手掌多汗症ボトックス注射での痛み軽減策

公開:2015年6月22日

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botox当院で行なっている多汗症治療に ボトックス注射があります。

ボツリヌス菌の毒素を患部に注射することで 汗を減少させる治療法です。
この頃になると脇汗ボトックス注射を受ける方が増加してきます。

汗の治療では結構メジャーな方法ですが、脇の下の汗だけでなく 手のひら 足底の汗の治療にも効果的です。

よく知られている方法でもあるのですが、どうしても越えなければいけないハードルがありました。

手掌や足底は 神経が集中している場所でもあるので、注射器で薬剤を入れるとなると いくら表面麻酔(塗る麻酔)をしても 痛みを完全に取り除けないどころか 痛みをかなりこらえて貰う必要があります。

痛みを出来るだけ軽減することで 効果的な治療を行なうことが出来ます。

注射の痛み

注射の痛みは 大きく3つの要素から起きてきます。

注射針を刺す時の痛み

出来るだけ細い針を選択すると 痛みはそれだけ軽減されます。しかしながら ある程度の薬剤を注入するとなると 単位面積当たりの圧力が上がるため、逆に注入時の痛みが上がってしまうというジレンマがあります。

薬剤が浸透する際の痛み

針をさすときの痛みは 通常「一瞬」です。本来の痛みは 薬剤が注入されるときに 組織内で広がるときに起きます。圧をかけて周囲を剥離しているようなものです。その拡張する際の痛みが 注射の際の痛みそのものと言っても良いと思います。

そこで、薬剤を注入する際には 無理に周囲を拡張するようなスピードで入れるのではなく 周囲に浸透しやすいように ゆっくり入れていくことで痛みを軽減することが出来ます。

薬剤を注射器で注入するときには

  • できるだけ細い針を使用して
  • 無理に圧をかけないようにしながら、周囲に浸透しやすいように ゆっくり入れていく

このような方法で痛みを軽減します。

勿論 圧迫 冷却 振動等 ゲートコントロールセオリーに基づく軽減策を併用することもあります。

メドジェットを使用した 多汗症ボトックス注射

手掌や足底の注入の際は広範囲に行う必要があります。全て手作業で上記を行なうことは難しい点もあります。

そこで 当院では 針を使用しない注入器 メドジェットで 多汗症治療を行っています。

ボトックス注射のデメリットを回避

メドジェットを使用した 多汗症ボトックス注射は大きな利点があります。

これが メドジェットを使用したボトックス注射の全てと言えます。

通常の針よりも細く 蚊が刺すよりも細い注入口から ガス圧を用いて 一瞬で薬剤を皮膚組織内に注入します。組織内に浸透していくため、注入圧に伴う痛みを強く感じることはありません。

デメリットとしては ガス圧で注入する際の衝撃を感じることです。注射の痛みとは種類が異なります。

まとめ

脇の下の汗を抑えるだけでなく 手掌・足底の汗も ボトックス注射は抑えることが出来ます。しかし痛みに対しての対策も十分に取る必要があります。脇の下はメドジェットを使用するまでもないところなので よっぽど痛み対策を取りたい方以外は必要がないと思いますが、手掌・足底は メドジェットを使用するようになって 従来と比較しかなり楽に受けていただけるようになりました。

脇汗の治療と同時に 手掌(足底)のボトックス注射も可能です。

詳細はこちらを参照ください。

多汗症ボトックス注射