光老化Photoaging
年齢による老化との違いと、
顔と、二の腕の内側の肌を見比べてみてください。同じ年月を過ごしてきたはずなのに、キメの細かさや色の均一さ、ハリの感じが違って見えるのではないでしょうか。
この差をつくっている大きな要因が、日光です。肌の老化には、年齢とともに体のどこでも進む「年齢による老化(自然老化)」と、日光を浴び続けてきたことで進む「光老化」の2種類があります。顔ではこの2種類が重なり、日に当たらない二の腕の内側で進むのは、ほぼ年齢による老化だけです。
光老化の進み方は、これから浴びる日光しだいです。すでに起きた変化にも、治療でできることがあります。このページでは、研究でわかっていることと、診察室で見ていることの両方からお話しします。
診察で肌画像診断装置VISIAの紫外線写真を一緒に見ていると、まだシミの見えない若い方にも、日焼けの跡が写っていることがよくあります。そこから日焼け止めを習慣にされる方が、たくさんいらっしゃいます。光老化は、気づいたときから減らしていける老化だと私は考えています。院長 佐藤 雅樹
このページのポイント
- 肌の老化には、年齢による老化(自然老化)と、日光による光老化の2種類があります。顔には、その両方が重なっています
- 日光を浴びてきた肌の奥(真皮)では、コラーゲンが減り、形の崩れたエラスチンがたまっていきます
- 「老化の8割は紫外線」の根拠としてよく引かれるのは、南フランスで白人女性を調べた研究です。アジアの方では、シミが目立ちやすい一方で、しわも主な変化だったと報告されています
- 日焼け止めを毎日塗った人では、4年半たっても、測定できるほどの老化の進みがみられなかったという無作為化試験があります
- すでに起きた光老化にも、色素の治療や、新しいコラーゲンをつくる反応を促す治療で、シミ・色ムラやキメ・小じわ・ハリの改善を目指せます
- 当院では、VISIAの紫外線写真で、肉眼では見えにくい日焼けの跡(かくれジミ)をご一緒に確かめ、これからの紫外線対策と治療の進め方を決めていきます
「老化の8割は紫外線」の中身が気になる方は光老化は老化の何割?、すでに起きた変化が気になる方は光老化は回復する?をご覧ください。
この記事の目次
光老化とは? 年齢による老化との違い
光老化(こうろうか)とは、日光、主に紫外線を長い年月にわたって浴びてきたことで進む肌の老化です。年齢による老化は、日に当たるかどうかに関係なく、体のどこでも進みます。光老化は、どれだけ日光を浴びてきたかと、生まれ持った肌の色によって進み方が変わります。
屋外で過ごす時間が長い人、日差しの強い地域に住む人、肌の色が明るい人ほど進みやすいとされています(参考文献2)。
日に当たる皮膚と当たらない皮膚
6〜84歳の83検体で、日に当たる皮膚と当たらない皮膚を顕微鏡で比べた研究では、その差が数字ではっきり表れています。
日に当たらない皮膚では、真皮(肌の奥でハリを支える層)のコラーゲンを染めたときの濃さ(量の目安)が変わったのは、80代になってからでした。一方、日に当たる皮膚では、年代を追ってコラーゲンが少なくなっていました。
真皮のコラーゲンの多くを占めるⅠ型の染まり方は、10歳未満の82.5%から80代の53.2%へと下がっていました。次に多いⅢ型も、80.4%から44.1%へと下がっています。顔の皮膚では、40代以降、コラーゲン線維の並びも乱れて見えたと報告されています(参考文献1)。
日に当たりやすい場所と当たらない場所の肌を比べると、老け方の違いに驚かれる方は多いと思います。私は、この差に、紫外線が肌に与える影響の大きさがそのまま表れていると考えています。
見た目のサインの違い
南フランスの白人女性を調べた研究では、見た目のサインによって、結びつきの強いものが違っていました。シミ・色ムラは日光と、顔の輪郭などのたるみは年齢と結びつきが強く、しわとキメには両方が関わっています(参考文献4)。
| 年齢による |
光老化 | |
|---|---|---|
| 起こる場所 | 日に |
顔・首・ |
| 進み方を |
年齢 | 浴びてきた |
| 真皮の変化 | コラーゲンが |
コラーゲンが |
| 結びつきの |
顔の輪郭 |
シミ・色ムラ |
