AGA治療が効かないと感じる5つの理由Hair Loss Treatment |仙台

効いていないのか、まだ判断が早いのか

半年ほど飲み続けているのに、鏡を見ても変わった気がしない。写真を撮ってみても、よく分からない。薄毛の治療を始めた方から、実際によくうかがうお話です。

ただ、「効いていない」と感じるとき、その理由はひとつではありません。まだ判断するには早い場合もあれば、効き方が思っていたのと違う形で出ている場合もあります。薬の量や種類が合っていないこともありますし、そもそもAGA以外の脱毛が混じっていることもあります。

このページでは、その5つの理由を順にご説明します。そのうえで、頭皮を見なければ分からないこと、そして内服・外用を続けてもなお足りないと感じたときに、どんな手が残っているのかまでをまとめました。

「効かない」と感じるときの5つの理由

  1. 効き方が「増えた」ではなく「抜けが減った」形で出ている(1章)
  2. まだ判断するには早い。髪の生え変わりには時間がかかります(2・3章)
  3. 使い方が続いていない。とくに塗り薬で起こります(4章)
  4. 薬の量や種類が合っていない(4章)
  5. そもそもAGA以外の脱毛が混じっている(5章)

始めて半年に満たない方は1章から、1年以上続けている方は6章からお読みいただいても構いません。

1. まず、効いているかどうかの見分け方

薄毛の治療は、「増える」より先に「抜けが減る」という形で効果が出ます。ここを知らないまま見ていると、効いているのに効いていないと感じてしまいます。

髪には生え変わりの周期があり、AGAではこの周期が短くなって、太く育ちきる前に抜けてしまう毛が増えていきます。治療で最初に起きるのは、この「育ちきる前に抜ける」を減らすことです。抜ける量が減り、いま生えている毛が最後まで育つようになって、その結果として全体が濃く見えてくる、という順序をたどります。

ですから、効いているかどうかを最初に確かめるなら、髪の量ではなく抜け毛の量を見ていただくほうが早いことがあります。洗髪のときに指にからむ毛の量、朝の枕に残る毛の量が、以前より減っていないでしょうか。

ご自身の写真は、条件をそろえないと比べられません

写真で確かめようとされる方は多いのですが、これは思っているより難しい方法です。分け目の位置・照明・カメラまでの距離・髪の乾き具合のどれかが違うだけで、見え方は大きく変わります。前回より暗い場所で撮れば地肌は目立ちますし、濡れた髪は必ず薄く見えます。

比べるつもりで撮るのであれば、同じ場所・同じ明るさ・同じ分け目・乾いた状態、と決めておくことをお勧めしています。

そして、条件をそろえた写真でも鏡でも、毛が細くなっているかどうかまでは分かりません。ここは拡大して見るしかない部分です。本当にAGAなのか、どこまで進んでいるのか。いまご自身の頭皮で何が起きているのかは、6章でご説明します。

2. 期間が足りていないだけのことがあります

3か月では、まだ判断できません。理由は単純で、髪そのものが速く伸びないからです。

髪は1か月に約1cmずつしか伸びません。また、いま抜けている毛と、これから生えてくる毛は別のものです。治療で毛包の状態が変わっても、それが目に見える長さの髪になるまでには、どうしても数か月かかります。

使い始めに、一時的に抜け毛が増えることがあります

塗り薬を使い始めてしばらくの間、抜け毛がかえって増えたように感じることがあります。驚いて中止される方がいらっしゃるのですが、ここでやめてしまうのがいちばんもったいないと考えています。

外用のミノキシジルを24週間使った方を4週ごとに調べた研究では、最初の12週間に抜け毛の一時的な増加が認められ、しかもその増え方が大きかった方ほど、その後の改善の程度も大きいという関連が示されました参考文献1)。休んでいた毛包が動き出すときに、古い毛が押し出されて入れ替わる。そういう入れ替わりが起きています。

