肌の ターンオーバーSkin Turnover
研究で示された日数と、
肌の表面では、毎日、目に見えないほど小さな角層の細胞がはがれ落ちています。その下では新しい細胞が生まれ、少しずつ上へ運ばれています。この入れ替わりが、肌のターンオーバーです。
「肌は28日で生まれ変わる」「ターンオーバーを促進しよう」とよくいわれます。けれども、研究ごとの日数は、何を測り、どう計算するかによって、約20日から50日近くまで変わります。ターンオーバーは、速ければよいというものではなく、速すぎても遅すぎても、肌はうまく整いません。
「ちゃんとピーリングをする。しかしやり過ぎない。他の日はひたすら保湿に専念する。」2014年に、私はこのサイトの記事にこう書きました。研究と照らし合わせた今も、この考えは変わっていません。院長 佐藤 雅樹
当時の2本の記事「肌を乾燥から守ることも ニキビ対策には必要です」と「ケミカルピーリングについて一言」は、このページにまとめ直しました。
このページのポイント
- 「28日」はよく使われる目安です。研究で示された日数は、角層だけなら若い成人で約20日、表皮全体では見積もりで39日、計算し直すと47〜48日と、測り方や計算の仕方で変わります
- はがれが滞ると、古い角層が表面に残ります(遅すぎる乱れ)。急いでつくられると、できあがる前の角層が表に出てきます(速すぎる乱れ)
- 角層をくり返しはがした実験では、核が残ったままの細胞が現れる不全角化がみられました。問題になるのは、角質を取ることよりやりすぎだと考えています
- ターンオーバーは、速めるより整えるもの。保湿を土台にし、角質を取るケアはやりすぎないことが基本です
- 当院の治療の間隔は、表皮の入れ替わりや真皮の回復にかかる時間をもとに決めています
- 肌画像分析(VISIA)では、ターンオーバーの結果として表れるキメ・毛穴・色ムラを確かめられます。入れ替わりの日数そのものは写りません
「28日」の中身が気になる方はターンオーバーは何日?、角質ケアのしすぎが気になる方はターンオーバーは促進したほうがよい?をご覧ください。
この記事の目次
肌のターンオーバーとは?
肌のターンオーバーとは、表皮のいちばん下(基底層)で生まれた細胞が、形を変えながら上へ運ばれ、角層としてはがれ落ちるまでの入れ替わりです。「肌の生まれ変わり」とも呼ばれます。
基底層で絶えずつくられる新しい細胞は、ベルトコンベアに乗るように下から押し上げられ、上へ行くほど平たくなっていきます。いちばん外側の角層に着くころには、核のない、薄く平たい細胞(角質細胞)になっています。ふだん「角質」と呼ばれているのは、この細胞です。
角層は、この平たい細胞がれんがのように積み重なった層です。肌の水分を逃がさず、外からの刺激を防ぐバリアの役目をしています。表皮と真皮の位置関係は、美肌治療・肌育のページの断面図でもご覧いただけます。
顔の角層は約9層
東北大学皮膚科の研究グループが、301名の皮膚で、角層の細胞が何層に重なっているかを数えています。顔は約9層、首は約10層、体幹は約13層でした。手のひらと足の裏は約47層、かかとは約86層と、場所によって大きく違います。層の数を、別に測られた水分の逃げやすさのデータと比べると、層の多い場所ほど、水分は逃げにくいようです(参考文献1)。
顔は、体の中でも角層が薄いほうです。その分、こすったり、はがしたりする影響を受けやすい場所です。
ふだんのはがれ落ちは目に見えない
健康な肌では、角層の細胞は1枚ずつ、または数枚ずつはがれていくので、目には見えません。細胞どうしをつなぎとめている構造が、肌の中の酵素で少しずつ分解され、はがれる準備が整います。分解が進むには、角層の中の水分が欠かせません(参考文献2)。肌の表面は、下から押し上げてくる新しい細胞と、上ではがれていく古い細胞のつり合いで保たれています。このつり合いが崩れた状態が、いわゆる「ターンオーバーの乱れ」です。
ターンオーバーは何日? 「28日」と研究の数字
ターンオーバーの周期(入れ替わりにかかる日数)は、「28日」が目安としてよく使われます。研究では、角層だけなら若い成人で約20日です(参考文献3)。表皮全体では、平均39日と見積もられています(参考文献4)。同じデータを計算し直すと、47〜48日になります(参考文献5)。
| 何を測ったか | 測り方 | 日数 |
|---|---|---|
| 角層だけ | 皮膚に付けた |
若い成人で 参考文献3 |
| 表皮全体 | 細胞分裂の |
平均39日 参考文献4 |
| 表皮全体 |
層ごとの |
47〜48日 参考文献5 |
測り方で日数が変わる理由
いちばん短い約20日は、表皮の外側にある角層だけを測った数字です。皮膚に蛍光色素を付け、その色素が角層と一緒にはがれ落ちて見えなくなるまでの日数を数えています(参考文献3)。
表皮全体の39日は、細胞分裂の目印を使った測定(参考文献4)からの推定です。
その後、旭川医科大学の研究者が、計算の仕方を見直しました。表皮を「細胞が増える層」「成熟していく層」「角層」に分け、それぞれの入れ替わりの時間を足し合わせるべきだと考えたのです。同じデータで計算し直した結果が、47〜48日です(参考文献5)。
「28日」は、角層だけの日数とも、表皮全体の日数とも別に、目安として広まってきました。28日という日数を直接測った研究は、当院で調べた範囲では見つけられませんでした。
「20代は28日、40代は55日」は本当?