| 両方が |
しわ・キメ | |
年齢を重ねると、コラーゲンなどをつくる力が落ちて皮膚が薄くなり、うるおいを保つ力も落ちて乾燥しやすくなります。皮膚が薄くなることはしわやたるみの、乾燥は小じわの背景になり、どちらも光老化と重なっていきます。肌の土台から整えていく方法は、美肌治療・肌育のページにまとめています。
日光を浴びた真皮で起きていること
日光を浴びると、肌の中ではコラーゲンを分解する酵素が増え、コラーゲンをつくる働きも弱まります。これが毎日の日差しで繰り返され、積み重なっていくことが、光老化の大きな原因と考えられています(参考文献9)。
UVAとUVBの違い
肌に届く紫外線には、波長の長いUVAと、短いUVBがあります。UVBは主に表皮に働き、日焼けで肌を赤くしたり、シミのもとになったりします。UVAは真皮まで届き、コラーゲンやエラスチンが傷むことに関わるとされています。日焼け止めのSPFはUVBを、PAはUVAを防ぐ力の目安です。
赤くならない日差しでも
UVBも、コラーゲンと無関係ではありません。米国ミシガン大学のグループは、人の皮膚に紫外線(UVB)を照射して、皮膚の中で何が起きるかを調べています。
照射から数時間のうちに、コラーゲンやエラスチンを分解する酵素(マトリックスメタロプロテアーゼ)が増えていました。この反応は、肌が赤くなる量よりずっと少ない紫外線でも起きています(参考文献3)。
論文の著者らは、増えた酵素がコラーゲンやエラスチンを壊し、その修復が不完全だと「日光による傷あと」が残る、と提案しています。一生分の日光でその傷あとが積み重なると、光老化につながるという考えです(参考文献3)。
ここがポイント
肌が赤くならない程度の日差しでも、肌の中ではコラーゲンを分解する酵素が増えています。
日焼け止めは、夏に限らず一年中使うのが基本です。
形の崩れたエラスチン
光老化した真皮では、コラーゲンが減り、代わりに、弾力を生むエラスチンが増えていきます。増えるのは、本来のしなやかな線維ではなく、形の崩れたエラスチンです。
先ほどの組織の比較でも、日に当たる皮膚ではエラスチンの染まり方が、10歳未満の56.5%から80代の75.2%へ増えていました。顔では、形の崩れたエラスチンが、失われたコラーゲンの場所を埋めているように見えた、と著者らは述べています(参考文献1)。
弾力のもとは増えているのに、肌のハリはかえって落ちていきます。光老化した真皮は、肌を黄色っぽく見せることもあります。詳しくは黄ぐすみのページにまとめています。
年齢による老化と光老化は、真皮の中で共通のしくみをもつこともわかってきています(参考文献2)。どちらでも、コラーゲンをつくる働きが弱まり、分解する酵素が増える方向に傾きます(参考文献9)。日光は、年齢による老化に重なって、それを早めるものと捉えるとわかりやすいと思います。
光老化は老化の何割?
「老化の8割は紫外線」とよくいわれます。根拠としてよく引用される研究では、顔に見える老化のサインの点数のうち、約8割を、日光の影響を受けやすいサインが占めていました。老化の原因の8割を突き止めた数字ではないので、読み方に注意が要ります。
よく引用される研究の中身
8割という見積もり自体は、この研究より前からありました(参考文献4)。顔の写真から実際に計算した研究としてよく引用されるのが、フランスの化粧品会社ロレアルの研究者らが2013年に発表した論文です。
調べた場所は、日差しの強い南フランスのモンペリエです。対象は30〜78歳の白人女性298名で、日光を好む群(157名)と避ける群(141名)に分けています。顔の老化のサイン22項目を、写真で評価しました(参考文献4)。
80%という数字は、日光の影響を強く受けると判断された18項目の点数が、22項目全体の点数に占める割合(平均80.3%)です。22項目のうち18項目、つまり項目の数でも約8割が「日光の影響を受けやすいサイン」として数えられていました。
「8割」の中身
- 対象:南フランスの白人女性298名(30〜78歳)
- 評価:顔の老化のサイン22項目を、写真で採点
- 計算:日光の影響を受けやすい18項目の点数が、全体に占める割合(平均80.3%)
日本人にも当てはまる?
