ルビーフラクショナルRuby Fractional
一歩進んだしみ・あざの治療を
ダウンタイムなく実現
ルビーフラクショナルは、レーザーの効果 光治療の手軽さ・安全性でシミの治療を可能にしました。
従来のシミ治療を根底から覆す可能性を持つ最新機器です。通常のシミだけでなく 肝斑や後天性真皮メラノサイトーシス等の痣の治療も同時におこなうことができます。
「ルビーフラクショナル」は、照射後からメイクが出来るだけでなく 被覆材を必要とせず、色素沈着などのリスクも大幅に軽減させることに成功しています。
レーザーのしみ治療のキレの良さと、光治療の簡便さを兼ね備えた治療を提供することができ、且つ ADM治療のハードルを大幅に引き下げることが可能です。
※シミ取り治療全般については、シミ治療総合ページの内容をご確認ください。
この記事の目次
しみ取りレーザーを、ダウンタイム気にせずに
シミ取りレーザーは、シミの治療に 非常に高い治療効果を得ることが出来ます。
しかし、暫くの間 照射後にガーゼ等で被覆をする必要があり、また、一定期間シミが濃くなるなど 超えなければいけないハードルもあります。
高い治療効果の反面 ダウンタイムを考えると、第一選択とされなくなってきました。
両頬に斑点状に出ることが多い アザの一種 「後天性真皮メラノサイトーシス」(ADM)は 光治療器では太刀打ちが行かず Qスイッチレーザーでの治療が必要となります。
しかし治療回数がかかり、そのたびごとに 2週間ほどの被覆を必要としたり、一過性色素沈着も出るため、簡便に治療を行うことは困難でした。
これらの問題を解決したのが ルビーフラクショナルです。
通常のQスイッチレーザーの問題点を改善しました
ルビーフラクショナルは、従来型のQスイッチレーザーでの問題を大幅に引き下げることに成功しました。
光治療器は、シミの改善に大変効果的な治療法です。ほとんどのシミに効果的ということができますが、どうしても取れないシミには、レーザーを使用しなくてはいけません。
シミ取りレーザー(pico・nano共に)は、キレ良くシミを取り除くことができる反面 炎症後色素沈着や、被覆材で照射部位を保護する事が必要となることが問題とされます。
ルビーフラクショナルは、炎症後色素沈着の確率を最小限度にまで抑えつつ、被覆材を基本必要としないため、光治療に準じた気軽さで シミ取りレーザーの治療を受けることができるようになりました。
光治療以上に ダウンタイムの影響が最小限度に済むことは ルビーフラクショナルの大きな特徴です。
- シミが有ります。
- 微細な口径のレーザーがドット状に照射されます。
- ドット状に照射された部位の周囲から急速に回復
- ダウンタイムが最小限で回復します。
被覆材は必要ありません
通常のシミ取りレーザーでの治療は、シミに照射した後、10日ほどは、被覆材を貼る必要があります。照射後に一定の確率で起きる 炎症後色素沈着の可能性もあるため、ほんの数カ所のシミだけを対象とするとき以外は、第一選択にはならなくなりました。
ルビーフラクショナルでは、照射後直ぐにメイクをすることができ、且つ 照射後の赤みも1日ほどで引いてしまいますので、日常生活に困ることがありません。
光治療と コンベンショナルなpico/nanoレーザーとの 中間的存在と言えます。
光治療に起きる 「かさぶた」も殆どありません
下の写真は、光治療(光フェイシャル)後の反応です。
光治療を受けられたことが有る方は お分かりになると思いますが、光治療・光フェイシャルを照射すると、シミの部分が反応し「カサブタ状」になります。「ごま塩状」という表現もされたりします。このような変化は 通常メイクで隠すことが出来ますが、多い場合にはチョット大変です。
ルビーフラクショナルでは カサブタ状になる変化は殆ど気づかれません。あっけなく赤みが引いてしまいます。
カサブタ状にあまりならないため、効果が出ているのか 初めは心配してしまうほど 人知れず薄くなっていきます。光治療で起きる かさぶたも気になる方には ルビーフラクショナルは 良い適応だと思います。
後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)治療の第一選択
ルビーフラクショナルが 最も真価を発揮するのは 後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)でしょう。
