ニキビが できる仕組み Treatment for ACNE
毛穴の中で起きていることを、
診察では、ニキビがどうやってできるのか、その道すじからご説明することにしています。
そこが分かると、なぜこの治療を選ぶのか、その理由まで一緒に理解していただけるからです。治療の名前だけを先にお伝えしても、なかなか腑に落ちません。
ニキビは、ひとつの原因でできるものではありません。毛穴とその周りで、いくつかの変化が順番に起きています。しかもその多くは、肌の表面からは見えないところで進みます。目に見えるふくらみができたときには、話はかなり手前から始まっています。
このページでは、その道すじを9枚の図で追いかけます。ふだんの毛穴がどうなっているかから始めて、最後は、収まるときと収まらないときで何が違うのかまで。診察でも、このページを開いて一枚ずつご説明しています。
このページでたどる流れ
- ニキビの始まりは、一般には毛穴の壁の角化の乱れとされています。私は、その手前に「乾燥」があると見ています。乾いた肌を守ろうとして皮脂が増え、その結果、毛穴の壁だけが必要な脂を欠く状態になります
- そこで角化がうまく進まなくなり、角層が厚くなります。毛穴の周りが盛り上がり、毛穴の中の壁も厚くなって、通り道が塞がります
- 塞がった中に皮脂が溜まると、菌が増え、菌の顔ぶれも変わります。やがて炎症が起きて赤ニキビになります
- 最後は収まる道と、収まらない道に分かれます。ここが跡になるかどうかの分かれ目です
この記事の目次
第1段階 正常な毛穴
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はじめに、ふだんの毛穴を見ておきます。ここはまだニキビではありません。すべてはこの状態から始まります。
毛穴は、うぶ毛の生えている「毛包」と、そこへ皮脂を出す「皮脂腺」がひと組になった構造です。皮脂腺でつくられた皮脂は毛穴を通って表面に上がり、薄い膜になって肌を覆います。
この膜は、水分を保つだけの存在ではありません。皮脂に含まれる脂肪酸には、肌の細胞に抗菌ペプチドをつくらせる働きがあります。皮脂は、肌を守る側にいます。
毛穴の内側の壁でも、皮膚の表面と同じように細胞が入れ替わっています。細胞が硬い角質に育ち、役目を終えて剥がれ落ちる。この一連の流れを「角化」と呼びます。古くなった角質が1枚ずつ剥がれ落ち、通り道が保たれる。これがふだんの状態です。
これがふだんの毛穴です。皮脂は悪者ではなくて、肌を守る膜になっています
参考文献・報告
皮脂に含まれる遊離脂肪酸が、皮脂腺の細胞にβディフェンシン2という抗菌ペプチドをつくらせ、その培養液がアクネ菌に対して抗菌活性を示した、という実験があります(Nakatsuji ら 2010)。皮脂腺の働きが乏しい動物モデルでは、角層の水分量が半分以下まで落ちました(Fluhr ら 2003)。
第2段階 肌が乾燥に傾く
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意外に思われるかもしれませんが、ニキビのある肌では、角層の細胞と細胞をつなぐ脂(セラミド)が少なくなっています。皮脂の量とは別の話です。
水分も逃げやすくなっていて、その差は冬に大きく開きます。乾燥した肌は外からの刺激にも弱くなりますから、ニキビのある肌が少しの刺激で赤くなったりしみたりしやすいのは、この状態が背景にあります。
肌が乾燥に傾いていることと、ニキビのできやすさは、こうして測定の上でも結びついています。この乾燥こそが、その後の変化の引き金になっている。私はそう見ています。
参考文献・報告
ニキビのある方36名と、そうでない方29名を比べた研究で、症状の軽い方でもセラミドと遊離スフィンゴシンが有意に少なく、バリア機能が落ちていました(Yamamoto ら 1995)。
角層のセラミドを283種類まで分けて測った検討でも、ニキビのある肌ではセラミドが低く、水分の失われやすさが高く、その差は冬に目立って夏に一部戻る、という季節の変動が出ています(Pappas ら 2018)。
第3段階 皮脂が増え、その中身も変わる
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乾燥した肌は、水分の減少から肌を守ろうとします。そこで皮脂腺は皮脂の量を増やしていきます。
表面は脂っぽく見えるのに、内側は乾いている。この状態が、ここで起きています。
そしてもうひとつ、量ではなく中身の変化が起きます。
ニキビの症状が重い方ほど、皮脂に含まれるリノール酸という脂肪酸の割合が低い。ニキビのない方で約0.56%、症状の軽い方で0.27%、重い方で0.19%という測定があります。別の研究では、皮脂の分泌量が多いほどこの割合が下がる、という関係も出ています。
リノール酸は、毛穴の壁の細胞がきちんと角化していくために必要な材料です。体全体が栄養不足なのではなく、毛穴の壁のところだけが必要な脂を欠く状態になる。そう考えられています。
ここからは、私の見方です
皮脂は分泌されているのに、乾いている。
拡大して肌を見ると、皮脂の量は多いのに、乾燥のために角質が浮いている。そういう方を、診察では何度も見てきました。脂性肌なのに、乾燥肌の状態にある、ということです。