この論文で調べたのは、日差しの強い南フランスの白人女性だけです。光老化の進み方は肌の色によっても変わるので(参考文献2)、日本人にそのまま当てはまる数字ではありません。
私自身は、肌の老化の原因の多くを占めるのは紫外線だと考えています。8割かどうかはともかく、老化対策の柱は紫外線対策です。
アジアの方の肌の老け方
アジアの方の肌では、しわの出始めが遅い一方で、シミが目立ちやすいと報告されています。しわは40代で急に進むことがあり、韓国の調査では、しわも主な特徴でした。
中国人とフランス人の比較
ロレアルの研究者らが、20〜60歳の中国人女性とフランス人女性を各160名比べた、予備的な調査があります。中国人女性はしわの出始めが約10年遅く、40〜50歳の間に急に進んでいました。
中国人女性では、シミ(色素斑)がフランス人女性よりも大きな老化のサインで、40歳以上の30%で重度でした。フランス人女性で重度だったのは、年齢を問わず8%未満です(参考文献5)。
韓国人407名の調査
アジアの方の光老化は、色素の変化が中心だと考えられてきました。ところが、ソウル大学のグループが韓国人407名を調べたところ、しわも、色素の変化と並ぶ主な特徴でした。喫煙、浴びてきた日光の量、女性であることが、それぞれしわの危険因子として挙がっています(参考文献6)。
どちらの調査にも日本人は含まれていませんが、日本人と肌の色が近い、東アジアの方の傾向として参考になります。顔のシミや色ムラが気になり始めたら、光老化が表に出てきたサインかもしれません。色ムラは、顔のくすみの原因にもなります。
見た目の年齢は、日光でどのくらい変わる?
遺伝子が同じ一卵性の双子でも、日光を多く浴びてきた人のほうが年上に見え、その差は年齢を重ねるほど広がっていました。南フランスの白人女性の研究では、日光の影響を受けやすいサインの割合が2%違うと、見た目の年齢がおよそ3歳違って見えました(参考文献4)。
双子の研究は、米国で一卵性の双子186組の顔写真を比べたものです。屋外で過ごすことが多かった人や、日焼け止めを使ってこなかった人も、年上に見える傾向がありました。たばこを吸ってきた年数が長い人ほど、年上に見えることもわかっています(参考文献7)。
生まれ持った肌が同じでも、何十年かの過ごし方で、見た目の年齢は変わっていきます。日光は、その中でも自分で減らしやすい要因です。
たばこと肌の関係は、スモーカーズフェイス(たばこ顔)のページにまとめています。
毎日の日焼け止めと、老化の進み
毎日の日焼け止めで、肌の老化の進みが遅くなったという無作為化試験があります。
試験はオーストラリアのナンボーで行われました。55歳未満の903名を、日焼け止めを毎日塗る群と好きなときに塗る群に、くじ引きのように無作為に分けて、4年半追っています。
毎日塗った群では、4年半たっても、測定できるほどの老化の進みがみられませんでした。好きなときに塗った群と比べると、老化が進んだと判定される見込みが24%低くなっています(参考文献8)。
老化の目安は、皮膚の表面の細かな凹凸(マイクロトポグラフィー)の変化で、どちらの群かを知らない評価者が判定しました。顔の見た目そのものを測ったわけではありませんが、日焼け止めを毎日塗る習慣の意味を、無作為化試験で調べた研究です。
試験の概要
- 903名・55歳未満・4年半(オーストラリア)
- 毎日塗った群では、測定できるほどの老化の進みがみられなかった
- 好きなときに塗った群より、老化が進んだと判定される見込みが24%低かった
光老化は、浴びてきた日光の積み重ねで進みます(参考文献2)。日焼け止めは季節や天気を問わず、毎朝の習慣にしてください。
光老化は回復する?
