他のシミが混在した肝斑の症状によって治療方針が少々変わります。

2015年6月2日

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両頬に 蝶,地図状 又は 筆でスッと書いたような 形で出ることが多いシミの一種 肝斑。

肝斑をそもそも判別することは 一般の方には特に困難な場合も多いと思います。最近は 日光性色素斑と明らかに思えるものまで 「肝斑ではないか?」と心配されてこられることも 大変多くなりました。

肝斑には 一昔前まではレーザー治療は「禁忌」と言われていました。通常の照射を行ってしまうと 肝斑が悪化してしまうことがあるためです。しかし、時代は代わり レーザーの低出力照射ですこしずつ薄くしていく方法が認知されるようになってきました。

肝斑で悩まれているような方には、当然ながら肝斑だけでなく 通常のシミ(日光性色素斑など)も混在している事が多いです。肝斑と外のシミの両方を治療する際には少々問題が出てきます。

肝斑と他のシミが混在する時 症状に応じて方針を少々変更する

肝斑は、他のシミに最適な治療(IPL,レーザー等)を行うと 逆に濃くなり悪化してしまうことがあります。そこで、まず肝斑のある場所は 積極的なシミ除去を避けて 肝斑の治療を優先して行っていきます。

肝斑が十分に濃い時には 治療を進めていくことで薄くなっていきますので、効果の実感が高く モチベーションが続いてくれます。

しかし 薄い肝斑の場合には、日光性色素斑などの他のシミが残存していくために 効果の実感度が十分に得られず 忍耐が必要になってきます。このため、肝斑のみの治療を優先している時には 途中で脱落されてしまう=治療を断念してしまう 状態が起きることがあります。

これは 私共の治療に関する伝え方が十分でなかった と反省する点でもあります。

肝斑の治療では 肝斑のコントロールを優先し ある程度押さえ込めた段階で、他のシミの治療に移行するようにします。

回り道のように感じられることですが、肝斑悪化を起こさずに 次のステップに進むためには必要なプロセスなのです。

明らかな`肝斑`には 肝斑改善集中プランで対処

広範囲に及ぶ様な明らかな肝斑は 通常のシミ治療に移る前に 肝斑の治療を優先します。
この際に使用する治療が 「肝斑改善集中プラン」です。

レーザートーニングでメラニン排出を促進

肝斑改善集中プランは 大きく2種類の治療から成り立ちます。その一つがレーザートーニング。

摩擦の刺激などの影響でメラノサイトが活性化している状態のため、高い出力で照射すると悪化する傾向があります。そこで、低出力のレーザーを照射し メラニンの排出を促進させていきます。

トラネキサム酸を直接肌に導入

肝斑改善集中プランの特徴は、積極的にトラネキサム酸を内と外から作用させることです。

肝斑では プラスミンという酵素が活性化していることがわかっています。プラスミンがメラノサイトも活性化させてしまうため、色素沈着として出てきてしまいます。このプラスミンを抑制する薬剤が 抗プラスミン剤「トラネキサム酸」です。

プラスミンを抑制する効果のあるトラネキサム酸の内服は、肝斑治療では必須です。内服に加えて トラネキサム酸を直接肌から導入させることで 目的の部位に高濃度で作用させることが出来ます。

これら2種類の治療を適切にバランス良く行うことで 肝斑の症状を軽減させていきます。

肝斑のコントロールをした上で他のシミの治療を行なう

肝斑治療の難しさは 肝斑だけを優先的に治療するため、他のシミの治療に入れるまで時間がかかる ということです。とても回り道に感じられてしまうのですが、とても重要なプロセスです。

肝斑改善集中プランを数クール必要な場合もありますが、肝斑をコントロール出来てきた段階で 次のステップ「混合シミ改善治療」にうつります。

混合シミ改善治療は 複数のレーザー,光治療器を併用し 様々なシミの改善を促していきます。肝斑改善集中プランでコントロールした上で このプログラムへ移行することで 安全に他のシミの改善を進めていくことが出来ます。

薄い肝斑は、シミの治療を並行して行なう

肝斑を集中的に治療したい! とご希望される方が多いのですが、治療開始段階で薄い肝斑の場合には 肝斑集中プランで少しずつ更に薄くしていくこともできるわけです。しかしながら 薄い肝斑が更に薄くなるので良いようにも感じるところですが、他のシミが残るので 肝斑は改善するも満足度が上がらない というジレンマに陥ることがあります。

薄い肝斑 限定的な範囲の肝斑の場合には 肝斑の部位は 肝斑に合わせた形の治療を行いつつ 他の部位は積極的にシミ取りの治療を行なっていくことが可能です。このような場合には 複数のレーザー・光治療器を併用する「混合シミ改善治療」で行なって行きます。複数の機器を シミ・肝斑に合わせて 一つの施術の中で選択照射できるため、肝斑にも対応しながら治療を進めていくことが出来ます。

まとめ

広範囲に及ぶ強い肝斑の場合には、本格的なシミ治療に移行する前に 適切にコントロールできるようにすることが重要です。回り道に思われるかもしれませんが、肝斑治療には必要なことでもあり 肝斑治療そのものを難しくさせている要素とも言えます。

限局的な肝斑の場合には 混合シミ改善治療を中心として 治療を進めていくことも勿論可能です。

広範囲に及ぶ肝斑の場合には 肝斑改善集中プランで前処理を行なうことが重要になります。