私は、脂性肌も内側に乾燥を抱えていると考えています。脂性肌と乾燥肌は、根本のところでは同じものを見ているのだと思います。
乾燥した状態が続けば、肌はさらに皮脂を出そうとします。そこへ洗顔で皮脂膜を落としてしまえば、同じことの繰り返しです。
皮脂の量そのものは、ホルモンの働きに強く左右されます。洗い方だけで皮脂の量が決まるわけではありません。ただ、乾燥を招く洗い方を毎日続けているかどうかは、積み重なって効いてきます。
参考文献・報告
頭皮の表面脂質を調べた研究で、リノール酸の割合が健常0.56%、軽症0.27%、重症0.19%と段階的に下がりました(Morello ら 1976)。皮脂の分泌が増えるほどこの割合が下がる、という希釈の関係も測られています(Stewart ら 1986)。
この希釈が毛穴の局所的な必須脂肪酸不足を招いて角化を乱す、という考えが提唱されており、人での検証としては、リノール酸を外用したところ1か月で微小面皰が縮んだ、という小規模な試験があります(Letawe ら 1998)。
アンドロゲンが働かない体質の方では、皮脂の産生がまったく検出されず、思春期前の小児と同じ水準でした(Imperato-McGinley ら 1993)。皮脂の量がホルモンに強く握られていることが、ここから分かります。
第4段階 角層が厚くなり、毛穴の周りが盛り上がる
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ニキビの毛穴を顕微鏡で調べたとき、最初に見つかる異常が、毛包の壁の角化の乱れです。角質がつくられる量が増え、同時に、剥がれ落ちにくくもなる。その結果、角層は厚くなっていきます。
ここまでお話しした乾燥と皮脂の変化は、この角化の乱れよりも先に起きている。私の見立てはそこにあります。
毛穴の周りの角層が厚くなって盛り上がるので、毛穴の入り口はすり鉢の底のように見えてきます。誤解されやすいところですが、毛穴そのものが広がったわけではありません。周りが持ち上がったために、そう見えているだけです。
同じことが毛穴の中でも起きています。壁の角層が内側に向かって厚くなり、通り道はだんだん狭くなっていきます。
毛穴の周りの角質が厚くなって盛り上がるので、毛穴がすり鉢の底のように見えてきます。毛穴が広がったわけではありません。中の壁も厚くなるので、通り道はだんだん狭くなります
「毛穴が開いてきた」というご相談も、多くはこの表面の形の変化によるものです。詳しくは毛穴のページでご説明しています。
参考文献・報告
ニキビで最初に検出できる病的変化は毛包上皮の角化異常であり、その結果として角質が留まる形の過角化が生じる、と整理されています(Büchner 1990)。この過角化には「つくられる量が増える」ことと「剥がれ落ちにくくなる」ことの両方が含まれます(Plewig 2010)。
細胞がつくられる量については、ニキビのある方の毛包で増殖の指標が17.40%、患部でない皮膚で11.01%という測定があります。変化が起きているのが毛穴の入り口側ではなくその下の部分であることも、同じ研究グループが示しました(Knaggs ら 1994)。
第5段階 通り道が閉じる(この段階は見えません)
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角層が厚くなり続けると、毛穴の通り道はとうとう塞がります。表面は角層に覆われ、毛穴がどこにあったのかも分からなくなります。うぶ毛も中に埋もれます。
この段階を微小面皰(びしょうめんぽう)と呼びます。名前のとおり、とても小さく、肌の表面からは見えません。
見えないのに、数は決して少なくありません。それを数えた研究があります。
専用の樹脂で毛穴の型を取って数える方法があり、測る場所には毛穴の多い額が選ばれます。
そうして数えた報告では、軽症から中等症のニキビの方の額で、1平方センチあたりの微小面皰は中央値319個でした。ただしこの試験は、250個以上あることを参加の条件にしています。ニキビのある方が皆この数だ、というわけではありません。
毛穴そのものがいくつあるのかを知っておくと、この数字が受け止めやすくなります。額のうぶ毛の密度は1平方センチあたり439本、背中では85本。顔は5倍以上あります。
測り方も対象も違う研究どうしなので単純に比べることはできませんが、見えているニキビの数よりずっと多くの毛穴で、すでに変化が始まっている。私はそのくらいに受け止めています。
額は1平方センチに400以上も毛穴があるんです。研究では、そのうちのかなりの数でもう詰まりが始まっていた、と報告されています
角栓や毛穴の詰まりそのものについては、毛穴が詰まる理由のページでさらに詳しくご説明しています。
参考文献・報告
額のうぶ毛の密度は1平方センチあたり439本、背中では85本という測定があります(Blume ら 1991)。
微小面皰の数については、軽症から中等症の方を対象とし、1平方センチあたり250個以上あることを条件に選ばれた方たちで、開始時の中央値が319個でした(Thielitz ら 2007。額からシアノアクリレートストリップで採取)。
肌を密封する実験では、肉眼で見えない微小面皰が破れることで新しい炎症性の病変が生じました(Mills & Kligman 1975)。