すでに起きた光老化にも、できることはあります。シミや色ムラには色素の治療が、キメ・小じわ・ハリには新しいコラーゲンをつくる反応を促す治療があり、今の肌から改善を目指せます。
老化の悪循環を断つには
光老化や年齢による老化が進んだ真皮では、断片になったコラーゲンが残り、コラーゲンをつくる線維芽細胞が足場を失って縮こまっています。縮こまった線維芽細胞はコラーゲンを少ししかつくらず、分解する酵素を多くつくるので、老化が次の老化を呼ぶ悪循環になります(参考文献9)。
この悪循環を断ち切るのが、傷んでいない新しいコラーゲンです。
米国ミシガン大学のグループの総説(研究をまとめた論文)によると、新しいコラーゲンができると、線維芽細胞は再び足場を得ます。すると、コラーゲンをつくる働きと分解する働きのつり合いが戻り、老化の進みがゆるやかになると考えられています(参考文献9)。
当院の治療の組み立て方
当院の美肌治療(肌育)では、熱や微細な傷、注入といった刺激で、肌が自分で新しいコラーゲンをつくる反応を促します。
シミや色ムラには、色素に働きかける治療を行います。シミの種類に合わせて複数の機器から選び、医師が照射します。光老化によるシミ・色ムラは、肝斑などほかのシミと重なっていることも多いので、診察とVISIAで見分けてから組み立てます。
当院で行っている治療の役割と組み合わせは、美肌治療・肌育のページの「治療の役割マップ」でご案内しています。
月単位で育てていく治療
真皮のコラーゲンが入れ替わるには時間がかかるので、肌は月単位で少しずつ変わっていきます。1回ごとの差は小さく、肌の状態を見ながら続けていくことで、手応えを感じやすくなる治療です。
どこまで変わるかは光老化の程度や肌の状態によって違うので、肌に合わせて回数と組み合わせを決めていきます。
治療の間も、紫外線対策は続けてください。日光を浴びるたびに、肌の中ではコラーゲンを分解する酵素が増えるからです(参考文献3)。
深いしわやたるみには、肌の下の脂肪などの組織がやせていくことも関わっています。そのため、肌の治療に、皮下の状態に合わせた治療を組み合わせて、土台から整えていくこともあります。日に当たってこなかった頃の肌に戻すのは難しくても、今の肌を少しずつ育てていくことを目指します。
VISIAの紫外線写真でわかること
光老化のうち、日光による色素の変化は、写真で確かめられます。当院では、肌画像診断装置VISIAで、ふつうのカラー写真と紫外線写真を撮影しています。紫外線写真に写るのは、肉眼では見えにくいメラニンの蓄積(かくれジミ)です。それが顔のどこにどのくらいあるかが、目で見てわかります。
仙台の診察室から
冒頭でもお話ししたように、紫外線写真を撮ってみると、肉眼ではシミのない若い方でも、日焼けの跡がよく写ります。
仙台で診療していると、都内に比べて、日焼け対策がおろそかになっている方が多い印象があります。東北なのでそこまで日焼けしない、と考えがちなのかもしれません。
ゴルフなどで毎週のように屋外に出ている方を見ると、たしかに、対策をせずにしっかり日焼けしている方もいます。一方で、同じように屋外で過ごしていても、紫外線写真にも日焼けの跡がほとんど写らない方が、実は多くいらっしゃいます。日焼け対策を続けているからだと思います。
初診では、画像をもとに進め方を決めます
撮影した画像をご一緒に見ながら、今の肌で何が起きているのかをご説明し、紫外線対策や治療の進め方をご提案します。同じ条件で撮り続けることで、治療の前後の肌も比べられます。
治療は原則として後日で、初診の日は診察とVISIA肌画像分析を行います。初診料は、VISIA肌画像分析の費用を含めて3,300円(税込)です。
肌画像分析について詳しくは、肌診断機器の紹介のページをご覧ください。
ご予約はお電話で承っています。診療時間は10時〜18時30分(水曜定休)で、仙台駅西口から徒歩約5分です。
ご予約・お問い合わせ
よくあるご質問
光老化と自然老化は、何が違いますか?
いちばんの違いは、日光が関わるかどうかです。自然老化(年齢による老化)は、日に当たらない場所も含めて全身で進みます。光老化はそこに上乗せされる老化で、日光を浴びてきた顔や手の甲に、浴びた量や肌の色に応じて表れます。顔と二の腕の内側を見比べると、その差がわかります。
光老化は、老化の何割ですか?「8割は紫外線」は本当ですか?