年代ごとの日数を、人の皮膚で測って示した研究は見当たりません。インターネットなどで見かける年代別の表を、このページで紹介していないのはそのためです。
年齢でターンオーバーは遅くなる?
年齢とともに、肌のターンオーバーは遅くなる傾向があります。蛍光色素で角層の入れ替わりを測った研究では、若い成人で約20日だったのに対して、年配の人では10日以上長くかかっていました(参考文献3)。
この研究の追加の分析では、入れ替わりの速さは若いうちはあまり変わらず、50歳を過ぎてから大きく落ちていくようです。角層の重なりの数は年齢で変わらないことから、遅くなったのは下の層で細胞をつくる力が落ちたためだと、著者らはみています(参考文献3)。
顔では、場所によって速さが違う
若い人(24〜34歳)と年配の人(66〜83歳)、各10名の顔・首・前腕の8か所で、角層の入れ替わりを比べた研究があります。どちらの年代でも、ほうれい線のあたりと前腕で遅く、あごなどで速い傾向がありました。
鼻と首では、むしろ若い人のほうが、年配の人より遅くなっていました(参考文献6)。年齢とともに遅くなるという結果が、顔のどこにでも同じように当てはまるわけではなさそうです。炎症後色素沈着のページでも、レーザーの後の回復の速さが、顔の場所によって違うことに触れています。
「つくる側」と「はがれる側」
この章の初めに紹介した研究(参考文献3)の著者らによれば、年齢による遅れは、下の層で細胞を「つくる側」の変化です。乾燥などで角層がはがれにくくなるのは、表面の「はがれる側」で起きる変化です。どちらも「ターンオーバーが遅い」といわれますが、起きている場所が違います。
年をとると、日光による老化(光老化)も重なってきます。加齢そのものとの違いは、光老化のページで詳しく書いています。
ターンオーバーの乱れとは? 遅すぎるとき・速すぎるとき
乱れ方には、向きの違う2種類があります。はがれるはずの角層が残ってしまう「遅すぎる」乱れと、角層ができあがる前に表に出てしまう「速すぎる」乱れです。肌の見え方も、手当ての仕方も違います。
遅すぎるとき(はがれが滞る)
乾燥した肌では、細胞どうしをつなぎとめている構造の分解がうまく進まず、はがれ落ちるはずの角層が表面に残ります。残った角質は1枚ずつではなく、粉をふいたような、目に見えるかたまりになってはがれます(参考文献2)。
顔では、古い角質が残ると、表面のごわつきにもつながります。光の反射がばらつき、肌がくすんで見えることもあります。顔のくすみのページで「表面のくすみ」と呼んでいるのは、このことです。毛穴の中で角質がうまくはがれずにたまると、ニキビの始まりにもなります(毛穴が詰まる理由)。
乾燥が続くと、はがれ方が乱れるだけでなく、弱ったバリアを補おうと下の層が細胞づくりを急ぎ、核の残った細胞が出てくることもあります。2014年の乾燥とニキビの記事では、乾燥から始まるこの流れを取り上げました。
速すぎるとき(不全角化)
角層を無理にはがし続けると、表皮はその速さに追いつこうとします。健康な人の皮膚を、テープで24時間おきに5回はがした実験では、表皮の下の層で細胞分裂が増えました。表皮は厚くなり、核が残ったままの角層の細胞も現れました(参考文献7)。
本来、表皮の細胞は、上へ運ばれる途中で核がなくなります。核が残ったまま角層まで出てきた状態を、不全角化(ふぜんかくか)といいます。
角層には、バリアの乱れの目印になるたんぱく質があり、資生堂の研究者らがその量を測っています。この目印が多い肌ほど、水分が逃げやすく、不全角化の細胞も多い傾向がありました。目印が多い人は、外からの刺激でバリアが崩れやすかったとも報告されています(参考文献8)。
「家庭用ピーリング剤を毎日使っていたら、どんな化粧水もつけるとビリビリするようになった」と言われる方もいらっしゃいます。以前の記事では、こうしたお話に続けて、次のように書いています。