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第6段階 毛穴の中の環境が変わる
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塞がった毛穴の中でも、皮脂はつくられ続けます。行き場がないので、中に溜まっていきます。内腔はふくらみ、皮膚は少しずつ押し上げられる。ここで小さな白い盛り上がりとして見えてくることがあります。いわゆる白ニキビです。
中は皮脂で満たされ、酸素の少ない環境になります。アクネ菌(Cutibacterium acnes、旧称 Propionibacterium acnes)にとっては、これ以上ない好条件です。毛穴の中の菌の数は増えます。
思春期前後のお子さんを追いかけた研究があります。皮脂の分泌が始まると、それに伴ってアクネ菌の集団が広がっていく。しかも、のちにニキビができたお子さんでは、皮脂の分泌も菌の広がりも、ニキビにならなかったお子さんより早く始まっていました。
この差がはっきりするのは思春期の年代で、大人になると小さくなります。
ただ、話はそこで終わりません。菌の数が多ければ症状が重い、という単純な関係にはならないのです。
皮膚にいる菌全体に占めるアクネ菌の割合で比べても、ニキビのある方とない方で違いはありません。増えているのは数であって、菌の顔ぶれがそっくり入れ替わるわけではない。
では何が違うのか。アクネ菌の種類(株)の構成でした。毛穴の中で菌が膜状のかたまり(バイオフィルム)をつくっている割合も、ニキビのある方で高くなっています。
殺菌だけではなかなか終わらない理由が、ここにあります。菌が住みやすい環境そのものが変わっていなければ、また同じことが起こります。
参考文献・報告
5歳半から12歳のお子さんを追跡した研究で、皮脂の分泌開始とアクネ菌の広がりが結びついていること、ニキビを発症したお子さんではその両方が早く始まっていたことが確かめられています(Mourelatos ら 2007)。
11〜15歳では、ニキビのある方の菌数が幾何平均で1平方センチあたり114,800個、ない方ではほとんど検出されず、という測定があります。ただし21歳以上では両者に差がなく、ニキビのある方の中でも症状の重さと菌数に関係はありませんでした(Leyden ら 1975)。
菌叢の中での割合で比べると両群で同程度、株の構成が有意に異なる、というのが遺伝子解析の結果です(Fitz-Gibbon ら 2013)。毛穴の中のバイオフィルムは、ニキビのある方で37%、ない方で13%に見つかりました(Jahns ら 2012)。
第7段階 炎症が起きて赤ニキビになる
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毛穴の中の変化に対して、体の側が反応を始めます。免疫の細胞が集まってきて、菌と戦います。
発症からの時間がはっきりしている病変を調べた研究では、6時間・24時間の時点ではリンパ球が優位で、24時間から72時間にかけて好中球が増えていました。そしてその好中球の増加が、毛穴の壁の破壊と関係していました。
膿の正体は、この好中球です。白く見えているのは、菌そのものではありません。
好中球が集まるということは、炎症が起きているということです。血管が広がり、赤みと痛みが出ます。皮膚は内側から押し上げられ、大きく盛り上がる。これが、いわゆる赤ニキビの状態です。
白いのは菌ではなくて、戦ったあとの白血球の残骸です。つぶしても菌を死滅させたことにはなりませんが、内圧は下がり、菌の数も減るので、いったんは収まります
潰すことのリスクについては、ニキビは潰してもいい?のページでご説明しています。
参考文献・報告
アクネ菌に対しては、TLR2 という受容体を介した反応が起きます(Kim ら 2002)。アクネ菌が好中球を呼び寄せる物質を出すことも、古くから知られています(Webster & Leyden 1980)。
時間経過については Norris & Cunliffe(1988)の69検体の検討がありますが、1988年の報告で、同じ設計の新しい追試は見当たりません。
第8段階 いったん収まる(2つの道)
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ここから、収まる道が2通りあります。
ひとつは、免疫の細胞が菌を駆逐できる場合。戦いに勝てば、溜まっていた内容物も吸収され、炎症は静かに引いていきます。
もうひとつは、駆逐しきれなかった場合です。中身が増え続けて内側の圧が高まると、やがて自然に表面の角層が破れて、内容物が外に出ます。出口ができれば圧が抜ける。膨らみはしぼみ、赤みと痛みも引いていきます。
どちらの道でも、いったんは収まります。
ただし、収まったことと、跡が残らないことは別の話です。次でお話しします。
第9段階 収まらないとき、どこへ向かうか
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問題は、破れる場所が表面とは限らないことです。
深い側で毛穴の壁が破れると、内容物は真皮(肌の深い層)に漏れ出します。こうなると外には出ていきませんから、圧は抜けません。
