコ秒レーザーは色素を細かく砕くため、従来のレーザーに比べて周囲へのダメージや色素沈着を抑えやすいとされ、アジア人の日光黒子に対する有効性も報告されています。4) 5)
広範囲・多発の場合
シミの数が多い、あるいは広い範囲に広がっている場合には、ルビーフラクショナル(RubyFX)やヘリオス785 PICOによる照射を検討します。
お一人おひとりの肌質・シミの濃さ・範囲を診たうえで、もっとも適した機器と設定を選び、状態に合わせて少しずつ進めます。
→ 各レーザーの特徴と使い分けは シミ取りレーザー4機種の徹底比較 で詳しく解説しています。
治療後の経過・回数
照射後は、数日〜1〜2週間ほどかけてかさぶたになり、自然に剥がれていきます。

1回で薄くなるシミもあれば、濃さや深さによっては複数回を要するものもあります。範囲が広い場合は、無理に一度で行わず、肌の状態を見ながら回を分けるほうが安全です。
なお、治療後には一時的な赤み・かさぶた・色素沈着などが生じることがあります。6) とくに日焼けした肌では色素沈着のリスクが上がるため、治療の時期や出力の調整が大切です。
背中だからこそ、慎重に進めます
背中・肩の治療は、顔のシミ治療とは少し勝手が違います。当院がこの部位でとくに気をつけているのは、次のような点です。
- 色素沈着(PIH)が出やすい:体幹の皮膚は、レーザー後に炎症後色素沈着(PIH)を起こすことがあります。とくに日焼けした肌では、そのリスクが高まります。6) 色素沈着が生じた場合には、トラネキサム酸の内服などで回復を後押しすることもあります。
- 衣類やこすれの影響:下着のひもや衣類でこすれやすく、かさぶたの時期はとくに刺激を避ける工夫が必要です。
- ケアや日焼け止めが届きにくい:背中はご自分では見えず、軟膏や日焼け止めも塗りにくい部位です。アフターケアの方法を具体的にお伝えします。
- 範囲が広いことが多い:一度に欲張らず、肌の様子を見ながら回を分けるほうが安全です。
だからこそ、出力・照射範囲・治療の時期をお一人おひとり調整し、無理のないペースで進めることを大切にしています。
何よりも大切な「予防」
花弁状色素斑は、強い日焼けを避けることで予防できるシミです。
すでにできたシミの再発・増加を防ぐ——いわばこれ以上「記録」を増やさないためにも、日々の紫外線対策が欠かせません。
- 日焼け止めを正しく選び、こまめに塗り直す(詳しくは日焼け止めの選び方へ)。
- 衣類・帽子・日傘で、物理的に紫外線を遮る。
- レジャーやスポーツでは、赤くなる・水ぶくれになるような強い日焼けを避ける。
当院では、塗る日焼け止めと併用できる飲む日焼け止め(ヘリオケアなど)もご用意しています。屋外で過ごす時間が長い季節に、塗る対策を補う選択肢のひとつとしてご活用いただけます。

ご自宅でできるセルフケア
花弁状色素斑は、セルフケアだけで消すことは難しいシミですが、日々のケアは「新しいシミを増やさない」「治療後のきれいな状態を保つ」うえで大切です。
- こすらない:ナイロンタオルでゴシゴシ洗う、強く拭くといった摩擦は、色素沈着を招くことがあります。背中もやさしく洗いましょう。
- 保湿でうるおいを保つ:乾燥した肌は刺激に弱く、色むらの原因になります。入浴後の保湿を習慣にしましょう。
- 美白系のスキンケアは「補助」として:ビタミンC誘導体などの美白ケアは、予防や肌の調子を整える補助になります。ただし、すでにできた花弁状色素斑を完全に薄くする力は限られます。
- 生活のリズムを整える:睡眠やバランスのよい食事は、肌の生まれ変わり(ターンオーバー)を支えます。
セルフケアと、日焼け対策や必要に応じた治療を組み合わせることが、きれいな背中を保つ近道です。
治療費について
このシミは、数や範囲が一人ひとり大きく異なるため、あらかじめ一律の料金をお示しすることが難しい治療です。
実際に医師が拝見し、治療する部位・範囲・濃さを確認したうえで、お見積りをご提示します。まずは診察・カウンセリングでご相談ください。
保険適応外の自由診療です。費用やリスクをご説明し、ご納得いただいたうえで治療を進めます。
よくあるご質問(FAQ)
背中や肩のシミも治療できますか?
