老人性 色素斑は、 なぜ 濃くなるのか
濃く、大きくなる理由と、
Q.昔からあるシミが、ここ数年で濃く、大きくなってきました。少し盛り上がってきた所もあります。肌の中で何が起きているのでしょう。
A.老人性色素斑は、長年浴びてきた日光でできるシミです。年代が上の人ほど色が濃く、大きなものが多い傾向が報告されています。表皮のいちばん下の細胞にメラニンがたまったまま、上へ運ばれにくくなっていることが、理由に挙げられています。
メラニンをため込んだ細胞が老化し、さらにため込みやすくなる、という循環も研究で考えられています。また一部のシミは、表皮の細胞が増えて盛り上がり、脂漏性角化症(良性の老人性イボ)に移ることがあります。平らなシミはレーザーで少しずつ薄くしていき、盛り上がったものには、表面を削る治療を組み合わせます(治療の考え方)。
この記事の要点
- 顔のシミでいちばん多いのが老人性色素斑です。日本の調査では、シミの数は20代から、色の濃さは30代から、年代が上がるほど増えていました。
- メラニンは表皮の底のほうにとどまり、上へ押し出されにくくなっているようです。
- 研究の段階ですが、色をため込むことと細胞の老化が、互いを強め合っている可能性があります。
- シミが盛り上がり、脂漏性角化症に変わることもあります。両者には共通する遺伝子の変化も見つかっています。
- 盛り上がったものは、色の治療だけでは段差が残りやすいため、削る治療を加えます。
この記事の目次
老人性色素斑は、 肌の中でどうなっている?
老人性色素斑は、日光を浴びてきた顔や手の甲、腕にできる茶色のシミです。医学の言葉では、日光黒子や日光性色素斑とも呼ばれます。丸く、周りとの境目がくっきりしていることが多く、大きさは数mmから1cmを超えるものまでさまざまです。
顔にできるシミには、肝斑やそばかすなどいくつかの種類があり、その中でいちばん多く見られるのが老人性色素斑です(参考文献1)。当院に来られる方のシミも、多くは、老人性色素斑に肝斑やそばかすが重なっています。
「老人性」とつきますが、 シミは20代から増えていきます
名前から、年配の方のシミと思われがちです。資生堂の研究者らが、20〜70代の日本人女性454人の頬にある色素斑4,912個を、高画質の写真から1個ずつ測っています(参考文献2)。シミの数は20代から40代にかけて、シミごとの色の濃さは30代から50代にかけて、はっきり増していました。大きなシミの割合も、年代が上の人ほど高くなっていました。
この調査は、シミを種類に分けずに数えたものです。診療指針(参考文献1)は、老人性色素斑が現れるのは主に40歳以上としています。40代を過ぎて「昔からあるシミが濃くなってきた」と感じる変化も、この流れに沿ったものだと思います。
色は、表皮のいちばん下に たまっています
シミの部分の皮膚を顕微鏡で調べた研究(参考文献3)では、表皮のいちばん下の層(基底層)の細胞に、メラニンがたくさんたまっていました。メラニンの一部は表皮の下の真皮へ落ち、メラノファージと呼ばれる細胞に抱えられたまま残っていました。
調べたシミでは、表皮の根(表皮突起)も、真皮に向かって長く伸びていました。ただ、顔のシミでは、根が伸びずに平らなままの型も少なくありません(参考文献4)。表面の角層も、ふつうの皮膚より層の数が多く(参考文献5)、厚くなっています。
監修:佐藤雅樹(ソララクリニック院長)
監修:佐藤雅樹(ソララクリニック院長)
図は、治療の前と後を並べたものではありません。また、すべての老人性色素斑が、3枚目の脂漏性角化症へ進むわけでもありません。盛り上がっていくシミについては、後半でご説明します。
色をつくる細胞は、 数より働きが変わる
色のもとになるメラニンは、基底層に点々と並ぶメラノサイトがつくっています。シミの部分でも、メラノサイトの密度は周りと大きくは変わらないと報告されています(参考文献3・4)。高まっているのは、色をつくる働きのほうです。
東京女子医科大学と花王の研究(参考文献6)では、メラニンをつくる酵素をもつメラノサイトが、シミの周りの2倍ありました。
メラニンを受け取る表皮の細胞の側にも、変化があります。近年の研究は、この細胞がメラニンをどれだけ抱え込み、手放さずにいるかに注目しています。
老人性色素斑は、 なぜできるのか
いちばんの原因は、長い年月をかけて浴びてきた日光です。紫外線を浴び続けた表皮の細胞が、メラノサイトに色をつくるよう合図を出し続けるようになる、と考えられています。
浴びてきた日光の量と 結びついています
オランダで、皮膚がんの患者を含む962人を調べた研究では、老人性色素斑は年齢が上がるほど多く見られました(参考文献7)。背中の老人性色素斑は、年齢や性別、肌のタイプをそろえて比べても、浴びてきた日光の量や、20歳より前に日焼けで赤くなった経験・回数と結びついていました。顔の老人性色素斑は、日光で肌が傷んだサインのある人に多く見られました。