よく引用される研究では約8割ですが、条件つきの数字です。南フランスの白人女性298名の顔を22項目で採点し、そのうち日光の影響を受けやすい18項目が、点数の約80%を占めていました。日本人での割合でも、老化の原因の割合を測った数字でもありません。
光老化は回復しますか? 老化した肌を若返らせることはできますか?
今の肌から、改善を目指すことはできます。キメ・小じわ・ハリにはコラーゲンづくりを促す治療を、シミや色ムラには色素の治療を、肌を診て組み合わせます。子どもの頃の肌に戻すのは難しいものの、数か月単位で、紫外線対策と一緒に続けていく治療です。
冬や曇りの日も、日焼け止めは必要ですか?
一年を通して使うことをおすすめしています。日焼けで赤くならないくらいの弱い紫外線を浴びただけでも、コラーゲンを分解する酵素が増えるという研究があるからです。季節や天気で使い分けるより、毎朝の習慣にしてしまうほうが続けやすいと思います。
仙台でも、紫外線対策は必要ですか?
必要です。東北はそれほど日焼けしないと思われがちですが、VISIAで紫外線写真を撮ると、若い方でも日焼けの跡がよく写ります。都内と比べても、仙台では日焼け対策がおろそかな方が多いと感じています。
40代・50代から日焼け止めを始めても、意味はありますか?
はい。光老化は日差しの積み重ねで進むので、始めたときから、これから浴びる分の影響を減らしていけます。日焼け止めの無作為化試験の対象は中年の男女(55歳未満)で、毎日塗った人では、4年半の間、測定上は肌の老化が進んでいませんでした。
日焼け止めは、どう選べばよいですか?
光老化が気になる方は、SPFの数字と一緒に、PAの「+」の数も見てください。SPFは主にUVBを、PAは真皮まで届いて光老化に関わるUVAを、どのくらい防げるかの目安です。選び方や塗る量、塗り直しのこつは、日焼け止めの選び方のページにまとめています。
VISIAの紫外線写真では、何がわかりますか?
顔のどのあたりに、どのくらい日焼けによる色素の変化が出ているかが、ひと目でわかります。ふつうの写真や肉眼では見えにくいメラニン(かくれジミ)まで写るので、紫外線対策や治療の進め方を決める材料にしています。VISIA肌画像分析は、初診料(3,300円・税込)に含まれます。
参考文献
1日に当たる皮膚と当たらない皮膚の、コラーゲン・エラスチンの比較
要約:
本研究は、6〜84歳の健康な人から採った83検体で、日に当たる皮膚と当たらない皮膚の表皮・コラーゲン・エラスチンを、組織の染色と電子顕微鏡で比べたものです。
日に当たらない皮膚では、Ⅰ型・Ⅲ型コラーゲンの染まり方が変わったのは80代になってからでしたが、日に当たる皮膚では、10歳未満の82.5%・80.4%から80代の53.2%・44.1%へと下がっていました。顔の皮膚では、40代以降、コラーゲン線維の並びが乱れて見えました。エラスチンは、日に当たらない皮膚では年齢とともに減り(49.2%→30.4%)、日に当たる皮膚では増えていて(56.5%→75.2%)、顔では形の崩れたエラスチンが、失われたコラーゲンの場所を埋めているように見えたと述べています。本ページでは、日に当たる皮膚と当たらない皮膚で真皮の変化が違うことの根拠として参照しています。
2光老化と、年齢による老化のしくみ(総説)
要約:
本総説は、米国ミシガン大学の研究グループが、日光による肌の老化(光老化)と、年齢による老化のしくみをまとめたものです。
光老化も、年齢による老化と同じく積み重なって進む老化ですが、年齢による老化が時間の経過によって進むのに対して、光老化は主に浴びた日光の量と肌の色で進み方が変わり、屋外で過ごす人、日差しの強い地域に住む人、肌の色が明るい人ほど、光老化が強く現れるとしています。また、この2種類の老化が、分子のレベルで共通のしくみ(経路)をもつことを述べています。本ページでは、光老化の進み方を左右する要因と、2種類の老化の関係の根拠として参照しています。
3赤くならない量の紫外線でも、コラーゲンを分解する酵素が増える
要約:
本研究は、人の皮膚に紫外線(UVB)を照射し、コラーゲンやエラスチンを分解する酵素(マトリックスメタロプロテアーゼ)がどう変わるかを調べたものです。
