【ボトックス】ボツリヌス毒素は興味深い薬剤です。

2015年2月1日

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botox

ボツリヌス毒素はおもしろい。

ボツリヌス毒素は ボトックスビスタが特に有名です。目尻や眉間など 表情を作った時にできるシワに対して その部位の筋肉の動きを抑制し シワの改善を促すために使用されることが殆どです。「ボトックス注射」としてよく知られるように成りました。(当院では アラガン社製ボトックスビスタを使用しています。)

ボトックスの効果は 実は筋肉の動きを抑えるだけでは無いのです。

ボトックス注射は表情筋の動きを抑制

顔をしかめた時にできる 「眉間のシワ」に対して ボトックス注射を行うと 皺眉筋の動きを抑えるため、眉間にしわが寄らなくなります。目尻の「カラスの足跡」としても知られるシワも 笑顔を作った時に入るので その筋肉を抑えることでシワが寄りづらく成ります。

しっかり抑制することが良いことでもなかったりします。

表情を作った時にできるシワを治療するには 表情を作らないようにすると入りませんので、ボツリヌス毒素を使用した治療法はとても理にかなった方法です。しかしながら 表情が減るため 「目だけ笑っていない」などの状態になることもあります。このような点によって 敬遠されていらっしゃる方も多いため、ある程度効果を軽減した形で ボトックス注射を行ない マイルドな効果を得ることも出来ます。

調度よい感じで効果が出ていても 今度は(マイルドな効果なので)強く表情を作ればシワが入ります。そうすると効果が足りない とクレームを頂くことがあります。強く効かせれば表情が減ったと言われることになります。 「表情を作ってもシワが入らない」 これは大変困難な道ですが、肌のハリを回復させて シワが入りづらい肌の獲得を目指す必要があります。

【メソボトックス】 肌のハリを回復させて シワが入りづらい肌へ促す

ボツリヌス毒素は神経伝達物質の放出が阻害される結果、神経伝達が遮断される作用機序を保ちます。主に神経筋接合部に働くため筋肉の動きを抑制するのですが、皮膚内に投与すると 皮脂腺や汗腺などへ伝達している神経もブロックできます。これらの効果から 肌のハリ たるみ・小じわ キメの回復など 多岐にわたって効果が得られてくることが実践的にみられています。

この皮膚内にボツリヌス毒素をいれて 肌自身の改善を促す方法が メソボトックスです。

皮脂線抑制・立毛筋へ作用して毛穴を縮小

毛穴の開きには、皮脂腺抑制や立毛筋への作用による 毛穴の縮小効果が見られたり、皮脂腺抑制からニキビの治療にも効果が見られるなど 筋肉だけの作用では得られなかった様々な美肌効果が期待できるなど 肌質改善に効果を発揮してくれます。

このメソボトックスは 数年に一度 リバイバルして流行する傾向があります。 メソボトックス マイクロボトックス ボトックスリフト等 名前がついています。それぞれ異なるものだとお叱りを受けるかもしれませんが、皮膚内に投与して効果を得る点において同様なものと見て良いかなと思っています。

筋層まで注入せずに 皮膚内に入れることで マイルドにシワの改善ができます。 ボトックス治療の入り口としても良いと思います。ボトックス注射で表情が変わることが気になる(気になった経験がある)方にも 良い方法でしょう。

ボツリヌス毒素(ボトックス)で育毛

ボツリヌス毒素・ボトックスを頭皮に注入することで、育毛・発毛効果が得られたと 複数の文献等で断片的に触れられています。十分なデータを集めることができていないため 経験則的に行われているようです。

実際当院でも有志を募って行なったことがありますが、確かに育毛効果があリました。ボツリヌス毒素は逆説的に安全であるため、 メニューに載せようかと思いました。しかし、頭皮への注入方法を考えますと もしこの治療を伝聞のみで行おうとするクリニックが現れた場合にトラブルに成る可能性を考え メニュー化を見送った経緯があります。

汗も抑えます。多汗症ボトックス

まだ 外は十分寒いので希望される方も少ないですが、暑くなりはじめの時期は 汗を抑える治療が特に需要が高まります。脇汗ボトックス。脇の皮内にボトックスを注入することで 汗の量を減少させてくれます。

また、「手に汗握る」手掌の汗や、足底の汗にも ボトックスを注射することで汗の抑制ができます。ただ、手のひらや足の裏は 普通に注射するととても痛いのです。そこで ガス圧で瞬間的に皮内に注入できる機器がありますので、これで注入すると かなり痛みが緩和できます。そして「ゲートコントロール理論」を用いて更に痛みを最小限度に抑えることまで出来るようになりました。麻酔無しでできるようになったことは この治療の敷居を最小限度にまで低くしてくれました。

何事も 痛みは少ないほうが良いものです。

多汗症ボトックスについて

まとめ

ボツリヌス毒素は ボツリヌス菌が出す毒素です。ボツリヌス菌は食中毒で有名です。軍事目的などでも研究が行われてきた歴史があります。非常に長い間研究されてきたボツリヌス毒素は 逆説的に 非常に安全性が高いということが出来ます。

通常眉間・額などに使用する場合には10~20IU(国際単位)です。これに対して 致死量は3,000~30,000IUと言われています。 この量は 当院の在庫全てを一人の方に注入しても到底足りません。比較的多く使う部位では 脇の下の汗を抑える場合でも50IUずつ(計100IU) 手掌片側100IU(計200~300IU)であり 顔のシワと多汗症の治療を同時に行ったとしても 安全性が非常に高いことが理解していただけることでしょう。

ボトックスの治療は 筋肉の動きを抑えて シワの治療が出来るだけでなく シワ・タルミの改善や 肌質改善 ニキビ・毛穴のひきしめ 更には育毛など様々な応用ができます。非常に奥が深い治療法です。