もちろん、これは49名の後ろ向きの研究で、抜け毛が増えれば必ず効くという意味ではありません。それでも、使い始めの抜け毛は、やめる理由ではなく、続けてみる理由になりうるということは知っておいていただきたいと思います。気になるときは、自己判断で中止せずご相談ください。

3. 経過の目安 ── 3か月・6か月・12か月の見え方

おおまかな見通しをお伝えします。3か月は抜け毛の量で判断する時期、6か月で見た目の変化を評価する時期、12か月で治療方針そのものを見直す時期、と考えていただくとよいと思います。

時期 この時期に見るもの 次に考えること
〜3か月 抜け毛の量 まだ判断しません。使い方が続いているかを確かめます
6か月 見た目の変化 変化が乏しければ、薬の量と種類の見直しを検討します
12か月 ここまでの経過全体 頭皮に直接届ける治療も含めて、組み合わせを検討してもよい時期です

※変化の現れ方には個人差があり、進行の程度・年齢・体質によって違います。この表は目安であり、どなたにも同じ経過をお約束するものではありません。

4. 薬の量や種類が合っていないことがあります

期間が足りているのに変化がない場合、次に見直すのは使い方と、薬の選び方です。この2つは順番が大切で、先に確かめるのは使い方のほうです。

塗り薬は「塗った量と範囲」で結果が変わります

飲み薬に比べて、塗り薬は自己流になりやすい治療です。実際にうかがってみると、量が足りていない、髪の上から塗っていて頭皮に届いていない、気になる一点だけに塗っている、という使い方をされていることがあります。

塗り薬は髪ではなく頭皮に届いてはじめて働きます。髪を分けて地肌を出し、気になる部分の周囲まで含めて、決められた量を行き渡らせてください。効かないと感じていた方が、塗り方を変えただけで手ごたえが変わることは珍しくありません。

続けられていますか

薄毛の治療は、続けているあいだ効いている治療です。飲み忘れ・塗り忘れが週の半分に及んでいれば、それは「効かない」のではなく「まだ十分に試せていない」状態です。責めたいわけではありません。続けやすい形に変えられないかを、一緒に考えるための確認です。

内服の種類と量を見直すという選択肢

使い方に問題がなく、期間も足りているのであれば、内服の種類や量を見直すことを検討します。男性型脱毛症の内服にはフィナステリドとデュタステリドがあり、作用の幅が異なります。詳しい違いはデュタステリド・フィナステリドのページにまとめました。外用剤については、当院でご案内しているものをパントスチンのページにまとめています。

なお当院では、ミノキシジルの内服は行っておりません。その理由は薄毛治療のページにまとめています。頭皮に使う外用のミノキシジルは、日本皮膚科学会の診療ガイドラインで第一選択として推奨されている治療です。

5. そもそもAGA以外の脱毛が混じっているサイン

ここまでは、AGAであることを前提にお話ししてきました。けれども、抜け毛のすべてがAGAとはかぎりません。AGAの薬が効かない理由が、そもそもAGAではなかった、という場合があります。

抜け毛が急に増えたとき

AGAはゆっくり進みます。ある時期から急に、頭全体の抜け毛が増えたという場合は、休止期脱毛症の可能性があります。強い体調の変化・出産・発熱をともなう病気・大きな精神的負担・一部の内服薬の影響などをきっかけに、多くの毛が同時に休止期へ入ることで起こります(参考文献2)。原因が離れれば戻っていくことが多く、AGAとは対処が異なります。

丸く抜けるとき

境界のはっきりした丸い脱毛が突然できた場合は、円形脱毛症を考えます。これはAGAとはまったく別の病気で、保険診療の対象となる場合があります。当院では保険診療を行っておりませんので、保険での治療をご希望の場合は、対応している医療機関の受診をお勧めしています。

女性で、生え際が後退してきたとき

女性の薄毛(女性型脱毛症・FPHL)は、頭頂部の分け目が全体に広がっていき、前髪の生え際は保たれるのが典型です。「びまん性」と呼ばれるのは、この全体に薄くなる見え方のことで、病名ではありません。