日本にも、日差しの強い南と弱い北に住む女性102人を比べた、資生堂の調査があります(参考文献8)。南に住む人のほうが、年代によるシミの数の増え方が大きく、年配の人ではシミの色も濃くなっていました。
日光が肌全体をどう老けさせるのかは、光老化のページで詳しくご説明しています。
合図を出し続ける、 表皮の細胞
シミの部分の表皮では、メラノサイトに「色をつくれ」と働きかける物質が増えています。代表的なものがエンドセリン1とSCFという物質で(参考文献6・9)、どちらもメラノサイトに直接働きかけます。
この研究を重ねてきたグループの総説(参考文献9)は、過去の紫外線が、いまもシミの色づくりに響いていると見ています。くり返し浴びた紫外線で、表皮の細胞はTNFαという炎症に関わる物質を出し続けるようになり、それがエンドセリン1やSCFを増やして、近くのメラノサイトを休みなく刺激するというのです。
紫外線による傷は、遺伝子にも残ります。老人性色素斑の一部からは、脂漏性角化症と同じ遺伝子の変化も見つかっています。詳しくは後半でご紹介します。
真皮の側からの 後押しも
表皮の下の真皮も、色づくりに関わっています。韓国の研究(参考文献10)では、コラーゲンなどをつくる線維芽細胞のうち、老化したものがシミの部分の真皮に多く集まり、メラノサイトの色づくりをうながしていることが示されています。資生堂が調べると(参考文献11)、表皮と真皮の境目にあるヘパラン硫酸という成分がほとんど失われ、血管が増えていました。
年齢とともに、 濃く大きくなる理由
いったんできた老人性色素斑は、自然には消えにくいシミです(参考文献12)。たまった色が外へ出ていかず、さらに増えていく理由として、いくつかのしくみが分かってきました。
一方で、シミが大きく広がっていくしくみは、色が濃くなるしくみほどには分かっていません。日差しの弱い北に住む人にも大きなシミが見られることから、研究者は、大きさには遺伝などの体質も関わっている可能性を考えています(参考文献8)。
メラニンが、 上へ運ばれにくい
ふだんの肌では、メラニンを受け取った細胞は、表皮が入れ替わる流れ(ターンオーバー)に乗って上へ押し上げられ、最後は角層と一緒にはがれていきます。
シミの部分の表皮では、いちばん下の細胞が増える一方で、その上の層の入れ替わりが遅れているのかもしれません。米国国立がん研究所と、ドイツの化粧品会社バイヤスドルフ社の研究者らが、欧米人の腕のシミを調べて示した仮説です(参考文献13)。そうなると表皮の根が下へ伸び、メラニンは上まで運ばれにくくなります。
資生堂の研究(参考文献5)では、シミの部分で角層をつくる遺伝子の働きが落ち、角層の層の数が増えていました。
これは、シミの部分の表皮の中で起きている変化です。肌全体の入れ替わりの日数は、肌のターンオーバーのページにまとめています。
真皮に落ちた色は、 出ていくのに時間がかかる
先にふれたように、シミの部分ではメラニンの一部が真皮に落ち、メラノファージに抱えられています(参考文献3)。真皮の色は、表皮の入れ替わりに乗って出ていくことができず、少しずつしか運び出されません。
メラニンをため込んだ細胞は、 エネルギー不足に
シミの部分では、表皮の上のほう(角層のすぐ下の層)の細胞で、ミトコンドリアがエネルギーをつくる働きが、周りの肌より低くなっていました。資生堂の研究者らが、頬に老人性色素斑のある18人の肌を、FLIMと呼ばれる、皮膚を切らずに光で調べる顕微鏡で観察した結果です(参考文献14)。
論文やニュースリリースでは、これを「代謝の低下」と表しています。ターンオーバーを指す「肌の代謝」とは別のものなので、このページでは「エネルギーづくり」と呼びます。
研究者らは、培養した表皮の細胞に、人工的につくったメラニンを多く取り込ませる実験もしています。すると細胞のエネルギーづくりが落ち、分裂の進み方が乱れる、細胞が大きくなる、炎症に関わる物質を出すといった、細胞の老化に見られる変化が現れました。これを、老人性色素斑に特有の老化のしくみと見ています。
老化した細胞ほど、 メラニンを抱え込む
逆の向きから調べたのが、ナリス化粧品と岡山理科大学の研究です(参考文献12)。培養した表皮の細胞は、メラニンの粒を取り込むと、エネルギーづくりを高めて対応していました。ところが、エネルギーが足りない状態にすると、細胞1個にたまるメラニンが増えていきます。
老化の目印をもつ細胞はメラニンを多くため込み、分裂している細胞にはほとんど見られませんでした。老化してエネルギーづくりを高められなくなった細胞がメラニンを取り込むことが、シミの色が居座る原因だと、著者らは考えています。