アザの一種です。両側性に斑点状に出る 少し暗めの感じのシミのように見えます。
通常のシミよりも 色素が皮膚の深い部位(真皮層)にあるため、他のシミよりも暗めに見えます。発生する部位が 肝斑の好発部位でもあるために、肝斑と混同されていたり、通常のシミと同様に治療を受けていたりと、診断が付くまでに時間がかかってしまう方も多いようです。
ADMの治療期間を短縮
通常ADMの治療を行う際には、施設によって異なると思いますが、照射に伴う炎症後色素沈着等の副作用からの回復を待ちつつ 3ヶ月ほどの間隔を開けて照射を行っていきます。照射のたびに 被覆材で2週間ほど保護する必要もあり、治療を行えば完治も狙えるものであるのにもかかわらず、継続が困難な場合も多かったようです。
色素沈着や赤みのリスクを減少させ 副作用を最小限に
ルビーフラクショナルでの治療の際には、ダウンタイムも1日程 翌日には赤みもほとんど気にならなくなる程で、照射直後からメイクが出来るために 日常生活にあまり影響を与えずに 治療を進めていくことができます。
さらに、数ヶ月に及ぶ回復期間を待つ必要が無いため、最短1ヶ月毎の治療行うことができ、総治療期間の短縮まで行えるようになっています。
肝斑も一緒に治療可能です
ルビーフラクショナルは、更に肝斑治療へ広がりました。出力を抑え 且つ フラクショナル照射を行うことで 肝斑の改善を促すことが出来ます。
ルビートーニングという手法を用いて肝斑を治療することが出来ます。ルビートーニングは 低出力で照射を行い メラニン排出を促進させる新しい照射方法です。フラクショナル化されたルビーレーザーは 皮膚へのダメージを最小限に留めつつ メラニン排出を促進させる効果があります。類似の方法としてレーザートーニングがありますが、通常レーザートーニングは1~2週間に1度のペースになりますが、ルビートーニングは 3~4週に1度のペースで行うことが出来ます。
(シビアな肝斑の場合には 肝斑改善集中プランで改善させてから ルビーフラクショナルへ移行します。)
光治療以上の効果で 生活への影響を最小限度にしたい方に最適
ルビーフラクショナルを受けられると 照射後しばらくして 赤みが落ち着いて 照射前と殆ど変わらなくなることに気づかれることだと思います。カサブタ状にもなりませんので 照射後にあまり悩まされることもないことでしょう。
見た目の反応は少ないため 効果に乏しく感じてしまうかもしれませんが、Qスイッチレーザーに準じた治療効果を発揮し 治療が進む毎に「人知れず」薄くなっていきます。
更に光治療器では不可能とされる 真皮層の色素の治療も ルビーフラクショナルでは治療すること出来ます。通常のシミだけでなく 炎症の後に 真皮層にメラニンが落ちているような状態の場合には 光治療では効果を上げることは困難ですが、Qスイッチレーザーを元にしたこの機器は 真皮層の改善を促すことが出来ます。
光治療並みの手軽さと 通常のシミ取りレーザーに準ずる効果を併せ持つ ルビーフラクショナルは、光治療器以上の効果を ミニマムダウンタイムで希望される方には 最適な選択肢となると思います。
ヒアルロン酸導入で肌再生を促進
ダウンタイム無しで光治療以上のシミ改善効果を発揮するルビーフラクショナル。その効果をさらに高めることができるのが、ヒアルロン酸導入です。
皮膚に足りなくなった保湿成分「ヒアルロン酸」をクライオエレクトロポレーションで効果的に導入することで、肌の張り、透明感をさらに回復させることが可能です。さらには、毛穴の引き締め、リフトアップ効果など、肌の鎮静と相乗効果が得られます。 ヒアルロン酸導入とは
施術料
ルビーフラクショナル | 部位 | 料金 | 2か月以内 |
---|---|---|---|
ルビーフラクショナル +ヒアルロン酸導入(美白) |
全顔 | 69,300 | 67,100 |
両頬 + 鼻 | 47,300 | 46,200 | |
※上下眼瞼 | +22,000 | ||
上下口唇※※ | 33,000 |
※上下眼瞼のみの照射は行なっておりません。コンタクトシェルで眼球を保護します。
※※ 口唇にはヒアルロン酸導入は含みません。
※当院での診療は全て保険適応外の自費診療です。
よくある質問 FAQ
ルビーフラクショナルについてのよくある質問をまとめました。
ご参考になれば幸いです。
ルビーフラクショナルとはどのような治療ですか?
