超高濃度ビタミンC点滴と高濃度ビタミンC点滴の違いはなんですか?
超高濃度ビタミンC点滴と高濃度ビタミンC点滴の違いは 濃度が濃いか薄いかなのですか?
中に含まれるビタミンCの量が違うのか、濃度か 教えて下さい。
高濃度ビタミンC点滴と 超高濃度ビタミンC点滴の違いについて
本来の意味と 便宜上使われている意味が異なるため、混乱が起きやすい呼称です。
多くの場合 残念ながら (美容目的の場合は特に)「超高濃度」と呼称することで 他と差別化することを目的に使用されている場合が 少なくありません。
高濃度ビタミンC 点滴を更に「濃縮」したものが「超高濃度」ビタミンC点滴・・・ではありません。
高濃度ビタミンC点滴は 文字通り高濃度のビタミンCを点滴という形で 体内に取り入れることで 様々な効果を発揮させることを目的としています。
しかしながら ビタミンCは「アスコルビン酸」という「酸」です。
そのため、濃度が高すぎると 「血管痛」などの副作用を引き起こしてしまいます。
そこで 溶け込ませるための 点滴用水(点滴バッグ)の量を調整して(増やして) 点滴に適した濃度にする必要があります。
高濃度ビタミンC点滴以上に「濃縮」はできない
多くのビタミンCを取り入れたい場合には その分 点滴用水(点滴バッグ)の量を増やす必要があります。
更に 点滴に必要な時間も増えていきます。
例えば50gほどのビタミンCを点滴で取り入れる場合 2時間程かかります。
以上から 本来の意味からしますと
高濃度ビタミンC以上に 「濃縮」したものが 「超」高濃度ビタミンC点滴ではありません。
本来の意味での「超高濃度ビタミンC点滴」
高濃度ビタミンC点滴は がん治療に使用される例が増えてきています。
がん細胞に対して どのように効果を発揮するのかを説明したいと思います。
がん細胞のみを攻撃する高濃度ビタミンC点滴
がん細胞は 糖を栄養分として増殖していきます。
ビタミンC は糖と構造式が似ているため、がん細胞は積極的に細胞内に取り入れていきます。
その際に がん細胞内では、細胞に毒性を示す過酸化水素が大量に発生します。
がん細胞は過酸化水素を分解する酵素が乏しいので、死滅するとされています。
PNAS September 20, 2005. 102 (38) 13604-13609
正常細胞は 過酸化水素を分解する酵素を持つために 影響を受けません。
この様な効果を得るためには 血中ビタミンC濃度を 効果を発揮する濃度まで高める必要があります。
「血中ビタミンC濃度」を至適濃度まで高めて がん細胞を攻撃する
がん治療を目的とする際 最も重要となる点が 「血中ビタミンC濃度」です。
がん治療を目的とした場合の高濃度ビタミンC点滴療法では ビタミンCの血中濃度を至適濃度まで高めることを目標に 投与量を決定します。
上記でがん細胞に対して攻撃するために必要な血中ビタミンC濃度は 一般人の250~600倍 350~400mg/dl以上必要です。
「血中ビタミンC濃度」でビタミンCの投与量を決める。
がん治療を目的とした 高濃度ビタミンC点滴療法では 血中ビタミンC濃度を目標の濃度まで高めることで 効果を発揮します。
病状によって必要とされるビタミンCの量は異なります。
62.5g~75gで至適濃度に至る場合が多いと言われていますが、100g必要となる場合も少なくありません。
まとめ「超高濃度ビタミンC点滴療法」とは
超高濃度ビタミンC点滴療法とは (主にがん治療を目的としたような場合など)血中ビタミンC濃度を至適濃度まで高めることで得られる効果を目的とした治療法と言えます。
50g以上を便宜上「超高濃度ビタミンC点滴療法」と 呼称している場合が多いと思います。
血中ビタミンC濃度を計測して必要量を投与することが重要となります。
逆に言うと 血中ビタミンC濃度も測らないで 超高濃度ビタミンC点滴はできないということになります。
エイジングケア 体力回復を目的とした場合には そこまで気にしなくてもよいが 効果が不十分と感じている方 喫煙している人は 血中ビタミンC濃度を測ってみると良いかもしれません。
体調管理 エイジングケア 肌質改善などを目的としている場合には 血中ビタミンC濃度を計測する必要性はあまりないのですが、
もしも実感度が低い もっと効果がほしいと思われた場合には 一度計測しても良いかもしれません。
非常に疲れている方や 喫煙をされている方は 体内のビタミンCを大量に消費されている状態となり、血中ビタミンC濃度を測ると 同量の高濃度ビタミンC点滴を行なっても 普通の人ほどには上がってくれません。
ビタミンCの必要量を知る目的で 血中ビタミンC濃度を計測して指標とすると良いでしょう。