はい、背中・肩・二の腕などのシミも治療できます。
花弁状色素斑はこれらの部位に多いタイプで、ピコレーザーのスポット照射を中心に対応します。範囲が広い場合は、回を分けて少しずつ進めます。
1回で消えますか?何回くらいかかりますか?
シミの濃さや深さによります。1回で薄くなるものもあれば、複数回かかることもあります。
とくに数や範囲が多い場合、いちどに全体をスポット照射すると、炎症後色素沈着(PIH)が起こりやすく、リスクが高くなります。そのため、部位ごとに分けて少しずつ治療するほうが、より安全に進められます。実際に診察したうえで、回数の目安をお伝えします。
子どもの頃に強く日焼けしました。今からでもできることはありますか?
過去の日焼けはなかったことにはできませんが、今後の紫外線対策で新しいシミの増加を抑えることはできます。
すでにあるシミはレーザーで治療し、あわせて日焼け対策を続けることが大切です。
治療したら再発しませんか?
治療でシミは薄くしていけますが、「一度治療すれば二度とできない」というものではありません。
再び強い紫外線を浴びれば、薄くなった部分がぶり返したり、新しいシミができたりすることがあります。だからこそ、治療後も日焼け対策を続けていただくことが、きれいな状態を保つうえで大切です。
市販の美白化粧品で自分で消せますか?
境界のはっきりした花弁状色素斑を、美白化粧品だけで完全に消すのは難しいことが多いです。
また、自己判断で強くこすったり刺激を与えたりすると、かえって色素沈着が悪化することもあります。まずは医師にご相談ください。
腕や胸など、背中以外にもできますか?
はい。肩から二の腕の外側、胸元、首の後ろなど、レジャーで強い日焼けを受けやすい部位にできることがあります。
考え方は背中と同じで、形・部位・強い日焼けの経験を手がかりに診察で確認し、部位に合わせて治療を検討します。
ニキビ跡の色素沈着とは、どう違いますか?
できるきっかけが異なります。ニキビ跡の色素沈着は、ニキビという炎症のあった場所に一致して茶色みが残るものです。一方、花弁状色素斑は過去の強い日焼けが引き金で、花びら状・星状の小さな斑が多発します。
見た目だけでは紛らわしいこともあるため、診察で確認したうえで、それぞれに合った治療をご提案します。
院長からのコメント
背中や肩のシミは、ご自分では見えにくく、つい後回しになりがちです。
花弁状色素斑は「過去の強い日焼け」のサインでもあります。むやみに怖がる必要はありませんが、まずは一度きちんと診察を受けていただくと安心です。
治療はピコレーザーを中心に、お一人おひとりの肌とシミに合わせて、無理のないペースで進めます。気になる方は、どうぞお気軽にご相談ください。
監修者情報(医師紹介)

監修医師:佐藤 雅樹 (さとう まさき)
ソララクリニック 院長
専門分野:美容皮膚科
2000年 順天堂大学医学部卒。順天堂大学医学部形成外科入局。 大学医学部付属病院等を経て、都内美容皮膚科クリニックにてレーザー治療の研鑽を積む。2011年3月 ソララクリニック開院 院長就任。2022年 医療法人 松柴会 理事長就任。日本美容皮膚科学会 日本形成外科学会 日本抗加齢医学会 日本レーザー医学会 点滴療法研究会 日本医療毛髪再生研究会他所属。
様々な医療レーザー機器に精通し、2011年ルビーフラクショナル搭載機器を日本初導入。各種エネルギーベースの医療機器を併用する複合治療に積極的に取り組む.
