PDT-光線力学的療法によるニキビ治療
ニキビの治療の際 光線療法を併用して治療を行っています。
より正確には光線力学的療法(PDT)と呼びます。
PDTとは
PDTとは「PhotodynamicTherapyフォトダイナミックセラピー」の略です。
特殊な光線を肌に照射します。すると皮脂線内のニキビの原因菌を駆除し、皮脂腺の活動と皮脂の分泌を選択的に抑制してくれるのです。
ニキビや、脂腺肌、Tゾーンなどのテカリ、毛穴の開き、背中のニキビ治療などに効果的な治療法といえます。
ニキビ菌などが皮脂を分解するときに産生するポルフィリンに この光が作用することで 上記のような効果が発揮されます。
重度のニキビに対するPDT療法
PDTにて重度のニキビ治療を行う場合、デルタアミノレブリン酸(ALA)と呼ばれる体内に存在する物質を使用します。内服もしくは外用すると(当院では外用のみ)、この物質は皮脂腺に集まりポルフィリンを産生していきます。
数時間(~2時間~)後 PDT治療器を使用して光を当てていきます。特殊 なフィルターで波長を設定された光が照射されるとポルフィリンが活性酸素を発生させます。活性酸素によって皮脂腺が破壊、同時に皮脂腺内に存在するP.Acnesアクネ菌も殺菌されます。すべての菌,皮脂腺が破壊されるわけではありませんので複数回の治療が必要ですが、コントロール不良のニキビ治療を考えた際には効果的な治療法と 考えられます。
当院ではPDT治療器の仕様変更(フィルターの追加、高出力化)に伴い、更に治療効果を高められるようにしました。
PDTによるニキビ治療
PDTによるニキビ治療では、元来体内に微量存在するポルフィリンが大きく関わっています。ポルフィリンには次のような特徴をもっています。
- 皮脂腺に多く集中する
- 光吸収・崩壊性を持つ
- P.acnes(アクネ菌)により発生しているニキビ付近のポルフィリン量が増大する
ポルフィリンが光吸収・崩壊する際に活性酸素が発生します。これによって皮脂腺の発生が抑制されます。
PDT治療のメカニズム
ニキビにより皮脂腺内のポルフィリン量が増大
↓
ポルフィリン吸収が高い波長の強い光を照射
↓
ポルフィリンが崩壊し活性酸素を発生
↓
活性酸素が皮脂腺の活動を抑制
↓
皮脂が減少し、にきびが出来にくくなる
PDT治療では、ポルフィリン量を一時的に増大させるデルタアミノレブリン酸等を使用することで治療効果を高めます。
この治療は、肌をにきびができづらい=皮脂の分泌の少ない肌に改善することを目的にしています。
2009年2月12日の記事を更新しました。