ほくろの除去
ほくろの除去は、簡単そうに見えて、大変奥深いものです。
「1回でほくろ取れます」 「ほくろ一個3750円」 「ほくろ除去3分」
というように 簡単な施術のように もはや宣伝しているところもありますが、
当院では、そのようにして行うことは出来ません。
取るだけであれば、簡単です。
できるだけ痕が目立たなくなるように取る。それによって意味合いは異なってきます。
当然きれいに残さず取るということも、治療中は、必要な感じがしますが、
実際には、痕を出来るだけ残さずに(最小限度になるように)取ることのほうが、重要です。
ほくろ除去の流れ
ほくろの除去では、できるだけ正常組織を残しながら、陥凹変形をできるだけ残さないように取り除いていきます。
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ほくろ除去の際には、必要最低限の侵襲に留めておくことが重要と考えています。 | できるだけ正常組織を残すように、ほくろを除去していきます。 | ほぼ傷跡が目立たず、(最小限度の傷跡回復させていきます。
治療後のケアも重要になる点です。 |
ほくろ除去は、場合によって複数回必要。
ほくろの除去は、1度の治療で、全て取りきらなければいけないという、暗黙の縛りがあるように感じることがあります。
実際に、1度の治療で取りきれることがほとんどなのですが、深いほくろでは 全部を1度に取ろうとすると、瘢痕化、陥凹変形を残すことになります。
1度で、取ろうと削り過ぎると、あまり良い結果が得られませんので、必要に応じて、複数回に分けて治療を行うようにしています。
ほくろの除去治療は、再発することがあります。
ほくろの除去治療では、絶対再発させないように取ることももちろん可能です。ほくろより大きめに取り除けば良いのです。
しかし、そんなことをすれば、陥凹してしまいます。
そこで、目視の範囲ですが、出来る限り、ギリギリで、ほくろを取る必要があります。正常皮膚をできるだけ残しながら、
目的のボクロのみを取り除くことになります。ですので、意外と時間がかかります。
ギリギリで、ほくろを除去しますので、どうしても場合によって、ほくろの細胞の一分が残ってしまうことがあります。
その際には、部分的に出てきますので、再度治療を行うことになります。
何はともあれ、再発しないように取ると言うよりも、陥凹変形を出来る限り起こさないように・最小限度に留めるように、再発の可能性は多少ありますが、ぎりぎりで取るようにしていきます。
高周波ニードルと、レーザーを併用
ほくろの除去には、(以前はCO2レーザーを使用していましたが、)高周波ニードルを使用しています。
皮膚損傷が少ないということと、目的の深さまで削るということに対しては、
通常のCO2レーザーよりも、私個人的に コントロールしやすいという点が挙げられます。
ほとんどのクリニックでは、CO2レーザーを使用することが多いと思いますが、
赤みの出具合が 比較的少ない印象があるため、現在は、高周波ニードルを使用しています。
高周波ニードルか、CO2レーザーのどちらが優れているかという点ではなく、
単に、高周波ニードルのほうが慣れているためです。
表層から、ある程度の深さまでは、高周波ニードルを使用します。
深いほくろの場合には、あまり堀過ぎると、陥没してしまいますから、ある程度の深さまでに留め、
一度治癒させて、出てくる部位のみを再度治療する様にします。
この方法ですと、陥凹変形のリスクをある程度緩和することができ、数回の治療となりますが、無理をしないことで、安全に除去することができます。
更に、必要に応じてですが、深いほくろの場合、表層のほくろを削りとった上で、Qスイッチレーザーを使用して、メラニンを生成する細胞のみを破壊して、陥凹変形を避ける方法もできます。Qスイッチレーザーを使用しての治療になりますから、治療回数は増えていきますが、仕上がりがより良くなります。
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ほくろが深い場合には、 複数回に分けて治療を計画します。 |
高周波ニードルで、陥凹をできるだけ 避ける程度の深さまで、削ります。 |
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その後、すこしずつ回復していきます。 陥凹変形,瘢痕を最小限度にしながら、 回復させていきます。 |
ほくろの下面に,ほくろの細胞が残ります。 Qスイッチレーザーを使用して, 色素細胞のみを破壊していきます。 |
ほくろ除去後のケアが重要です。(でも簡単です。)
ほくろを除去した後は、皮膚が欠損した状態になります。そのまま乾かしてしまうと、
普通に治る可能性があったとしても、凹凸が出てしまうことに成りかねません。
そこで、傷の治りを良くする 創傷被覆材を ほぼ全例で使用しています。
傷が回復するのに最適な環境を 創傷被覆材が提供してくれます。
創傷被覆材を使用している最中は、通常特に張り替え,消毒などの処置は必要ありません。
ほくろ除去後の傷の安静を図るという意味でも重要になります。
むしろ消毒は、傷の治りを遅らせる大きな要因であることがわかっています。
できるだけ触らずに、回復を待つことが必要です。
治療後しばらくは、赤みが残ります。
ほくろといっても、皮膚そのものです。これを取りますから、大なり小なり、それなりの痕跡は残ります。
ほとんどわからなくなるまで回復することを目標としますが、最小限度に留まるように、治療計画を立てていきます。
ほくろを除去した痕は、しばらくの間 傷が治る過程と同様に、 「赤み」が残ります。
赤みの引く期間としては、 個人差もありますが、1~6ヶ月~程かかる場合があります。徐々に赤みは減少していきます。
赤みといっても、ほくろよりは目立たなくなるわけですが、赤みが減るまでに少々期間が必要なのです。
ほくろ除去治療は、無理をしないで、少しずつ。
ほとんどのほくろ除去治療は、ほぼ1回の治療で終わってはいますが、
深いほくろの場合には、1回で取り切るようなことはせず、複数回に分けて治療をしていきます。
また、たくさんのほくろを1度に取ることは、基本的には、お断りしています。
これは、初回では特に、赤みがどのような過程で引いていくのか、ご本人は、まだ経験していないためです。
1度でも、治療をしてしまえば、赤みがどのようなスピードで減少していき、ほくろ除去後の痕が どのように回復していくのかわかるのですが、
初めて受ける時に、たくさん取ってしまえば、もしそれが全て赤い跡を残し、かつ数カ月にわたって赤い状態になっているとすれば、
最終的に回復するにしても、その期間中は、あまり精神衛生上 双方ともよろしくありません。
そこで、初回は、ほんの数個にとどめて、その後も、何回かに分けて少しずつ除去していくように お願いしております。
慌てて、一気に何個も取らないこと。これが安全です。