研究で考えられている 循環
この2本の研究を合わせると、メラニンをため込んだ細胞ではエネルギーづくりが落ち、老化に見られる変化も現れ、そうした細胞はさらにメラニンをため込みやすい、という循環が見えてきます。
資生堂は、メラニンのため込みからエネルギーづくりの低下、細胞の老化へと進んでシミが悪化する流れを、「シミがシミを呼ぶ」と表しています(参考文献15)。
米国の日用品会社P&G社などの研究(参考文献4)やドイツの研究(参考文献16)でも、老人性色素斑で、細胞の老化に関わる遺伝子の働きの高まりや、ミトコンドリアの遺伝子の傷が見つかっています。
監修:佐藤雅樹(ソララクリニック院長)
監修:佐藤雅樹(ソララクリニック院長)
ただ、循環のもとになった資生堂とナリス化粧品の研究は、どちらも中心が培養した細胞の実験で、肌を直接調べたのは資生堂の18人です。人の肌で同じことがどこまで起きているかは、これから確かめられていくところです。
盛り上がって、 脂漏性角化症に移るとき
脂漏性角化症は、表皮の細胞が増えて盛り上がった、良性のできものです。老人性イボとも呼ばれ、年齢とともに増えていきます。平らなシミとの違いは、色に加えて形が変わることです。
診察でも、もともとシミだったものが少しずつ盛り上がり、立体感のあるシミになっているのを見ることは少なくありません。触れるとわずかに段差があり、表面がザラつきます。
平らなシミから、 盛り上がったイボへ
1975年、米国の皮膚病理医は、組織の観察から、老人性色素斑が網目のような形の脂漏性角化症へと移っていく関係を示しました(参考文献17)。組織の上では、平らな老人性色素斑と網目状の脂漏性角化症が、ひと続きにつながっています。これは古くからの見方です。
図1の3枚目が、盛り上がった脂漏性角化症です。表皮の細胞そのものが増えているので、色に反応するレーザーでメラニンを減らしても、段差が残りやすくなります。
遺伝子の変化にも、 共通点があります
脂漏性角化症では、FGFR3という遺伝子の変化がよく見つかります。ドイツのレーゲンスブルク大学のグループの研究では、網目状の脂漏性角化症の27個のうち23個(85%)にあり(参考文献18)、まだ平らな、でき始めのものにも見つかっています(参考文献19)。
このグループが老人性色素斑30個を調べると、5個(17%)にFGFR3の変化が、28個のうち2個(7%)にPIK3CAという遺伝子の変化がありました(参考文献20)。どちらも脂漏性角化症で見つかる変化で、研究者らは、両者が同じ遺伝的な土台をもつと考えています。紫外線がこうした変化の原因になりうることにも、ふれています。
すべてのシミが 移るわけではありません
老人性色素斑のうち、どのくらいが脂漏性角化症に移るのか、何がその分かれ目になるのかは、まだ分かっていません。平らなまま濃くなっていくシミもあれば、盛り上がっていくシミもあります。
ミトコンドリアの遺伝子の傷は、脂漏性角化症では周りより少なく、老人性色素斑では半数で多くなっていました(参考文献16)。このグループは、老人性色素斑が脂漏性角化症の前の段階なのかどうかは、はっきりしないと書いています。
盛り上がるのとは別に、赤みを帯びて、少しずつ薄れていく変わり方もあります(扁平苔癬様角化症)。体の免疫がシミの細胞に反応した状態と考えられていますが、見た目がほかの病気と紛らわしいため、赤くなってきたシミは皮膚科で確かめてもらうと安心です(参考文献17・21・22)。
老人性色素斑の 治療の考え方
シミに見えるものの中には、まれに皮膚がん(悪性黒子など)がまぎれていることがあり、国内の美容医療の診療指針も、治療の前の診断を大切にするよう求めています(参考文献1)。
同じ診療指針(参考文献1)は、老人性色素斑の治療にレーザーや光治療は有効であるとして、治療を希望する方には強く推奨しています。長い期間にわたる検討や、ほかの治療法との比較は、まだ十分ではないとも添えています。
平らなシミは、 顔全体の照射から
当院では、照射はすべて医師が行い、顔全体の照射から始めることが多くあります。メラニンに反応するレーザーの光を細かく分けて照射する方法(フラクショナル照射)です。肌の表面に細かな傷をつけて入れ替えるタイプのフラクショナルレーザーとは、別のものです。
それでも残る濃いシミには、そのシミだけを狙うスポット照射を行います。濃いシミにいきなり強い出力で照射すると、戻りジミ(炎症後色素沈着)が起こりやすくなるためです。
東京女子医科大学などの研究(参考文献23)では、アジア人女性20人の顔の老人性色素斑43個に、1個ずつピコ秒レーザーを照射し、40個(93%)が1回の照射で75%以上薄くなりました。比べる群を置かない研究で、戻りジミはシミ43個のうち2個(4.65%)に起きています。
