扁平母斑

2016年11月28日

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こんにちは 医師の柴原です。

下の写真は3歳女の子の手背に認められる色素斑です。

扁平母斑の写真

扁平母斑、別名カフェオレ斑といいます。

『生後まもなく明らかになる自然消退をしない扁平な褐色斑』と定義されます。

扁平という名のとおり、触ったときに周囲の皮膚から盛り上がらない母斑の一つです。

母斑というのは皮膚の奇形の一種です。奇形ですので、皮膚の構造物である表皮、真皮、皮下組織、皮膚付属腺のいずれかに通常とは異なる構造的変化がみられます。扁平母斑の場合には表皮と真皮の境界部にメラニン色素の沈着および増加がみられることが特徴ですが、表皮突起の延長や毛包の奇形的変化などが種々の程度にみられます。母斑細胞性母斑(ほくろの一種です)のような母斑細胞の増生は認められません。

悪性化はしないかつ、思春期に色素がところどころまだらに増強する以外は不変な色素斑ですので、治療対象は整容的な必要に応じて行われます。

メラニン色素をターゲットとするレーザーを照射することが基本治療となりますが、レーザー治療に難渋する色素斑の一つでもあり、一時的に改善してもまだらに再発することもあります。

再発理由については、いろいろな説がありますが、扁平母斑がシミではなく、あくまでも母斑であるということがキーポイントです。母斑が存在する皮膚組織では表皮や真皮、皮膚付属腺に、症例によって差はあるものの、何らかの奇形を生じています。無理なレーザー治療では瘢痕を生じることがあるといわれるのも、真皮内の膠原線維にも表面上問題にならない程度の奇形的変化があるからと考えられます。また思春期を過ぎると皮膚付属腺がホルモンによって過形成になりますので、思春期以降に再発例が多い原因になっていると考えられます。

扁平母斑に関してはこういうことから、治療開始年齢は早いほどよいと報告されています。

治療に関して 当院では ルビーフラクショナルレーザーを第一選択として行っています。

ルビーフラクショナルレーザーが 他のレーザーより扁平母斑の治療においてすぐれている点は 被覆が不要であるだけでなく 治療が難しい色素斑であっても少しずつ色素をぼかしていくことができるという点です。

扁平母斑は 成人の10%程度にみられるといわれる、ありふれた色素斑の一つです。お子様でも 場所によっては気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

次回のブログでは病理組織像の提示および3歳女児(娘です)の治療経過についてご報告いたします。

柴原