NAD+点滴療法NAD+ IV therapy

認知機能・若返り・健康維持の細胞レベルのエイジングケア

若返りの点滴として人気の「NMN点滴療法」に続いて、NAD+点滴療法が大きな注目を集めています。NMNは体の中でNAD+に変わる物質。NAD+点滴は、そのNAD+を直接入れる治療です。

NAD+(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)は全細胞に存在する補酵素であり、体の若返りだけでなく、認知機能や記憶力・集中力を高める「脳の若返り」の面でも、特に期待されています。

疲れが抜けない、頭がすっきりしない。そんな変化が気になる方に向けて、NAD+点滴療法の働きと受け方をまとめました。

NAD+とは何か?

NAD+(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)の分子構造。全身のあらゆる細胞でエネルギー代謝に関与する重要な補酵素
NAD+(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)の分子構造。全身のあらゆる細胞でエネルギー代謝に関与する重要な補酵素

NAD+は「ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド」の略称で、ビタミンB3(ナイアシン)から体内で生成される補酵素です。

体じゅうの細胞にあり、食べたものからエネルギー(ATP)をつくるときに欠かせません。

また、NAD+はDNA修復や遺伝子発現調節など長寿・健康維持に関わる多くの重要な酵素の補因子でもあり、そのため「アンチエイジング分子」とも呼ばれています。

NAD+が足りていることは、細胞のエネルギーづくりや遺伝情報を守る働きを支え、健康寿命にも関わると考えられています。

NAD+レベルは加齢とともに低下する

体の中のNAD+は、年齢とともに徐々に減っていくことが報告されています。

人の皮膚を調べた研究では、男女とも年齢が上がるほど皮膚のNAD+が少なくなっていました。

高齢のマウスでも、調べた多くの組織で、NAD+が若いマウスより減っていたという研究があります。

(減り方は臓器によって差がありますが、年齢とともにNAD+が減る傾向は、ほかの多くの研究でもみられています)

加齢によって体内のNAD+レベルは低下します。
図:人の皮膚に含まれるNAD+の量と年齢(Massudi ら、2012 の図をもとに作図。0歳は新生児)。年齢が上がるほどNAD+が少ない傾向がみられます。こうした低下には個人差がありますが、老化の一因と考えられています。

NAD+の減少が老化現象を促進する

NAD+は長寿遺伝子と呼ばれるサーチュイン酵素の働きにも必要不可欠であり、NAD+が不足するとサーチュインの活性低下によって細胞の老化が進行すると考えられます。

高齢のマウスの筋肉では、NAD+が減るとミトコンドリアの働きが落ち、ATP(エネルギー)が少なくなっていたという研究があります。

膵臓・骨格筋・肝臓・皮膚・脂肪組織・脳などでは、年齢とともにNAD+が減ることが報告されていて、疲れやすさや物忘れ・集中力の低下といった老化のサインにかかわると考えられています。

加齢に伴うDNA損傷蓄積や慢性炎症の亢進もNAD+減少と関係しており、慢性的なNAD+低下が老化の様々な側面を引き起こす中心的要因になりうると指摘されています。

NAD+不足が関連する主な疾患

NAD+の低下は、老化だけでなく、様々な病気の発症や進行とも関わると考えられています。

神経や代謝、心臓の病気、がんなど、幅広い病気とNAD+の不足との関係が研究されています。

例えば加齢関連疾患の代表であるアルツハイマー型認知症では、脳内のNAD+不足が神経細胞のエネルギー代謝低下や炎症を引き起こし認知機能を悪化させる可能性があります。

アルツハイマー病の方17人にNADH(NAD+の還元型)を飲んでもらった予備的な研究では、認知機能の検査の点数が上がったと報告されています。

そのほか、2型糖尿病や肥満などの代謝疾患でもNAD+低下がインスリン抵抗性を悪化させると考えられており、NAD+の前駆体であるNMNを糖尿病予備群の女性に飲んでもらった試験で、筋肉のインスリン感受性が改善したという報告もあります。

NAD+を保ち、増やすことは、エイジングケアの新しい考え方として注目されています。

NAD+点滴療法とは(NMN点滴との違い)

NAD+点滴療法とは、不足しがちなNAD+を点滴により直接体内に補充するアンチエイジング治療です。

ビタミン剤などのサプリメントを飲むのとは異なり、点滴なら、NAD+が消化管で分解されることなく、直接血液に入ります。NAD+ 750mgを6時間かけて点滴した研究では、はじめの2時間は血液中のNAD+は増えず、点滴が終わるころに血液中のNAD+が点滴前より約400%増えていました(Grant ら、2019)。

近年注目されるNMN点滴療法(体内でNAD+に変換される前駆体を点滴)と比べると、NAD+点滴は、NAD+そのものを直接血液に入れる方法です。

当院では、よりダイレクトな働きと、NMN点滴よりも高い効果が期待できると考えています。

もっとも、NAD+点滴は、時間をかけてゆっくり点滴するのが基本です。

例えば200mgのNAD+点滴で約1~2時間、400mgでは3~4時間ほどかけて点滴します。一方、NMN点滴はより短時間で済む利点があります。

したがって、「忙しくて長時間の点滴は難しいが、おだやかに全身を整えたい」という方にはNMN点滴を、「脳の若返りや認知機能のケアを重視し、十分な時間を取れる」方にはNAD+点滴療法をおすすめしています。