漏れた内容物に対して周りの組織で炎症が続き、しこりのある結節になっていきます。いくつもの病変がつながって広がるタイプのニキビも、この系統です。
さらに深くへ進み、皮下脂肪や筋膜まで炎症が及ぶと、治ったあとの跡はいっそう深く残ります。
同じ赤ニキビでも、外に出て終わるか、中で広がるかで、その後がまったく変わります
早い段階でご相談いただきたいのは、炎症が外へ向かうか、深い側へ向かうかという分かれ目が、早いうちに決まってしまうからです。
185名を調べた報告では、最初のニキビの程度と最終的な跡の程度に関連があり、発症してから治療を始めるまでの遅れも、跡の程度と関連していました。
当院にお越しになる方のほとんどは、いくつもの医療機関を回ってこられた方です。そこに至るまでの時間を思うと、ひとつひとつのニキビに早い段階で手を打つのは、難しかっただろうと思います。
炎症が続いている時間が長いほど、深い側へ向かう機会も増えます。できるだけ早く対応することが、跡として残る数を減らすことにつながります。
ニキビ跡の治療についてはニキビ跡治療のページでご説明しています。
参考文献・報告
最初のニキビの程度と最終的な跡の程度に関連があり、治療開始までの遅れが跡の程度と関連していた、という報告があります(Layton ら 1994。単一の施設を受診した185名の検討です)。
この流れをふまえて
白ニキビ・黒ニキビ・赤ニキビ・黄ニキビは、どの段階か
ふだん使われる呼び名を、9段階に当てはめると次のようになります。
| 呼び名 | 段階 | 毛穴で起きていること |
|---|---|---|
| 白ニキビ | 第6段階 | 出口が閉じたまま中身が溜まり、小さな白い盛り上がりになった状態 |
| 黒ニキビ | 第5〜6段階から分かれる | 白ニキビと同じ詰まりですが、出口が開いたままだった場合です。表面に出た部分が黒く見えます。メラニンではなく、詰まった角質・皮脂・菌の分解産物によるものと考えられています |
| 赤ニキビ | 第7段階 | 炎症が起きて、赤みと痛みが出た状態 |
| 黄ニキビ | 第7〜8段階のあいだ | 膿が溜まって黄色く見える状態。このあと吸収されるか、外に出ます |
白ニキビと黒ニキビは、同じ詰まりが「閉じたか、開いたままか」で分かれたものです。別々の病気ではありません。
見えている数は、起きていることのごく一部です。
第5段階でお話ししたとおり、額の1平方センチには400を超える毛穴があり、そのかなりの数で、すでに詰まりが始まっていることがあります。鏡に映るニキビの数と、その下で起きていることの数は、まったく釣り合っていません。ひとつを潰しても次が出てくるのは、そのためです。
乾燥と皮脂は、たがいに打ち消し合うものではありません。皮脂が増えているのに毛穴の壁は脂を欠く、という状態が同時に起きています。「脂っぽいから徹底的に落とす」という発想だけでは、うまくいかないことがあります。
そして分かれ目は、炎症が外へ向かうか、中へ向かうかです。ここが跡になるかどうかを大きく左右します。
どの段階にいるかは、お一人おひとりで違います。変化の起こり方や進み方も、肌の状態や生活の状況によって違ってきます。
ここまで読んでいただければ、ご自身がどのあたりにいるか、見当をつける手がかりにはなるはずです。そのうえで、特別なご希望がない限り、肌の状態を診断したうえで適切な治療法を医師が選択します。ご自身で見極めていただく必要はありません。
当院のニキビ治療については、ニキビ治療専門外来のページでご案内しています。
よくある質問
診察のなかで、実際によくいただくご質問をまとめました。
ここに載っていないことも、どうぞ遠慮なくお尋ねください。聞きたいことにきちんとお答えするのも、私たちの仕事のうちだと考えています。
洗顔とスキンケア
洗顔をしっかりしているのに、ニキビが治りません。なぜでしょうか?
洗顔で落とせるのは、肌の表面にある皮脂や汚れです。このページでご説明したとおり、ニキビは毛穴の中で起きる変化から始まりますから、表面を洗っても、その変化そのものには届きません。
それでも洗顔が要らないわけではありません。当院では、1日2回、こすらずに洗っていただくようお勧めしています。回数を増やすことよりも、洗ったあとに肌を乾かしてしまわないことのほうが大切だと考えているためです。
洗い方については、実は質の高い臨床研究がとても少なく、回数や方法を研究の結果から決められる段階にはありません。当院は上の考え方でお伝えしています。
乾燥肌なのにニキビができるのは、なぜですか?
このページの第2段階と第3段階でお話しした流れが、まさにその状態です。ニキビのある肌では、皮脂の量とは別に、角層の細胞をつなぐ脂が少なくなっています。
脂っぽく見えても内側は乾いている。この状態が背景にあると、皮脂を落とすことだけを考えたお手入れは、かえって遠回りになることがあります。
ニキビの種類と段階
白ニキビと赤ニキビは、別のものですか?
別のものではなく、同じ流れの違う段階です。毛穴が塞がって中身が溜まった状態が白ニキビ(第6段階)、そこに炎症が加わった状態が赤ニキビ(第7段階)にあたります。
見た目が変わるので別の病気のように感じられますが、地続きです。ですから、白ニキビのうちに手を打てるかどうかが、その後を左右します。
見えない段階があるのなら、どうすれば気づけますか?