ですから、生え際が後退してくる出方をした場合は、別の背景があることがあります。体毛が濃くなる、にきびが増える、月経が不順になるといった変化を併せて確認し、ホルモンの状態を含めて調べたほうがよいことがあります。閉経後に急に始まった場合は、とくにそうです参考文献4)。

いずれも髪だけの問題ではないため、婦人科や内分泌の診療科の受診をお勧めすることがあります。また甲状腺の機能に変化があるときも、抜け毛として現れることがあります。

6. 頭皮を拡大して、部位ごとに見比べます

ここまでの5つは、ご自身でもある程度あたりをつけられることです。けれども、確かな手がかりは、頭皮を拡大しないと見えません。

当院では診察のときに、マイクロスコープ(医学的にはトリコスコピーと呼ばれる方法です)で頭皮を拡大した画像をディスプレイに映し、ご自身にも一緒に見ていただきながらご説明しています。見ているのは次の4つです。

  • 毛穴の分布
  • ひとつの毛穴から生えている毛の本数
  • 頭皮の炎症・赤み・皮脂・フケ
  • 髪の毛の太さ

拡大して見ると、分かることが3つあります。本当にAGAなのか、どこまで進んでいるのか、そして次に何を足すべきかです。いずれも鏡や写真では判断がつきません。

見ているのは、部位ごとの違いです

そして要点は、これらが頭の場所によって違うことにあります。

AGAは、頭のどこでも同じように進むわけではありません。後頭部と側頭部の毛は、影響を受けにくく、あとまで残ることが多いという性質があります。薄くなるのは頭頂部と前頭部です。

ですから、後頭部を見てから頭頂部を見ると、同じ方の頭の中に比べる基準ができます。後頭部ではひとつの毛穴から2〜3本が生え、太さもそろっているのが一般的です。頭頂部では毛穴あたりの本数が減って1本のことが多くなり、太い毛と細い毛が混じるようになります。この違いの大きさが、そのままいまどのくらい進んでいるかを表します。進行の段階をおおまかに示す目安として、ハミルトン・ノーウッド分類もあります。

頭皮を拡大した後頭部と頭頂部の比較図。後頭部はひとつの毛穴から2〜3本が生え太さがそろい、頭頂部は1本のことが多く太い毛と細い毛が混じる

後頭部と頭頂部を同じ倍率で見比べたときの模式図です。治療の前後を比べたものではありません。

この「毛の太さがそろっていない」という所見は、AGAを見分けるうえで欠かせないものとされています。男性型脱毛症750名・女性型脱毛症200名と、脱毛のない150名を比べた研究では、AGAの方は全員がこの所見の基準(男性で20%超、女性で10%超)を満たした一方で、後頭部については、AGAの方とそうでない方とのあいだに差が認められませんでした参考文献5)。後頭部を基準として使えるのは、このためです。

また拡大して見ることの利点は、脱毛が目に見えるようになるより前の段階で、毛の細さの変化を捉えられるところにあります(参考文献6)。鏡の前で「気のせいかもしれない」と迷っている段階こそ、確かめる意味があります。

女性の場合は、見方が少し変わります

女性の場合、後頭部を「変わっていない基準」として使えないことがあります。女性型脱毛症では、頭頂部だけでなく頭皮全体で毛が細く、密度が下がっていくことが報告されており(参考文献7)、後頭部にも変化が及んでいる方が一定の割合でいらっしゃいます(参考文献8)。

ですので女性の方には、頭頂部と前頭部だけでなく後頭部・側頭部も一緒に見ていただき、全体として細くなってきていないかを確認します。

受診して確かめたほうがよいサイン

次のいずれかに当てはまる場合は、続けるかどうかを迷う前に、一度頭皮を見せていただくことをお勧めします。

  • 6か月以上続けているのに、抜け毛の量も変わった感じがしない
  • 抜け毛が急に増えた
  • 境界のはっきりした丸い脱毛がある
  • 頭皮に赤み・かゆみ・強いフケがある
  • 女性で、生え際が後退してきた
  • 女性で、閉経後に急に始まった
  • どの薬をどれだけ使っているか、自分でも把握できなくなっている