頻繁に取り除いていった結果、表皮はそのスピードに追いつけなくなっていきます。追いつけないため、出来損ないの角質を作ってしまうことになります。2014年の院長の記事「ケミカルピーリングについて一言」より
先ほどのテープの実験(参考文献7)でも、くり返しはがした皮膚に不全角化が現れていて、この考えと合っていると思います。
膜の未熟な細胞
核のあるなしとは別に、細胞を包む外側の膜(周辺帯)がまだ固まりきっていない細胞もあります(膜の未熟な細胞)。この膜は、角層が水分を保つのに欠かせないものです。
バリアの弱い角層に現れる細胞で、健康な人の顔の角層にも混ざっています(参考文献9)。このあと紹介するピーリングと保湿の研究で減ったと報告されているのは、この細胞です。
ターンオーバーは促進したほうがよい?
「ターンオーバーを促進」という言い方に、私は少し違和感があります。角質を取るケアは入れ替わりを速めますが、強さと頻度しだいで、肌を整えることもあれば、乱すこともあります。
ターンオーバーを整えるとは、入れ替わりの速さを上げることではなく、はがれるべき角層がはがれ、きちんとした角層ができる流れに戻すことです。
ピーリングで、角層の下に起きること
ピーリングは「古い角質を取り除くから、肌が新しくなる」と説明されがちです。この説明は少し違うと、私は2014年のピーリングの記事に書きました。薬剤は角層の表面だけでなく、比較的深くまで届いています。その作用で表皮全体の新陳代謝が高まり、新しい表皮がつくられた結果として、古い角質がはがれてくると考えています。
また、薬剤を使わずテープで角層をはがしただけでも、その下の層で細胞分裂が増えることが、先ほどの実験でわかっています(参考文献7)。どちらの場合も、影響は角層の表面だけにとどまりません。
研究の結果は分かれています
角質を取る3つの研究
研究ごとに方法も部位も違いますが、問題になるのは角質を取ることそのものより、やりすぎだと考えています。
ピーリングの頻度、どこからが「やりすぎ」?
ご自宅のケアは、回数で決めるより、肌に出るサインを目安にしたほうがよいと思います。やりすぎになる頻度の境目は、研究では決まっていません。肌の状態や、使うものの強さ、洗顔の仕方によって、同じ頻度でも結果が変わるからです。
角質ケアを見直す合図
- 化粧水がしみる、ひりつくようになった
- 赤みや乾燥が続くようになった
こうした変化が出てきたら、角質を取るケアはいったん休み、保湿を中心にしてください。化粧品を一度に全部変えるより、少しずつ変えていくほうが、肌は落ち着きやすくなります。
肌質を良くしようと、週2回など頻繁に市販のピーリング剤を使っている方がいます。かえって肌の乾燥が進み、VISIAの拡大画像で見ると、角層がはがれかけているのがよく見えたりします。さらに毛穴が開いて見えたり、毛細血管の拡張で赤みがかって見えたりすることもあります。かえってくすみが目立っている場合も少なくありません。どのくらいで落ち着くか。スキンケアの見直しや保湿で回復を促しますが、今までのスキンケアを直すのにどのくらいの期間がかかるかで、回復期間は大きく変わります。院長 佐藤 雅樹洗顔も、角質を取るケアのひとつです。ピーリングの記事には、「ゴシゴシしているようでしたら、立派なピーリングです」とも書きました。市販のピーリング剤とピーリング剤入りの洗顔料を一緒に使ったり、ほぼ毎日ピーリングをしたりするのが習慣になっている方に、診察室でよくお会いします。その組み合わせに拭き取り化粧水まで加わると、三重にピーリングをしていることになります。
本当に熱心にピーリングをされる方は、ご自身で非常に丁寧になさるため、それが結果として肌の負担になってしまっていることがあります。ですから、やればやっただけよいのではなく、何事もよい塩梅でとどめることが重要になります。
保湿は、角層を整える土台