最終更新日
参考文献
このページの内容は、国内外の医学論文を参考に作成しています。主な出典は次のとおりです。
背中・肩の多発性日光黒子は、過去の強い日焼けとメラノーマに関連する
原題: Melanoma, past severe sunburns and multiple solar lentigines of the upper back and shoulders.
出典: Dermatology. 216(4):330-336 (2008)
DOI: 10.1159/000114207
要約:
本研究は、皮膚悪性黒色腫(メラノーマ)の経過観察中の成人125名を対象に、背中上部・肩に多発する日光黒子(MSLBS)の頻度を前向きに調べた臨床研究です。
メラノーマ患者におけるMSLBSの頻度は37.6%で、背部のメラノーマと独立して関連し(オッズ比4.3)、28歳までの重度の日焼けの既往とも関連していました(オッズ比3.4)。背中・肩の不規則な褐色斑は、過去の強い日焼けと皮膚がんの関連を示す所見と考えられました。
本ページでは、背中・肩に多発する花弁状色素斑が「過去の強い日焼け」のサインであり、今後の紫外線対策が大切である根拠として参照しています。
背中上部の多発性日光黒子は、過去の重度の日焼けの臨床マーカーである
原題: Multiple large solar lentigos on the upper back as clinical markers of past severe sunburn: a case-control study.
出典: Dermatology. 214(1):25-31 (2007)
DOI: 10.1159/000096909
要約:
本研究は、背中上部に多発する日光黒子をもつ成人145名と、対応する対照群145名を比較した症例対照研究です。
多変量解析で、小児期・思春期・成人期の日焼けの既往が日光黒子と独立して関連し、中等度の日焼けでオッズ比2.3、重度の日焼けでオッズ比28.1と、特に重度の日焼けで強い関連が示されました。背中・肩の多発性日光黒子は、過去の重度の日焼けを示す臨床マーカーとされました。
本ページでは、花弁状色素斑が強い日焼け(とくに重度の日焼け)と強く結びつくこと、予防として日焼け対策が重要である根拠として参照しています。
非典型的にみえる日光黒子をレーザー照射した結果、悪性黒子が判明した症例
原題: Failure of Q-switched ruby laser to eradicate atypical-appearing solar lentigo: report of two cases.
出典: J Am Acad Dermatol. 38(2 Pt 2):314-317 (1998)
DOI: 10.1016/S0190-9622(98)70572-9
要約:
本研究は、臨床的に非典型的にみえた日光黒子をQスイッチルビーレーザーで治療した2例の症例報告です。
いずれも照射直後は良好でしたが、数ヶ月後に色素が再発・拡大し、生検の結果、悪性黒子(悪性黒子型黒色腫)であったことが判明しました。メラニンを標的とするレーザーは非典型的な色素性病変を完全に除去できないことがあり、照射前の慎重な臨床評価が重要と結論づけられました。
本ページでは、花弁状色素斑に紛らわしい病変が含まれることがあり、自己判断せず治療前に医師が診察・評価することの大切さの根拠として参照しています。
ピコ秒レーザーによる日光黒子治療のアルゴリズム
原題: Algorithmic approach to the treatment of solar lentigines with picosecond lasers.
出典: Lasers Surg Med. 55(8):712-714 (2023)
DOI: 10.1002/lsm.23701
要約:
本稿は、日光黒子に対するピコ秒レーザー治療の進め方を整理した論文です。
波長やパラメータの選択により日光黒子を効果的に治療でき、炎症後色素沈着などの合併症を抑えるための実践的な考え方が示されています。
本ページでは、当院が花弁状色素斑にピコレーザーを主体として用いる方針の根拠として参照しています。
アジア人の日光黒子に対する2種類のピコ秒レーザーの無作為化比較試験
原題: Randomized, evaluator-blinded comparative study of a potassium titanyl phosphate (KTP) 532-nm picosecond laser and an alexandrite 755-nm picosecond laser for the treatment of solar lentigines in Asians.