NAD+点滴で期待できる効果

  • 疲労回復・エネルギーレベルの向上
    細胞でのATP産生を促し、慢性的な倦怠感を和らげることが期待できます。
  • 記憶力の向上・精神機能の改善
    脳細胞のエネルギー代謝を支え、物忘れや集中力の低下に働きかけることが期待されています。
  • 痛みや炎症の軽減
    NAD+の抗炎症作用により関節痛や筋肉痛、炎症症状が和らぐ可能性があります。
  • 運動後の回復促進
    損傷した細胞の修復や炎症を和らげる作用で、ケガや激しい運動からの回復を早めることが期待されています。
  • 持久力・身体パフォーマンスの向上
    ミトコンドリアの働きを支え、持久力やトレーニングの効果を後押しすることが期待されています(マウスでは、持久力が上がったという報告があります)。
  • 肌や全身の若々しさ向上
    細胞の代謝を支え、肌や体の若々しさを内側から支えることが期待できます。
  • 気分の改善
    脳内神経伝達物質の生成やエネルギー産生を促すことで、心身のストレス耐性が高まり、前向きな気分が増すことも期待できます。
  • 不安や抑うつ感の軽減
    脳のエネルギー代謝を保ち、不安感や気分の落ち込みを和らげる働きがあると考えられています。

全身のエネルギーから心の状態まで、幅広く働きかけるのがNAD+点滴の魅力です。

なかでも期待が大きいのが、次の「脳への働き」です。

脳機能への働き 「認知機能のサポート」

脳機能へのNAD+の効果

NAD+点滴療法は、頭の中の霧が晴れたように、すっきり考えられる状態をめざす治療でもあります。

実年齢以上に物忘れが増えたり注意力が散漫になる「ブレインフォグ(脳の霧)」と呼ばれる状態は、現代人によく見られる悩みです。

NAD+点滴はこのような脳のエネルギー代謝低下による認知機能低下症状を改善し、全体的な脳パフォーマンスを高める効果が期待できます。NAD+を投与した動物実験では、認知機能(学習・記憶)の改善や神経炎症の軽減が報告されています。人でも、NADHを使った小さな研究で認知機能の改善が報告されていますが、その後の同じような試験では改善がみられず、研究が続けられています。

NAD+は、神経細胞のつながりが変わる力(シナプス可塑性)にもかかわっていて、アルツハイマー病のモデルマウスでは、NAD+のもとになる物質を補うと、学習や記憶がよくなったという報告があります。

ブレインフォグ(脳の霧)のケア

「ブレインフォグ」とは頭にモヤがかかったように感じる状態で、集中力低下や物忘れ、思考の遅れなどの症状を指します。

原因は睡眠不足やストレス、慢性疲労、コロナ後遺症、更年期、うつ病など様々ですが、根底には脳内エネルギー不足や炎症、酸化ストレスが関与すると言われます。

NAD+点滴療法は、脳細胞のミトコンドリア機能を高め、炎症や酸化ストレスを抑えることで、ブレインフォグの改善が期待されています。脳の血流が少ない状態のラットでは、NAD+の投与で記憶の低下や脳の炎症が和らいだという結果が出ています(Zhao ら、2021)。

集中力や思考のキレは、仕事の効率にも、日々の生活の質(QOL)にも関わります。大切な時期に集中したい方や、頭の冴えを保ちたい方にも、NAD+点滴を受けていただいています。

さらに、脳内の神経伝達物質の合成にもNAD+が関わっていて、不安感の軽減も期待できます。不安や気分の落ち込みの自己評価が下がったという報告もあります(依存症の治療中の方が、NAD+にアミノ酸などを合わせた点滴を続けたパイロット研究)。

いわば「脳の栄養ドリンク」です。頭のモヤが続くときは、一度ご相談ください。

こういう方に特におすすめ

NAD+点滴療法は、成人の方であれば、性別や年代を問わず受けていただけますが、特に次のようなお悩みをお持ちの方におすすめしています。

  • 慢性的な疲労感や倦怠感に悩んでいる

    朝起きても疲れが抜けない、常にだるさを感じる方

  • 集中力の低下や頭のぼんやり感(ブレインフォグ)がある

    会議や勉強で集中が続かず、物忘れも増えたと感じる方。

  • 年齢とともに活力や気力が衰えてきた

    最近昔よりも疲れやすく、気力・活力の低下を実感している中高年の方。

  • エイジングケアや健康づくりに関心が高い

    今は元気でも、先々の脳や体の衰えに早めに備えたい方。

  • スポーツや仕事のパフォーマンスを上げたい健康な方

    アスリートやハードワーカーで、持久力向上やリカバリー促進による更なる高みを目指す方。

疲れにくさや朝の目覚め、集中力の持続など、毎日の調子を整えたいと、続けて受けている方が多くいらっしゃいます。

様々な疾患への応用可能性

NAD+点滴療法は、健康な人のアンチエイジング目的だけでなく特定の病気や症状の改善にも役立つ可能性があります。NAD+とのかかわりが研究されている主な病気・症状には、次のようなものがあります。

アルツハイマー病・認知症
脳内のNAD+を増やすことによる神経保護作用で、認知機能低下の進行を抑えることが期待されています(※NADHを使った小さな研究で改善の報告がありますが、結果はまだ定まっていません)
うつ病・不安障害
脳内のエネルギー代謝や神経伝達を整えることで、気分の改善につながる可能性が研究されています。
慢性疲労症候群(CFS)
細胞のエネルギー不足が指摘されるCFSでは、NAD+の補充で症状が軽くなる可能性が考えられています(※NADHを飲む試験で、症状が和らいだ方の割合がプラセボより多かったと報告されています)
心疾患(心不全・虚血性心疾患)
心筋細胞を傷から守る働きが研究されています(ラットでは、NAD+の静脈注射で、血流が戻るときの心臓の傷が小さくなったという報告があります)。
糖尿病・メタボリック症候群
NAD+が糖代謝を司る酵素の補因子であるため、補充によりインスリン抵抗性改善・炎症軽減が期待。
線維筋痛症
エネルギー代謝改善と神経伝達正常化による疼痛閾値の上昇が期待され研究中。
多発性硬化症(MS)
ミエリン鞘の維持や神経保護作用から、進行抑制への可能性が模索されています。

