赤ら顔,毛細血管拡張症の治療

2011年6月14日

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長らく書いていませんでした,「赤ら顔」「毛細血管拡張症」の治療についてです。
いつかは,と思っていましたので、
今回は、赤ら顔,毛細血管拡張症の当院の治療方針について説明したいと思います。
近く、詳細ページも作ります。

なぜ、赤く見えるのか

なぜ赤く見えるのでしょうか? 赤ら顔や、毛細血管拡張症が赤く見えるのは、血流が悪くなっているからです。
赤く見えているから、血液が集まっているようで、血流が良いように見えるのですが、そういうわけではなさそうです。

運動しているときなどの紅潮とは、分けて考えてください。

通常、血流が良い状態というのは、白く見えるものです。赤血球が血管内をある一定スピードで動くことで、皮膚表面では、あまり赤みを強く見せるということはないのが通常です。頭皮が良い例です。炎症などが起こっていなければ、頭皮の良好な状態は、むしろ青白く見えると思います。髪に隠れているため日焼けなどしにくいから、なおさら分かりやすいと思います。

ところが、皮膚の血流が、何らかの形で悪くなると、毛細血管は、あまり出来のよくない血管でも作って、血流を確保しようとしてしまいます。このような毛細血管は、赤血球の移動スピードも低下し、そもそもの移動距離も増えるわけなので、単位面積内の赤血球量も増えてしまいます。これによって、赤く見えているわけです。

同じようなことが、お酒を飲んだ際にも一時的に見えます。お酒を飲むと、一時的に血管が拡張し、血圧が下がります。そうすると、赤血球の移動スピードが低下することで、単位面積内にある量が増加します。やっぱり赤く見えます。

見えている血管をつぶすのか、新しい血管を作るのか。

血流が悪くなっていることで、毛細血管が増えている,拡張している状態が赤ら顔,毛細血管拡張症の病態だとすれば、治療法は、おのずと決まってきます。

  • いらない血管をつぶす。
  • ちゃんとした血管を作る。
  • 血流を良くする。

3通りの治療方法があるということです。

いらない血管をつぶす。

一般的な、赤ら顔,毛細血管拡張症の治療は、「いらない血管をつぶす」ことで成り立ちます。赤血球に吸収されやすい波長を使った治療器を使用して毛細血管を破壊していきます。当院では、赤ら顔の治療に以下のレーザー機器を使用しています。

  • 光治療(BBL’s)
  • ロングパルスYAGレーザー(TATTOO STAR effect combo)
  • ダイオードレーザー(メディオスターmixT)

書いてみると、案外簡単そうに感じてしまうかもしれません。しかしながら、そうはいかないのが、赤ら顔,毛細血管拡張症の治療なんです。毛細血管は、単なる1本線で出来ているわけではありません。複雑に網の目状に繋がっているのが普通ですから、血管の一部をつぶしたとしても、他の道筋で血液が流れてしまうため、治療回数がかかることになります。
一回の治療効果を高めるために、高い出力で行えば良いように思うかもしれませんが、必要な血管まで治療してしまい、皮膚の陥凹が出来てしまうことさえあります。

良い塩梅で、あわてず、治療をしていくことが必要なのです。

新しい血管を作り、赤ら顔を改善させる。

皮膚から見える毛細血管,(それが血管状に見えないものであったとしても)それがあることには、理由があるはずです。何らかの原因によって、弱弱しくても血管を作らなければいけなかったわけです。栄養が十分に行き渡るための血管がダメになってしまったのか、皮膚が弱くなったために、血管を必要としたのか、色々あることでしょう。

このような見地で考えた場合、新しくちゃんとした血管さえできれば、側復血行路を使用する量は減ってくれるはずです。

このような考えで、行っていた治療法としては、リジェンACR療法(=現 PRP皮膚再生療法)があります。血小板内にある様々な成長因子(グロスファクター)の中には、新しい血管を作らせる因子もあります。肌状態の改善,若返り治療として使用されることを目的として美容皮膚科,美容外科領域で使用され始めていたころ、赤ら顔の改善にも効果があることに、気がつきました。(第1回ACR研究会にて報告しました。)
この方法は、効果があるときには、非常に効果的で、すがすがしいほどの改善がみられてしまうのですが、効果がない時には全く効果がないという、効果にばらつきがある治療法です。しかし、その改善力は、今までに見たことのないものでした。確率的な問題なのかもしれません。良いところに血管ができれば、改善するというものなのかもしれません。

PRP皮膚再生療法は、継続的に治療ができると、改善する確率が上がることになると考えられ、非常に良いのですが、自己多血小板血漿を作るために、あまり安価に行うようなことができません。

そこで、良いヒト成長因子製剤を使用することができれば、PRPと比較し安価に、継続的に治療を行っていくことができるのではと考えました。PRP療法でありがちな、内出血等を起こすこともなく肌質改善を促しながらできることになります。それが、グロスファクターメソスキン療法を導入することになった動機の一つです。使用開始から、2年が経過しようとしていますが、若返り治療としてはもちろん、赤ら顔の治療に良い結果を残しています。

絶対的な治療とはなりえませんが、新たな選択となりえると思います。

血流を良くすることで、赤みを改善

肌の血流が改善されれば、良いわけなのです。
実は、肌の血流を改善し、肌状態を改善させる治療器が存在します。にきび治療や、小顔効果、美肌治療としても最適でありながら、比較的地味なうえ、痩身治療機として日本に紹介されてしまったため、早々と廃れてしまった機械。カーボメッドです。

この治療機は、 皮下に炭酸ガスを注入し、酸欠状態を作ることで、血管内の赤血球から酸素が放出されることで、皮膚をはじめ周囲の組織の代謝が飛躍的に増加する効果があります。継続して行うことで、新生血管が作られ、皮膚への血流が改善されてきます。その結果、衰えた肌が改善するという優れモノの治療器です。肌がしっかりしてくるので、カーボメッドによってたるみが改善され、サーマクールの必要もなくなった方さえもいました。

その上、このカーボメッドは、副作用がない、なぜか滅多に内出血も起こさない、治療時間が大変短い(顔に限る)、何も制限がない(治療後お酒を飲んでも大丈夫)!など、安全性も非常に高いものです。

この治療機は、元々糖尿病や、下肢静脈瘤に伴う皮膚潰瘍の治療に使われていたものです。肌再生については、云わば折り紙つきなのですが、何の因果か、廃れてしまったのは、大変もったいないことです。

しかしながら、このカーボメッド,普及も早かったので、かなりの台数が全国にあると思います。赤ら顔の治療の第一選択とはなりませんが、肌がしっかりしてくることで薄くなった方も多いので、試せるようなら、試してみることも良いと思います。

1つ問題は、 治療間隔が非常に短いことです。最低週2回の治療はやらないといけません。週1回以下であれば、やらないほうが良い(効果がない)です。1回の治療時間は、両頬で、おおよそ5分程度なのですが・・・

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赤ら顔の治療は、色々と難しい面があり、治療法も、1面だけを考えるのではなく、多方面からのアプローチが必要です。
紹介した治療法は、決定的な治療法ではありませんが、それぞれ効果的なものであり、症状によって治療法の選択が異なっていきます。 状態に合わせた治療法を柔軟に提供できるよう、今後とも努力していきたいと考えています。

赤ら顔を書くと言うことは、酒さ(しゅさ)についても書かないといけませんね・・・