ご自身で気づくのは難しい段階です。微小面皰は、専用の樹脂で採取して顕微鏡で数えないと分かりません。
ただ、ニキビの重症度と微小面皰の数には関連があります。いま出ているニキビに向き合うことが、まだ見えていない部分にも働きかけることになります。
潰す・触る
潰したほうが早く治りますか?
つぶすと内圧が下がり、中の菌の数も減りますので、いったんは収まります。ただし、菌を死滅させたわけではありません。
問題は力のかけ方です。強く押すと、内容物が外ではなく深い側へ押し込まれることがあります。そうなると第9段階の道に入ってしまいます。ご自身で判断せず、診察でお任せいただくのが確実です。
詳しくはニキビは潰してもいい?をご覧ください。
生活のなかの原因
食べ物や生活習慣は関係ありますか?
このページは、毛穴の中で何が起きているかに絞ってご説明しました。
食事・睡眠・ストレス・ホルモンのはたらきといった、暮らしのなかの要因についてはニキビが出来る原因のページでまとめています。あわせてご覧ください。
ニキビ跡
跡が残るかどうかは、何で決まりますか?
大きく関わるのは、炎症が外へ向かったか、深い側へ向かったかです(第8段階と第9段階)。深い側へ向かい、真皮やさらに下まで炎症が及ぶほど、跡は残りやすくなります。
そのうえで、同じように炎症が起きても、跡が残りやすい方と残りにくい方がいることも分かっています。跡が残りにくい方では、免疫の細胞が早く大量に集まって48時間ほどでピークを迎え、そのあと速やかに引いていきました。一方、跡が残りやすい方では初期の反応が小さく、むしろ治まりかけた時期に細胞が流れ込み、血管が新しくつくられる状態が続いていました。
つまり、炎症が長引くこと自体が、跡の残りやすさと結びついているということです。体質だから仕方がない、という話ではありません。
ニキビ跡の治療についてはニキビ跡治療をご覧ください。
参考文献
このページの説明は、私の経験だけでなく、これまでの研究をもとにしています。根拠にした論文を下にまとめました。タイトルをタップすると、どんな研究なのか、このページのどこを支えているのかをご覧いただけます。
毛穴と皮脂のはたらき
1皮脂の遊離脂肪酸は、βディフェンシン2を増やして皮脂腺細胞の自然免疫を高める
要約:
皮脂に含まれる遊離脂肪酸が、皮脂腺の細胞にどのような働きかけをするのかを調べた基礎研究です。ラウリン酸・パルミチン酸・オレイン酸をヒトの皮脂腺細胞に加えて、抗菌ペプチドの産生を測定しています。
いずれの脂肪酸でも、βディフェンシン2の発現が著明に増えました。その培養上清はアクネ菌に対して抗菌活性を示し、抗βディフェンシン2抗体を加えると活性が打ち消されています。マウスの耳の皮膚にオレイン酸を塗った実験でも、毛包の皮脂腺で同じ働きが確認されました。
本ページでは、第1段階の「皮脂は肌を守る側にいる」という説明の根拠として参照しています。
乾燥とバリアのはたらき
2尋常性ざ瘡における水分バリア機能の障害
要約:
ニキビのある方36名と、そうでない方29名を比べた研究です。皮脂の分泌速度、角層の脂質の量、そして水分バリア機能を同時に測定しています。
皮脂の分泌が有意に高かったのは中等症の方だけで、軽症の方と対照群には差がありませんでした。一方、スフィンゴ脂質(セラミドと遊離スフィンゴシン)は、軽症でも中等症でも有意に少なくなっていました。著者らは、セラミドの減少によるバリア機能の障害が毛包上皮の過角化を伴うため、面皰形成の原因となりうると結論づけています。
本ページでは、第2段階の「皮脂の量とは別に、角層の脂が足りていない」という説明の中心的な根拠として参照しています。
3角層セラミドの季節変動と、ニキビにおけるバリア機能の障害
要約:
質量分析を用いて角層のセラミドを283種類まで分けて定量し、1年を通じた季節変動を追った研究です。
ニキビのある肌では全体としてセラミドが少なく、とくにアシルセラミドと呼ばれる種類が減っていました。水分の失われやすさは健常な肌より高く、その差は冬に目立ち、夏には一部戻ります。
本ページでは、第2段階の「水分も逃げやすく、その差は冬に大きくなる」という記述の根拠として参照しています。
皮脂の量と、皮脂の中身
4ニキビのある方と、そうでない方の皮膚表面脂質に含まれるオクタデカジエン酸
要約:
頭皮の表面脂質に含まれる2種類の脂肪酸の割合を、健常6名・軽症5名・重症9名で比較した研究です。
リノール酸(Δ9,12異性体)の割合は、健常0.56%、軽症0.27%、重症0.19%と、症状が重いほど低くなりました(健常と軽症でp<0.02、健常と重症でp<0.001)。一方、皮脂に由来するΔ5,8異性体には有意な差がありませんでした。
本ページでは、第3段階の「症状が重い方ほどリノール酸の割合が低い」という数字の出どころです。
5皮脂腺の活動が高まることによる、リノール酸の希釈
要約:
皮脂の分泌量と、皮脂に含まれる脂肪酸の組成の関係を調べた研究です。子どもと若年成人の皮膚表面脂質を集め、分泌速度の指標と突き合わせています。
皮脂の分泌が増えるほど、ワックスエステル中のリノール酸の割合は下がり、代わりにセバレイン酸の割合が上がりました。表皮のアシルセラミド中のリノール酸も、皮脂の分泌量と逆の関係にありました。
本ページでは、第3段階の「皮脂が増えるほど、必要な脂の割合が薄まる」という説明の根拠です。
6リノール酸の外用が微小面皰の大きさに与える影響(画像解析)
要約:
軽症のニキビの方を対象に、リノール酸の外用が微小面皰の大きさを変えるかどうかを調べた、二重盲検・プラセボ対照のクロスオーバー試験です。評価はシアノアクリレートによる毛包採取と画像解析で行われました。
リノール酸を塗った部位では、1か月で毛包キャストと微小面皰の大きさがおよそ25%小さくなりました。プラセボの部位では変化がありませんでした。
本ページでは、「毛穴の壁の脂が足りない」という考えを人で検証した数少ない試験として参照しています。症例数が少なく、1998年の小規模な試験であることも申し添えます。
7皮脂産生のアンドロゲンによる制御
要約:
皮脂の産生がどこまでアンドロゲンに依存しているのかを、特殊な体質の方を対象に調べた研究です。
アンドロゲンが完全に働かない体質の方では、皮脂の産生がまったく検出されず、副腎皮質機能が始まる前の2〜6歳の小児と同じ結果でした。一方、5α還元酵素の欠損でDHTが少ない方では、同年代の男性と同等の皮脂産生がありました。
本ページでは、第3段階の「皮脂の量そのものはホルモンの働きに強く左右される」という記述の根拠です。洗い方だけで皮脂の量が決まるわけではない、という説明もここに立っています。
角化の変化
8尋常性ざ瘡はどのように発症するか
要約:
ニキビの形態形成を長年研究してきた著者による総説です。発症の各段階を順に整理しています。
第一段階は毛包漏斗部における「増殖性かつ保持性の過角化」であり、そこから毛包フィラメントができ、微小面皰が生じる、と記述されています。角質がつくられる量が増えることと、剥がれ落ちにくくなることの、両方が含まれる言い方です。
本ページでは、第4段階の「つくられる量が増え、同時に剥がれ落ちにくくもなる」という説明の枠組みとして参照しています。
9Ki-67 を用いたニキビにおける細胞増殖の定量
要約:
毛包の細胞がどれだけ活発に分裂しているかを、Ki-67 という指標で数えた研究です。
ニキビのある方の患部から採った正常な毛包では17.40%、患部でない皮膚の毛包では11.01%と、有意な差がありました(p<0.01)。非炎症性の病変の毛包上皮では23.44%でした。著者らは、ニキビにおいて導管の過増殖が起きていることを確認したと結論づけ、ニキビのある方の「一見正常な毛包」もすでにニキビになりやすい状態にあると述べています。
本ページでは、第4段階の「角質がつくられる量が増える」という記述の根拠です。
10ニキビにおけるテネイシンとフィブロネクチンの発現
要約:
毛包の周りの組織で、細胞の接着や移動に関わるタンパクの分布がどう変わるかを調べた研究です。
非炎症性の病変では、毛包の深い側(インフラ漏斗部)でテネイシンの発現が11.88μmから76.88μmへ大きく増えていました。一方、入り口側(アクロ漏斗部)には有意な変化がありませんでした。
本ページでは、第4段階の「変化が起きているのは毛穴の入り口ではなく、その下」という説明の根拠として参照しています。
11ニキビとその薬物療法
要約:
ニキビの病態と治療をまとめた総説です。
「ニキビで最初に検出できる病的変化は毛包上皮の角化異常であり、その結果として保持性過角化が生じる」と述べ、そこから生じる面皰が他のほとんどの病変の前駆病変であると整理しています。
本ページでは、第4段階の「最初に見つかる異常が、毛包の壁の角化の乱れ」という記述の根拠です。
見えない段階(微小面皰)
12うぶ毛の毛包の生理 ── 毛の成長と皮脂の分泌
要約:
15〜30歳の健康な男女を対象に、額・頬・胸・肩・背中でうぶ毛の密度と皮脂の分泌を測った研究です。
うぶ毛の密度は顔で高く、額では1平方センチあたり439本、背中では85本でした。成長期にある毛の割合も、額49%に対して背中31.5%と差がありました。
本ページでは、第5段階で微小面皰の数を受け止めるための「毛穴そのものの数」として参照しています。
13アダパレンによる維持療法中の微小面皰形成の制御
要約:
軽症から中等症のニキビの方を対象に、維持療法が微小面皰の数を抑えられるかどうかを調べた試験です。額からシアノアクリレートストリップで採取して数えています。
参加の条件は、スクリーニング時点で1平方センチあたり250個以上の微小面皰があること。開始時の中央値は319個で、8週の併用療法を経て157個まで減りました。