初診では、頭皮を拡大して見ながら、これまでの経過と、これからの進め方をご相談します。初診料は3,300円で、カウンセリングを含めて1時間ほどお時間をいただいています。

画面を見ながら、どこがどう変わってきているかを一緒に確認し、次に何を足すかもその場でご相談します。治療名がわからなくてもご心配はいりません。

7. それでも足りないと感じたときに、次の手があります

使い方も期間も足りていて、AGA以外の原因も見当たらない。それでも思うような変化がない。そういう段階があります。ここから先に、まだ手が残っています。

内服・外用は続けたうえで、頭皮に直接届ける

誤解のないように申し上げると、これは乗り換えではありません。飲み薬・塗り薬は薄毛治療の土台で、やめれば時間をかけて元に戻っていきます。土台は土台として続けたうえで、足りない分を頭皮に直接届けるという考え方です。

飲み薬は血流にのって全身をめぐった末に毛包へ届き、塗り薬が届くのは頭皮の浅いところまでです。注入は、その中間にある毛包のまわりへ、必要な成分をまとめて届ける方法になります。

「AGAメソセラピーは効果がない」と聞きますが、本当ですか

検索するとよく出てくる言葉です。ただ、この言い方には無理があります。

メソセラピーというのは「頭皮に注入する」という手段の名前であって、治療の中身を表す言葉ではありません。注射器で注入するのか、針を使わない機器で送り込むのか。そして何より、何を注入するのかによって、まったく違う治療になります。成長因子を使うものもあれば、エクソソームやペプチドを使うものもあります。「メソセラピー」とひとくくりにして効く・効かないを論じても答えが出ないのは、そのためです。

当院では、何を届けるかによって4つの方法を使い分けています。いずれも針を使わないミラジェットで頭皮に送り込むため、麻酔は要りません。

当院で行っている4つの注入治療

  • HARG+(ハーグプラス)療法は、高純化エクソソーム製剤を注入します。日本医療毛髪再生研究会の認定施設として、2009年から行っています
  • PDRN療法は、頭皮の環境を整えることを目的とした治療です
  • 毛髪再生ペプチド療法は、毛包に働きかけるペプチド製剤を用います
  • エクソソーム療法は、M2Pエクソソームを頭皮へ送達します

どの方法が合うかは、頭皮の状態と進行の仕方によって変わります。費用・回数を含めた全体像は薄毛治療のページにまとめていますので、あわせてご覧ください。決めずにお越しいただいて構いません。診察のうえでご提案します。

当院の治療はすべて自由診療(保険適用外)で、保険診療は行っておりません。

よくある質問(FAQ)

「効かない」と感じている方から、実際によくいただくご質問をまとめました。

効き方と期間について

AGA治療は、本当に効果があるのですか?

日本皮膚科学会の男性型・女性型脱毛症診療ガイドラインでは、男性にフィナステリド・デュタステリドの内服と5%ミノキシジル外用が、女性に1%ミノキシジル外用が、いずれも第一選択として推奨されています(参考文献3)。推奨の根拠となる研究が積み重ねられている治療です。

ただし「増える」より先に「抜けが減る」という形で現れるため、期待していた変化と実際の変化がずれやすい治療でもあります。効果の現れ方には個人差があり、進行の程度や年齢によっても違います。

3か月続けましたが変化がありません。やめたほうがよいですか?