冬の顔の肌では、夏に比べて角層の働きが落ち、軽い炎症も起きていることがわかっています。そこに注目した東北大学皮膚科の研究グループが、若い女性16名の顔の片側にだけ、保湿クリームを1日2回、6週間塗ってもらう試験をしました。
塗った側では、肌のうるおいが増え、水分が逃げにくくなり、膜の未熟な細胞も減っていました(参考文献13)。地味ですが、私が保湿をまずお勧めするのはこのためです。毎日のスキンケアのこつは、顔のくすみのページにも載せています。
クリニックで行うピーリング
日本皮膚科学会のガイドライン(参考文献14)では、ケミカルピーリングは、医師が責任をもち、厳しく管理して行うものとされています。当院では、肌の状態を診ながら、ピーリングの強さと間隔を決めています。ピーリングはクリニックで受けていただき、ほかの日は保湿に徹するのが理想です。冒頭に引いた2014年の言葉も、この形のことでした。
治療の間隔とターンオーバー
治療と治療のあいだをどれだけあけるかは、施術の後に表皮が入れ替わる時間や、真皮が回復する時間から考えています。肝斑のように、間隔をあけすぎないほうがよい治療もあります。
| 治療 | 間隔の目安 | 間隔を決めている理由 |
|---|---|---|
| 当院の |
2〜4週間に |
はがした角層が |
| フラクショナル |
およそ |
照射した |
| 顔全体の |
1か月〜 |
色を含んだ |
| 肝斑の治療 | 週1回など | 入れ替わりに |
| ニキビ跡 |
2〜3か月 | 真皮で |
レーザーは医師が照射し、その日の肌を診て、強さと間隔を加減します。ここに挙げた間隔は目安です。治療の組み合わせなどによっても変わります。シミの治療はシミ取り治療、ニキビ跡はニキビ跡治療のページでご案内しています。
治療の組み立て方は、美肌治療・肌育のページで紹介しています。
VISIAで見えること、見えないこと
VISIAは、肌を撮影して状態を解析する機器です。画像に写るのは、肌の凹凸(キメ)、毛穴、色ムラ、赤みなど、入れ替わりの結果として見た目に表れたものです。日数そのものは写りません。肌画像分析について詳しくは、肌診断機器の紹介のページをご覧ください。
角層がはがれかけている様子は、VISIAの拡大画像でご一緒に確かめられます。同じ条件で撮影を重ねると、スキンケアを変えた後や治療の前後で、肌の変化を比べられます。
初診では、画像をもとに進め方を決めます
仙台市青葉区の美容皮膚科、ソララクリニックでは、ターンオーバーの乱れが関わる肌のご相談をお受けしています。角質ケアのしすぎによる乾燥や赤み、古い角質が残ることによるごわつきやくすみなどです。
撮影した画像をご一緒に見ながら、今の肌で何が起きているのかをご説明し、スキンケアの見直しや治療の進め方をご提案します。
初診の日に治療の計画を立て、治療は原則として次回から始めます。初診料は、VISIA肌画像分析の費用を含めて3,300円(税込)です。
ご予約はお電話で承っています。診療時間は10時〜18時30分(水曜定休)、場所は仙台駅西口から徒歩約5分です。
ご予約・お問い合わせ
よくあるご質問
ターンオーバーは28日ではないのですか?
28日は、あくまで目安です。研究では、いちばん外側の角層だけで約20日(若い成人)、角層を含む表皮全体で39日(推定)、計算の仕方を変えると47〜48日でした。
28日ちょうどを測った研究は、当院で調べた範囲では見当たりません。年齢や顔の場所によっても違うため、決まった日数で入れ替わるわけではありません。
ターンオーバーを促進するには、どうすればよいですか?
速めることより、整えることを目指してください。角質を取るケアは、しみる、赤みが引かないといったときには休み、保湿は毎日続けます。クリニックで受けるピーリングなら、強さや次までの間隔は、こちらで調整します。
顔の皮がむけるのは、ターンオーバーが速いからですか?