ルビーフラクショナルは、波長694nmのルビーレーザーを肌にフラクショナル(分割照射)方式で当てる最新の美容施術です。
メラニン色素に反応するルビーレーザーを細かい点状に照射することで、シミやADMなどの色素病変を少しずつ薄くしていきます。
従来の単発照射(スポット照射)のルビーレーザーに比べ一度に当たるエネルギーを抑えて広範囲に照射するため、肌へのダメージを軽減しながら徐々に色ムラを改善できる点が特徴です。
レーザー機器としてはQスイッチ方式のルビーレーザーを使用しており、照射時間がきわめて短く(ナノ秒オーダー)選択的にメラニンを破壊しますが、フラクショナル照射により周囲組織への熱影響を最小限に抑えて安全性を高めています。
ルビーフラクショナルはどんな肌の悩みに効果がありますか?
694nmルビーフラクショナルレーザーは主にメラニン色素が原因の皮膚トラブルに効果を発揮します。
具体的には、日光によるシミ・そばかす(雀卵斑や老人性色素斑)、肝斑(かんぱん)、ADMと呼ばれる後天性真皮メラノサイトーシス(頬に生じるグレーがかったシミ、いわゆるHori斑)などの色素性病変の改善に用いられます。
肝斑のように従来はレーザー治療が難しかった薄い色素沈着にも、低出力で均一に照射するルビーフラクショナルならメラニンを少しずつ破壊して安全に薄くすることが期待できます。
また、目の下の茶グマ(色素沈着によるクマ)に対して効果を報告する研究もあり、これまで治療が難しかった広範囲の色ムラ改善にも役立つ可能性があります。
いずれもお肌の漂白効果に近いイメージで、回数を重ねるごとに徐々にトーンアップしていく施術です。
ルビーフラクショナルの施術は痛いですか?麻酔は必要でしょうか?
痛みの感じ方には個人差がありますが、ルビーフラクショナルレーザーの痛みは一般的に「輪ゴムで軽く弾かれる程度」と表現されます。
照射中にパチパチとした刺激を感じますが、フラクショナル照射は一箇所に集中して高エネルギーを当てない分、従来のスポット照射より痛みは軽減されています。
多くの患者様は表面麻酔なしでも耐えられる程度の痛みと言われますが、照射中は、冷却器を併用することでできる限り痛みの軽減を図ります。
不安な場合は施術前に麻酔クリームを塗布することも可能です。当院では、約3割の方が麻酔クリームを使用して治療を受けられています。
ご希望や痛みの感じ方に応じて麻酔クリームを併用できますので、ご安心ください。施術時間もお顔全体で数分程度と短いため、痛みが長く続くことはありません。
ルビーフラクショナルレーザーにダウンタイムはありますか?
ダウンタイム(施術後の回復期間)は最小限です。
ルビーフラクショナルは照射後にほとんどかさぶたができないため、従来のシミ取りレーザーのようにテープで保護したり長期間お化粧を控える必要がありません。
個人差はありますが、治療後の赤みは1日程度です。
周囲から目立つような濃い瘡蓋にならず、日常生活に支障はほとんどありません。メイクで赤みを隠すことも可能です。
施術後すぐにメイクや洗顔はできますか?
はい、ルビーフラクショナル治療では当日から洗顔・メイクが可能です。
照射後の肌は赤みや乾燥を感じますが、強い刺激を与えなければ当日中に普段通りのスキンケアとお化粧をしていただけます。
ただし、メイクをする際にはお肌をこすらずに優しく行い、クレンジングも刺激の少ない方法で行ってください。
治療当日は、熱いお風呂やサウナなど極端に皮膚を温める行為は控えていただくほうが無難です。
赤みが引くまでは保湿をしっかり行い、翌日以降も日焼け止めを必ず使用するなどお肌を優しくケアしてください。
副作用やリスクはありますか?