41件の臨床試験をまとめた研究(参考文献24)は、レーザーはほかの方法より効果が高い傾向にあるとしながら、大きな比較試験がまだ足りないと結論しています。
1回でかなり薄くなる方もいますが、1回で完全に消えるとはお約束できません。
盛り上がったものは、 削る治療を組み合わせて
脂漏性角化症に移ったものには、当院では、平らなシミの治療と並行して、表面をごく薄く削る治療を行っています。削ったあとは、2週間ほど傷を守るテープを貼っていただきます。
混雑緩和のため、イボ(脂漏性角化症)の除去は、当院で治療を続けている方に限って行っています。除去だけを目的とした初診の受付は中止しています。詳しくはイボ除去・脂漏性角化症の治療のページをご覧ください。
費用と、 主なリスク
費用の目安(税込・自由診療)は、顔全体の照射が両頬と鼻で1回47,300円(ヒアルロン酸導入を含みます)、残ったシミへのスポット照射が1か所16,500円(長径10mmまで)です。初めての方は、初診料3,300円(診察と肌画像分析を含みます)が別にかかります。
顔全体の照射では、赤み(多くは1日ほど)のほか、まれにやけどや水ぶくれ、色素沈着が起こることがあります。スポット照射では照射した所がかさぶたになり、一時的な戻りジミが比較的起こりやすく、多くは数か月かけて薄くなります。削る治療では、赤み・腫れ・色素沈着・傷あと・感染のほか、再発することもあります。
どのくらい変化するか、どんな経過をたどるかは、シミの種類や肌の状態によって一人ひとり違います。
新しいシミを 増やさないために
老人性色素斑が浴びた日光の量と結びついている以上、これから浴びる量を減らすことが、新しいシミを増やさないための土台です。
日焼け止めは、表示どおりの効果に必要な量が思いのほか多いものです。院内で量った目安を、日焼け止めの量のページでご紹介しています。「塗っているのに焼けた」「シミが戻った」という声の多くは、塗る量が足りていないためだと思います。
窓から入る光や、目に見える光(可視光)については、可視光と肝斑のページにまとめました。
ご相談の前に
治療のあとに同じ場所に色が出てきたときのことは、シミ治療後の再発・戻りジミのページでご説明しています。シミの種類ごとの特徴と治療は、シミ取り治療のページをご覧ください。初診の日は、診察と肌画像分析をもとに、適した治療法をご提案します。施術は原則として別の日です。
ご予約・お問い合わせ
よくあるご質問
老人性色素斑は、自然に消えることはありますか?
老人性色素斑は、放っておいても大丈夫ですか?
老人性色素斑は良性のシミで、そのままにしていても体に害が出るものではありません。ただ、見た目がシミに似た皮膚がんもまれにあります(参考文献1)。急に大きくなる、形や色がいびつになる、出血するといった変化があるときは、早めに皮膚科で確かめてください。
塗り薬で消すことはできますか?
塗り薬で薄くなることもあります。ただ、臨床試験を集めて分析した研究では、全体としてレーザーのほうが効果が高い傾向で(参考文献24)、塗り薬では刺激が出ることもあります。どの方法が合うかは、シミの種類によっても変わります。
老人性色素斑ができやすいのは、どんな人ですか?
肝斑とは、どう違いますか?
老人性色素斑は、境目のはっきりした茶色のシミが、ぽつぽつと散らばってできます。肝斑は、頬骨のあたりに左右対称に、もやっと広がるのが特徴です。肝斑には強い出力のレーザーを最初には使わないなど、治療の進め方が違います。両方が重なっている方も多いので、診察で見分けてから組み立てます。肝斑の治療は肝斑改善集中プランのページでご案内しています。
シミが盛り上がってきたら、どうすればいいですか?
脂漏性角化症に変わってきているかもしれません。色に反応するレーザーだけでは平らになりにくいため、当院では、ほかの治療で通院中の方に、表面を削る治療を並行して行っています。除去だけをご希望の場合の初診は、現在お受けしていません。詳しくはイボ除去のページをご覧ください。
レーザーで取ったシミが、また出てくることはありますか?
同じ場所に、また色が出てくることがあります。取りきれなかった細胞がふたたび色をつくる場合と、紫外線などで新しいシミができる場合があり、照射から数週間して一時的に濃く見える戻りジミとは別のものです。詳しくはシミ治療後の再発・戻りジミをご覧ください。
何回の治療で取れますか?
シミの種類、選択するレーザー、治療法によって異なります。顔全体の照射は、月に1回ほどの間隔で続けることが多い治療です。残った濃いシミへのスポット照射は、経過を見て、もう一度照射することもあります。
日焼け止めで、老人性色素斑は防げますか?