3か月では、まだ判断できません。詳しくは2章・3章に書きましたが、この時期に見るのは抜け毛の量です。

そのうえで、3か月の時点でやっておくと後が楽になることが2つあります。ひとつは使い方の確認。塗る量と範囲が足りているか、飲み忘れがどれくらいあるかを、この時点で一度点検してください。もうひとつは記録です。同じ場所・同じ明るさ・同じ分け目・乾いた状態で1枚撮っておくと、6か月時点の比較材料になります。

塗り薬を使い始めてから、かえって抜け毛が増えました。

使い始めに一時的に抜け毛が増えることがあります。外用のミノキシジルを24週間使った方を調べた研究では、最初の12週間にこの増加が認められ、増え方が大きかった方ほど、その後の改善の程度も大きいという関連が示されました参考文献1)。

必ず効くという意味ではありませんが、続けてみる理由になりうる変化です。ただし、抜け方が急で頭全体に及ぶ、地肌に赤みやかゆみがある、といった場合は別の原因が重なっていることがあります。自己判断で中止せず、一度ご相談ください。フケやかゆみが主体のときは頭皮のフケ・かゆみもあわせてご覧ください。

薬と治療の選び方

薬を変えれば効きますか?

変えることで手ごたえが変わる方はいらっしゃいます。ただ、その前に確かめたいことが2つあります。塗り薬が頭皮に届いているかと、続けられているかです。髪の上から塗っている、量が足りない、飲み忘れが多い、といった状態であれば、薬を変える前にそこを整えるほうが結果につながります。

そのうえで内服の種類・量の見直しを検討します。頭皮の状態を見てからのご提案になります。

女性ですが、フィナステリドを飲めますか?

女性は服用できません。添付文書上、女性への投与は禁忌とされており、日本皮膚科学会の診療ガイドラインでも行うべきではないとされています(参考文献3)。女性の第一選択は1%ミノキシジルの外用です。当院でご案内している女性向けの内服薬はパントガール、外用剤はパントスチンです。

飲み薬という手段が使えないぶん、頭皮の外側から届ける方法の意味が大きくなります。女性の薄毛については薄毛治療のページにまとめています。

ミノキシジルの内服はできますか?

当院では、ミノキシジルの内服による治療は行っておりません。日本皮膚科学会の診療ガイドラインで「行うべきではない」とされているためです。理由の詳細は薄毛治療のページにまとめています。

頭皮に使う外用のミノキシジルは、同じガイドラインで男女ともに第一選択として推奨されています。

受診について

ほかで治療を受けていますが、相談だけでも大丈夫ですか?

もちろんです。いまお使いの薬をお持ちいただくか、名前をお控えいただければ、それを前提にご説明できます。頭皮を拡大して一緒に見ながら、いまどのくらい進んでいるかを確認するところから始めます。

初診料は3,300円で、カウンセリングを含めて1時間ほどお時間をいただいています。診察のうえでのご提案になりますので、治療名がわからなくてもご心配はいりません。

薄毛治療に保険は使えますか?

当院では保険診療を行っておりません。AGA(男性型脱毛症)やFPHL(女性型脱毛症)の治療は国内では公的医療保険の対象外とされており、どの医療機関でも自費診療になります。

なお、円形脱毛症のように保険の対象となる脱毛症もあります。その場合は対応している医療機関の受診をお勧めしています。

参考文献

このページの説明は、当院での経験だけでなく、国内外の研究をもとにしています。根拠にした論文を下にまとめました。タイトルをタップすると、どんな研究なのか、このページのどこを支えているのかをご覧いただけます。

使い始めの抜け毛について

1ミノキシジル外用後の一時的な抜け毛増加は存在するか、また治療効果を予測するか

原題: Whether the transient hair shedding phase exist after minoxidil treatment and does it predict treatment efficacy? A retrospective study in androgenetic alopecia patients

出典: J Dermatolog Treat. 36(1):2480739 (2025)

DOI: 10.1080/09546634.2025.2480739

要約:

男性型脱毛症の49名に2%または5%のミノキシジル外用を24週間行い、4週ごとに抜け毛の本数を記録した後ろ向き研究です。あわせてBASP分類とトリコスコピー所見を治療前後で評価しています。