以上のように、NAD+補充療法は非常に幅広い疾患領域への応用可能性を秘めています。

いずれも現時点では研究段階のものが多く、確立した治療法ではありません。持病の治療中の方は、主治医の先生ともご相談のうえで、いまの治療に加える形でご検討ください。

病気がなくても、元気なうちから始めるエイジングケアとして受けていただけます。

NAD+点滴療法の詳細

治療ペースの目安

NAD+点滴療法は定期的に継続して受けることで持続的な効果が期待できる治療です。

健康維持や老化予防、慢性的な疲れの軽減が目的の場合は、1~4週間に1度のペースで続けることをおすすめしています。

実際には月に1回または隔週に1回受けられる方が多く、ライフスタイルに合わせて頻度を調整できます。例えば「初月は毎週、その後は月1回」といったスケジュールで、まず集中的に受けてから、間隔をあけて続けていく方法もあります。

症状や目的に応じて医師と相談しながら適切な頻度を決めましょう。

特に疲れが強い方や、物忘れ・頭のぼんやり感が気になる方は、最初の数回は間隔を詰めて受け、その後は月1回程度で続けるケースが多いです。

NAD+を定期的に入れることで、細胞の傷がたまるのを抑えると期待されています。長い目で見た健康づくりにも向いています。

NAD+点滴の所要時間

NAD+点滴はゆっくり時間をかけて投与する必要があるため、所要時間は投与量によって異なります。

200mgの場合:約1~2時間かけてゆっくり点滴します。

400mgの場合:約3~4時間ほど要します。

NMN点滴より時間がかかるのは、NAD+をゆっくり入れるためです。そのぶん、忙しい毎日の中で、体を休められるひとときにもなります。

点滴中はリクライニングチェアでリラックスしながら休んでいただき、読書や音楽を聴くなどして過ごす方がほとんどです。

点滴の速さは体調に合わせて調節します。途中で胸の違和感などが出たときは、点滴をゆっくりにするなどして対応しますので、遠慮なく声をかけてください。点滴中は医療スタッフが様子を見ています。

「そこまで長い時間は取れない」という方には、短い時間で受けられる「NAD+ショット」(皮下注射)もご用意しています(料金の欄でご案内しています)。ご予定や目的に合わせて選べます。

ミトコンドリア機能を高める「5-ALA」との併用がおすすめです

5-ALA点滴療法

NAD+点滴で補うエネルギーのもとを、さらに効率よく使うために、当院がおすすめしているのが「5-ALA」です。細胞内の代謝回路を回す5-ALAを併せることで、ミトコンドリア機能の底上げを図ります。

NAD+で「補給」し、5-ALAで「燃焼」を後押しする組み合わせです。より力強い活力とクリアな感覚を求める方に、ご提案しています。

5-ALA点滴療法

料金

当院でNAD+点滴療法を受けていただく際の費用は以下の通りです。(※税込表示)

NAD+点滴

1回前回から3週間以内
200mg69,300円66,000円
400mg110,000円102,300円

NAD+ショット(皮下注射)

「点滴の時間を取るのが難しい」「まずは低用量で試したい」という方向けに、NAD+を皮下投与する簡易メニュー(NAD+ショット)もございます。

皮下注射のため点滴より短時間で完了します。吸収のよさは点滴ほどではありませんが、忙しい方や、まず試してみたい方に向いています。

NAD+ショット(皮下注射)

1回前回から3週間以内
100mg59,500円55,000円

表示は1回ごとの料金(税込み)です。お支払いは都度払いです。

料金表のページで見る

NAD+点滴療法は、研究が進むにつれて注目が高まっている治療です。「脳の霧が晴れ、体が内側から若返る」ことをめざすこの治療を、ぜひ一度、試していただきたいと思います。

点滴の量や時間は、体調やご予定をうかがいながら、診察で一緒に決めていきます。どうぞお気軽にご相談ください。

よくある質問 FAQ

NAD+点滴療法に関するよくある質問をまとめました。
ご参考になれば幸いです。

NAD+点滴療法とはどのような治療ですか?

NAD+(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)という補酵素を、点滴で体内に直接補うエイジングケアの治療です。

加齢などで減っていくNAD+を増やし、細胞のエネルギー産生を助けることで、全身の働きの維持や老化の予防をめざします。

疲労回復や認知機能の向上、若返りへの期待がとりわけ大きく、エネルギッシュで冴えた毎日を支える点滴です。

NAD+とNMNの違いは何ですか?

NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)は、体内でNAD+に変わる物質(前駆体)です。NMN点滴は間接的にNAD+を増やす方法で、比較的短時間で受けられる利点があります。

一方、NAD+点滴は、最初からNAD+そのものを入れる点滴です。ゆっくり点滴する必要があるため、時間は長くなります。

当院では、NAD+点滴のほうが高い効果が期待できると考えています。どちらが合うかは、通える時間やご希望をうかがって、一緒に決めましょう。

どんな効果が期待できますか?

主なねらいは、次のとおりです。

(1)疲労の回復・体力向上:細胞がATP(エネルギー)をつくる働きを助け、慢性的な疲れを軽くすることをめざします。

(2)集中力・記憶力のサポート:脳のエネルギー代謝を支え、頭がすっきり働く状態を保つことが目的です。

(3)代謝の改善:糖や脂肪をエネルギーに変える働きを支えることをめざします。

(4)肌の若返り:新陳代謝を促し、肌のハリ・艶につながることが期待できます。

(5)気分の安定:神経伝達物質のバランスを整え、不安感や落ち込みが和らぐことが期待されます。

感じ方には個人差がありますが、全身と脳の両面からコンディションを底上げしていく治療です。

効果はいつ頃実感できますか?

点滴の当日や翌日に、体の軽さや頭のすっきり感を感じる方もいらっしゃいます。

疲れにくさや集中力の続きやすさなどは、続けて受けながら、変化を一緒に確かめていきましょう。当院では、まず数回続けていただくことをおすすめしています(感じ方には個人差があります)。

どのくらいの頻度で続ける必要がありますか?