できてしまったシミを消すものではありません。日焼け止めが受け持つのは、これからできるシミのほうです。大切なのは量で、当院では顔全体で500円玉くらいを目安にお伝えしています。塗り方は日焼け止めの量のページをご覧ください。
参考文献
このページの説明のもとにした論文と資料です。タイトルをタップすると、どんな研究か、このページのどこで参照しているかをご覧いただけます。
1美容医療診療指針(令和3年度改訂版)CQ1-1-1
要約:
厚生労働科学研究の研究班が、美容医療で行われる治療について、根拠と推奨をまとめた診療指針です。日本美容外科学会(JSAPS・JSAS)、日本美容皮膚科学会、日本形成外科学会、日本皮膚科学会などの医師が作成に加わっています。
基礎知識の項で、医学的な意味の「シミ」には日光黒子(老人性色素斑)・肝斑・そばかす・真皮メラノサイトーシス・炎症後色素沈着などがあり、混ざっていることも多く、その中で最も多く見られるのが日光黒子であるとしています。日光黒子は直径数mmから1cmを超えるものまであり、最も問題になるのは悪性腫瘍との見分けであるとも書いています。
CQ1-1-1では、推奨度1(治療を希望する患者には強く推奨する)として「日光黒子(老人性色素斑)の治療にレーザー,光治療は有効である」とし、長期にわたる検討や他の治療法との比較が十分ではないと添えています。解説の終わりで、診断を丁寧に行い、特に悪性腫瘍(悪性黒子など)との鑑別に注意を要するとしています。
このページでは、老人性色素斑が顔のシミで最も多いこと、大きさの幅、治療の前の診断の大切さ、レーザー・光治療の推奨とその但し書きの出典にしています。Minds(医療情報サービス)に掲載された版を確認しました。
2日本人女性454人の、顔の色素斑の数と位置の年齢による変化
要約:
資生堂の研究所などの研究者による調査です。
20〜70代の日本人女性454人の顔を高画質の写真で撮り、頬の色素斑4,912個の色・大きさ・位置・数を画像で測りました。シミごとの色の濃さは年齢とともに増し、30代から50代にかけての変化がはっきりしていました。大きなシミの割合も年齢とともに増え、頬全体のシミの数は20代から40代にかけてはっきり増えていました。シミの種類は分けずに数えています。
このページでは、シミの数・色・大きさが年齢とともに変わることの根拠にしています。
3老人性色素斑と老化した皮膚における、表皮と真皮のメラニンの変化と、第XIIIa因子陽性のメラノファージ
要約:
ドイツのマールブルク大学と、化粧品会社バイヤスドルフ社の研究者による研究です。
52〜81歳の12人から、老人性色素斑とその周りの皮膚を採り、光学顕微鏡と電子顕微鏡で調べました。シミでは、基底層の細胞にメラニンが多く、表皮の根(表皮突起)が長く伸びていました。メラノサイトの数ははっきりとは増えておらず、分裂中の細胞も増えていませんでした。真皮には、メラニンを抱えた細胞(メラノファージ)が、周りの皮膚より多く見られました。
このページでは、老人性色素斑の組織の特徴(基底層のメラニン・伸びた表皮突起・メラノサイトの数・真皮のメラノファージ)の根拠にしています。
4顔のさまざまな色素斑を、形と遺伝子の働きで比べた研究
要約:
米国の日用品会社(P&G社)の研究者と、シンシナティ大学の皮膚科による研究です。
中国人女性の顔の色素斑(老人性色素斑〈表皮の根が伸びた型15個・平らな型21個〉・脂漏性角化症・肝斑・そばかす・炎症後色素沈着)とそのそばの皮膚を採り、組織と遺伝子の働きを比べました。肝斑とニキビ跡の炎症後色素沈着を除く多くのシミで、メラノサイトの密度は周りと同じくらいでした。どの種類のシミでも、メラニンづくりやメラニンを運ぶ働きが高まり、細胞の老化に関わる遺伝子(CDKN2A)の働きが高まっていました。
このページでは、顔のシミでは表皮の根が平らな型も少なくないこと、メラノサイトの密度が大きくは変わらないこと、どの種類のシミでも細胞の老化に関わる遺伝子の働きが高まっていたことの根拠にしています。
5老人性色素斑の遺伝子の働きを、組織の特徴とあわせて調べた研究
要約:
資生堂の研究所の研究者らによる研究です。
40〜55歳の16人から、老人性色素斑と、そのそばの日に当たる皮膚、日に当たらないお尻の皮膚を採って比べました。シミでは、メラノサイトに関わる遺伝子、炎症に関わる遺伝子、脂肪酸の代謝に関わる遺伝子の働きが高まり、角層をつくる遺伝子の働きは落ちていました。分裂中の表皮の細胞は少なく、角層の層の数は多くなっていました。著者らは、過去にくり返し浴びた紫外線と慢性の炎症を背景に、メラニンづくりが高まり、表皮の細胞の増え方と育ち方が落ちた状態と考えています。
このページでは、シミの部分の角層が厚く、角層をつくる働きが落ちていることの根拠にしています。
6老人性色素斑の色が濃くなるしくみにおける、表皮のエンドセリンの働き
要約:
東京女子医科大学皮膚科と、花王の研究所の研究者による研究です。
老人性色素斑とその周りの表皮を比べると、シミでは、メラニンをつくる酵素(チロシナーゼ)をもつメラノサイト(免疫染色で確認)が2倍に増えていました。メラノサイトを刺激するエンドセリン1と、その受け取り口(エンドセリンB受容体)の働きが高まり、エンドセリン1を増やす炎症の物質(TNFα)も多く見られました。