ルビーフラクショナルはレーザー治療である以上、考えられるリスクとして、熱傷や色素沈着が起きる可能性はあります。
ただし、ルビーフラクショナルは従来レーザーに比べて副作用のリスクが非常に低く、万一炎症後色素沈着が出ても軽度で一過性です。
当院は、2011年から長年ルビーフラクショナル治療を行なってまいりました。当院におけるルビーフラクショナルの副作用(熱傷・色素沈着)発生確率は、2000分の1以下(数年に一回)です。
当院でのルビーフラクショナルの副作用発生の多くは、初回に集中しています。初回の出力は最小限度のため全て回復されています。
起きた事象としては、「無申告の自己免疫疾患などの持病があった」ことが一番多く、次いで「日焼け」や「過度のスキンケア」で色素沈着が起きたなどがあります。
二回目以降で色素沈着等の副作用発生は極めて稀です。
稀に照射部位に小さな水ぶくれ(薄い火傷)や内出血が起こることも考えられますが、ルビーレーザーとしての特性上、適切に対処することで多くの場合十分に回復する程度と考えらえます。
当院では事前にリスクを丁寧に説明し、万一トラブルが起きた際も医師が迅速に対応しますのでご安心ください。
何回くらい治療を受けると効果が出ますか?
シミの種類や濃さによって効果を実感される回数は異なります。
ルビーフラクショナルでは、多くの場合3~4回目頃からシミが薄くなってきたと実感される場合が多いです。
しかしながら、ルビーフラクショナルの特徴として「日常生活への影響は最小限」という点が挙げられます。かさぶた等ができるなどの反応が乏しく、シミは人知れず薄くなる傾向があるため、なかなか変化に気づけない方がいらっしゃいます。
そのため、適時VISIAの画像をお見せし、治療の進捗状況を説明させていただいております。
施術の間隔はどれくらい空ける必要がありますか?
施術の間隔は、最低3週間開けていただきます。肌の回復に必要な期間です。
1か月に1回のペースで受けられる方が多いです。
勿論、2~3か月に1回のペースで受けられている方や、海外在住の方の場合など、半年~年1回のペースとなる方もいらっしゃいます。
継続しやすいペースで受けられることをお勧めします。
施術者側としては、可能であれば1~3か月に1回ペースが治療しやすいです。
照射を行う際に、肌状態を分析した後、前回の反応・実際のダウンタイム期間をお聞きし出力を設定します。この作業は安全マージンを削り出力を上げて照射可能かどうかを判断するためのものです。
半年~1年と治療間隔があいてしまうと、その間に肌質が変わることも考えられます。そのため、前回のデータを参考にしてよいか迷うことになり、安全域を狭めることの難易度が上がります。
治療間隔が長期になったとしても、現在の肌状態を評価し出力設定を行なうので、治療を行なうことはもちろん可能です。しかし、可能であれば1~3か月ほどのペースにしていただけると、前回のデータが参考になるので治療はしやすくなります。
光治療(IPL,BBL,APL等)と比べて何が違いますか?
IPLなどの光治療は肌全体の若返りや薄いシミの改善に適していますが、ルビーフラクショナルはレーザー特有の高いシミ除去効果があります。
例えば、IPLでは反応しきれない真皮層のメラニンにもアプローチできる点が大きな違いです。
またIPL照射後はシミがゴマ状に濃く浮き出て一時的にカサブタになることがありますが、ルビーフラクショナルではそうした反応が目立たないメリットがあります。
更に、光音響効果によってシワや毛穴など肌質改善も期待できます。
手軽さはIPL並みでありながら、効果の実感と適応の幅広さで優れているのがルビーフラクショナルです。
ピコレーザーなど他のレーザー機器との違いは何ですか?
ピコ秒レーザー(Picoレーザー)は超短いパルスで色素を粉砕する最新レーザーで、主に刺青除去や難治性のシミに用いられます。
一方ルビーフラクショナルは694nmルビーレーザーの波長特性を活かし、メラニン吸収効率が高い点が強みです。ピコレーザーより歴史は長い技術ですが、フラクショナル照射との組み合わせで安全性が飛躍的に高まりました。
それぞれ得意分野は異なりますが、ルビーフラクショナルは日光性色素班だけでなくやADMにも効果的で色素選択性が高いにもかかわらず、ダウンタイムが短い点で優れています。
当院では両者を症状に応じ使い分けますので、「自分にはどちらが適切か分からない」という方もご相談ください。
従来のシミ取りレーザーや他の光治療と比べて何が違いますか?