目的にもよりますが、1~4週間に1回程度の頻度をおすすめしています。

例えば、エイジングケアや健康維持が目的なら月1回、疲れや物忘れ・頭のぼんやり感が気になる場合は月2~4回(週1回ペース)などです。

一度にたくさん入れても体内で代謝・消費されますので、定期的に受けることが大切です。

ライフスタイルに合わせて、無理のない頻度で続けていただけます。

副作用や安全性は大丈夫でしょうか?

NAD+はもともと体の中にある物質ですが、点滴では副作用が出ることがあります。

点滴中には、一時的に胸の圧迫感や息苦しさ、吐き気・嘔吐、腹痛・下痢、動悸、頭痛などが起こることがあります。こうした症状は、ゆっくり点滴すると出にくいとされています(経験からの話で、確かめた研究はまだありません)。海外の小さな研究では、NAD+ 500mgを平均1時間半ほどで点滴した6人全員にこうした症状が出ましたが、点滴を終えるとすぐに治まっていました。6時間かけて点滴した研究では、副作用はみられていません。当院でも時間をかけて点滴し、症状が出たときは、速さを落とすか、いったん止めて対応します。

また、注射部位に内出血や腫れ、痛みが出たり、施術後に一時的なだるさを感じたりすることもあります。

施術中はスタッフが様子を確認していますので、気になることがあれば、すぐにお知らせください。

誰でも受けられますか?

基本的に健康な成人であれば受けていただけます。

ただし、いま病気の治療を受けている方、妊娠中・授乳中の方、がんの治療中の方や進行中のがんがある方、NAD+製剤にアレルギーのある方などは、お体の状態によって施術を見合わせる場合があります。

お薬を飲んでいる方も、まず問診でお知らせください。受けられるかどうかは、診察で医師が確かめます。

また未成年の方への施術は安全性確立の観点からお断りしております。

他の治療やサプリメントとの併用は可能ですか?

はい、併用可能です。

NAD+点滴療法は基本的に体内補充型の施術であり、他の美容点滴(ビタミンCやグルタチオンなど)や、内服のNMN・ビタミンサプリメントとも併用できます。

例えば高濃度ビタミンC点滴で抗酸化ケアをしながらNAD+点滴で細胞エネルギーを上げるといった組み合わせもおすすめです。

ただし同日に複数の点滴を受ける場合は体への負担を考慮し、医師の指示に従ってください。

サプリメントは基本的に続けていただけますが、ナイアシン(ビタミンB3)を高用量で摂取している場合はNAD+点滴の効果に影響する可能性がありますのでご相談ください。


【重要:ビタミンB3(ナイアシン/ナイアシンアミド)を高用量で服用中の方へ】

  • NAD+点滴の前後24〜48時間は高用量B3、とくにナイアシンアミド(ニコチンアミド)の摂取を控えてください。
  • 理由:ナイアシンアミドを多くとると、代謝に使う材料(メチル基)が減るという報告があり、点滴の働きに影響するおそれがあるためです。
  • 現在B3を治療目的で服用している方は、用量・タイミングを事前にご相談ください。自己判断での継続/中断はいずれもおすすめしません。
  • この注意は、薬の働き方から考えた、念のための決まりです。高用量のB3が「NAD+点滴の効果を直接下げた」と確かめた比較試験は、いまのところ見当たりません。迷ったら、止める前にまずご連絡ください。

もとにした研究は、ページ下部の参考文献(ビタミンB3の3件)に載せています。

体に良いもの同士でも、とるタイミングで働きが変わることがあります。安全第一で、ご自身に合うやり方を一緒に調整しましょう。

保険は適用されますか?

いいえ、自由診療(保険適用外)になります。費用は全額自己負担です。

料金は、このページの料金の欄をご覧ください。ご不明な点は、診察のときにご説明します。

点滴ではなく経口サプリではダメですか?

飲むサプリ(NMNのカプセルなど)でも、NAD+のもとになる物質をとることができます。

一方、NAD+は飲んでもそのままの形では腸から吸収されにくいため、NAD+そのものを入れたい場合は点滴になります。サプリは手軽に続けられるので、「日常はサプリ、定期的に点滴」という組み合わせもおすすめです。

目的やご希望に合わせて、方法をご提案します。

将来的に認知症予防になりますか?

NAD+と認知症との関わりは、いま注目されている研究テーマです。

NAD+は脳のエネルギー代謝やDNAの修復に関わっています。マウスの研究では、NAD+のもとになる物質で認知機能の低下が和らいだという報告があり、人でも研究が続けられています。

当院では、脳のエイジングケアとして受けていただいています。

参考文献

このページの説明のもとにした論文です。いずれも PubMed(米国国立医学図書館の論文データベース)で確かめています。タップすると、原題・出典・要約をご覧いただけます。

1年齢とともに減るNAD+は、細胞の働きや老化の病気にどうかかわるか(総説)

原題: NAD+ metabolism and its roles in cellular processes during ageing.

著者: Covarrubias AJ, Perrone R, Grozio A, et al.

出典: Nat Rev Mol Cell Biol. 22(2):119-141 (2021)(Epub 2020 Dec 22)

PMID: 33353981

DOI: 10.1038/s41580-020-00313-x

要約:

NAD+は、エネルギーをつくる反応の補酵素で、サーチュイン・PARP・CD38などの酵素を通じて、DNAの修復や細胞老化、免疫の働きにもかかわります。年齢とともに組織のNAD+が減ることは人やマウスなどで報告され、動物などを使った研究では、減り方は臓器や年齢によって10〜65%と幅があります。認知機能の低下・がん・代謝の病気・筋肉の衰えなどにつながると考えられていますが、人で長く補ったときに害がないか、効果があるかは、まだ分かっていません。

参照箇所:「NAD+とは何か?」の補酵素の説明、臓器による減り方の差、「NAD+不足が関連する主な疾患」の神経・代謝の病気やがん

2NAD+を増やす3種類の方法と、老化による病気の予防(総説)

原題: The Central Role of the NAD+ Molecule in the Development of Aging and the Prevention of Chronic Age-Related Diseases: Strategies for NAD+ Modulation.

