肌を乾燥から守ることも ニキビ対策には必要です。
公開:2014年1月6日
投稿者:院長 佐藤
大人ニキビの治療を進めていく際に、重要と考えている点は、
- 肌を乾燥から守る
- 皮脂の量をコントロールする
この2点です。当たり前と思われるかもしれませんが、皮脂が気になるがために 肌を乾燥させてしまう方が多いことは 見逃せない事実です。
肌の乾燥は にきびを惹起します。
肌が乾燥してしまうと ニキビができやすくなります。
このことは大きな悩みです。保湿剤を塗布するなどの対応が取れれば良いかもしれません。しかし、「塗布することでニキビが出来てしまう」というように思っている方が非常に多いため 対策が非常に取りづらくなることも稀ではありません。
乾燥肌なのに ニキビが出来てしまう。その流れは・・
肌が乾燥しているのに ニキビが出来てしまう と悩んでいる方も多いと思います。必ずしも皮脂の量が多い 脂性肌でもないのにできてしまう と悩んでいる方もいらっしゃいます。乾燥がニキビの発生にどのように寄与しているのかを、考えていくと、わかりやすくなるかと思います。
- 肌の乾燥が進むことで 角質は剥がれやすくなります。粉を吹いたようになることもあると思います。
- 角質が剥がれやすくなると 皮膚は新しい角質を作らなければいけませんので、間に合わせの角質を作ってしまいます。
- とりあえず作られた角質は 性能がよくありませんので、肌に必要な水分を十分に保持することができません。「不全角化」
- ますます乾燥が進みます。
- 肌の乾燥を何とかしなければいけませんので、皮脂腺から皮脂が増産されます。
- 皮脂の量が増えることで、皮脂を食料としている常在菌 ニキビ菌の量も増えます。
- とりあえず作られた角質は性能が悪いため、毛穴が閉じたりします。(逆に毛穴が広がって見えたりもしてきます。)
- ニキビが発生
かなりザックリとした 説明ですが、おおよそ このような流れにあります。
乾燥ニキビ対策には、未熟な角質細胞で覆われてしまう「不全角化」の状態を理解する必要があります。
不全角化とは?
表皮は約28日周期で新しく入れ替わっていきます。ターンオーバーと言われます。正常な角質はこの周期で入れ替わっていきますが、何らかの原因でターンオーバーが早くなり、ちゃんとした細胞を作ることが間に合わず まだ成長していない未熟な細胞で覆われてしまっている状態のことを「不全角化」と言います。
もう少し深く説明すると、通常の角質細胞は核がありませんが、未熟な角質細胞には核が残っています。
この未熟な細胞に覆われている皮膚は 十分に水分を保持しておくことができません。また外部からの刺激からも十分に防御することもできず 肌が敏感に反応してしまいます。化粧水でもひりついてしまうことに繋がっていきます。
乾燥ニキビ対策は、角質の回復
肌が乾燥して未熟な角質に覆われてしまうことで、肌は敏感に,ニキビができやすくなる。このような流れがあることは、理解していただけたと思います。
乾燥に伴いできてきたニキビをどのように治療していくか ということですが、兎にも角にも 角質の回復が重要になります。
乾燥してニキビができている方の多くは、肌に赤みがあり、粉を吹いたようになっていることも多く 且つ 肌が敏感なため、使用できる保湿剤も限定されていることが多いように思います。
乾燥が原因でニキビが出来る場合には、兎にも角にも 保湿をして 角質の保護に努めて 角質の回復を促すことが重要です。いきなり 今まで使用できなかったような化粧品を使用するようなことをすれば、トラブルがおきますから、少しずつ変えていくようにすると良いでしょう。
また、洗顔方法の見直しも重要です。
洗顔は、皮脂を取り除き,角質を剥がします。やりすぎて不全角化を起こしている場合が少なくありません。特に ニキビで悩まれている方の多くは、非常に丁寧に洗顔をされます。これは日本人の気質に因るものなのかもしれません。丁寧に洗顔してしまうがために 負のスパイラルに陥っているかもしれません。
かと言って、全ての洗顔・クレンジングをやめなければいけないということではありません。
朝だけ、ぬるま湯洗顔にしてみる こともひとつの方法です。
いずれにせよ、いきなり変化させてしまうことだけは行わないようにしてください。肌は急な変化には対応できません。
当院での乾燥ニキビ対策
当院では、乾燥が原因でニキビができていると診断した場合には、兎にも角にも 角質の回復に努めるため、まず以下の方法をおこなっていきます。
できることであれば、週1回程度のペースで おこなっていくことで、乾燥からの回復を促進させていくことができます。治療が進んでいくことで、肌の赤みが軽減していきますし、化粧水などが染みたりすることが減少します。(化粧水の種類によって滲みるのではなく 角質の状態が悪いので滲みることがわかります。)
ある程度回復が進んできたところで、ケミカルピーリング、レーザー等を検討していきます。
にきびの治療は画一なものではありません。肌状態に合わせて 柔軟に対応していく必要があります。