分解酵素は照射から数時間のうちに増え、その変化は、肌が赤くなる量を大きく下回る紫外線でも起きていました。著者らは、こうして壊れた部分の修復が不完全だと「日光による傷あと」が残り、一生分の日光で積み重なったものが光老化になるという考えを示しています。本ページでは、肌が赤くならない量の紫外線でも、コラーゲンを分解する酵素が増えることの根拠として参照しています。
4日光を好む女性と避ける女性の、顔の老化のサインの比較(「8割」の根拠としてよく引かれる研究)
要約:
本研究は、フランスの化粧品会社ロレアルの研究者らが、南フランスのモンペリエで、30〜78歳の白人女性298名を、日光を好む群(157名)と避ける群(141名)に分け、22項目の老化のサインを写真の尺度で評価したものです。論文の序論では、それ以前から「最大80%」「90%近く」という見積もりがあったことも紹介されています。
シミ・色ムラはどの年代でも日光を好む群に多く、紫外線と強く結びついていました。たるみは2群で差がなく、年齢との結びつきが強いとされました(著者らは、重力の影響が大きいと考察しています)。しわとキメは、年齢と日光の両方が関わっていました。日光の影響を強く受けるとした18項目の点数が、22項目全体の点数に占める割合は平均80.3%で、著者らはこれをもとに、顔に見える老化のサインの約80%は紫外線によると考えられる、と結論しています。考察では、日光の影響を受けやすいサインの割合が2%違うと、見た目の年齢がおよそ3歳違って見えたとも述べています。本ページでは、「老化の8割は紫外線」の根拠としてよく引かれる研究として、その計算の中身と、見た目の年齢との関係とあわせて参照しています。
5中国人女性とフランス人女性の、肌の老け方の比較(予備的な研究)
要約:
本研究は、ロレアルの研究者らが、20〜60歳の中国人女性とフランス人女性、各160名の顔のしわと、顔・手のシミ(色素斑)を、同じ皮膚科医が評価して比べた予備的な研究です。
中国人女性では、しわの出始めがフランス人女性より約10年遅く、40〜50歳の間に急に進んでいました。シミは中国人女性でより大きな老化のサインで、40歳以上の30%で重度だったのに対し、フランス人女性で重度だったのは年齢を問わず8%未満でした。著者らは、より大きな多施設の研究で確かめる必要があると述べています。本ページでは、アジアの方の肌ではしわの出始めが遅い一方でシミが目立ちやすく、しわは40代で急に進むことがある、という点の根拠として参照しています。
6韓国人の光老化と、性別・日光・喫煙・肌の色の関係
要約:
本研究は、ソウル大学の研究グループが、韓国人407名のしわと色素の変化を、新しく作った写真の尺度で評価し、日光を浴びた量・喫煙歴・肌の色との関係を調べたものです。
アジア人の光老化は色素の変化が中心と考えられてきましたが、しわも、色素の変化と並ぶ主な特徴でした。喫煙、日光を浴びた量、女性であることが、それぞれしわの独立した危険因子でした。本ページでは、アジアの方の光老化ではしわも主な変化であることの根拠として参照しています。
7一卵性の双子186組で、見た目の老け方を左右した要因
要約:
本研究は、米国オハイオ州の双子のお祭りに参加した一卵性の双子186組に生活歴を尋ね、顔写真から、双子のどちらがどのくらい年上に見えるかを評価して、その差に関わる要因を調べたものです。
日光を多く浴びてきた人ほど年上に見え、その差は年齢とともに広がっていました。屋外で過ごす時間が長いこと、日焼け止めを使ってこなかったことも、年上に見えることと結びついていました。たばこを吸ってきた年数が長いほど年上に見え、シミや色ムラは喫煙と日光を浴びた量の多い人に多くみられました。本ページでは、同じ遺伝子をもつ人どうしでも、日光で見た目の年齢が変わることの根拠として参照しています。
8毎日の日焼け止めと肌の老化(オーストラリアの無作為化試験)
要約:
本研究は、オーストラリアのナンボーで、55歳未満の903名を、日焼け止めを毎日塗る群と好きなときに塗る群に無作為に分け、4年半にわたって肌の老化の進みを比べた試験です(同時に、βカロテンのサプリメントの群と偽薬の群にも分けています)。