著者: Poljšak B, Kovač V, Špalj S, et al.

出典: Int J Mol Sci. 24(3):2959 (2023)

PMID: 36769283

DOI: 10.3390/ijms24032959

要約:

NAD+は、サーチュインやPARPといった、DNAの修復などにかかわる酵素の材料にもなります。この総説は、年齢とともに減るNAD+を増やす方法を、もとになる物質を補う・分解する酵素CD38などを抑える・つくる酵素NAMPTを働かせる、の3種類に分けて整理しています。根拠の多くは、細胞や動物の研究です。

参照箇所:「NAD+とは何か?」のDNAの修復にかかわる酵素、慢性炎症との関係、「NAD+不足が関連する主な疾患」の結び

3年齢が上がるほど皮膚のNAD+が少なく、DNAの傷が多い(人の組織を調べた研究)

原題: Age-associated changes in oxidative stress and NAD+ metabolism in human tissue.

著者: Massudi H, Grant R, Braidy N, et al.

出典: PLoS One. 7(7):e42357 (2012)

PMID: 22848760

DOI: 10.1371/journal.pone.0042357

要約:

別の手術のときに採取した、新生児と15〜77歳の計49人の骨盤部の皮膚(日に当たらない所)を調べました。男女とも、年齢が上がるほど皮膚のNAD+は少なく、DNAの傷は多くなっていました。

参照箇所:「NAD+レベルは加齢とともに低下する」の人の皮膚の研究と、その図(Massudi ら、2012 をもとに作図)

4高齢のマウスでは多くの組織でNAD+が減るが、つくられる速さは保たれている(マウスの研究)

原題: NAD+ flux is maintained in aged mice despite lower tissue concentrations.

著者: McReynolds MR, Chellappa K, Chiles E, et al.

出典: Cell Syst. 12(12):1160-1172.e4 (2021)

PMID: 34559996

DOI: 10.1016/j.cels.2021.09.001

要約:

生後3か月と25か月のマウスで、21種類の組織のNAD+の量を比べました。高齢のマウスでは多くの組織でNAD+が少なく(中央値で約30%)、減り方は組織によって違いました。目印をつけた物質(安定同位体)で調べると、NAD+がつくられる速さは年をとっても保たれていて、減ったのは使われる量が増えたためと考えられます。カロリー制限をしたマウスでは、使われる量が減り、NAD+の減少が一部抑えられました。

参照箇所:「NAD+レベルは加齢とともに低下する」の高齢のマウスの研究と、臓器による減り方の差

5NAD+が減ると、老化した筋肉でミトコンドリアの働きが落ちる(マウスの研究)

原題: Declining NAD(+) induces a pseudohypoxic state disrupting nuclear-mitochondrial communication during aging.

著者: Gomes AP, Price NL, Ling AJ, et al.

出典: Cell. 155(7):1624-1638 (2013)

PMID: 24360282

DOI: 10.1016/j.cell.2013.11.037

要約:

老化したマウスの骨格筋では、核のNAD+が減ることで、ミトコンドリアの遺伝子からつくられる部品が減り、ATPなどエネルギーづくりの働きが落ちていました。生後22か月のマウスにNMN(体重1kgあたり500mg)を1週間、腹腔内に注射すると、筋肉のミトコンドリアの働きや筋肉の状態を示す指標が、生後6か月のマウスに近い値に戻りましたが、筋力はよくなっていません。

参照箇所:「NAD+の減少が老化現象を促進する」のミトコンドリアとATPの説明

6NMNを1年間飲み水で与えると、年齢による代謝や目の衰えがおだやかになる(マウスの研究)

原題: Long-Term Administration of Nicotinamide Mononucleotide Mitigates Age-Associated Physiological Decline in Mice.

著者: Mills KF, Yoshida S, Stein LR, et al.

出典: Cell Metab. 24(6):795-806 (2016)

PMID: 28068222

DOI: 10.1016/j.cmet.2016.09.013

要約:

生後5か月のマウスに、NMN(体重1kgあたり1日100mgか300mg)を飲み水に混ぜて、17か月になるまで与えました。口から入ったNMNはすぐに組織でNAD+づくりに使われ、とくに毒性はありませんでした。体重の増え方はゆるやかになり、エネルギー代謝・インスリンの効き方・血液中の脂質・目の働き(涙の量など)の衰えも抑えられました。試験の期間中の生存率は、NMNを与えた群も与えない群も同じくらいでした。

参照箇所:「NAD+の減少が老化現象を促進する」の臓器の一覧、代謝の病気とインスリンの効き方、よくある質問(経口サプリではダメか)

7DNAの修復やミトコンドリアを支えるNAD+の、つくられ方と使われ方(総説)

原題: NAD+ in Aging: Molecular Mechanisms and Translational Implications.

著者: Fang EF, Lautrup S, Hou Y, et al.

出典: Trends Mol Med. 23(10):899-916 (2017)

PMID: 28899755

DOI: 10.1016/j.molmed.2017.08.001

要約:

マウスでは、脳・肝臓・筋肉・すい臓・脂肪組織・皮膚で、年齢とともにNAD+が減ることが知られています。この総説は、NAD+のつくられ方と使われ方(サーチュイン・PARP・CD38)、DNAの修復やミトコンドリアの維持での働きを整理し、NRやNMNで動物の寿命や体の働きがよくなった研究と、人での効果を確かめ始めた初期の臨床試験を紹介しています。

参照箇所:「NAD+の減少が老化現象を促進する」の臓器の一覧と結び、「NAD+不足が関連する主な疾患」の神経・心臓の病気

8神経の病気で減るNADを、もとになる物質で補う試み(総説)

原題: Implications of NAD metabolism in pathophysiology and therapeutics for neurodegenerative diseases.

著者: Hikosaka K, Yaku K, Okabe K, et al.