速いからとは限りません。健康な肌の角層は、気づかないほど少しずつはがれています。皮むけや粉ふきは、乾燥ではがれ方が乱れたときにも、角質を取るケアで入れ替わりが急に進んだときにも起こります。ピーリングの後の皮むけは無理にはがさず、保湿を続けてください。
ターンオーバーが速すぎるかどうか、自分でわかりますか?
入れ替わりの日数を、ご自身で測ることはできません。手がかりになるのは、角質ケアを続けるうちに化粧水がしみたり、赤みが引かなくなったりすることです。そのときは角質ケアをお休みして、保湿を優先してください。粉ふきは、はがれが滞っても出るので、見分けには使えません。
不全角化とは何ですか?
角層の細胞に、核が残ったままになっている状態のことです。表皮の細胞は、ふつうは角層に着くまでに核を失います。
角層をくり返しはがして入れ替わりを急がせると、現れることがあります。不全角化の多い肌は、水分が逃げやすいうえ、刺激にも弱いと考えられています。不全角化で現れる核の残った細胞は、膜が固まりきっていない「膜の未熟な細胞」とは別のものです。
ターンオーバーを速めれば、シミは消えますか?
洗顔のしすぎでも、ターンオーバーは乱れますか?
洗顔は皮脂を落とすと同時に、角質をはがすケアでもあるので、やりすぎると乱れることがあります。洗顔のしすぎで不全角化を起こしている場合が少なくないことは、2014年の乾燥とニキビの記事でも触れました。
丁寧に洗いすぎていると感じたら、朝だけぬるま湯で洗うなど、少しずつ減らしてみてください。肌は急な変化が苦手です。
ピーリングは、どのくらいの頻度(間隔)で受ければよいですか?
当院のピーリングは、2〜4週間に1回が目安です。新しい角層ができ、肌が落ち着くまで待つための間隔です。ご自宅で角質を取るケアをしている場合は、診察のときにお知らせください。
年齢とともに遅くなったターンオーバーは、もとに戻りますか?
若いころと同じ速さに戻すのは難しくても、角層の状態は、保湿や角質ケアの見直しで変わっていきます。
年齢による変化には真皮の変化も重なるため、肌全体を診て、治療とスキンケアを組み合わせます。
参考文献
1体の場所ごとの、角層の細胞の層の数(東北大学)
要約:
本研究は、東北大学皮膚科の研究グループが、さまざまな年齢の301名から採った正常な皮膚で、体の場所ごとに角層の細胞が何層に重なっているかを、顕微鏡で数えたものです。
層の数は、場所によっても人によっても大きく違いました。少ない順に、陰部 6±2層、顔 9±2層、首 10±2層、頭 12±2層、体幹 13±4層、手足 15±4層、手のひら・足の裏 47±24層で、かかとが最も多く 86±36層でした。性別による違いははっきりせず、頬と背中では、年齢とともに層の数がわずかに増えていました(特に男性)。健康な成人のほかのデータと比べると、水分の逃げやすさ(経皮水分蒸散量)は、層の数を反映していました。
本ページでは、顔の角層が約9層で、体の中では薄いほうであること、層の多い場所ほど水分が逃げにくい傾向があることの根拠として参照しています。
2角層がはがれ落ちるしくみと、乾燥した肌(総説)
要約:
本総説は、英国ユニリーバの研究所の研究者らが、角層がはがれ落ちるしくみ(落屑)と、乾燥した肌で起きていることをまとめたものです。
健康な肌では、角層の細胞は1枚ずつ、または数枚ずつ、秩序立って、ほとんど目に見えないまま、はがれていきます。細胞どうしをつなぎとめる構造(コルネオデスモソーム)は、細胞のすき間にある酵素によって分解され、その分解を左右するのは角層の中の水分だと述べています。乾燥した肌では、この分解と、はがれ落ちの最後の段階が乱れ、肌の表面に、目に見える粉のようなかたまりができるとしています。
本ページでは、ふだんの角層のはがれ落ちが目に見えないこと、はがれるには水分が欠かせないこと、乾燥した肌でははがれが滞って粉をふくことの根拠として参照しています。
3年齢による、角層の入れ替わりの変化
要約:
本研究は、健康な人の皮膚に蛍光色素(ダンシルクロライド)を付け、その色素が皮膚の表面から消えるまでの日数で、角層が入れ替わる時間を、体を傷つけずに測ったものです。
