ほくろの除去

公開:2012年6月23日

更新:2013年4月10日

投稿者:

2012/12/20
追記
ホクロの除去専門ページが出来ました。
参照ください。
ホクロの除去専門ページ

ほくろの除去は、簡単そうに見えて、大変奥深いものです。

「1回でほくろ取れます」 「ほくろ一個3750円」 「ほくろ除去3分」
というように 簡単な施術のように もはや宣伝しているところもありますが、
当院では、そのようにして行うことは出来ません。

取るだけであれば、簡単です。
できるだけ痕が目立たなくなるように取る。それによって意味合いは異なってきます。

当然きれいに残さず取るということも、治療中は、必要な感じがしますが、
実際には、痕を出来るだけ残さずに(最小限度になるように)取ることのほうが、重要です。

ほくろ除去の流れ

ほくろの除去では、できるだけ正常組織を残しながら、陥凹変形をできるだけ残さないように取り除いていきます。

通常のほくろ除去 高周波ニードルで ほくろを境界ギリギリで取り除きます。 瘢痕があまり目立たない,最小限度で回復していくことが理想です。
ほくろ除去の際には、必要最低限の侵襲に留めておくことが重要と考えています。 できるだけ正常組織を残すように、ほくろを除去していきます。  ほぼ傷跡が目立たず、(最小限度の傷跡回復させていきます。

治療後のケアも重要になる点です。

ほくろ除去は、場合によって複数回必要。

ほくろの除去は、1度の治療で、全て取りきらなければいけないという、暗黙の縛りがあるように感じることがあります。
実際に、1度の治療で取りきれることがほとんどなのですが、深いほくろでは 全部を1度に取ろうとすると、瘢痕化、陥凹変形を残すことになります。
1度で、取ろうと削り過ぎると、あまり良い結果が得られませんので、必要に応じて、複数回に分けて治療を行うようにしています。

ほくろの除去治療は、再発することがあります。

ほくろの除去治療では、絶対再発させないように取ることももちろん可能です。ほくろより大きめに取り除けば良いのです。
しかし、そんなことをすれば、陥凹してしまいます。

そこで、目視の範囲ですが、出来る限り、ギリギリで、ほくろを取る必要があります。正常皮膚をできるだけ残しながら、
目的のボクロのみを取り除くことになります。ですので、意外と時間がかかります。

ギリギリで、ほくろを除去しますので、どうしても場合によって、ほくろの細胞の一分が残ってしまうことがあります。
その際には、部分的に出てきますので、再度治療を行うことになります。
何はともあれ、再発しないように取ると言うよりも、陥凹変形を出来る限り起こさないように・最小限度に留めるように、再発の可能性は多少ありますが、ぎりぎりで取るようにしていきます。

高周波ニードルと、レーザーを併用

ほくろの除去には、(以前はCO2レーザーを使用していましたが、)高周波ニードルを使用しています。

皮膚損傷が少ないということと、目的の深さまで削るということに対しては、
通常のCO2レーザーよりも、私個人的に コントロールしやすいという点が挙げられます。

ほとんどのクリニックでは、CO2レーザーを使用することが多いと思いますが、
赤みの出具合が 比較的少ない印象があるため、現在は、高周波ニードルを使用しています。

高周波ニードルか、CO2レーザーのどちらが優れているかという点ではなく、
単に、高周波ニードルのほうが慣れているためです。

表層から、ある程度の深さまでは、高周波ニードルを使用します。
深いほくろの場合には、あまり堀過ぎると、陥没してしまいますから、ある程度の深さまでに留め、
一度治癒させて、出てくる部位のみを再度治療する様にします。

この方法ですと、陥凹変形のリスクをある程度緩和することができ、数回の治療となりますが、無理をしないことで、安全に除去することができます。

更に、必要に応じてですが、深いほくろの場合、表層のほくろを削りとった上で、Qスイッチレーザーを使用して、メラニンを生成する細胞のみを破壊して、陥凹変形を避ける方法もできます。Qスイッチレーザーを使用しての治療になりますから、治療回数は増えていきますが、仕上がりがより良くなります。

ほくろが肌の深部まである場合には、治療を分ける必要があります。 高周波ニードルで ほくろを陥凹変形をできるだけ避けられるぐらいの深さまで削ります。
ほくろが深い場合には、
複数回に分けて治療を計画します。
高周波ニードルで、陥凹をできるだけ
避ける程度の深さまで、削ります。
ほくろの除去では、できるだけ瘢痕を目立たせずに回復させることが必要です。 残ったほくろの細胞に Qスイッチレーザーで色素細胞を破壊します。
その後、すこしずつ回復していきます。
陥凹変形,瘢痕を最小限度にしながら、
回復させていきます。
ほくろの下面に,ほくろの細胞が残ります。
Qスイッチレーザーを使用して,
色素細胞のみを破壊していきます。

ほくろ除去後のケアが重要です。(でも簡単です。)

湿潤療法に必要な創傷被覆材 デュオアクティブほくろを除去した後は、皮膚が欠損した状態になります。そのまま乾かしてしまうと、
普通に治る可能性があったとしても、凹凸が出てしまうことに成りかねません。

そこで、傷の治りを良くする 創傷被覆材を ほぼ全例で使用しています。
傷が回復するのに最適な環境を 創傷被覆材が提供してくれます。

創傷被覆材を使用している最中は、通常特に張り替え,消毒などの処置は必要ありません。
ほくろ除去後の傷の安静を図るという意味でも重要になります。

むしろ消毒は、傷の治りを遅らせる大きな要因であることがわかっています。
できるだけ触らずに、回復を待つことが必要です。

治療後しばらくは、赤みが残ります。

ほくろといっても、皮膚そのものです。これを取りますから、大なり小なり、それなりの痕跡は残ります。
ほとんどわからなくなるまで回復することを目標としますが、最小限度に留まるように、治療計画を立てていきます。

ほくろを除去した痕は、しばらくの間 傷が治る過程と同様に、 「赤み」が残ります。
赤みの引く期間としては、 個人差もありますが、1~6ヶ月~程かかる場合があります。徐々に赤みは減少していきます。

赤みといっても、ほくろよりは目立たなくなるわけですが、赤みが減るまでに少々期間が必要なのです。

ほくろ除去治療は、無理をしないで、少しずつ。

ほとんどのほくろ除去治療は、ほぼ1回の治療で終わってはいますが、
深いほくろの場合には、1回で取り切るようなことはせず、複数回に分けて治療をしていきます。

また、たくさんのほくろを1度に取ることは、基本的には、お断りしています。
これは、初回では特に、赤みがどのような過程で引いていくのか、ご本人は、まだ経験していないためです。
1度でも、治療をしてしまえば、赤みがどのようなスピードで減少していき、ほくろ除去後の痕が どのように回復していくのかわかるのですが、
初めて受ける時に、たくさん取ってしまえば、もしそれが全て赤い跡を残し、かつ数カ月にわたって赤い状態になっているとすれば、
最終的に回復するにしても、その期間中は、あまり精神衛生上 双方ともよろしくありません。

そこで、初回は、ほんの数個にとどめて、その後も、何回かに分けて少しずつ除去していくように お願いしております。
慌てて、一気に何個も取らないこと。これが安全です。