ルビーフラクショナルと従来のシミ取りレーザー(スポット照射)との違いは、一度の照射範囲とダウンタイムにあります。
従来のQスイッチルビーレーザーのスポット照射は、高エネルギーを一点に当ててシミを1回でかさぶたにし、剥がす即効的な方法ですが、施術後に濃いかさぶたができたり炎症後色素沈着のリスクがありました。
一方、ルビーフラクショナルでは低エネルギーを網目状に分散して当てるため、一度で広範囲の薄いシミを均一に治療でき、かさぶたがほとんど生じません。その結果、肌への負担やダウンタイムが大幅に軽減され、安全性が高くなっています。
他のレーザーや光治療との比較では、IPL(光治療)よりも694nmという短めの波長でメラニンへの吸収率が高く、IPLでは改善しにくかった頑固なシミやADMにも効果を発揮しやすい点がメリットです。
また、Nd:YAGレーザーのトーニング(1064nm)に比べても、ルビーフラクショナルはメラニンへの選択性が高く、表皮から真皮浅層までの色素にアプローチできます。
ピコ秒レーザーなど最新機器との厳密な比較データは限られますが、ルビーフラクショナルはメラニンへの反応性が非常に高いルビーレーザーを用いるため、特に明るめのシミや薄い肝斑にも効果的とされています。
ただし即効性では従来型スポット照射に劣るため、症状によっては使い分けます。当院では患者様のお悩みに合わせて最適な施術方法をご提案いたします。
保険は使えますか?治療費はどのくらいですか?
ルビーフラクショナルは美容皮膚科の自費診療となり保険適用外です。
費用は治療範囲によって異なり、例えば顔全体で¥69,300、両頬+鼻で¥47,300などの設定です(当ページに詳細な料金表を掲載しています)。
初回カウンセリング時に症状を診断し、最適なプランをご提案します。その上でご検討いただければと思います。
ルビーフラクショナルで施術後にシミが濃くなったり、肝斑が悪化することはありませんか?
適切に行えば過度な心配はいりませんが、一時的にシミが濃く(はっきり)見えることはあります。
メラニンを持つ細胞がレーザーで破壊され、老廃物として排出されていきますが、排出まで時間がかかります。それまでの間メラニンは皮膚内に留まることになり、これが一時的にシミがはっきり見える原因となります。
多くの場合、この現象は数日~1週間程度で落ち着いていきます。
低出力のフラクショナル照射は肝斑を刺激しにくいよう工夫されています。適切な設定で行えば、軽度の肝斑が悪化するリスクは比較的低いとされています。
実際、海外の報告でも肝斑が大きく悪化した例は少なく、むしろ回数を重ねることで肝斑が徐々に薄くなる傾向が示されています。
ただし肝斑は紫外線やホルモンバランスなど様々な要因で変動する厄介な症状です。レーザー後も日焼けに注意し、美白剤の併用など再発予防に努めることが大切です。
治療においては、毎回VISIA肌分析にて肝斑の評価を行ないます。肝斑悪化の兆候が見られるような場合には、早期に治療方針の変更等対応を行ない、肝斑悪化を抑えつつ、シミ治療を並行して行える体制へと移行します。
参考文献
本ページを作成する際に参考にした文献集です。
専門的な内容になりますが、治療の有効性・安全性についてのエビデンスとして参考にしてください。
694nmフラクショナルQスイッチルビーレーザーの肝斑治療における有効性
原題: Efficacy of 694-nm Q-switched ruby fractional laser treatment of melasma in female Korean patients
出典: Dermatol Surg. 37(8):1133-1140 (2011)
DOI: 10.1111/j.1524-4725.2011.02018.x
要約: 韓国人女性15名の肝斑に対する後ろ向き研究。
低出力のルビーフラクショナルレーザーを2週間間隔で計6回照射したところ、治療16週後の平均MASIスコアは治療前15.1から10.6へ有意に低下し(色素沈着の改善)、肌の明るさ(L値)も向上しました。
一過性の軽い発赤以外に重篤な副作用は認められず、複数回の分割照射による肝斑改善効果と安全性が示されています。
694nm分割照射Qスイッチルビーレーザーを用いた白人患者の肝斑治療
原題: Treatment of melasma in Caucasian patients using a novel 694-nm Q-switched ruby fractional laser
出典: Eur J Med Res. 18(1):43 (2013)