角層を通り抜ける時間は、若い成人で約20日でしたが、年配の人では10日以上長くなっていました。著者らは、角層の層の数は年齢で変わらないことから、この遅れは表皮の細胞をつくる力が落ちたことを反映していると考えています。また、追加の分析から、入れ替わりの速さは若いうちは比較的一定で、50歳を過ぎてから大きく落ちていく可能性があると述べています。
本ページでは、角層だけの入れ替わりの日数(約20日)と、年齢とともに遅くなる傾向の根拠として参照しています。
4正常な表皮の細胞の増え方と、表皮全体の入れ替わりの日数
要約:
本研究は、細胞分裂の目印になる物質(放射性の目印をつけたチミジン)を使って、正常な人の表皮で細胞がどのくらいの速さで増え、入れ替わっていくかを詳しく調べたものです。
表皮の下の層で細胞が1回分裂する周期は311時間で、乾癬の36時間の約8倍の長さでした。著者らは、細胞が増える層・成熟していく層・角層の3層を結んだモデルをつくり、表皮全体が入れ替わる時間を平均39日と見積もっています。
本ページでは、表皮全体の入れ替わりの日数(39日・推定)の根拠として参照しています。
5表皮の入れ替わりの日数の計算し直し(旭川医科大学)
要約:
本論文は、旭川医科大学皮膚科の研究者が、表皮が入れ替わる時間(ターンオーバー時間)の計算の仕方を見直したものです。
表皮を、細胞が増える層・成熟していく層・角層に分けると、表皮全体の入れ替わりの時間は、それぞれの層の入れ替わりの時間を足したものになると述べています。そのうえで、参考文献4のデータを使って計算し直すと、表皮全体の入れ替わりの時間は39日ではなく、47〜48日になるとしています。
本ページでは、同じデータでも計算の仕方によって日数が変わること(47〜48日)の根拠として参照しています。
6顔の場所ごとの角層の入れ替わりと、年齢による違い
要約:
本研究は、米国カリフォルニア大学サンフランシスコ校の研究者らが、若い人(24〜34歳)10名と年配の人(66〜83歳)10名で、顔・首・前腕の8か所の皮膚の反応と、角層の入れ替わりの速さを比べたものです。角層の入れ替わりは、蛍光色素(ダンシルクロライド)で測っています。
角層の入れ替わりは、どちらの年代でも、ほうれい線のあたり(小鼻のわきから口元)と前腕で遅く、若い人では口の周りとあご、年配の人ではあごと額で速くなっていました。鼻と首では、若い人のほうが年配の人より入れ替わりが遅かったと報告されています。著者らは、角層の入れ替わりと皮膚の反応には、場所による違いと年齢による違いがあると述べています。
本ページでは、顔の中でも場所によって入れ替わりの速さが違い、年齢による差の向きも場所によって違うことの根拠として参照しています。
7健康な皮膚の角層をくり返しはがすと、表皮に何が起こるか
要約:
本研究は、オランダのナイメーヘン大学病院の研究者らが、健康な人の皮膚をテープで24時間おきに5回はがし、はがす前と、2・4・7・10日目に皮膚の組織を調べたものです。
くり返しはがした皮膚では、細胞分裂の増加、表皮が厚くなること、核の残った角層の細胞(不全角化)がみられました。ただし、全体としては乾癬と同じ組織の姿にはなりませんでした。著者らは、くり返しテープではがす方法は、表皮の細胞の増え方や角層の厚みの変化を調べるのに適したモデルだと述べています。
本ページでは、角層をくり返しはがすと、下の層で細胞分裂が増え、不全角化が現れることの根拠として参照しています。
8バリアの乱れの目印と、不全角化・水分の逃げやすさの関係
要約:
本研究は、資生堂の研究所の研究者らが、角層のバリアの乱れ、特に不全角化に伴う乱れの目印を探すため、テープではがした角層に含まれるたんぱく質(SCCA1)の量を測り、水分の逃げやすさ(経皮水分蒸散量)などと比べたものです。
SCCA1は、日に当たらない皮膚に比べて、乾癬の病変で466倍、スギ花粉による肌荒れで232倍、健康な人の日に当たる皮膚で90倍と、大きく増えていました。その量は、水分の逃げやすさや、角層の中の不全角化の細胞の数とよく相関していました。SCCA1の多い人は、外からの刺激でバリアが崩れやすかったとも報告されています。論文の冒頭では、不全角化はバリア機能の重い乱れと結びついている、と述べられています。
