敏感肌を考える

公開:2013年7月20日

更新:2013年7月24日

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しみやたるみ、ニキビや赤ら顔の治療を希望されて来られる方が多いのですが、
「敏感肌・乾燥肌なので、この治療が合うか心配です。」とよく言われます。
肌が敏感で化粧水さえも染みて痛くなってしまう様な状態では、シミなどの治療を行おうとしても 良い結果が得られるわけではありません。
乾燥肌の場合にも 肌は敏感になっています。(その上皮脂は逆に多かったりします。)
肌が敏感になって何かするにも問題が出そうな場合、なにはともあれ、肌質を回復させる治療を先行して行うようにします。

敏感肌・乾燥肌のスキンケア

敏感肌、乾燥肌の方の日々のスキンケアを訪ねてみると、朝晩ちゃんと洗顔されている方が殆どです。
ちゃんとされていらっしゃるのですが、化粧水も染みてしまうので、保湿を行うことも難しいことにさえなっている場合があります。
このような場合でも、日々のケアに問題があるように感じてしまうのか、更にしっかり洗顔されています。

このような場合 本来外からの刺激から守るはずの 角質が 十分機能できず、敏感になっていることが多いようです。
洗顔をする際に、皮膚のバリアとして機能するはずの 皮脂膜を取り除き、水分を十分に保持できず、角質をはがしていくことで、幼弱な角質しか作れなくなってしまう。
このような負のスパイラルに陥っていると考えられます。

スキンケアをどのように考えるか。

敏感肌トラブルの 原因の多くを クレンジング、洗顔が占めると 言わざるを得ません。
しっかり毎日 メイクを落とすためにしっかりクレンジングするわけですから、一緒に肌に必要な 皮脂膜,角質も取り除いていきますし、皮膚に必要な常在菌も殺菌していくようなものですので、常在菌が皮脂膜を形成する一翼を担っていることと、外部からの細菌が繁殖しないように弱酸性に保っていることも、維持しづらくなっていくことに繋がります。

頑張れば頑張るほど、肌のバランス、角質を始めとするバリア機能の低下を招いていくことになります。

さて、ここで、洗顔・クレンジングをやめなければいけないのか ということになりますが、
社会生活を営んでいく上で、メイクをしなければいけないわけですから、洗顔・クレンジングを行わないわけにはいけません。
そこで、しっかりやっている方は、少しずつ 洗顔・クレンジングの仕方を 優しくしていくようにすると良いでしょう。
場合によって、朝は、ぬるま湯だけで洗顔するようにしても良いかもしれません。

クリニックで 敏感肌を回復させる

日々のスキンケアの見直しによって 敏感肌から回復することを待つということでも、良いのかもしれません。
しかし クリニックに来院される方には、より積極的に肌の回復を促す 特に角質の回復を促す治療を行なっていきます。
マイクロスコープで拡大してみると、肌理がほとんど無く 角質が菲薄化しているためか、毛細血管が目立って見える状態にみえ、
このようなときには、全体的に赤くなっていたりします。(赤ら顔を主訴として来られることさえあります。)

このような場合には、正常な角質を獲得することが必要となるので、暫くの間

による 治療を行なっていきます。必要に応じて 週1回程で 比較的頻繁に 肌の保湿・回復に必要な成分を導入していきます。
イオン超音波導入で、保湿に必要なアミノ酸や各種ビタミンを導入してあげる事や、ヒアルロン酸導入で、保湿力を高めることで、少しずつ 肌が正常化していきます。

初めのうちは、化粧水も塗ることができないぐらい 敏感肌だった場合でも 徐々に回復傾向となっていくことが多く、地味な作業ですが、とても良い方法と思います。
(毛細血管拡張症で、肌の菲薄化が著しい場合には グロスファクター皮膚再生療法を選択することもあります。)

肌の回復を十分にすることで、皮膚の土台を作り上げ その上で シミなどの治療を行うようにしていくことが 遠回りのように感じるかもしれませんが、実際には近道となるものです。