要約: フィッツパトリックスキンタイプI~IIIの白人肝斑患者25名を対象とした後ろ向き研究。
1~3回のルビーフラクショナル照射(平均1.4回)後、4~6週間後の平均MASIスコアは6.54から1.98へ約72%低下し、有意な改善が確認されました。
患者の痛みスコアは平均2.46/10、改善度自己評価5.55/10、満足度4.66/10と概ね良好でした。一方、施術3ヶ月後の追跡調査では28%にPIH、44%に肝斑再発が見られ、長期的には色素沈着や再燃のリスクがあることが示唆されています。
ルビーフラクショナルは白人患者の肝斑治療に安全かつ有効な選択肢ですが、低出力での複数回照射や施術後の美白剤・UV対策によってこれら合併症を最小限に抑えることが推奨されています。
Qスイッチ694nmルビーフラクショナルレーザーによる後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)治療の有効性
原題: The Efficacy of a Q-Switched 694-nm Ruby Fractional Laser for Treating Acquired Bilateral Nevus of Ota-Like Macules
出典: Arch Aesthetic Plast Surg. 24(1):20-25 (2018)
DOI: 10.14730/aaps.2018.24.1.20
要約: 平均年齢47.2歳のADM患者44名(女性41名、男性3名)を対象に、QSルビーフラクショナルレーザーを3~4週間隔で最大10回照射した研究。
治療前後で皮膚の色素沈着スコア(自動皮膚診断装置による評価)の中央値が5から3へと改善し、統計的に有意な色素減少が確認されました(P<0.01)。
平均14ヶ月の経過観察期間において重大な合併症は報告されておらず、複数回の照射を要するもののADMに対して有効かつ侵襲の少ない治療であることが示唆されています。
694nmフラクショナルルビーレーザーによる頬部肝斑治療の有効性
原題: Efficacy of 694-nm Fractional Toning Ruby Laser in the Treatment of Malar Melasma
出典: Med Laser (Eng. Basic Res. Clin. Applic.). 10(1):45-48 (2021)
要約: 韓国人の頬部肝斑患者40名に対する後ろ向き研究。
694nmルビーフラクショナルレーザーを2~3週間おきに計8回照射し、毎回診察時に医師2名がMelasma Severity Scale (MSS)で評価しました。4回目以降から自覚症状・満足度の明らかな向上がみられ、最終第8回照射時および1ヶ月後評価では初回に比べMSSが有意に改善しました。
患者満足度も高く、副作用はごく軽度の低色素斑1例のみで1ヶ月以内に消失しています。
以上より、694nmルビーフラクショナルレーザー照射は肝斑に対し有効で安全性の高い反復治療であることが示されました。
左旋性ビタミンC音波導入を併用した694nmフラクショナルQスイッチルビーレーザーによる肝斑治療
原題: Efficacy of 694-nm fractional Q-switched ruby laser (QSRL) combined with sonophoresis on levorotatory vitamin C for treatment of melasma in Chinese patients
出典: Lasers in Medical Science 2016 Jul;31(5):991-5
DOI: 10.1007/s10103-016-1938-3
要約: 中国人の肝斑患者26名を対象に、2週間隔で計4~6回のフラクショナルQスイッチルビーレーザー照射(出力2.5~4 J/cm²)と左旋性ビタミンCのソノフォレーシス(超音波導入)を併用した治療を行った研究。
平均MASIスコアは治療前の15.51から、最終照射3か月後には10.02まで低下し有意な改善が得られました。
副作用はごく軽微かつ一過性であり、高密度照射のフラクショナルQスイッチルビーレーザーとビタミンC導入の併用療法は肝斑に対して安全で有効な治療法であると報告されています。
手背の老人性色素斑治療におけるQSルビーレーザー vs アブレーティブCO2フラクショナルレーザー(ランダム化比較試験)