最初の12週間に、抜け毛の一時的な増加が認められました。この増加は5%より2%のほうが長く続きました。さらに、抜け毛が増えた程度とBASP分類の改善とのあいだに有意な関連が認められ、著者らは一時的な抜け毛の増加が治療効果の予測因子となりうると述べています。

本ページでは、使い始めの抜け毛についての記述の根拠として参照しています。49名の後ろ向き研究であり、抜け毛が増えれば必ず効果があるという因果を示すものではありません。

AGA以外の脱毛について

2休止期脱毛症 ── 文献レビュー

原題: Telogen Effluvium: A Review of the Literature

出典: Cureus. 12(5):e8320 (2020)

DOI: 10.7759/cureus.8320

要約:

休止期脱毛症についての総説です。薬剤・外傷・精神的および身体的な負担が誘因となり、毛周期の変化が機序として提唱されていること、急性と慢性の病型があることが整理されています。

本ページでは、抜け毛が急に増えたときにAGA以外の可能性を考える根拠として参照しています。

3男性型・女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版

原題: Guidelines for the diagnosis and treatment of male-pattern and female-pattern hair loss, 2017 version

出典: J Dermatol. 45(9):1031-1043 (2018)

DOI: 10.1111/1346-8138.14470

要約:

日本皮膚科学会による診療ガイドラインです。2010年版が男性型脱毛症のみを対象としていたのに対し、「女性型脱毛症(FPHL)」という呼称が国際的に一般的になりつつあることを理由のひとつとして改訂され、男女両方を対象としています。

第一選択として、男性にはフィナステリド1mg/日の内服、デュタステリド0.5mg/日の内服、5%ミノキシジル外用の1日2回使用が、女性には1%ミノキシジル外用の1日2回使用が推奨されています。一方で人工毛植毛とミノキシジルの内服は行うべきではないとされ、女性へのフィナステリド・デュタステリドの内服は禁忌とされています。

本ページでは、治療の位置づけ、女性型脱毛症の呼称、当院がミノキシジル内服を行っていない理由の根拠として参照しています。

4アンドロゲン産生腫瘍による男性型パターンの女性型脱毛症

原題: Female Androgenetic Alopecia with Male Pattern Caused by an Androgen-Producing Tumor

出典: Int J Trichology. 12(3):121-123 (2020)

DOI: 10.4103/ijt.ijt_93_20

要約:

女性の薄毛は通常、両側の頭頂部で毛の密度が下がり、前方の生え際は保たれます。しかし生え際の後退をともなって現れることがあり、その場合はホルモンの状態を考慮し、体毛が濃くなる・にきび・月経不順といった徴候を併せて確認することが重要である、と述べられています。とくに閉経後の女性で急に発症した場合には注意が必要とされています。

2例の症例報告で、いずれも背景にあった疾患の治療により改善しています。

本ページでは、女性で生え際が後退してきた場合に、髪だけの問題として扱わず他科の受診をお勧めすることがある、という記述の根拠として参照しています。

頭皮を拡大して見ることについて

5男性型脱毛症のトリコスコピー所見と重症度との関連

原題: Trichoscopic findings of androgenetic alopecia and their association with disease severity

出典: J Dermatol. 42(6):602-607 (2015)

DOI: 10.1111/1346-8138.12857

要約:

男性型脱毛症750名・女性型脱毛症200名と、脱毛のない男性100名・女性50名を比較した研究です。

毛の太さがそろっていないこと(毛幹の太さの不均一)が、AGAを診断するうえで欠かせない基準であると結論づけられています。男性では全例で20%を超え、女性では全例で10%を超えていました。一方、後頭部については、AGAの方とそうでない方とのあいだに有意な差が認められませんでした。

本ページでは、毛の太さのばらつきを見ること、および後頭部を比較の基準として使うことの根拠として参照しています。

6男性型脱毛症におけるトリコスコピー所見と重症度の相関

原題: Correlation of Trichoscopic Findings in Androgenetic Alopecia and the Disease Severity

出典: Int J Trichology. 11(3):118-122 (2019)

DOI: 10.4103/ijt.ijt_103_17

要約:

男性66名・女性25名を対象に、デジタルマイクロスコープで頭皮を撮影して所見と重症度の関連を調べた研究です。男女ともに毛の太さの不均一が最も多くみられる所見であり、後頭部では全例で有意な差が認められませんでした。

著者らは、脱毛が臨床的に見えるようになるずっと前の段階で、毛包の太さのわずかな変化を捉えられる点をこの方法の利点として挙げ、記録が容易なため医師と受診した方が同時に画像を見ることができるとも述べています。

本ページでは、頭皮を拡大して一緒に見ながら説明するという当院の診察についての記述の根拠として参照しています。

女性の頭皮の見方について

7女性型脱毛症の重症度評価における頭頂部の毛髪密度と終毛率の予測的価値

原題: The Predictive Value of Midscalp Hair Density and Terminal Hair Percentage in the Severity Evaluation of FPHL Assessed by Trichoscan in a Sample of Chinese Population

出典: Clin Cosmet Investig Dermatol. 15:2675-2684 (2022)

DOI: 10.2147/CCID.S390148

要約:

女性型脱毛症261名をLudwig分類で3群に分け、脱毛のない108名と比較した研究です。

前頭部・頭頂部・分け目・側頭部・後頭部のすべての領域で、毛髪密度・終毛の割合・毛包単位の密度・平均の毛の太さが低下し、中間毛と軟毛の割合が増加していました。前方の生え際は保たれていました。頭頂部の毛髪密度と終毛率が、Ludwig分類を最もよく予測しました。

本ページでは、女性の場合に頭皮全体を見て確認する理由の根拠として参照しています。

8女性型脱毛症における後頭部の関与 ── 病理組織学的な検討

原題: Occipital involvement in female pattern hair loss: histopathological evidences

出典: J Eur Acad Dermatol Venereol. 24(3):299-301 (2010)

DOI: 10.1111/j.1468-3083.2009.03411.x

要約:

Ludwig分類で女性型脱毛症と診断された40名について、頭頂部と後頭部の2か所から組織を採取して比較した研究です。

女性型脱毛症では後頭部は保たれると考えられてきましたが、40名中10名(25%)で後頭部にも同様の所見が認められました。

本ページでは、女性の場合に後頭部を「変わっていない基準」として扱えないことがある、という記述の根拠として参照しています。

※掲載した文献は、いずれも治療の一般的な考え方を示すものであり、お一人おひとりの結果を保証するものではありません。効果やリスクの現れ方には個人差があります。

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監修者情報(医師紹介)

監修医師 佐藤雅樹(仙台 ソララクリニック院長)

監修医師:佐藤 雅樹 (さとう まさき)

ソララクリニック 院長

専門分野:美容皮膚科

2000年 順天堂大学医学部卒。順天堂大学医学部形成外科入局。 大学医学部付属病院等を経て、都内美容皮膚科クリニックにてレーザー治療の研鑽を積む。2011年3月 ソララクリニック開院 院長就任。2022年 医療法人 松柴会 理事長就任。日本美容皮膚科学会 日本形成外科学会 日本抗加齢医学会 日本レーザー医学会 点滴療法研究会 日本医療毛髪再生研究会他所属。 
様々な医療レーザー機器に精通し、2011年ルビーフラクショナル搭載機器を日本初導入。各種エネルギーベースの医療機器を併用する複合治療に積極的に取り組む.

医師紹介

 初めて受診される皆様へ

※当院の治療はすべて自由診療(保険適用外)です。標準的な費用は各ページの料金表または料金表ページをご覧ください。治療に伴うリスク・副作用は診察時にもご説明します。

最終更新日

薄毛治療の全体像・料金・リスク・副作用・禁忌、および未承認の医薬品・医療機器に関する情報(国内の承認医薬品の有無・諸外国における安全性情報など)は薄毛治療(AGA)のページにまとめています。当院の治療はすべて自由診療(保険適用外)で、保険診療は行っておりません。

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