このページでは、メラニンをつくる酵素をもつメラノサイトが増えていること、表皮の細胞がメラノサイトに働きかける物質が増えていることの根拠にしています。
7老人性色素斑は、そばかすと違って、日光を浴びた量と強く結びつく
要約:
オランダのライデン大学医療センター皮膚科による研究です。
皮膚がんの患者577人と、皮膚がんのない385人の、顔と背中の老人性色素斑とそばかすを調べました。老人性色素斑は年齢とともに強く増えていました。年齢・性別・肌のタイプをそろえて比べると、背中の老人性色素斑は、浴びてきた日光の量(積み重なった量と、ときどき強く浴びる量)、20歳より前の日焼けの経験、子どものころの日焼けの回数と結びついていました。顔の老人性色素斑は、日光による肌の傷み(弾力線維の変性や日光角化症)と結びついていました。そばかすは、色白の肌や赤毛との結びつきが強いものでした。
このページでは、老人性色素斑が年齢と、浴びてきた日光の量と結びついていることの根拠にしています。
8顔の色素斑に環境が与える影響:日本の北と南に住む女性の調査
要約:
資生堂の研究所の研究者による調査です。
日差しの強い南の地域と、弱い北の地域に住む日本人女性102人の頬の色素斑を、高画質の写真から測って比べました。南の人たちでは、年齢とともにシミの数が増える度合いが大きく、年配の人ではシミの色も濃くなっていました。シミの大きさには、南北で差がなく、大きなシミは北の人たちにも見られました。著者らは、日光などの環境はおもにシミの数と色の濃さを増やし、大きなシミには遺伝などの体質が関わっている可能性があると考えています。
このページでは、日差しの強さとシミの数・色の結びつき、大きさには体質も関わる可能性の根拠にしています。
9老人性色素斑でメラノサイトが活性化するしくみと、理にかなった治療(総説)
要約:
宇都宮大学の研究者による総説です。著者は、上の東京女子医科大学と花王の研究に、当時の所属だった花王の研究所から加わっています。
老人性色素斑の表皮では、エンドセリン1とその受容体、SCF(幹細胞因子)とその受容体(c-KIT)、炎症の物質(TNFα)の働きが高まっていることをまとめ、過去にくり返し浴びた紫外線によって表皮の細胞がTNFαを出し続け、それがエンドセリンやSCFを増やして、近くのメラノサイトを刺激し続けるという考え方を示しています。後半では、外用剤などの治療の試験もまとめています。
このページでは、表皮の細胞がメラノサイトに合図を出し続けるしくみの説明に使っています。後半の治療の部分は使っていません。
10老化した線維芽細胞が、年齢による色素沈着を進める:老人性色素斑の治療の標的として
要約:
韓国の亜洲(アジュ)大学医学部による研究です。
老人性色素斑とその周りの皮膚を調べ、シミの部分の真皮に、細胞の老化の目印(p16)をもつ線維芽細胞が多く集まっていることを示しました。老化した線維芽細胞は、色づくりを抑える物質(SDF1)を出さなくなり、そのことが色づくりを進めていると著者らは考えています。後半では、高周波(ラジオ波)を使った介入も試しています。
このページでは、シミの部分の真皮に老化した線維芽細胞が多く、色づくりに関わっていると考えられていることの根拠にしています。高周波の介入の結果は、治療の根拠としては使っていません。
11老人性色素斑の色素沈着は、ヘパラナーゼによる表皮と真皮の境目のヘパラン硫酸の消失で進む
要約:
資生堂の研究所の研究者らによる研究です。
老人性色素斑では、表皮と真皮の境目(基底膜)にあるヘパラン硫酸がほとんど見られず、これを分解する酵素(ヘパラナーゼ)が増えていると考えられました。血管の数も増えていました。培養した皮膚のモデルでは、ヘパラナーゼの働きを抑えると境目のヘパラン硫酸が増え、メラニンづくりが大きく減りました。
このページでは、シミの部分で表皮と真皮の境目が傷み、血管が増えていることの根拠にしています。
12老化した表皮の細胞がメラノソームを取り込むと、エネルギー代謝の低下によってメラニンがたまる
要約:
化粧品会社(ナリス化粧品)と岡山理科大学の研究者による研究です。
老人性色素斑では、基底層の表皮の細胞にメラニンが多くたまり、自然には除かれないことを背景に、培養した表皮の細胞でエネルギー代謝を調べました。表皮の細胞は、メラノソーム(メラニンの粒)を取り込むとエネルギー代謝を高めていましたが、エネルギーが足りない状態にすると、細胞1個あたりのメラニンが増えました。老化の目印(SA-βガラクトシダーゼ)をもつ細胞はメラニンを多くため込み、分裂している細胞にはほとんど見られませんでした。著者らは、老化した表皮の細胞がメラノソームを取り込むことが、老人性色素斑の色が居座る原因と考えています。いずれも培養した細胞の実験です。
このページでは、たまったメラニンが自然には除かれにくいこと、老化した細胞ほどメラニンをため込むことの根拠にしています。
13老人性色素斑(エイジスポット)の、分子と組織の特徴
要約:
米国国立がん研究所(NIH)と、ドイツの化粧品会社(バイヤスドルフ社)の研究者による研究です。