出典: Nutr Neurosci. 24(5):371-383 (2021)(Epub 2019 Jul 7)

PMID: 31280708

DOI: 10.1080/1028415X.2019.1637504

要約:

アルツハイマー病やパーキンソン病では、NADが減っているという報告があります。NADはミトコンドリアでエネルギーをつくる反応やDNAの傷の修復にかかわり、病気のモデル(おもに動物や細胞)では、そのもとになる物質を補うと、ミトコンドリアの働きが高まり、病気の特徴がやわらいだという研究があります。

参照箇所:「NAD+不足が関連する主な疾患」のアルツハイマー型認知症の説明、よくある質問(認知症予防)

9脳の老化や神経の病気にかかわるNAD+と、人を対象にした試験の現状(総説)

原題: NAD+ in Brain Aging and Neurodegenerative Disorders.

著者: Lautrup S, Sinclair DA, Mattson MP, et al.

出典: Cell Metab. 30(4):630-655 (2019)

PMID: 31577933

DOI: 10.1016/j.cmet.2019.09.001

要約:

神経細胞のエネルギーづくりやDNAの修復、ストレスへの強さ、シナプス可塑性(神経のつながりの変わりやすさ)には、NAD+を使う酵素がかかわっています。アルツハイマー病やパーキンソン病などのモデル動物では、NAD+を増やすと病気の特徴がやわらいだ例が多くあります。人では、NADHを飲んだアルツハイマー病の17人で認知機能がよくなった報告がある一方、同じような作りの次の試験では改善がありませんでした。

参照箇所:「NAD+不足が関連する主な疾患」のアルツハイマー型認知症、「脳機能への働き」のシナプス可塑性、よくある質問(認知症予防)

10NADHを使ったアルツハイマー病の17人で、認知機能の検査の点数が上がった(予備的な研究)

原題: Coenzyme nicotinamide adenine dinucleotide: new therapeutic approach for improving dementia of the Alzheimer type.

著者: Birkmayer JG

出典: Ann Clin Lab Sci. 26(1):1-9 (1996)

PMID: 8834355

要約:

アルツハイマー型認知症の17人に、NADH(NAD+の還元型)を8〜12週間使ってもらい、比べる相手を置かずに経過をみた予備的な研究です。評価できた人では全員、認知機能の検査(MMSE)の点数が6〜14点(平均8.35点)上がりました。本人や介護する人からの副作用の報告はありません。

参照箇所:「NAD+不足が関連する主な疾患」の17人の研究、「脳機能への働き」と「様々な疾患への応用可能性」のNADHの試験

11NAD+のもとになるNMNとNRの働きと、人に使うときの課題(総説)

原題: NAD+ Intermediates: The Biology and Therapeutic Potential of NMN and NR.

著者: Yoshino J, Baur JA, Imai SI

出典: Cell Metab. 27(3):513-528 (2018)(Epub 2017 Dec 14)

PMID: 29249689

DOI: 10.1016/j.cmet.2017.11.002

要約:

NMNとNR(ニコチンアミドリボシド)は、どちらもNAD+のもとになる物質です。マウスやラットに補うと、糖尿病・肥満・アルツハイマー病のモデル(認知機能や記憶)・心不全などで状態がよくなったという報告が並んでいます。人で長く使ったときの安全性はわかっておらず、NAD+を増やすことが、がんの増殖を後押しするおそれも否定できないとしています。

参照箇所:代謝の病気(肥満とインスリンの効き方)、よくある質問(NAD+とNMNの違い・誰でも受けられるか・認知症予防)、注意事項(がんの治療中の方)

12閉経後の糖尿病予備群の女性がNMNを10週間飲むと、筋肉でインスリンが効きやすくなった(ランダム化比較試験)

原題: Nicotinamide mononucleotide increases muscle insulin sensitivity in prediabetic women.

著者: Yoshino M, Yoshino J, Kayser BD, et al.

出典: Science. 372(6547):1224-1229 (2021)

PMID: 33888596

DOI: 10.1126/science.abe9985

要約:

太りぎみ〜肥満で糖尿病予備群の、閉経後の女性25人が、NMN 250mgかプラセボを毎日、10週間飲みました(ランダム化二重盲検プラセボ対照試験)。NMNの群では、筋肉でインスリンが効きやすくなり(約25%)、その信号も伝わりやすくなりましたが、プラセボの群では変わりませんでした。体の脂肪や血糖値、肝臓と脂肪組織でのインスリンの効き方は、どちらの群も変わりませんでした。

参照箇所:「NAD+不足が関連する主な疾患」の、NMNを糖尿病予備群の女性が飲んだ試験

13健康な男性にNAD+を6時間かけて点滴したときの、血液と尿の変化(予備的な試験)

原題: A Pilot Study Investigating Changes in the Human Plasma and Urine NAD+ Metabolome During a 6 Hour Intravenous Infusion of NAD.

著者: Grant R, Berg J, Mestayer R, et al.

出典: Front Aging Neurosci. 11:257 (2019)

PMID: 31572171

DOI: 10.3389/fnagi.2019.00257

要約:

健康な男性8人(30〜55歳)に、NAD+ 750mgを6時間かけて点滴し、生理食塩水を点滴した3人と比べました。はじめの2時間は、血液中のNAD+もNAD+からできる物質も変わりませんでした。著者らは、入れたNAD+がすぐに組織に取り込まれるか、分解されるかしていたと考えています。点滴の終わり(6時間後)には、血液中のNAD+が点滴前より398%増えていました。点滴を終えて2時間後も高いままで、尿にもNAD+とメチルニコチンアミドが多く出ていました。点滴中の副作用はありませんでした。

参照箇所:「NAD+点滴療法とは(NMN点滴との違い)」の約400%の数字、よくある質問(副作用)の健康な男性8人の研究

14肌の老化や組織の修復にかかわるNAD+と、美容医療での使い道(総説)

原題: The Role of NAD+ in Regenerative Medicine.