本ページでは、不全角化がバリアの重い乱れと結びついていること、バリアの乱れの目印が多い肌ほど水分が逃げやすく不全角化の細胞も多い傾向があること、同じ目印の多い人は刺激でバリアが崩れやすかったことの根拠として参照しています。相関を調べた研究で、不全角化が原因だと示したものではありません。
9「膜の未熟な細胞」と「核の残った細胞」は別のもの
要約:
本研究は、資生堂の研究所の研究者らが、角層の細胞を包む膜(周辺帯)の成熟の度合いと、核が残っていること(不全角化)の関係を、乾癬やアトピー性皮膚炎の病変と健康な皮膚で調べたものです。論文の冒頭では、膜の未熟な細胞が、顔のようにバリアの弱い角層に現れることを、著者らの以前の研究として紹介しています。
乾癬の病変では、膜の未熟な細胞も、核の残った細胞も多くみられましたが、両者の割合は相関せず、膜の未熟な細胞がいつも核を残しているわけでもありませんでした。健康な人の顔でも、同じように4通りの細胞がみられ、膜の未熟な細胞の割合は、核の残った細胞の割合より有意に高くなっていました。著者らは、膜が成熟することと核が消えることは、表皮の中で別々に調節されていると述べています。
本ページでは、膜の未熟な細胞が核の残った細胞とは別のものであること、健康な顔の角層にも混ざっていること、バリアの弱い角層に現れることの根拠として参照しています。
10あかすりで角層をこすったときの、肌の変化
要約:
本研究は、ソウル大学の研究グループが、ぬるま湯に浸けた後、粗いタオルで角層をこすり落とす韓国の入浴習慣(あかすり)を前腕で再現し、肌の水分を保つ力、バリアの働き、角層の入れ替わりの時間がどう変わるかを調べたものです。1回のあかすりによる変化は女性10名(19〜34歳)、くり返したときの変化は32名(19〜49歳)で調べています。前腕を区画に分け、区画ごとに0・5・10・15回こすっています。
1回あかすりをすると、水分を保つ力は6時間後まで下がり、その後3日目まで上がってから、ふだんの範囲に戻り始めました。水分の逃げやすさ(経皮水分蒸散量)は2日目に最も高くなり、その後下がりました。あかすりをくり返した場合は、水分を保つ力にもバリアの働きにも変化はなく、角層の入れ替わりの時間だけが有意に短くなっていました。
本ページでは、角質を取るケアでも、条件によってはバリアの指標が変わらないまま入れ替わりだけが速まることの根拠として参照しています。この研究が報告している指標に、不全角化は含まれていません。
11ピーリングに使われる酸を連日塗ったときの、角層の変化
要約:
本研究は、健康な6名の皮膚に、ピーリングに使われる酸(12%)と、ビタミンAの仲間の外用薬を、1日1回60分、週5日を2週間塗り、角層のバリアの働き、うるおい、入れ替わりの時間を比べたものです。
どちらも、塗っている間に水分の逃げやすさ(経皮水分蒸散量)が有意に増えました。酸は11日目から18日目にかけてうるおいを下げ、早いうちから強い赤みを起こしました。どちらも、何も含まない液を塗った場合に比べて角層の入れ替わりの時間を短くし、酸のほうがより短くなっていました(約13日)。著者らは、入れ替わりが速まったことは、刺激の強さとも一部で結びついているかもしれないと述べています。
本ページでは、強い角質ケアを連日続けると、入れ替わりが速まると同時に、水分が逃げやすくなり、赤みが出ることの根拠として参照しています。
12角層だけに働くピーリングと、日に当たってきた顔の角層
要約:
本研究は、九州大学皮膚科の研究者らが、角層だけに働くようにつくられたピーリング剤で、紫外線を浴びた皮膚がどう変わるかを、主にマウスで調べたものです。人の顔の皮膚の変化もあわせて報告しています。
紫外線を照射したマウスでは、毎週このピーリングを行うと、表皮の細胞の形の乱れや、紫外線の傷に関わるたんぱく質の増加が抑えられていました。日に当たってきた人の顔の皮膚では、このピーリングの4週間後に、膜の未熟な細胞が、成熟した細胞に置き換わっていました。著者らは、角層を立て直すことが、その下の細胞の状態を整えることにつながると考えています。
本ページでは、条件を選んだピーリングでは、顔の角層の成熟が進んだ報告もあることの根拠として参照しています。