老人性色素斑を組織と遺伝子の働きで調べると、193の遺伝子の働きが変わっていましたが、メラノサイトの色素の遺伝子は含まれていませんでした。基底層と、その上の層の細胞の目印の変化から、基底層の細胞が増える一方で上の層の入れ替わりが遅くなり、表皮の根が大きく伸びて、メラニンが基底層から上へ運ばれにくくなる、というモデルを提案しています。
このページでは、シミの部分でメラニンが上へ運ばれにくくなっているという考え方の出典にしています。
14皮膚を切らずに、老人性色素斑の細胞の中を測る:メラニンのため込みすぎに伴う、ミトコンドリアの働きの低下と細胞老化のしくみ
要約:
資生堂の研究所の研究者による研究です。
頬に老人性色素斑のある18人(30〜69歳)の肌を、皮膚を切らずに細胞の状態を測る蛍光寿命イメージング顕微鏡(FLIM)で調べると、シミの部分では、表皮の上のほう(角層のすぐ下の顆粒層)の細胞で、周りの肌に比べてミトコンドリアのエネルギーづくり(酸化的リン酸化)が低くなっていました。メラニンが測定を乱すため、いちばん下の層は測っていません。培養した表皮の細胞に、人工的につくったメラニンを多く取り込ませると、エネルギーづくりが落ち、分裂の進み方の乱れ・細胞の大型化・炎症の物質の分泌といった、細胞の老化に見られる変化が現れました。
著者らは、メラニンのため込みすぎが引き金になる、老人性色素斑に特有の老化のしくみがあると考えています。エネルギーづくりの低下と老化の変化は別々に示されていて、考察では、細胞の老化がエネルギーづくりの低下を招いている可能性にもふれています。肌を測った人数は少なく、著者ら自身が小規模の予備的な研究としています。このページでは、シミの部分の細胞でエネルギーづくりが落ちていること、メラニンのため込みすぎが細胞の老化につながることの根拠にしています。
15資生堂のニュースリリース(シミの部分の細胞老化の研究・2025年1月)
要約:
上の論文と同じ研究の、2024年の学会発表について、資生堂が出したニュースリリースです(論文の掲載より前の発表です)。国際化粧品技術者会連盟(IFSCC)2024 イグアス大会と、第32回日本色素細胞学会学術大会(2024年11月)で発表したとしています。
シミの部分では、メラニンの蓄積によってミトコンドリアの代謝が低下し、細胞老化が生じることでシミが悪化すると考えられるとして、これを「シミがシミを呼ぶ」悪化の根源と表しています。
このページでは、「シミがシミを呼ぶ」という言い方の出典にしています。リリースに出てくる会社独自の成分の話は、このページでは扱っていません。
16良性の皮膚のできものにおける、ミトコンドリアDNAの「共通欠失」の違い
要約:
ドイツのレーゲンスブルク大学皮膚科などの研究者による報告です(レター)。
脂漏性角化症8個、表皮母斑5個、老人性色素斑14個で、ミトコンドリアのDNAの傷の一種(4977塩基の共通欠失)の割合を、そばの皮膚と比べました。脂漏性角化症はすべてそばの皮膚より少なく、老人性色素斑では半数で多くなっていました。著者らは、老人性色素斑のでき方と、それが脂漏性角化症の前の段階なのかどうかに、さらに問いが残ると書いています。
このページでは、老人性色素斑の半数でミトコンドリアの遺伝子の傷が多かったこと、老人性色素斑が脂漏性角化症の前の段階かどうかは分かっていないことの根拠にしています。
17老人性色素斑と、その移り変わり
要約:
米国の皮膚病理医による、組織の観察の論文です。
組織の観察から、老人性色素斑の移り変わりを示し、老人性色素斑と、単発の扁平苔癬様角化症、網目状の脂漏性角化症との関係を示しました。また、老人性色素斑と、悪性黒子の初期の淡い茶色の段階は、組織で見分けられるとしています。
このページでは、老人性色素斑が網目状の脂漏性角化症や扁平苔癬様角化症へと移る関係の根拠にしています。
18腺様(網目状)の脂漏性角化症に多い、FGFR3の変異
要約:
ドイツのレーゲンスブルク大学皮膚科などの研究者による研究です。
腺様(網目状)の脂漏性角化症27個を調べると、23個(85%)にFGFR3という遺伝子の変異がありました。ほかの型(角化型・肥厚型)の脂漏性角化症で報告されている約40%より多いものでした。著者らは、紫外線が関わっている可能性にもふれています。
このページでは、網目状の脂漏性角化症にFGFR3の変化が多いことの根拠にしています。
19脂漏性角化症のFGFR3の変異は、平らな段階からあり、年齢と部位に関係する
要約:
ドイツのレーゲンスブルク大学皮膚科などの研究者による研究です。
厚みの異なる脂漏性角化症65個を調べると、37個(57%)にFGFR3の変異があり、平らな初期のものにも、厚いものにも見られました。変異は、年齢が高いこと、頭や首にあることと結びついていました。著者らは、少なくとも一部の脂漏性角化症では、FGFR3の変異が早い段階で起きていると考えています。
このページでは、でき始めの平らな脂漏性角化症にもFGFR3の変化が見つかっていることの根拠にしています。
20FGFR3とPIK3CAの変異は、老人性色素斑のでき方に関わる
要約:
ドイツのレーゲンスブルク大学皮膚科などの研究者による研究です。