著者: Conlon NJ

出典: Plast Reconstr Surg. 150(4 Suppl):41S-48S (2022)(Epub 2021 Sep 28)

PMID: 36170435

DOI: 10.1097/PRS.0000000000009673

要約:

人の肝臓・皮膚・脳・筋肉などで年齢とともにNAD+が減ることや、マウスでNAD+を補ったときの心臓・代謝・筋肉・臓器の再生への働きをまとめた総説です。皮膚では、紫外線によるDNAの傷を直す酵素やサーチュインにNAD+が要り、年齢とともにNAD+もSIRT1も減ることを取り上げています。一方で、NAD+そのものは不安定で多くの細胞に届きにくく、NMNやNRを補うだけでも足りないとして、分解を抑える方法などとの組み合わせをすすめ、美容医療の医師との連携を呼びかけています。

参照箇所:「NAD+点滴で期待できる効果」の疲労回復・持久力・運動後の回復・肌などの説明

15脳の血流が少ないラットで、NAD+の注射が記憶の低下と脳の炎症をやわらげる(ラットの研究)

原題: NAD+ improves cognitive function and reduces neuroinflammation by ameliorating mitochondrial damage and decreasing ROS production in chronic cerebral hypoperfusion models through Sirt1/PGC-1α pathway.

著者: Zhao Y, Zhang J, Zheng Y, et al.

出典: J Neuroinflammation. 18(1):207 (2021)

PMID: 34530866

DOI: 10.1186/s12974-021-02250-8

要約:

両側の頸動脈をふさいで脳の血流を少なくしたラットに、NAD+(体重1kgあたり250mg)を毎日、8週間、腹腔内に注射しました。水迷路の試験で落ちていた学習と記憶がよくなり、脳の神経細胞の死や、炎症にかかわる細胞(ミクログリア)の活性化、炎症を起こす物質も減りました。培養したミクログリアの実験も合わせると、SIRT1とPGC-1αを通じてミトコンドリアを守り、活性酸素を減らす働きが、こうした変化にかかわっていました。

参照箇所:「脳機能への働き」の動物実験の説明、「ブレインフォグ(脳の霧)のケア」のラットの研究(Zhao ら、2021)

16依存症の治療中の50人がNAD+を含む点滴を続け、不安や落ち込みの自己評価が下がった(予備的な研究)

原題: Nicotinamide Adenine Dinucleotide (NAD+) and Enkephalinase Inhibition (IV1114589NAD) Infusions Significantly Attenuate Psychiatric Burden Sequalae in Substance Use Disorder (SUD) in Fifty Cases.

著者: Blum K, Han D, Baron D, et al.

出典: Curr Psychiatry Res Rev. 18(2):125-143 (2022)

PMID: 36118157

DOI: 10.2174/2666082218666220527114427

要約:

ほかの治療で十分な効果がなかった依存症の50人(21〜61歳)が、NAD+にアミノ酸やビタミンB群などを合わせた点滴を、4週間に7回以上受けました(比べる相手を置かない研究)。渇望・不安・気分の落ち込みを本人が10段階で答えると、どれも点滴の前より下がりました(不安は平均4.66から1.54へ)。睡眠には、はっきりした差がありませんでした。

参照箇所:「ブレインフォグ(脳の霧)のケア」のパイロット研究

17慢性疲労症候群で、NADHを飲んだ時期のほうが、症状がやわらいだ人が多かった(ランダム化比較試験)

原題: Therapeutic effects of oral NADH on the symptoms of patients with chronic fatigue syndrome.

著者: Forsyth LM, Preuss HG, MacDowell AL, et al.

出典: Ann Allergy Asthma Immunol. 82(2):185-191 (1999)

PMID: 10071523

DOI: 10.1016/S1081-1206(10)62595-1

要約:

慢性疲労症候群の26人による小さな試験で、NADH(NAD+の還元型)10mgかプラセボを4週間ずつ、4週間の休みをはさんで入れ替えて飲みました(ランダム化二重盲検クロスオーバー試験)。症状がよくなった人は、NADHの時期が26人中8人(31%)、プラセボの時期が2人(8%)でした。薬による重い副作用は起こりませんでした。

参照箇所:「様々な疾患への応用可能性」の慢性疲労症候群(CFS)の、NADHを飲む試験

18NAD+を静脈に注射すると、血流が戻るときの心臓の傷が小さくなった(ラットの研究)

原題: Exogenous NAD(+) administration significantly protects against myocardial ischemia/reperfusion injury in rat model.

著者: Zhang Y, Wang B, Fu X, et al.

出典: Am J Transl Res. 8(8):3342-3350 (2016)

PMID: 27648125

要約:

ラットの心臓の血流をいったん止めて再び流す実験(虚血再灌流障害のモデル)で、NAD+を静脈に注射しました(体重1kgあたり10〜20mg)。量が多いほど心筋梗塞の範囲が小さく、20mgでは約85%小さくなりました。心臓の細胞死も減り、抗酸化の酵素(SOD)の働きの低下も抑えられていました。

参照箇所:「様々な疾患への応用可能性」の心疾患(虚血性心疾患)

19NAD+の点滴はNRより、点滴中の症状が強く時間も長くかかった(後ろ向きの研究)

原題: Intravenous infusion of nicotinamide adenine dinucleotide (NAD+) versus nicotinamide riboside (NR): a retrospective tolerability pilot study in a real-world setting.

著者: Reyna K, Heinzen G, Patel N, et al.

出典: Front Aging. 7:1652582 (2026)

PMID: 41704678

DOI: 10.3389/fragi.2026.1652582

要約:

民間の施設で点滴を受けた人の記録を見直した、小さな研究です(プラセボとの比較はありません)。NAD+ 500mgを4日続けて点滴した6人と、NR(ニコチンアミドリボシド)500mgの8人を比べています。点滴の速さは本人が調節しました。NAD+の6人は全員、点滴中に腹痛・下痢・吐き気・嘔吐・胸の圧迫感や、脈が速くなるといった症状が中等度から強く出ましたが、点滴を終えるとすぐに治まりました。点滴にかかった時間は4日間の平均で、NAD+が97分、NRが37分です。

参照箇所:よくある質問(副作用:点滴中に起こりうる症状、ゆっくり点滴すると出にくいこと)、注意事項(症状は点滴を終えるとすぐに治まる)

20ニコチンアミドを飲むと、メチル基の材料が減り、ノルアドレナリンが増えた(人を対象にした試験)

原題: Excess nicotinamide inhibits methylation-mediated degradation of catecholamines in normotensives and hypertensives.