13冬の顔の肌に、保湿クリームを6週間塗った半顔の試験(東北大学)
要約:
本研究は、東北大学皮膚科の研究グループが、乾燥して寒い冬には、顔の角層の働きが夏よりずっと落ち、軽い炎症が起きているという以前の結果をもとに、保湿クリームでその変化が改善するかを調べたものです。
若い女性16名の顔の片側にだけ、保湿クリームを1日2回、6週間塗り、もう片側を比べる側としました。試験の前は、水分の逃げやすさが高めで、バリアが弱っていることがうかがえました。塗った側では、肌の表面のうるおいが有意に高く、水分の逃げやすさは低くなり、炎症の目印となるたんぱく質の比と、膜の未熟な細胞も減っていました。
本ページでは、保湿を続けることで、顔の角層のうるおいとバリアの指標がよくなり、膜の未熟な細胞が減ることの根拠として参照しています。
14日本皮膚科学会 ケミカルピーリングガイドライン(改訂第3版)
要約:
本ガイドラインは、日本皮膚科学会が、ケミカルピーリングの標準的な考え方を示したものの英語版です(日本語版は日本皮膚科学会雑誌 118巻3号、2008年)。2001年版、2004年版に続く改訂版にあたります。
原則として、ケミカルピーリングは医師の厳格な技術的管理と責任のもとで行うこと、医師は皮膚と皮下組織の構造としくみ、ピーリングで起こる傷の治り方を十分に理解していること、医師は皮膚科など適切な領域の専門医であること、個々の方に合うかどうかの最終的な判断は医師が行うことを挙げています。そのうえで、根拠にもとづいて、より詳しく考え方を示しています。
本ページでは、ケミカルピーリングは医師の管理と責任のもとで行うものとされていることの根拠として参照しています。
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監修者情報(医師紹介)

監修医師:佐藤 雅樹
ソララクリニック 院長
専門分野:美容皮膚科
2000年 順天堂大学医学部卒。順天堂大学医学部形成外科入局。 大学医学部付属病院等を経て、都内美容皮膚科クリニックにてレーザー治療の研鑽を積む。2011年3月 ソララクリニック開院 院長就任。2022年 医療法人 松柴会 理事長就任。日本美容皮膚科学会 日本形成外科学会 日本抗加齢医学会 日本レーザー医学会 点滴療法研究会 日本医療毛髪再生研究会他所属。
様々な医療レーザー機器に精通し、2011年3月にルビーフラクショナル搭載機器を導入し、15年以上この治療を続けている。各種エネルギーベースの医療機器を併用する複合治療に積極的に取り組む。
※当院の治療はすべて自由診療(保険適用外)です。標準的な費用は各ページの料金表または料金表ページをご覧ください。治療に伴うリスク・副作用は診察時にもご説明します。
最終更新日
自由診療についての情報開示
医療広告ガイドライン(厚生労働省)が定める限定解除の要件にそって、次の4点を掲載しています。当院は保険診療を行っておりません。
このページについて・お問い合わせ先・治療内容と費用・主なリスクと副作用
1. このページについて
ご自身で情報をお探しの方に向けた案内です。不特定多数へ配布する広告物ではありません。
2. お問い合わせ先
ソララクリニック(仙台市青葉区花京院1-2-15 ソララプラザ2F)/電話 022-722-7090(完全予約制・水曜定休)/お問い合わせフォーム
3. 治療内容・費用・回数
このページは肌のターンオーバーのしくみについての解説で、特定の治療をご案内するものではありません。本文で触れた治療(ピーリング、フラクショナルレーザー、シミ・肝斑・ニキビ跡の治療)の内容と費用は、それぞれの治療のページと料金表でご案内しています。初診料は3,300円(税込・VISIA肌画像分析を含む)。回数と間隔は肌の状態によって異なり、診察の際にご説明します。
4. 主なリスク・副作用
治療の種類によって異なります。ピーリングでは赤み・ひりつき・皮むけ・乾燥、レーザーでは赤み・腫れ・かさぶた・一時的な色素沈着、ニキビ跡の治療で針を使う場合は、内出血・腫れなどが起こることがあります。各治療のリスク・副作用は、それぞれの治療のページと、診察の際にご説明します。