老人性色素斑30個を調べると、5個(17%)にFGFR3の変異、28個のうち2個(7%)にPIK3CAの変異がありました。どちらも脂漏性角化症で見つかる変異で、著者らは、老人性色素斑と脂漏性角化症が共通の遺伝的な土台をもつこと、紫外線がこれらの変異の原因になりうることを示す結果としています。老人性色素斑が腺様の脂漏性角化症に移っていくという考え方にもふれています。
このページでは、老人性色素斑の一部に脂漏性角化症と同じ遺伝子の変化が見つかることの根拠にしています。
21良性苔癬様角化症(扁平苔癬様角化症):1,040例の臨床と病理の見直し
要約:
米国サウスフロリダ大学の研究者による研究です。
1年間に病理検査に出された良性苔癬様角化症(扁平苔癬様角化症)1,040例を調べました。平均年齢は59.5歳(36〜87歳)、76%が女性で、体幹に多く、頭と首は7%でした。組織から、典型型・水疱型・異型型・初期型と、退縮した(萎縮した)後期型の5種類に分けています。皮膚がんとよく紛らわしくなる病変で、さまざまな見え方があることを知っておくことが、誤った診断を避けるのに大切だとしています。
このページでは、扁平苔癬様角化症に、薄れていく(退縮した)段階があること、皮膚がんと紛らわしいことの根拠にしています。
22苔癬様角化症は、基底細胞がんと誤って診断されることが多い
要約:
オーストラリア・パースの病院の皮膚科と、西オーストラリア大学などの研究者による研究です。
苔癬様角化症(扁平苔癬様角化症)は、さまざまなもとの病変に対する体の免疫の反応と考えられている、ピンクから赤茶色の病変です。組織で苔癬様角化症と診断された263人の記録を見直すと、診察の見立てが合っていたのは29.5%で、いちばん多かった見立ては基底細胞がん(47%)でした。
このページでは、扁平苔癬様角化症が免疫の反応と考えられていること、見た目がほかの病気と紛らわしいことの根拠にしています。
23新しいピコ秒レーザー(2波長・2パルス幅)による、アジア人の老人性色素斑の除去:前向き研究
要約:
東京女子医科大学などの皮膚科医による研究です。著者の1人は、資生堂にも所属しています。
顔に老人性色素斑のあるアジア人女性20人(肌のタイプIII〜IV、平均53.7歳)の43個のシミに、532nmのピコ秒レーザーを照射しました。43個のうち40個(93.02%)が1回の照射で75%以上薄くなり、残る3個は2回の照射が必要でした。炎症後色素沈着は、43個のうち2個(4.65%)に起きています。比べる群を置かない研究です。
このページでは、ピコ秒レーザーによる老人性色素斑の治療の研究の一例として参照しています。
24老人性色素斑の治療:臨床試験の系統的レビュー
要約:
イランのシャヒード・ベヘシュティー医科大学と、米国カリフォルニア大学ロサンゼルス校の研究者による、系統的レビューです。
2023年12月までに発表された41件の臨床試験(3,234人)をまとめました。塗り薬では、2種類の成分(メキノール2%とトレチノイン0.01%)を組み合わせたものの効果が、顔のシミで比較的よく報告されていました(この組み合わせの薬は、国内では承認されていません)。レーザーでは、ピコ秒レーザー(67.9〜93.02%)、IPL(74.6〜90%)、Qスイッチレーザー(36.36〜76.6%)などの成功率が報告されています。副作用は、多くが軽く一時的でした。著者らは、レーザーはほかの方法より効果が高い傾向で、塗り薬と組み合わせると効果を高め、炎症後色素沈着を減らせる可能性があるとしつつ、大規模な比較試験がさらに必要と結論しています。
このページでは、レーザーの効果が高い傾向と、大きな比較試験が足りないこと、塗り薬の位置づけの根拠にしています。
※論文は、いずれも医学論文のデータベース(PubMed)に収載されたものです。診療指針は Minds(医療情報サービス)に掲載された版、資生堂の資料は同社の公式サイトで公開されているものです。論文に書かれた著者の所属から、企業の関わり(企業に所属する著者)が分かった論文は、要約にその旨を書いています。
ご予約・お問い合わせはこちら
ソララクリニック
お電話でのご予約022-722-7090 お問い合わせフォームはこちら
ご予約は電話にて承っております。
フォームからはご相談・ご質問を受け付けています。
※「HPの記事を見た」とお伝えいただけるとスムーズです
監修者情報(医師紹介)

監修医師:佐藤 雅樹
ソララクリニック 院長
専門分野:美容皮膚科
2000年 順天堂大学医学部卒。順天堂大学医学部形成外科入局。 大学医学部付属病院等を経て、都内美容皮膚科クリニックにてレーザー治療の研鑽を積む。2011年3月 ソララクリニック開院 院長就任。2022年 医療法人 松柴会 理事長就任。日本美容皮膚科学会 日本形成外科学会 日本抗加齢医学会 日本レーザー医学会 点滴療法研究会 日本医療毛髪再生研究会他所属。
様々な医療レーザー機器に精通し、2011年3月にルビーフラクショナル搭載機器を導入し、15年以上この治療を続けている。各種エネルギーベースの医療機器を併用する複合治療に積極的に取り組む。
※当院の治療はすべて自由診療(保険適用外)です。標準的な費用は各ページの料金表または料金表ページをご覧ください。治療に伴うリスク・副作用は診察時にもご説明します。
最終更新日