著者: Sun WP, Li D, Lun YZ, et al.

出典: Hypertens Res. 35(2):180-185 (2012)(Epub 2011 Sep 15)

PMID: 21918528

DOI: 10.1038/hr.2011.151

要約:

正常血圧の19人と高血圧の27人に、ニコチンアミド100mgを1回飲んでもらい、同じ人の飲む前と5時間後の血液を比べました。どちらの群でも、メチルニコチンアミドとノルアドレナリンが増え、メチル基の材料になるベタインと、アドレナリンの分解物(メタネフリン)が減りました。正常血圧の人では、ホモシステインも増えていました。著者らは、多くとるとメチル基が使われ、カテコールアミンの分解が妨げられるのではないかとみています。

参照箇所:よくある質問(併用)のビタミンB3の囲みの、メチル基が減るという理由

21外から入ったニコチンアミドと、NAD+から出たニコチンアミドの行き先の違い(細胞・マウス・人の研究)

原題: Source of nicotinamide governs its metabolic fate in cultured cells, mice, and humans.

著者: Dutta T, Kapoor N, Mathew M, et al.

出典: Cell Rep. 42(3):112218 (2023)

PMID: 36897780

DOI: 10.1016/j.celrep.2023.112218

要約:

目印をつけたニコチンアミド(安定同位体)を使い、培養細胞・マウス・人で、その行き先を追いました。外から入ったニコチンアミドは、培養細胞や人の血液の細胞でNAD+づくりに使われ、がん細胞とその移植腫瘍では、メチルニコチンアミド(MeNAM)にも変わりました(取り出した血液の細胞では変わっていません)。NAD+が分解されて出たニコチンアミドはMeNAMになりにくいものでしたが、がん細胞にNAD+をつくる酵素を働かせる薬を加えると、こちらもMeNAMに回りました。

参照箇所:よくある質問(併用)のビタミンB3の囲みの、ナイアシンアミドの代謝とメチル基の説明

22ビタミンB3の一種ニコチンアミドは、細胞の中ではサーチュインを抑えるとは限らない(総説)

原題: Nicotinamide is an inhibitor of SIRT1 in vitro, but can be a stimulator in cells.

著者: Hwang ES, Song SB

出典: Cell Mol Life Sci. 74(18):3347-3362 (2017)

PMID: 28417163

DOI: 10.1007/s00018-017-2527-8

要約:

ニコチンアミド(ビタミンB3の一種)は、サーチュインが働くときにNAD+から切り離される物質で、試験管の中ではSIRT1を抑えます。ところが細胞に入るとすぐにNAD+に変わるため、抑えるのは短い間だけで、その後はSIRT1がかえって活発になりうると考えられます。過去の研究を見直すと、ニコチンアミドでSIRT1を抑えようとした実験の多くで、効果ははっきりしないか弱く、逆に活発になった例もありました。

参照箇所:なし(ナイアシンアミドとサーチュインの関係を見直した総説の例として載せています)

注意事項

NAD+点滴療法を受けていただく前に、以下の点をご確認ください。

下記にあてはまる方は、症状や体調により、医師の判断で施術を見合わせる場合があります。
  • 現在治療中の疾患がある方
  • NAD+点滴に対する既知のアレルギー疾患をお持ちの方
  • 妊娠中・授乳中の方
  • がんの治療中の方・進行中のがんがある方

事前の診察で医師が総合的に判断いたします。

予想される副作用・リスク
  • 注射部位の疼痛・内出血・腫れ
  • 点滴中の一時的な胸の締め付け感・息苦しさ・吐き気・嘔吐・腹痛・下痢・動悸・頭痛など
  • 施術後の一時的なだるさ

点滴中に症状が出たときは、速度を落とす・いったん止めるなどして対応します。海外の報告では、こうした症状は点滴を終えるとすぐに治まっていました。万一強い不調を感じた際は、すぐスタッフにお申し出ください。

効果と研究について

効果の感じ方は、年齢や体調、生活習慣によって一人ひとり違います。このページで紹介した研究には、人数の少ないものや動物を対象にしたものも含まれ、人での効果については、研究が続けられている段階です。

以上の点を踏まえ、当院では事前に十分なカウンセリングを行い、安全に配慮してNAD+点滴療法を提供しております。

何か不安な点や疑問があれば遠慮なくお問い合わせください。

監修者情報(医師紹介)

監修医師 佐藤雅樹(仙台 ソララクリニック院長)

監修医師:佐藤(さとう) 雅樹(まさき)

ソララクリニック 院長

専門分野:美容皮膚科

2000年 順天堂大学医学部卒。順天堂大学医学部形成外科入局。 大学医学部付属病院等を経て、都内美容皮膚科クリニックにてレーザー治療の研鑽を積む。2011年3月 ソララクリニック開院 院長就任。2022年 医療法人 松柴会 理事長就任。日本美容皮膚科学会 日本形成外科学会 日本抗加齢医学会 日本レーザー医学会 点滴療法研究会 日本医療毛髪再生研究会他所属。 
様々な医療レーザー機器に精通し、2011年3月にルビーフラクショナル搭載機器を導入し、15年以上この治療を続けている。各種エネルギーベースの医療機器を併用する複合治療に積極的に取り組む。

医師紹介

 初めて受診される皆様へ

※当院の治療はすべて自由診療(保険適用外)です。標準的な費用は各ページの料金表または料金表ページをご覧ください。治療に伴うリスク・副作用は診察時にもご説明します。

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