最近の酒さの治療法について
毛細血管拡張症,赤ら顔の治療と、酒さの治療は、治療内容が少し異なってきます。
※ 酒さ治療については、下記ページにまとめています。参照ください。
酒さの治療
酒さ とは
中年以降に主として顔面に生じる原因不明の慢性炎症性疾患で、紅斑性酒さ(こうはんせいしゅさ)、酒さ性ざ瘡(しゅさせいざそう)は女性に多く、鼻瘤(びりゅう)は男性に多くみられます。
赤ら顔の多くが、 酒さ ではないかと言われていたりしますが 不明です。
1度酒さ 紅斑性酒さ | 皮脂腺の増殖によって、毛細血管が拡張することで、赤ら顔となっている状況。 皮脂の分泌が多くみられます。 |
2度酒さ 酒さ性ざ瘡 |
赤みに加えて、ニキビ様湿疹ができてくる状態。 皮脂の分泌がさらに多くみられます。 |
3度酒さ 鼻瘤 | 皮脂腺の増殖によって、毛穴が広がり、鼻の変形がみられている状態 |
お酒とは特に関係がないようです。その上女性に多い疾患です。酒飲みの男性に多いと思っている方も多いと思います。
酒さの原因
酒さの原因は、わかりません。
ニキビダニ[Demodex folliculorum]が原因と言われたり、ビタミンだったり、香辛料だったり、食生活だったり。 色々言われます。
いずれにせよ
(何らかの原因によって)皮脂腺が発達し、毛細血管が拡張した状態 ですので、 治療方針が明確になりづらいものですが、当院では、下記の形で治療を行っています。
治療法
具体的には、プラズマ・ YAGレーザーの使用を検討します。
発達した皮脂腺の抑制,それに伴う毛細血管を治療していくことが必要となります。
あまり毛細血管のみを主体に治療してしまうと、あまりうまくいかないような感じがします。
エクソソームは、炎症性疾患の抑制に効果が高いとされています。赤みの改善に効果的な場合も多く、皮膚自身の疲弊によって、再生が阻害されていることも踏まえると、より積極的に使用することも検討できるでしょう。
外用剤としてメトロニダゾールやイベルメクチン 血管収縮剤等を使用します。
酒さ治療の新たな選択肢
また、ボツリヌス毒素が、酒さの赤み(+ほてり炎症)を軽減する効果が期待できるとも言われており、検討できる選択肢となっています。
更に最近は、マイクロボトックス, ジュベルックなどのPDLLA製剤が、酒さの症状軽減に効果が得られているとの論文が出てきており、実際当院での治療でも 症状軽減を経験しています。
更に 皮膚内へ均一・綿密に薬剤送達を針無で実現した「ミラジェット」を使用することで、麻酔無しで治療が可能となりました。
酒さ治療の詳細ページを参照ください。
※2025年04月20日更新
まとめ
酒さの治療法については、新たな選択肢が、いくつか出てきており、奏効するケースも多く経験するようになってきました。
針を使用せず 肌に直接薬剤を送達できるミラジェットのような機器を使えるようになったことで、表面麻酔が使用しづらい(荒れやすい)肌状態の方への選択肢が増えたことは、良い傾向であると考えています。
この記事を書いてから10年以上が経ち、ことあるごとに 現在の知見を踏まえ更新をしてきています。今後も常にアンテナを張りつつより良い治療を提供できるように努力したいと思います。