原題: Laser treatment of solar lentigines on dorsum of hands: QS Ruby laser versus ablative CO2 fractional laser – a randomized controlled trial
出典: European Journal of Dermatology 2015 Apr;25(2):122-6
要約: 手の甲に見られる老人性色素斑を対象に、694nmのQスイッチルビーレーザー(Sinon)とアブレーティブ10,600nm CO2フラクショナルレーザー(Quantel)の効果を左右の手で比較したランダム化試験。
11名の患者で各手に3回ずつ治療を行い、16週後に評価した結果、老人斑の色調改善効果はQSルビーレーザー照射側がCO2フラクショナル側よりも有意に優れていました(評価者判定および測色計による測定で有意差、p=0.01)。
著者らは、本研究において手背の老人斑除去にはアブレーティブフラクショナルレーザーよりもQスイッチルビーレーザーの方が有効であったと結論付けています。
一方、CO2レーザー側は治療部位の治癒が速く疼痛が軽い傾向があり、両治療で重篤な副作用の差は認められませんでした。
色素沈着性の下まぶたのクマに対する694nmフラクショナルQスイッチルビーレーザー治療の有効性
原題: Treatment of infraorbital dark circles using 694-nm fractional Q-switched ruby laser
出典: Lasers in Medical Science 2016 Dec;31(9):1783-1787
DOI: 10.1007/s10103-016-2050-4
要約: 下眼瞼の茶色クマ(主に色素沈着が原因のクマ)を持つ女性30名に対し、694nmフラクショナルQスイッチルビーレーザーによる治療(週1回間隔で計8回)を行った前向き研究。
30人中28人(93%)で治療後の専門医評価が「改善(良好以上)」と判定され、自己評価でも26人が満足度を「高い」と回答しました。
メラニン指数は治療前の240.44から治療後は194.56へ有意に低下し(P<0.05)、共焦点顕微鏡所見でも真皮上層のメラニン沈着が大幅に減少しています。
副作用は最小限で、一時的な発赤・腫れ程度に留まり、本レーザーが茶色いクマの安全で効果的な治療法になり得ると報告されています。
リスク・副作用・合併症について
ルビーフラクショナルは 通常のシミ取りレーザーを微細なドット状に分割することで、日常生活への影響を最小限にとどめることを可能とした治療法です。 照射後に赤みが出ますが、翌日に殆ど引き またメイクをすることが可能です。
この治療法にかかるリスクは 通常のシミ取りレーザーと同様 照射後の赤み 熱傷、炎症後色素沈着です。治療開始初期に毛穴が反応して赤みが出ることがあります。 通常のシミ取りレーザーでは、炎症後色素沈着が起きる確率は 30~50%と言われています。
ルビーフラクショナルは 分割することで炎症後色素沈着の確立を極端に低下させ 更に回復を早めることで、日常生活への影響を最小限度に留めることが可能となりました。
この治療法で用いられる医薬品・医療機器は国内においては薬機法上の承認を受けていません。
*承認を受けていない医薬品・医療機器について「個人輸入において注意すべき医薬品等について」のページをご確認ください。
国内には同様の機器は存在しないため 医師のライセンス下で個人輸入し使用しています。
- 潜在的副作用
- 色素沈着 色素増強 刺激 発赤 浮腫 水疱形成 内出血(user manualより)
- 海外における承認取得情報
- FDA 2014年7月17日
CE 2017年7月22日 - 製造元
- Asclepion Laser Technologies
監修者情報(医師紹介)
監修医師:佐藤 雅樹 (さとう まさき)
ソララクリニック 院長
専門分野:美容皮膚科
2000年 順天堂大学医学部卒。順天堂大学医学部形成外科入局。 大学医学部付属病院等を経て、都内美容皮膚科クリニックにてレーザー治療の研鑽を積む。2011年3月 ソララクリニック開院 院長就任。2022年 医療法人 松柴会 理事長就任。日本美容皮膚科学会 日本形成外科学会 日本抗加齢医学会 日本レーザー医学会 点滴療法研究会 日本医療毛髪再生研究会他所属。
様々な医療レーザー機器に精通し、2011年ルビーフラクショナル搭載機器を日本初導入。各種エネルギーベースの医療機器を併用する複合治療に積極的に取り組む.
最終更新日