老化の目安は皮膚の表面の細かな凹凸(マイクロトポグラフィー)の変化で、どちらの群かを知らない評価者が判定しました。毎日塗った群では、試験の終わりまで測定できるほどの老化の進みがみられず、好きなときに塗った群に比べて、老化が進んだと判定される見込み(オッズ)が24%低かったと報告されています。βカロテンには、全体として効果がみられませんでした。著者らは、健康な中年の男女で、日焼け止めを習慣的に使うことが肌の老化を遅らせたと結論しています。本ページでは、毎日の日焼け止めが肌の老化の進みを遅らせることの根拠として参照しています。
9老化した真皮の悪循環と、新しいコラーゲンをつくらせる治療(総説)
要約:
本総説は、米国ミシガン大学の研究グループが、年をとった真皮で起きている変化と、それに対する治療の考え方をまとめたものです。
年をとった真皮では、コラーゲンが分解酵素によって断片になり、コラーゲンをつくる線維芽細胞が足場を失って縮こまります。縮こまった細胞はコラーゲンを少なく、分解酵素を多くつくるため、悪循環になると述べています。こうしたしくみは、光老化と年齢による老化の両方に当てはまるとしています。紫外線は分解酵素を増やすと同時にコラーゲンをつくる働きを弱め、毎日の適度な日差しでもその状態が続くことから、光老化は年齢による老化が早まったものと考えられる、とも説明しています。
そのうえで、新しい傷んでいないコラーゲンをつくらせる治療(レチノイン酸の外用、炭酸ガスレーザーによるリサーフェシング、架橋ヒアルロン酸の真皮内注入など)は、線維芽細胞に再び足場を与えてこの循環を断ち、老化の進みをゆるやかにする方向に働くとしています。本ページでは、2種類の老化がどちらもコラーゲンの分解に傾くこと、日差しの積み重ねで光老化が進むしくみ、新しいコラーゲンができると老化の悪循環が断たれる、という考え方の根拠として参照しています。
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監修者情報(医師紹介)

監修医師:佐藤 雅樹
ソララクリニック 院長
専門分野:美容皮膚科
2000年 順天堂大学医学部卒。順天堂大学医学部形成外科入局。 大学医学部付属病院等を経て、都内美容皮膚科クリニックにてレーザー治療の研鑽を積む。2011年3月 ソララクリニック開院 院長就任。2022年 医療法人 松柴会 理事長就任。日本美容皮膚科学会 日本形成外科学会 日本抗加齢医学会 日本レーザー医学会 点滴療法研究会 日本医療毛髪再生研究会他所属。
様々な医療レーザー機器に精通し、2011年3月にルビーフラクショナル搭載機器を導入し、15年以上この治療を続けている。各種エネルギーベースの医療機器を併用する複合治療に積極的に取り組む。
※当院の治療はすべて自由診療(保険適用外)です。標準的な費用は各ページの料金表または料金表ページをご覧ください。治療に伴うリスク・副作用は診察時にもご説明します。
最終更新日
自由診療についての情報開示
医療広告ガイドライン(厚生労働省)が定める限定解除の要件にそって、次の4点を掲載しています。当院は保険診療を行っておりません。
このページについて・お問い合わせ先・治療内容と費用・主なリスクと副作用
1. このページについて
ご自身で情報をお探しの方に向けた案内です。不特定多数へ配布する広告物ではありません。
2. お問い合わせ先
ソララクリニック(仙台市青葉区花京院1-2-15 ソララプラザ2F)/電話 022-722-7090(完全予約制・水曜定休)/お問い合わせフォーム
3. 治療内容・費用・回数
このページは光老化のしくみについての解説で、特定の治療をご案内するものではありません。光老化に関わる治療の内容と費用は、美肌治療・肌育のページと料金表でご案内しています。初診料は3,300円(税込・VISIA肌画像分析を含む)。回数と間隔は肌の状態によって異なり、診察の際にご説明します。
4. 主なリスク・副作用
治療の種類によって異なります。熱や微細な傷で肌の修復を促す治療では赤み・腫れ・一時的な色素沈着、注入による治療では内出血・腫れ、色素の治療ではかさぶた・一時的な色素沈着などが起こることがあります。各治療のリスク・副作用は、それぞれの治療のページと、診察の際にご説明します。