本ページでは、第5段階の微小面皰の数の出どころです。参加条件で下限が決まっている数字ですので、ニキビのある方が皆この数だというわけではありません。
14アクネ・メカニカ(機械的刺激によるニキビ)
要約:
圧迫・摩擦・こすれといった物理的な刺激が、ニキビをどう悪化させるかを扱った古典的な報告です。
ニキビのできる部位を2週間絆創膏で密封すると、規則的に新しい炎症性の病変が誘発されました。それらは、肉眼では見えない微小面皰が破れることに由来していました。
本ページでは、第5段階の「見えない段階から始まっている」という説明と、見えない微小面皰が破れて炎症性の病変になりうることの根拠です。
15シアノアクリレート生検による顔の部位別の毛包密度
要約:
健康な成人女性12名の額・頬・顎・鼻で、シアノアクリレートによる毛包採取を行い、毛包の数と皮脂の分泌量を測った研究です。
毛包の密度と皮脂の分泌量は、いずれも顔の中心から外側へ向かって減っていく勾配を示しました。ただし両者のあいだに相関はありませんでした。
本ページでは、第5段階で用いた「額から採取して面積あたりで数える」という方法の裏づけです。
16面皰形成 ── 病因・臨床像・治療
要約:
面皰がどのようにできるかを、採取法とあわせて整理した総説です。
ニキビの重症度と、微小面皰(毛包キャスト)の数・大きさのあいだに有意な相関があること、それがシアノアクリレートによる表面生検で示せることを述べています。
本ページでは、FAQ「見えない段階があるのなら、どうすれば気づけますか」で、重症度と微小面皰の数に関連がある、と述べた根拠です。
アクネ菌
17思春期前の子どもにおける皮脂分泌とプロピオニバクテリウム定着の時間的変化
要約:
5歳半から12歳のお子さんを半年ごとに診察し、皮脂の分泌と菌の定着がどう変わっていくかを追いかけた縦断研究です。
皮脂を分泌する毛包の数と面積は年齢とともに増えました。のちにニキビができたお子さんでは、皮脂の分泌も菌の広がりも、ニキビにならなかったお子さんより早く始まっていました。著者らは、皮脂の分泌が始まり、それに伴って菌の集団が広がる、という順序を示しています。
本ページでは、第6段階の「皮脂が溜まれば菌は増える」という説明の中心的な根拠です。
18ニキビのある方と、そうでない方のプロピオニバクテリウムの菌数
要約:
額と頬の菌数を、11〜15歳・16〜20歳・21〜25歳の3つの年代で定量した研究です。
11〜15歳では、ニキビのある方が幾何平均で1平方センチあたり114,800個だったのに対し、ない方ではほとんど検出されませんでした。16〜20歳でも85,800個対588個という差があります。ところが21歳以上では両者に差がなく、ニキビのある方の中でも炎症の重さと菌数に有意な関係は見られませんでした。
本ページでは、第6段階の「菌の数は増える。ただし数だけで症状が決まるわけではない」という、両方の記述の根拠です。
19ニキビに関連するアクネ菌の株の集団構造
要約:
ニキビのある方49名と健常な方52名の鼻の毛包から採取し、メタゲノム解析で菌の集団を株のレベルまで比較した研究です。
菌叢全体に占めるアクネ菌の相対的な割合は両群で同程度でした。しかし株の集団構造は有意に異なり、ニキビと強く関連する株と、健常な皮膚に多い株が存在しました。
本ページでは、第6段階の「割合で比べると差がない。違うのは株の構成」という記述の根拠です。相対的な割合の話であり、菌の絶対数が増えないという意味ではありません。
20尋常性ざ瘡におけるアクネ菌バイオフィルムの増加
要約:
ニキビのある方38名と、条件を合わせた対照38名の顔から皮膚生検を行い、毛包の中の菌の分布を可視化したケースコントロール研究です。
毛包内にアクネ菌が認められたのは、ニキビのある方の47%、対照の21%でした。大きなかたまり(バイオフィルム)として観察されたのは37%対13%です。皮脂腺毛包の中のバイオフィルムを初めて可視化した報告にあたります。
本ページでは、第6段階の「毛穴の中で菌が膜状のかたまりをつくっている」という記述の根拠です。
21ニキビにおけるToll様受容体2の活性化が炎症性サイトカイン応答を引き起こす
要約:
アクネ菌がどのような仕組みで炎症を起こすのかを、受容体のレベルで調べた研究です。
TLR2を導入した細胞株はアクネ菌に反応するようになり、TLR2を欠くマウスのマクロファージだけがIL-6を産生しませんでした。ニキビの病変では、毛脂腺毛包を取り囲むマクロファージの表面にTLR2が発現していました。
本ページでは、第7段階の「体の側が反応を始めます」という記述の分子レベルの裏づけです。
22IL-1βがアクネ菌に対する炎症応答を駆動する
要約:
炎症性のニキビ病変でIL-1βがどう働くかを、ヒトの病変・培養細胞・マウスで調べた研究です。
炎症性の病変ではIL-1βが豊富に存在し、アクネ菌が単球・マクロファージのNLRP3インフラマソームを活性化してIL-1βを分泌させることが示されました。マウスでは、アクネ菌による炎症がIL-1βとNLRP3に決定的に依存していました。
