”だるさ”や”イライラ”、その正体は【実熱】かも?
9月に入り、暦の上ではもう秋。
日が暮れるのも早くなり、朝晩は少しだけ涼しくなってきましたね。
この時期、こんな不調を感じていませんか?
• なぜかずっと体が重い
• イライラして落ち着かない
• 肌が荒れやすくなった
• 便秘や口の渇きが気になる
• 寝ても疲れが抜けない
実はこれ、東洋医学でいうところの「実熱(じつねつ)」のサインかもしれません。
「実熱」ってなに?
東洋医学では、体内の状態を「陰陽」「気血水」「寒熱」といったバランスで考えます。 その中で「熱」は、体にこもる過剰なエネルギーや炎症のようなもの。
「実熱」は、その“熱”が強く、はっきりと症状として現れている状態を指します。
つまり、体の中に余分な熱が溜まってしまっている状態なんです。
夏の終わりに「実熱」が起きやすい理由
今年の夏も本当に暑かったですよね。
強い日差し、エアコン、冷たい飲み物や食べ物…一見体を冷やしているように見えて、実は体の内側には熱がどんどん蓄積していっているんです。
さらに、汗をかくことで「体の潤い(=陰)」が奪われると、熱を冷ます力が弱くなり、ますます熱がこもりやすくなります。
これが夏の終わりに起きる「実熱」の正体。 秋が近づいているのに、なんだかスッキリしない…という方は、まさにこの状態かもしれません。
実熱チェックリスト
☑ 顔がほてる・のぼせる
☑ 口が渇く・口臭が気になる
☑ イライラ・怒りっぽい
☑ 便秘がち
☑ 肌荒れ・吹き出物が出やすい
☑ 睡眠が浅く、夢をよく見る
☑ 尿の色が濃くなる
当てはまる項目が多い人は、「実熱」ケアが必要かも!
実熱をやわらげるセルフケア
1. 清熱(せいねつ)食材で内側からクールダウン
体の中の余分な熱を冷ます「清熱作用」のある食材を、無理なく食事に取り入れましょう。
• きゅうり、トマト、ゴーヤ、セロリ
• スイカ、梨、ぶどう、はと麦
• 緑豆のおかゆやスープ
• 菊花茶やミントティーなどのハーブティー
※冷え性の方は、体を冷やしすぎないよう温かいスープなどでバランスを。
2. 軽めの運動で発汗&代謝アップ
軽いウォーキングやストレッチで、こもった熱を外に出しましょう。汗をかきすぎた日は、しっかり水分とミネラル補給を忘れずに。
3. 質の良い睡眠で“潤い”をチャージ
東洋医学では、夜は「陰」を養う時間帯とされています。夜更かしは陰の消耗=熱の悪化につながることも。寝る前のスマホ時間を減らして、深い眠りを意識してみて。
4. 点滴療法で体質から整える
本格的に体質を見直したい方は、医師に相談のもと点滴療法を試すのもおすすめです。内側からバランスを整えるサポートが受けられます。
秋を快適に迎えるために、今こそ“熱”のリセットを
夏に蓄積された熱は、放っておくと秋の不調や冬の冷えにも影響することがあります。 だからこそ、季節の変わり目の今が“体をリセットするチャンス”。
夏バテでもなく、秋バテでもない…そんな「季節の谷間」の不調を感じたら、ぜひ東洋医学の視点を取り入れて、自分の体と向き合ってみてくださいね。
東洋医学は、体と心を“ひとつの流れ”としてとらえる医学。 忙しい毎日でも、少しだけ丁寧に自分をいたわる時間を持つことで、もっと軽やかに、心地よく過ごせるようになるはずです。
監修者情報(医師紹介)
監修医師:佐藤 雅樹 (さとう まさき)
ソララクリニック 院長
専門分野:美容皮膚科
2000年 順天堂大学医学部卒。順天堂大学医学部形成外科入局。 大学医学部付属病院等を経て、都内美容皮膚科クリニックにてレーザー治療の研鑽を積む。2011年3月 ソララクリニック開院 院長就任。2022年 医療法人 松柴会 理事長就任。日本美容皮膚科学会 日本形成外科学会 日本抗加齢医学会 日本レーザー医学会 点滴療法研究会 日本医療毛髪再生研究会他所属。
様々な医療レーザー機器に精通し、2011年ルビーフラクショナル搭載機器を日本初導入。各種エネルギーベースの医療機器を併用する複合治療に積極的に取り組む.
最終更新日