サブシジョンRF治療を開始します。
やっとスムースライナーによる治療の準備が出来ました。導入してから開始するまで時間を頂きましたが、宮田先生を始め多くの方にご協力いただき感謝しています。治療内容については 新たにページを作る予定ですが、先行してモニターを募集することにしました。
にきび跡治療 3種のアプローチ
ニキビ痕の治療では
- 肌を少しずつ入れ替えを行う
- 真皮層のコラーゲン造成を促進させる
- 真皮~皮下で引きこまれている結合織を処理する
これらの対策を複合的に行う必要があります。
1.2の治療は多くなされていましたが、3は古典的な手法の一つでありながら 日本ではあまり受け入れられなかった経緯があります。
今回導入したスムースライナーは 特殊な形状の剥離子で 結合織を引き剥がしつつ 加熱を行うことができる機器です。
サブシジョン・RFの特徴
現状で当院が行なっているニキビ跡治療は以下のようになります。
- 肌の置換
フラクショナル機器を用いて 肌の入れ替えを進めながら 真皮層を高周波,もしくはレーザーで加熱、コラーゲンのリモデリングを促します。 - サブシジョン・マイクロサブシジョン
大きく引きこまれてクレーター状になったニキビ跡の下部を引き剥がす作業(サブシジョン)を行います。
今回導入したサブシジョンRFは、剥離と加熱を同時に与えることができます。
サブシジョンRFの作用は以下のようになります。
癒着をカット
皮膚の陥凹部は 線維組織によって下部に引き込まれています。そこで癒着している下部を 特殊な形状の先端でカットしリリースします。
高周波で熱を加えます。
皮膚深層の癒着を剥離することで 引き込まれが軽減されます。その場所で 高周波を発生させることで 熱影響を与えます。この作用で コラーゲン造成が促進されることで 陥凹部位の改善が期待できます。
ヒアルロン酸などの注入材を併用
剥離を行なうことで 陥凹の症状は軽減されますが、再癒着を軽減しつつ 足りないボリュームを埋める目的で ヒアルロン酸等の充填を必要に応じて行ないます。新たにコラーゲン造成が得られる間の維持にもこのような方法は 必要になります。
サブシジョンについては、より浅いニキビ跡についても治療可能な「マイクロサブシジョン」と共に総合ページで説明しています。こちらも参照ください。
万能ではない。適応を知ることが重要です。
サブシジョンRFによるニキビ跡治療は 残念ながら万能な方法ではありません。にきび跡の種類によってあまり効果が期待できない場合があります。
にきび跡の形
にきび跡には大きく3種類あります。
- アイスピックスカー: キリで穿ったようなニキビ跡 真皮を超えていることも多い
- ボックスカー: 底が平坦で 丸め 浅いものと深いもので分けることが多い。
- ローリングスカー: 底面が筋膜などに癒着していたりして 波打っているようにみえる
一番効果を発揮する種類は 3番のローリングスカー。筋膜との癒着を剥がし、引き込まれている部位を改善させることがで可能です。
一方 アイスピックスカーは 牽引部位を剥がすことができると思いますが、実際には困難なことが多いです。
ボックスカーは、比較的大きなものが対象となります。
にきび跡の硬さ
サブシジョンで けん引する瘢痕組織を 剥離子ても 十分に引き上がらない場合があります。多くの場合は、上部のにきび跡が固く 進展してくれないことに起因します。せっかく持ち上がっても その形で盛り上がることになったりします。
サブシジョンを行えば何でも解決するわけではなく にきび跡の硬さを取り除いて上げる必要があります。
そこで重要になる治療法が フラクショナル機器です。瘢痕部位を少しずつ入れ替えていくことで にきび跡を柔らかくぼかしていってくれます。この段階で 必要であればサブシジョンを行うことで、効率よく治療を進めていくことが出来ます。
にきび跡を指で伸展させて 広がる 平らになる ようでしたら サブシジョンの効果が期待できます。
治療間隔
皮膚は元の形に戻ろうとする力があります。そのため複数回必要となります。
スムースライナーは 瘢痕部位を剥離し熱影響を同時に与えることが出来る機器ですが、その作用が強いため、数ヶ月に1度のペースで必要に応じて行ないます。
リスク
皮膚深層~皮下を剥離しますので、術後の腫れ・内出血があります。
皮膚を下層から強力に加熱することができる機器ですので、表面まで赤みや熱傷が起きる場合も考えられます。皮膚表面の皮剥けなどが起きることがあります。強力な効果があることの裏返しの作用とも言えます。
フラクショナルアブレーションとの併用
スムースライナーのニキビ跡治療は 単体で完結するようなものではなく いくつかの治療と組み合わせることで その効力を発揮します。ニキビ跡治療の主体はあくまでフラクショナル機器です。その効果を高める目的で使用する形が 適切な方法と考えています。
なんでもサブシジョンRFを行えば良い というものではなく 初めにフラクショナルアブレーションで肌の置換を行ない ある程度の改善を見てから適宜使用することが良いと考えています。
当院は、肌の置換とクレーターの挙上を同時行うことがニキビ跡治療に必要であると考えています。詳細は、ニキビ跡治療総合ページに各種治療法との関係やダウンタイムについて記述していますので、参考にされると良いでしょう。