本ページでは、第7段階の炎症が起きる仕組みの裏づけです。
23アクネ菌はヒト皮脂腺細胞のNLRP3インフラマソームを活性化する
要約:
皮脂腺の細胞そのものが免疫の担い手として働くかどうかを調べた研究です。
ニキビ病変の皮脂腺ではIL-1βの発現が高まっており、ヒトの皮脂腺細胞をアクネ菌で刺激するとIL-1βの分泌が有意に増えました。NLRP3の発現を抑えるとこの反応は消えました。
本ページでは、第7段階の炎症に皮脂腺そのものが関わっていることの裏づけです。
24アクネ菌が産生する血清非依存性の好中球走化性因子
要約:
アクネ菌が好中球を呼び寄せる物質を出すかどうかを調べた古典的な研究です。
検討した8株すべてが、培養液中に好中球の走化性因子を放出していました。活性は培養時間とともに増し、その本体は低分子でした。
本ページでは、第7段階の「免疫の細胞が集まってきて」という記述の裏づけです。
炎症と、そのあと
25早期のニキビ病変の組織学的・免疫組織化学的検討
要約:
発症してから6時間・24時間・72時間と時間がはっきりしている病変69検体を集め、集まっている細胞の種類を時間順に調べた研究です。
6時間と24時間の時点ではリンパ球が主体で、ヘルパー/サプレッサーT細胞比は2.8対1でした。好中球は24時間から72時間にかけて増え、その増加が導管の破壊と関連していました。
本ページでは、第7段階の時間経過と、第8段階の「壁が破れる」という記述の根拠です。1988年の報告で、同じ設計の新しい追試は見当たりません。
26ニキビ瘢痕の臨床的評価とその発生頻度
要約:
ニキビの方185名(女性101名・男性84名)を対象に、跡の種類と広がりを数え、年齢・性別・部位・当初の重症度・治療開始までの期間と突き合わせた研究です。
当初のニキビの程度と最終的な跡の重さには有意な相関がありました(p<0.01)。また、発症から適切な治療を始めるまでに最大3年の遅れがあり、その遅れが最終的な跡の程度と関連していました。著者らは、跡を最小限にするために早期の適切な治療が必要だと結論づけています。
本ページでは、第9段階の「早い段階でご相談いただきたい」という一文の根拠です。単一の施設を受診した方を対象にした検討である点は申し添えます。
27ニキビ瘢痕における炎症 ── 跡が残りやすい方とそうでない方の比較
要約:
同じ程度の炎症性ニキビがありながら、跡が残りやすい方と残りにくい方で、炎症の経過に違いがあるかを調べた研究です。発症6時間未満から6〜7日までの病変を採取して比較しています。
跡が残りにくい方では、早期にCD4陽性T細胞・マクロファージ・ランゲルハンス細胞が大量に流入し、48時間でピークを迎えたあと速やかに引いていきました。跡が残りやすい方では初期の流入が小さく、むしろ消退期にマクロファージとメモリーT細胞が入り込み、血管新生も続いていました。著者らは、治りかけの組織での過剰な炎症が瘢痕化につながると述べています。
本ページでは、FAQ「跡が残るかどうかは何で決まりますか」で、炎症が長引くこと自体が跡の残りやすさと結びついている、という説明の根拠です。
洗い方について
28ニキビにおける洗顔と洗浄料の臨床的エビデンス(系統的レビュー)
要約:
ニキビに対する洗顔と市販の洗浄料について、これまでの臨床研究を集めて整理した系統的レビューです。
条件を満たした前向き研究は14件・671名にとどまりました。著者らは「良質な臨床研究の数が少ないため、確かな推奨を組み立てることが難しい」と結論しています。
本ページでは、FAQ「洗顔をしっかりしているのに治りません」で、洗い方を研究の結果から決められる段階にない、と述べた根拠です。
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監修者情報(医師紹介)

監修医師:佐藤 雅樹 (さとう まさき)
ソララクリニック 院長
専門分野:美容皮膚科
2000年 順天堂大学医学部卒。順天堂大学医学部形成外科入局。 大学医学部付属病院等を経て、都内美容皮膚科クリニックにてレーザー治療の研鑽を積む。2011年3月 ソララクリニック開院 院長就任。2022年 医療法人 松柴会 理事長就任。日本美容皮膚科学会 日本形成外科学会 日本抗加齢医学会 日本レーザー医学会 点滴療法研究会 日本医療毛髪再生研究会他所属。
様々な医療レーザー機器に精通し、2011年ルビーフラクショナル搭載機器を日本初導入。各種エネルギーベースの医療機器を併用する複合治療に積極的に取り組む.
※当院の治療はすべて自由診療(保険適用外)です。標準的な費用は各ページの料金表または料金表ページをご覧ください。治療に伴うリスク・副作用は診察時にもご説明します。
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