出典: J Cosmet Dermatol. 21(10):4370-4377 (2022)
DOI: 10.1111/jocd.14831
要約:
本研究は、腕に2つ以上の日光黒子をもつアジア人30名を対象に、KTP 532nmとアレキサンドライト755nmの2種類のピコ秒レーザーを左右で比較した無作為化評価者盲検試験です。
両レーザーとも明るさ(L*値)が有意に改善し、設定条件下では755nmピコ秒レーザーで12週時の改善がより大きく、満足度も高い結果でした。有害事象に差はなく、適切な設定と照射終点の見極めが成功の鍵とされました。
本ページでは、ピコ秒レーザーがアジア人の日光黒子に有効であり、機種・設定の選択が重要である根拠として参照しています。
アジア人の日光黒子に対するQスイッチNd:YAGレーザーとフラクショナルCO2レーザーの比較
原題: Comparison of Q-switched Nd:YAG laser and fractional carbon dioxide laser for the treatment of solar lentigines in Asians.
出典: Lasers Surg Med. 48(4):354-359 (2016)
DOI: 10.1002/lsm.22472
要約:
本研究は、上肢に2つ以上の日光黒子をもつタイ人25名(肌タイプIII〜IV)を対象に、Qスイッチング Nd:YAGレーザーとフラクショナル炭酸ガスレーザーを比較した無作為化単盲検試験です。
532nm Qスイッチ Nd:YAGレーザーはフラクショナルCO2レーザーより色素改善が有意に優れ、患者自己評価でも532nm群の80%が非常に良好(CO2群8%)でした。炎症後色素沈着の頻度に有意差はありませんでした。
本ページでは、Qスイッチレーザーが日光黒子治療に有効である根拠として参照しています。
日光性色素斑は、色素ではなく「角化細胞の働きの乱れ」が引き金で生じる
原題: Keratinocytic Malfunction as a Trigger for the Development of Solar Lentigines.
出典: Dermatopathology (Basel). 6(1):1-11 (2019)
DOI: 10.1159/000495404
要約:
本研究は、190例の日光性色素斑を形態学的・免疫組織化学的に解析し、その成り立ちを調べた研究です。
角化細胞の増殖・分化を司るNotch1やp53の発現異常が認められ、著者らは「角化細胞の働きの乱れ」がシミ発症の引き金で、色素沈着はその結果であると提唱しています。色素細胞だけを標的とした治療では効きにくい理由ともつながります。
本ページでは、日光性色素斑が「色」だけでなく表皮細胞レベルの変化を伴い、自然には薄くなりにくい背景の根拠として参照しています。
角化細胞が出す増殖因子KGFが、日光性色素斑の色素産生を促す
原題: The role of keratinocyte growth factor in melanogenesis: a possible mechanism for the initiation of solar lentigines.
出典: Exp Dermatol. 19(10):865-872 (2010)
DOI: 10.1111/j.1600-0625.2009.00957.x
要約:
本研究は、紫外線で刺激された角化細胞が分泌する増殖因子KGF(ケラチノサイト増殖因子)が、メラニン産生にどう関わるかを培養皮膚モデルや動物モデルで検討した研究です。
KGFは色素の産生と沈着を増やし、KGF/KGFRの作用で日光性色素斑に似た色素病変が形成されました。角化細胞からのシグナルが色素細胞のメラニン産生を促すしくみを示しています。
本ページでは、乱れた角化細胞が周囲の色素細胞にメラニンを作らせ続けるしくみの根拠として参照しています。
日光性色素斑には、脂漏性角化症と共通するFGFR3・PIK3CA遺伝子の変化が関わる
原題: FGFR3 and PIK3CA mutations are involved in the molecular pathogenesis of solar lentigo.
出典: Br J Dermatol. 160(3):546-551 (2009)
DOI: 10.1111/j.1365-2133.2008.08963.x
要約:
本研究は、日光性色素斑30例を対象に、FGFR3・PIK3CA遺伝子の変異を解析した研究です。
FGFR3変異が17%、PIK3CA変異が7%に検出され、いずれも脂漏性角化症と共通する変化でした。紫外線がこれらの遺伝子変化の一因である可能性が示されました。
本ページでは、日光性色素斑が脂漏性角化症と共通する遺伝子変化を伴う良性病変である根拠として参照しています。