入れ墨・タトゥー除去を効果的に行うために
入れ墨除去(タトゥー除去)をレーザーで行う際には、技術的な問題点として以下があります。
- シングル照射で 皮膚深層の色素まで到達させなければいけない。
- 皮膚へのダメージを最小限度に留めなければいけない。
- 複数の色素に柔軟に対応しなくてはいけない。
上記2点を考えることが、刺青・タトゥー除去に必要な点です。
シングル照射で、皮膚深層の色素まで到達させる
刺青(タトゥー)にレーザーを照射すると、皮膚の中で、色素を持っている細胞が破壊され、気泡化が起きます。
表面から見ると少しモコッとした灰白色の状態になります。(しばらくすると収まります)これは レーザーのエネルギーが色素に瞬時に吸収され破壊・気化が起きるためです。
気泡化が起きているために、その上からレーザーを照射しても、深部の色素には反応してくれません。重ねてレーザーを照射していったほうが、治療効果が高いように思われがちですが、タトゥー除去には、あまり効果を発揮してくれないものです。
そのため、タトゥー除去の照射では、出力が高く設定できるレーザー機器が必要となってきます。
皮膚へのダメージは最小限度に留めなければならない
(かなりザックリとした説明ですが)高い出力出照射できるレーザー機器が必要となってくるわけですが、これに相反する点として、皮膚へのダメージは、最小限度に留めなければいけません。
通常のレーザーは、周囲の細胞ごと破壊してしまいますが、Qスイッチレーザーは、色素を持っている細胞を選択的に破壊します。非常に短い時間に、高いエネルギーを、色素を持つ細胞に与えることで、周囲の細胞に熱が伝搬する前に破壊することができます。
以上から、刺青タトゥー除去には、高出力照射ができるQスイッチレーザーが選択されるのですが、その他に治療が難しい色素も存在します。それぞれに合わせて、波長を選択して治療を行えることが、より必要になってきます。
複数の色素に対応
当院では、2種3波長の最新Qスイッチレーザーを用意しています。
刺青タトゥーには、様々な色素を使用されることが多いため、柔軟に対応することが必要です。
indication | 694nm ruby | 532nm KTP | 585nm Dye | 1064nm Nd-YAG |
---|---|---|---|---|
シミ | シミ | 表層のシミ | — | 暗め、深めのシミ |
刺青(Tattoos) | 黒 緑 暗めの色 | 赤 | 青 | 黒 暗めの色 |
アートメイク | 黒 暗めの色 | 赤 | 青 | 黒 暗めの色 |
外傷性刺青 | 治療可能 | no | no | 治療可能 |
様々な色素に柔軟に対応できることが、良い治療効果として現れてきます。