酒さの病理および治療法

2017年3月13日

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こんにちは、柴原です。

今回は酒さについて、書きたいと思います。

酒さは、肉眼的に赤ら顔+毛穴に一致した隆起として認識され、

重症度によって3段階に分けられる疾患です。

第1度:鼻や頬、鼻下の赤み、毛細血管の拡張(隆起は目立たない)

第2度:いわゆる酒さ性ざ瘡(ニキビ)の状態。毛穴に膿をもったニキビ様の皮疹が認められる。赤みの範囲は全顔に広がる。肉芽腫を形成する場合(以下に病理像を提示)では、毛穴に一致して、黄褐色の隆起が多発する。

第1度、第2度は女性に多く認められます。

一方、男性に圧倒的に多くみられるのが、

第3度:鼻瘤といわれる状態。鼻の脂腺の過度な発達が認められ、結合組織の増生を伴って、鼻が赤く隆起して見える。

まるで酒に酔っているように見えることが酒さの名前の由来とする説もあります。ただし、アルコールは酒さを悪化させる要因の一つではありますが、主たる原因ではなく、酒さの病態は複雑です。

 

一般的な治療法ですが、

メトロニダゾール、抗菌薬の内服、外用を行います。

しかし、治りにくい例が多く存在するのも事実です。

そこで、治療法を探るクルーを得るため、病理画像をお示しします。

表皮はやや萎縮しています。

毛嚢には、急性炎症で出現する好中球が多数認められます。

真皮にも広く炎症が広がっています。

線で囲った部分では肉芽腫(組織球の集簇+多核巨細胞)像が認められ、中心部に壊死も見られます。

真皮の表層部分では毛細血管が拡張しています(矢印)。

 

以上は第2度の肉芽腫性酒さに合致する所見です。

 

この例のように、病態が進みますと、上記の一般的な治療法では治りにくい例が多くみられるようになります。

特に患者様が気になり、かつ治りにくいのは赤ら顔、毛穴の隆起・ニキビです。

当院では病理像を踏まえ、通常の治療に加え、以下の治療法をご提案しております。

赤ら顔や皮脂腺の発達:FRAC3

毛穴の隆起やニキビ、全体的な病状の改善:サイトカイン療法(ナパージュ法)

 

なお、酒さに類似した病態で、ステロイドの長期外用に伴う酒さ様皮膚炎に対しては、

サイトカイン療法やヒアルロン酸導入を行っています。